東京大学出版会。
薄っすら映る「縦書き」の枠。
その枠を全く無視し、「横書き」に手書きで綴った、講演内容と本の引用ページ番号のメモ。

僕は、配られたこの資料を一見して、約20年前の、大学時代の、大講堂の、静かな講義の記憶に、引きずりこまれた。

坂野氏は、お歳のせいか、体調が悪いのか、やや聞こえにくい声で、講義はたんたんと始まった。
著書「日本近代史」(ちくま書房)という学校の教科書を思わせるタイトルの本を出版した著者は、正に、間違いなく、学校の講義のように、講演を始めた。


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