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第9回 11/9(火) 川口淳一郎さん 「はやぶさと日本の宇宙開発」

第9回 11/9(火)の登場いただくのは、JAXAの「はやぶさ」開発プロジェクトマネジャーの川口淳一郎先生です。

「はやぶさ」帰還のニュースは、日本の宇宙開発の底力をわたし達に示してくれました。丸の内のJAXAで開催された「はやぶさ」カプセル展示イベントには、連日多くの方が見学に訪れた聞いています。

川口先生は、1955年生まれ、少年時代に見たアポロの月探査やバイキングの火星探査の偉業に感銘を受けて、宇宙工学研究の道を志したそうです。
「はやぶさ」開発ではプロジェクトマネジャーとして活躍をされました。
聞くところによれば、「はやぶさ」は7年間のプロジェクト期間の間に、絶体絶命の危機に何度も遭遇したとか。
ミッション成功の陰に隠されたご苦労と、今後の宇宙開発の展望を聞きたいと思います。


第8回 11/1(月) 金井真介さん 「社会を変えていくプラットフォーム ダイヤログ・イン・ザ・ダーク」

第8回 11/1(月)の講師は、ダイヤログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン代表の金井真介さんです。

「暗闇体験」という新しい体感型エンタテイメント&教育「ダイヤログ・イン・ザ・ダーク」を日本に紹介した金井真介さん。いま注目のソーシャルアントレプレナーです。

「ダイヤログ・イン・ザ・ダーク」をご存じない方は、まずこちらのサイトをご覧になってください。DIALOG IN THE DARK http://www.dialoginthedark.com/

そして、出来れば神宮前に行って、一度体験をされることをお奨めします。
私も、7月に体験してきました。言葉で説明し難い、なんとも言えぬ感動的な体験でした。案内をしてくれる「アテンド(視覚障害者)」の方の、的確な導きに感心をしました。

老荘思想(中国古典)の真髄は、「見えないもの見ること」にあると言いますが、何も見えないからこそ、研ぎ澄まされる感覚機能があることを身をもって確認できたという気がします。

ドイツで生まれた「ダイヤログ・イン・ザ・ダーク」にいち早く着目し、使命感をもって日本で普及に尽力する金井さんから、もうひとつのコミュニケーション論をお聞きしたいと思います。

第7回 10/25(月) 松尾睦さん 「経験から学ぶ力」

第7回 10/25(月)は、神戸大大学院教授の松尾睦先生です。
マーケティングと組織論の境界領域を、「学習」という切り口で研究しているという松尾先生。
凄腕営業マンは、どうやって成長していくのかという「営業熟達化」研究や、人は仕事現場での経験からどのように学んでいくのかといった「経験学習」研究など、質の高い実証研究を重ねていらっしゃいます。
企業の人材育成担当者、営業教育の企画立案者には、是非とも聞いてほしい講演です。

MCCでは、東大の中原淳先生が担当する「ラーニングイノベーション論」のゲスト講師としても登壇いただいており、私もよく存じ上げていますが、温厚かつシャープな先生です。

営業や職場での経験学習は、我々実務家からすると、きわめて身近な問題なのですが、実は日本では専門に研究している人が少ない分野です。松尾先生は、若くしてすでに、この領域の権威といってよいのではないでしょうか。

「研修なんて、いくらやっても無駄、実践教育が一番だよ」と断言する方は多くいらっしゃいますが、それでは、実践の場で、人はどのように育っていくのか? 仕事で育つ人間、育てる職場・上司とそうでない人間、職場・上司との違いな何なのか?といった問いにピッっと答えていただける例は多くはありません。

「人は仕事で磨かれる」というのが丹羽宇一郎さんの名言ですが、そこには必ずメカニズムがあるはずです。仕事で育つ人間には、仕事経験を通じて学ぶ力を備えているに違いありません。

