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030ファカルティズ・コラムファカルティズ・コラム ] 2005年03月08日
組織と社会に「コラボレーション文化」を(その1)

こんにちは!
今回からこのコラムを担当させていただく桑畑(クワハタ)です。
私は慶應MCCの専任講師として、現在『ファシリテーション実践』『目に見えるロジカル・シンキング』『本質課題発見セミナー』といった思考・コミュニケーション系のプログラムを担当しています。

そうした自分のフィールドを通して、少しでも皆さんにとってプラスとなる情報を発信していきたいと思いますので、お付き合いのほど宜しくお願いします。とはいえ、あまり堅い話をするつもりもありませんので、気楽に読んでいただいて、ご感想やご質問などいただければ幸いです。
シェアすべきご意見に関しては、ここで取り上げさせていただくかもしれません。

初回ということもありますので、まずは私自身のここまでの歩みをご紹介しながら、私のメイン・テーマである『コラボレーション』についてお話しさせてください。

慶應MCCで講師になる前、そう、10年ほど昔の話ですが、私は某情報通信メーカーで新規事業企画プロジェクトのリーダーを務めていました(実際は別に誰がリーダーか決まっていたわけではなく、最年長の私がスポークスマンの機能を担っていただけなのですが)。我々はこのプロジェクトでどのような分野の新規事業を企画するか議論を続け、そして「ITによるコラボレーション支援」にたどり着きました。

ITによるコラボレーション支援というと、所謂“グループウェア”を思い浮かべる方が多いかもしれません。確かに名前の通りグループウェアとは、グループ作業を支援するソフト群の総称で、主な機能として電子メール・グループスケジューラ・電子会議室・電子掲示板・ドキュメント共有・ワークフロー等を備えています。皆さんがお仕事で使っているLotus社のNotes、Microsoft社のExchange等が代表的な製品です。
さて、このグループウェア。売り文句として、「ネットワーク上のコラボレーション」などという言葉が使われることがあります。要は「Face To Faceの会議をヴァーチャルに再現しました」ということでしょう。

なるほど、時間と空間の制約から解き放たれ、それもあたかもFace To Faceの時と同じように会議ができたら、それは素晴らしい・・・・・・ことですか?

確かにネットワーク上の会議は、多忙かつグローバルに活躍するビジネスパーソンにとって非常に効率的かつ必要な活動です。さらにそれでコラボレーションできたら素晴らしいことだと思います。しかし、何かが引っかかるのです。

「Face To Faceの会議をヴァーチャルに再現」・・・“Face To Faceを再現”
「いつものFace To Faceの会議が再現されて、それであなたはいいのですか?」

単刀直入に言いましょう。
「ネットワークで、などと言う以前の問題として、Face To Faceの会議ですらコラボレーションできてないのではありませんか?」

皆さんが日常参加されている、まさにFace To Faceの会議やミーティングを思い出してみてください。そこでは活発な議論が行われていますか?議論の成果として、自分一人の力では出てこなかったアイデアや問題解決策は生まれていますか?
ひょっとしてその会議は、議論の場というより説得と承認の場になっていませんか?
それとも、いつものあの声の大きな人の独壇場ですか?
まさかみんな「言った者負け」が怖くて、沈黙したりしてませんよね?

そうです。我々がいつも多大な工数をかけている「会議」の実態がこれなのです。
ちなみにある調査によると、企業の管理職は全工数の約半分を会議・打合せに費やしているそうです。しかしこのような有様で、本当に会議にそれだけの時間を割く必要があるのでしょうか。会議なんて、いっそのこと全て廃止してしまえばいいのではないでしょうか。

しかし、それはできません。いや、グループウェアが一般的になった今こそ、Face To Faceの会議を大切にし、そこでコラボレーションを実現すべきだと考えます。
前述のプロジェクトでも我々はそう考えました。
「まず、Face To Faceの会議にフォーカスし、そこでのコラボレーションをITで支援することを検討しよう」

我々はテーマに恵まれていたのかもしれません。なぜなら、ごく身近に我々自身という“観察すべきサンプル”がいたからです。つまり、コラボレーション支援を研究する我々にとって、「コラボレーションしようと悪戦苦闘する我々」以上の研究対象は存在しないのです。

そして我々は、さまざまなITやメディアを使いながら議論を始めたのです。

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