2013年7月のエントリー 一覧

「過去を、どれほど理解出来ているのだろうか?」
「過去を、より正確に理解することは、とても難しい」
講演が始まって、まず僕が思ったことである。

今、僕らの目の前に存在する世界、目の前で起きている現象を理解するために、萱野氏は、過去に遡った。

「経済の成長はいつから始まったか?」

経済の成長を軸とした文明の進歩によって、多くの人々が経済的な豊かさを享受できるようになるまでの時間は、僕が何となく思っていた長さよりも短く、ここ200年程度のことである。

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夕学五十講からの帰り道は、毎回気分が異なる。
理解できなかった内容を反芻しながらぼんやりと歩くこともあれば、講師の言葉に刺激され大股で闊歩することもある。講師の冗談を思いだし、思わずニンマリすることもある。

宮本亜門氏の講演を聞いた帰り道は、不思議な気分に包まれていた。
東京駅の雑踏のなかで見ず知らずの人たちとすれ違いながら、私は、行き交う人々の体温を感じていたのだ。

ほろ酔い加減のサラリーマン。「30%引き」の値札を手に声を張る店員。スマホの画面を見ながら歩く女性。手をつないだカップル。
いつもと変わらない光景は、まるで、無彩色の街のなかで人間の周りだけがやわらかな光を放っているような、一人ひとりが温かい熱を発しているかのような、そんな思いがした。いや、あの日の夜は、実際に街がそう見えた。
 

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安藤さんの講演を聞いてみたい、と思ったのは、ブレイク前の安藤さんをほんの少しだけ、知っているからだった。

略歴によれば、1980年生まれで、集英社にてファッション誌の広告営業と書籍単行本の宣伝業務経験を積み、2011年1月独立。ソーシャルメディアでの発信を駆使し、一切の営業活動をすることなく、多種多様な仕事を手がける独自のノマドワークスタイルが、『情熱大陸』で取り上げられる、とある。

難関を突破して、華やかなマスコミ業界に職を得た安藤さんだが、とにかく最初は仕事ができず、「二年目にはほとんどの仕事を干された」という。
どうやら、これは、広告という仕事に興味が持てず、本腰が入らなかったということらしい。
そのうち、身体が不調となり、医者から「抑うつ状態」と判断され、ついに身体が全く動かなくなり、半年間の休職をする。

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講演者の三宅秀道先生は、2012年に一作目の著作となる『新しい市場のつくりかた』を出版。経営史の学問からキャリアをスタートされ、その後ベンチャー論、ものづくりの現場の徹底調査、そして文化人類学と、ユニークな調査研究経験を総動員して書かれたのがこの一冊だったそうです。

今回の講演タイトルは著作名を冠した『新しい市場のつくりかた』――「新しい市場をつくる」というこのテーマは現在のビジネスの世界では、企業規模を問わず、職種・職階横断的テーマとなりつつあります。三宅先生は「ものづくり」を担ってきた日本国内の多くの、特に中小企業の経営・商品開発の観点から、このテーマを語っています。

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古市憲寿氏、「若者論」で注目を集める若手の社会学者。

のっけの挨拶、しゃべり出しは、"イマドキの若者"らしさ全開?、緩く、ふざけた?感じ。

そんな態度にのまれず、惑わされず、彼の言うことの中身を聴き取ろうと努力したが、講演の最中は最初に受けた嫌な感触がなかなかほどけず、彼が最後の質疑応答に答える際垣間見えた生真面目さで、やっと人間らしさを感じた気がした。
それまでは、彼に、データのみ並べていく感情のないコンピュータに近い感じを受けつつ、聴いていた。

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例えばお寺や展覧会などで仏像を前にして,
どうしてこの仏像が造られたのか?
と考えたことはあるだろうか?

・・・書いておいて何だが、私はなかった。
そこに在れば、何となく拝む、ありがたく思うという程度である。

そのような仏像鑑賞ビギナーである私が、
今回、興福寺館長である金子哲明先生の講演会に伺った。
先生は、古代の人々がどのような思い・考えで仏像を造ったのか? 国家としての仏像の在り方。主に、その思惟が奈良の薬師寺にある薬師三尊像にどう表現されているか、スライドを映し出しつつご説明された。


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今感想を書こうとしている私の手元には一切メモがない。
それくらい、目が離せないひとだった。

アガワさんは、私の中では「表紙のマンボウがかわいい」という理由だけではじめておこずかいを出して買った本の著者である北杜夫の友人であり、「瞬間湯沸かし器」の異名を持つ作家阿川弘之の娘さんという印象しかない。残念ながら普段の生活ではテレビを見ないので、近年のご活躍についてはまったく存知あげなかった。そうか、あの女の子はこんなに立派になって。と相手が年上にも関わらず妙に懐かしい気持ちになった。

だからインタビューという仕事が、自分の仕事に関連していなかったら郷愁以上の感情は持たなかったかもしれない。しかもタイトルが「聞く力」。これこそもっとも私に欠ける資質の一つである。

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「阿川さんってさ、空っぽの器みたいなんだよな。その器を埋めたくなって、ついしゃべっちゃうんだよね。」
とは阿川さん友人、大竹まことさんの話。
そんな阿川さんの「聞く力」の秘密、ひいては「空っぽの器」になるヒントが聞けるかもしれない!と興味深々、講演に参加した。

会場に入ってまず驚いたのが客層。普段、比較的男性が多い夕学五十講には珍しく、老若男女幅広い層が座っている。年齢が高い女性の姿も目に付く。「これが141万部のマスの力?」など思いつつキョロキョロしている間に18時30分に。
司会の紹介後、にこやかに登場する阿川さん。
「阿川佐和子です。身長は公称150なんですが、最近縮んで149くらいなので、だいたいこうゆうところ(演台)に来ると、半分くらい(姿が見えなく)なくなるので、こちらで。」と、笑いをとりながら演台の横に。

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中国において、「中国共産党」と「憲法」、どちらが上だと思いますか?
そりゃ国の最高法規である憲法が上だろうと思ったアナタ、残念。不正解です。
中国共産党の機関紙には最近、「憲政は社会主義体制の崩壊の道である」という趣旨の見解が示されたとのこと。中国共産党の存在は、憲法をも超越するんですね。

では、その中国共産党は盤石でしょうか。
今回の国分先生のお話をうかがい、私が抱いたイメージはこうです。

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夕学五十講

このサイトは、慶應丸の内シティキャンパス(慶應MCC)が主催する定例講演会『夕学五十講』を受講した方々による講演レポートを掲載しています。

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