松尾先生の豊富な実証研究事例を題材に皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

大久保恒夫さん 「小売業経営のプロに聞く」 10/21(木)

第6回 10/21(木)の講師は、株式会社成城石井代表相談役の大久保恒夫さんです。

大久保さんは、日本で数少ない小売業経営のプロだと言われています。
イトーヨカドーで小売業を学び、独立後は、ユニクロや良品計画の経営改革、再建に力を発揮してきました。
2007年には、苦境に陥った高級スーパー成城石井の社長に就任し、見事経営再建を果たされ、9/1付で相談役になっていらっしゃいます。

カルフールやウォルマートなど世界の巨人も苦戦を続けている日本での小売業ビジネス。世界で最も厳しい評価眼をもった日本の消費者の支持を得て、勝ち残るのは容易なことではないようです。
GMSからファッション、ドラック、食品まで幅広い業種で小売業の経営に携わってきた大久保さんに、脱デフレの戦略を伺います。

上田泰己さん 「体内時計が示すもの」 10/20(水) 

第5回 10/20(水)に登壇していただくのは、理化学研究所の上田泰己先生です。
上田先生は、システム生物学、機能ゲノミクスを専門にする弱冠34歳の新進気鋭の生物学者です。
東大医学部時代から、その才能は周囲の注目を集め、将来を嘱望されるライジングスターだそうです。バイオサイエンスの世界では日本が世界の先頭グループを走っていると聞きますから、将来のノーベル賞も夢ではないかもしれません。

上田先生が研究しているのは、脳の中心部で刻まれるという「体内時計」です。その狂いは病気の原因になるとされ、その解明は新薬や治療法の開発に繋がると期待されているそうです。
世界で初めて体内時計のずれを簡単に測定する方法を開発し、更なる研究を進めている上田先生に、生命科学の最前線をお聞きします。

中村安希さん 「世界を歩く」 10/14(木)

第4回 10/14(木)の講師は、ノンフィクション作家の中村安希さんです。
中村さんは、2006年6月~2008年5月までの2年間、「アジアパシフィック医療改革フォーラム」へのレポート形式をとり、世界各地の生活、環境、衛生、医療、教育を探る旅を続けてきました。
その経験をまとめた『インパラの朝』は、開高健ノンフィクション賞を受賞し、話題になりました。

その昔、『なんでも見てやろう』の精神で世界を旅した小田実さん、ユーラシア大陸をバスで横断し、『深夜特急』を書いた沢木耕太郎さんと、辺境の地を旅する若者はむさ苦しい男と決まっていましたが、中村安希さんは、クールビューティーといった感じの美女です。とはいえ、目尻には意志の強さを感じますね。

45Lのザックに必要最低限の荷物を積み込み「現地の生活に密着する」ことをモットーにアジア・アフリカを旅したという中村さん。
旅を通してみたもの、感じたことをお話いただきたいと思います。

夕学パスポート

夕学五十講では、これまで「全回予約席」と呼んでいた全25回通しのチケットを、「夕学パスポート」と名称変更しました。
これに伴い、パスポート購入の方には、夕学の招待券を2枚贈呈いたします。(今期内有効) 奥様やお子さん、ご友人・同僚・後輩など、是非夕学を聞いてもらいたい方をご招待ください。
(ただし、満席の時には使えませんのでご注意を!!)

「夕学パスポート」を購入していただいた方には、後日利用方法についてご案内をします!!

