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045MikaのNY便りMikaのNY便り ] 2015年05月12日
マンハッタンで家を買う<4>(クロージング)

寺尾美香

苦労の甲斐あり、無事に書類選考通過、マンションのボードメンバーとの面接日が決まりました。
久々にジャケットに袖を通しヒールの靴を履き、少し緊張しながら指定された部屋に向かいました。

応接間みたいなところで、スーツを着た人たちが出てくるのかと思いきや・・・・

ポロシャツ短パン、ワイングラスを片手に「Hi !」と陽気なアメリカ人のおじさん登場。3人のボードメンバーが素敵なリビングに迎え入れてくれて、談笑すること約40分、あっさり終了しました。

 

最後に「君たちにおみやげがあるよ」と、あの分厚いファイル3冊を返却されました。
 
こういうものは1冊は管理室のロッカーに鍵をかけて保存しておくのかと思っていたので些か意外でしたが、もう必要ないようです。
 
うーん、これは良かったのか?悪かったのか?
 
よくわかりませんでしたが翌日エージェントから
「おめでとうございます。通過しました!」
と電話があり、これでいよいよ購入が現実味を帯びてきました。
 
最終段階、クロージング(物件引き渡し)に向けてローンを借りる銀行から承認の最終回答を待ちます。
 
指折り数えて待つこと1週間。
「まだ審査中」との返事。
 
ところが、、、何日待っても担当者はうんともすんとも言ってきません。
のらりくらりとした対応に、ヤキモキし、だんだん心配になってきました。
 
というのも、急がないと作成した書類が期限切れになってしまい、また最初から全てやり直しになってしまうのです。
 
連日プッシュし3週間後、ようやくきた返事はまさかの「No」!!!
 
なんとローンがおりませんでした。。。
 
目の前真っ白。
顔面蒼白のダンナ。
うろたえるわたし。
 
これまでの苦労は全て水の泡、あきらめるしかないか。
 
で済めば、まだいいのですが、売り手とは既に成約済みなのです。
買い手の我々が購入を途中放棄する場合には罰則が課せられると、契約書に明記してあるというではありませんか。
 
しっかり読みこめていなかった、、、、
 
その罰金、数百万どころではありません。
ゼロがもうひとつ多い、、、
 
ダンナ顔面土色、埴輪状態。
わたし、ムンクの叫び状態。
 
どうする我が家。
アメリカ生活、早くも最初の大ピンチ・・・・

 
やっぱり家を買うなんて無茶するんじゃなかったか。
どうやってこの危機を乗り越えれば。
 
ダンナ、銀行の担当者にすぐさま連絡し、よくよく理由を追求してみると意外なことが判明しました。
なんと、今住んでいる賃貸の家賃まで30年負債でカウントされていたのです。
 
そりゃムリだわ、、、
 
直ちに訂正を求め、賃貸の残りのリース期間分の家賃を全て前払いし、退出証明を提出、期限の切れてしまった書類の期日延長を求め、再審査を依頼しました。
 
それにしても大手銀行が、なんという初歩的なミスなのでしょう。
そんな常識的なことが、どうしてわからないのか。。
 
にわかには信じられませんでしたが、先方に言わせるとミスでもなんでもないというからさらに驚きです。申告しなかったこちらの過失、なんだそうです。
だからって持ち家だなんて一言も言ってないのに・・・。曖昧なら確認とかするでしょ、普通。
でも、この"普通"が通用しないのがアメリカ(泣)
 
そうこうして再審査の結果をはらはらドキドキ待つこと約2週間。
売り手から、これ以上は待てないと言われている期日の前日夕方に無事にローンがおり、クロージングに至ったのでした。
 
銀行との一連のやりとりで神経が擦り減っていたダンナにはもはや喜ぶ気力さえ残っていない様子、ほっと胸をなでおろすのが精一杯でした。。。。
 
振り返ってみると、クロージングに至るまでの1ヶ月は綱渡りの連続でしたが、あの時、ローンの審査に落ちた理由をしつこく追求せず、ただ、あきらめていたら、再審査を要求しなかったら、、と思うとゾッとします。
 
自分が動かなければ誰も何もしてくれない、自己主張が大事、と頭ではわかっていたつもりでも、実感としてこれほどまでに強く感じたことはありませんでした。
 
絶叫ジェットコースターに乗って振り落とされそうになるダンナを、固唾を呑んでただ見ているしかできなかった私ですが、今回の経験が大きな学びとなったことは間違いありません。
 
例えばこれから娘の第一志望の学校にもし、抽選で落ちてもすぐに「まあ、しょうがないか」などと、あきらめてはいけないのです。粘り強く電話し続けて、交渉し続けなければいけません。実際にそれで、空きが出たタイミングで入れたという話もよく聞きます。
 
この国で、本当に得たいものがあれば、簡単にはあきらめない!
 
自分で確かめて、自ら動き続けることでしか得られないものがあることを、身をもって知ったのでした。
 

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