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自分で決める「新しい生き方・働き方」 島田由香さん

島田 由香

それまで散らばっていた思考が、ふとしたきっかけで全てがつながるような感覚を覚えることがある。私にとって、今回の島田由香さんのお話は大いなるきっかけとなった。

私はフリーランスのWebデザイナーなのだが、制作だけでなく講師業にも従事している。現在進行中の新入社員研修では、講師として技術を伝える以外に、社会人の先輩として彼らが抱えている悩みや不安に向き合う毎日だ。
新入社員たちのネガティブな感情を少しでも和らげて、将来の希望に変換してあげるにはどうしたら良いのか。なかなか考えがまとまらないこの時期に、島田さんのお話を聴けたのはラッキーだった。

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選びとる才能と選ばれるための戦略 正能茉優さん

正能茉優株式会社ハピキラFACTORYの社長であり、大手電機メーカーの社員であり、さらに慶應義塾大学大学院の特任助教でもある正能茉優さんは若干28歳。有識者として政府機関に招かれたりテレビのコメンテーターも務めるなど、その実績からは女性特有の華やかさだけでなく骨太な印象も受ける。

起業までの道のり

講演は、正能さんがご自身のキャリアを語るうえで欠かせないハピキラFACTORYの設立にまつわるエピソードからスタートした。

大学時代、「町づくりインターンシップ」の制度の存在を知った正能さんは、特に深い考えもなく長野県小布施町に出向く。最初は「何もない町だなあ」程度の感想しか持たなかったが、2週間ほど滞在するうちに小布施の人たちに魅力を感じ、さらには町そのものが大好きになったそうだ。
この出会いによって「幸せ」の価値観すらひっくり返された正能さんは小布施の魅力にとりつかれ、小布施と東京をいったりきたりする暮らしを始める。

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No忖度上等! 望月衣塑子さん

望月衣塑子のっけから恐縮だが、いやはや、すごい講演だった。望月衣塑子さんの熱量に圧されっぱなし。質疑応答まで含め、めくるめくドトウの2時間15分だった。

レビュー担当の講演は細かくメモを取りながら聴講するのが常だが、今回は開始10分でペンを置いてしまった。望月さんが十分な配布資料を用意してくれていたから、というのもあるし、ペンが追いつかないほどの言葉の洪水に圧倒されたから、というのもあるが、何より「メモに気を取られてこの場の空気をつかみ損ねてしまうのが惜しい」と感じたからだ。

話しはじめた瞬間に、小柄で華奢な体型からは想像できない、たいそう大きなパワーを内包している方だということがわかった。第一声からラストまで息切れすることなく一気に語りつくした2時間強。この原動力は、いったい何なんだろう。

「忖度しない」ことの価値

望月さんが特に注目されるきっかけとなったのは、官房長官記者会見をめぐる官房長官および官邸報道室との攻防だ。社会部記者の望月さんは政治部の記者とは異なる作法で会見にのぞみ、結果、会見においてさまざまな妨害を受けることになる。

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革新者の孤独な闘い 平尾成志さん

平尾成志盆栽がテーマの本講演、"登壇者は作務衣を着たおじいさん"と勝手に決めつけていた。
ところが、ステージ上にあらわれた平尾成志さんは日焼けした細マッチョな体型によく似合う黒いジャケット姿の若者。すらりと伸びた足、うしろでひとつに束ねたイマドキのヘアスタイル、見れば見るほど"BONSAI"より"EXILE"の風情だ。
まるでダンサーのような佇まいのこのイケメンが、文化庁の命を受けた文化交流使として世界各地で盆栽普及につとめたというのだから、そのギャップにただただ驚かされる。

講演は、平尾さんと盆栽との出会いからスタートした。
将来を考えあぐねていた大学時代、京都にある東福寺方丈庭園を訪れた平尾さんは"浄化されるような感覚"を抱いたそうだ。「で、庭園の美しさに感銘を受け盆栽の世界へ」という流れで話が進むと思ったのだが、次に続く言葉はわたしの想像と異なるものだった。平尾さんはこのとき何より「文化を継承することの素晴らしさ」に目覚めたのだという。庭園の美しさはもちろんのこと、昭和初期に創られたものが、形を変えずに今日まで管理され続けていることに衝撃を受けた、と。

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知性と情熱に彩られた「道」 池田理代子さん

池田理代子この日の客席は圧倒的に女性が多い印象。「ベルばら」世代の40代、50代が目立つ。いつもよりも柔らかな期待感に包まれる中、壇上にあらわれた池田理代子さんはビビッドなピンクのワンピース姿。お年のことに触れるのは無粋と知りつつ、つい言いたくなってしまう。72歳とは到底信じられない華やかさ、美しさだ。

講演タイトルは「私の歩いてきた道」。
「わたしの話を聴きたい人なんて居ないんじゃないかと思って」と、少女漫画の巨匠に似つかわしくない謙虚な第一声から始まった講演は、夕学五十講では珍しいインタビュー形式。漫画家の他に声楽家の顔も持つ池田さんは、人前に立つことには十分に慣れておられるはずだが、両手でマイクを持つ姿からは少しの緊張が伝わってきた。

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