「夕学パスポート」についてはこちらを
https://www.sekigaku.net/Sekigaku/Default/Profile/Price.aspx

「夕学五十講」でもtwitterを始めました

先週、「夕学五十講」でもtwitterを始めました。
満席になりそうな講演の予約状況や、ブログの更新情報、講師の最新情報などをタイムリーにアップしていきます。

特に、予約については、「予約しようかと思っていたら満席になった」「満席だったのであきらめていたら空席になった」など、お叱りをいただく場合もありました。
夕学は、完全にオープンなシステムにしてあるので、日々刻々と予約の状況が変わります。空席講演があっという間に満席になることもあれば、満席講演に突然空席が出ることもあります。

twitterで出来るだけこまめにお知らせしますので、是非フォローをしておいていただければと思います。

夕学twitter
http://twitter.com/sekigaku

中尾政之教授 「失敗の予防学」 10/13(水)

第3回 10/13(水)は東大大学院教授の中尾政之先生です。
畑村洋太郎氏(当時東大教授)が提唱を始めた「失敗学」という領域があります。科学技術の世界で起きた古今東西の失敗事例を徹底的に調べ上げ、「なぜ失敗するのか」というメカニズムを明らかにしたことでたいへん話題になりました。

中尾先生は、畑村先生の系譜に連なる方で、いわば「失敗学」の継承者という立場です。
8年前に畑村先生が夕学に登壇された時のメモを見たら「ハインリッヒの法則」という説を紹介していただいたようです。
1件の重大な失敗の陰には、29件程度のかすり傷程度の失敗があり、そのまた陰には、300件程度のヒヤッとした経験が存在するというものです。
失敗を予防するには、29件のかすり傷や300件のヒヤッと体験をしっかりと検証し、そうならないための対策を取ることなのかもしれません。

一方で、「新たなチャレンジの99%は失敗をする」という名言も残されました。
失敗を怖がるばかりに行動をしなければ、成功もありません。
要は、失敗そのものが問題なのではなく、その失敗からどれだけ学習したのかが問われるべきだということでしょう。

「失敗学」第二世代の中尾先生が、畑村先生の経験をどこまで発展的に継承されているのか。興味深いところであります。

楠木 建教授 「ストーリーとしての競争戦略」 10/6(木)

第二回、10/6の登壇は、一橋大学大学院ISC教授の楠木建先生です。
夕学は6年ぶり、3度目に登壇となる楠木先生。多くの皆さんもご存じのように、講演でオーディエンスのココロをがしっと掴むパフォーマンスが出来る数少ないアカデミシャンの1人です。
今回は、戦略論の書籍としては画期的な販売数を上げているという話題の書『ストーリーとしての競争戦略』にちなんだお話になります。

「優れた戦略とは、思わず人に話したくなるような面白いストーリーである」
そう喝破する楠木先生。
ポーター流の「ポジショニングアプローチ」、バーニーの主張する「リソースベースドビュー」、チャン・キムの「ブルーオーシャン戦略」のように戦略論のアプローチには諸説が論じられてきました。

楠木先生は、組織論やリーダシップ論でも注目される「ストーリーテリング」の考え方を戦略論に適用しました。

「思わず人に話したくなる」ストーリーに満ちた魅力的な講演を期待しましょう。

清水宏保さん 「限界に挑み続けて」 10/5(火)

皆さま
お待たせしました。2010年後期の「夕学五十講」の予定を発表いたしました。
10/5~来年の1/26まで全25回。今期も素晴らしい方々にお越しいただくことになりました。

予約の受付は8/31(火)10:00~になりますので、もうしばらくお待ちください。
きょうから、いつものように各回のご紹介を始めていきます。


2010年後期のスタートは、スピードスケート金メダリストの清水宏保さんの登壇です。
早いもので、長野五輪 感動の金メダルから12年も経つのですね。優勝インタビューで、「自分がここまで来れたのは、堀井学さんのお陰です」と、調子を落とし満足な結果を出せなかったライバルの名前をあげ、感謝の気持ちを述べたことを印象深く憶えています。
その後もソルトレーク、バンクーバーと五輪に挑戦し、35歳になった今年のトリノ五輪でも5大会連続の出場に向けて最後まで果敢に挑みました。
162センチの小さな身体、鍛え上げた太もも、そしてあのロケットスタート。いかにも日本人らしいスポーツ選手でした。

スポーツジャーナリストの二宮清純さんは、「清水は、スターターにタイミングを合わせるのではなく、自分のタイミングにスターターを合わせることができた」と言っています。
もはや人智を越えた神の領域にまで踏み込んでいたのかもしれません。ちなみに清水さんの公式ブログのタイトルも「神速」です。(こちら

どんなお話が聞けるのか、楽しみです。

「夕学五十講」が本になりました

「夕学五十講」の講義をもとにした本が出ました。

『考える力をつくるノート』(講談社)

本書には豪華執筆人9人の
講義録が掲載されています。

・脳科学者の茂木健一郎さん
・クリエイティブディレクターの箭内道彦さん
・ビジネスコンサルタントの細谷功さん
・早稲田大学ビジネススクール教授の内田和成さん
・脳神経外科の築山節さん
・中国大使になられた丹羽宇一郎さん
・藤巻兄弟社の藤巻幸夫さん
・HACKSシリーズの小山龍介さん
・精神科医の香山リカさん

超多忙はこれらの方々と書籍化の交渉をして、内容を詰めていくというのは、実はかなりたいへんな作業です。
担当編集者である講談社の舟橋さんの熱意があって実現した本です。

<以下、舟橋さんのお言葉から抜粋>

キャッチコピーは、
『もうひとりで考えるのはやめましょう。あなたには、心強い味方がいます』です。

講義を収録したテープやDVDから、
文字を起こし、よりわかりやすい文章へと、編集し、
先生方に再編集して頂いて、、、ようやく刊行の日を迎えることができました!!(涙)

講義そのものよりも、
しっかりと文章を補足説明しているので、情報量が多く、
大変役に立つ構成であることを自負しております。

特に、読んで頂きたいところは、
箭内道彦さんの「矢沢永吉さんがかっこいい理由」のくだりです。
47ページから50ページのところですので、どうぞお見逃しなく!!
特にここの「箭内さんと矢沢永吉さんの会話」は、
40代の男性にズシリと響くようで、社内外から感動の声を頂いております!!

このノートのような装丁や風合いは、
装丁家の文平銀座の寄藤文平さん、篠塚基伸さんが考えてくださいました。
個人的にも品があり、とてもかわいらしく、気に入っています。
ビジネス書よりの書籍ではありますが、
女性にも手にとってもらいやすい装丁に工夫して頂きました。

中身も、外側も充実した1冊です!
ぜひご活用頂けますと嬉しいです!

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『考える力をつくるノート』(講談社)

夕学の会場でも販売しますので、是非どうぞ!!

電子書籍という黒船

いよいよ、風雲急を告げはじめた。
出版業界を取り巻く内外環境の動きである。
先日は、Apple社が米国でiPadを発売した。その販売動向に世界中が注目していることは間違いない。
日本では、先月末に、大手出版社31社が集まって、日本電子書籍出版社協会(電書協)なる組織を設立した。
「出版社、中抜き阻止を目指して団結へ」という見出しがネットニュースを飾ったばかりだ。

キンドルやiPadといった電子書籍リーダーの登場を、幕末の黒船来襲に擬える声が多いが、待ち受ける側の反応をみると、まさに黒船騒ぎの再来といった感がある。

夕学プレミアムで講義していただいた半藤一利さんによれば、幕府はかなり早い時期に、オランダから長崎経由でペリー来航の情報を掴んでいたという。
老中は、内密のうちに連日の会議を開いたが、結局何ひとつ決まらないうちにペリーはやって来た。

「起きて困ることは起きない」「起きないことにしよう」「起きないと信じよう」

存亡の危機を前にして、いたずらに時間を消費し、打ち手が遅れるというのは、日本人の指導者層が持つ通癖だと半藤さんは言う。
21世紀の黒船来襲を迎え討つ出版業界の動きはどうなのだろうか。心配である。

続きを読む "電子書籍という黒船"

7/29(木) 佐藤賢一さん 「『フランス革命』に何が学べるか」

第24回 7/29(木)の講師は、作家の佐藤賢一さんです。
佐藤さんは、東北大大学院で西洋史を研究し、作家に転じてからも西洋中世・近世を題材にした作品を書いていらっしゃいます。
『王妃の離婚』で直木賞を受賞され、歴史作家として確固たる地位を築いた佐藤さんが、構想20年のライフワークとして取り組んでいるのが、大作『小説フランス革命』です。2年前から刊行を開始し、全12巻を5年間かけて完成させようという大構想です(ちなみに現在は5巻目)

佐藤さんによれば、現代日本と革命前夜(18世紀末)のフランスは、政治・経済状況がそっくりだと言います。
経済は破綻寸前の危機的な状況にありながら、そして改革に向けた手だては何度も取られていながら、既得権益勢力の抵抗にあって遅々として進まず、政治に対する絶望感が、庶民の怒りに転ずる寸前の状態... というところでしょうか。

フランスでは革命が起きました。10年以上の混乱の中で、国王や王妃をはじめとして多くの人々がギロチン台に送られ、戦死者も含めると200万人以上が亡くなったと言われています。
近代民主主義を獲得する過程で、致し方ない犠牲であったという見方と、「大衆による暴力」という人間の暗部が発露したという見解が併存しています。

かくて、18世紀末のフランスでは革命が起きた。してみると、現代の日本にも革命が起きているのか。かかる素朴な疑問に論を起こし、すでに結果が出ている歴史の助けを借りながら、混迷を続ける現代日本の行く末を展望する。
佐藤さんは、このように述べています。 いま、起きていることの意味やインパクトの大きさは、同時代的には、その輪郭が見えてこないといいます。 果たして、フランス革命が私たちに教えてくれるものは何か、私たちは、歴史から何が学べるのか。 65回目の夏を前に考えてみたいと思います。


この講演にご関心をお持ちの方は、下記の講演もお奨めです。
 ・5/14(金)小林 弘人 「新世紀メディア論
                ~オープン出版宣言、21世紀の出版と新しいメディアビジネス~」
 ・5/19(水)伊丹 敬之 「イノベーションを興す」
 ・7/8(木)若田部 昌澄 「危機の経済学」

7/27(火)松本健一さん 「日本の青春時代とは、何か ~『坂の上の雲』にふれて~」

第23回 7/27(火)の講師は、評論家で、麗澤大学比較文明文化研究センター所長の松本健一先生です。
松本さんは、半藤一利氏保阪正康氏と並び、幕末から昭和を専門とする在野の三大歴史家と言われる存在です。
半藤さん、保阪さんともに夕学に登壇され、素晴らしいお話をしていただきましたが、三人のトリを飾る形で、松本さんに登壇いただきます。

今回は、昨秋放映されたNHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』に触れながら、日本の青春時代をテーマにお話いただきます。
司馬遼太郎賞を受賞され、『司馬遼太郎を読む』という著作もある松本さんならではのテーマ設定かと思います。

『坂の上の雲』は、秋山好古・真之兄弟、正岡子規という伊予松山出身の三人の偉人の青春時代と、近代国家草創期にあった日本という国の青春時代を重ね合わせた「明治の青春物語」です。
松本さんが定義する日本の青春時代は、明治23年の憲法施行・議会開設・民主選挙から14年後の日露戦争までだそうです。
本やドラマでは、秋山兄弟が、それぞれ陸軍大学校、海軍士官学校での研鑽の日々を経て二つの戦争を戦った時期にあたります。正岡子規は、結核と戦いながら、俳句・短歌の革新運動に、文字通り命を捧げました。

三人が、坂の上に漂う大きな雲を目指して、ひたすら坂道を上り続けていたこの時代は、実は、昭和の悲劇につながる「日本の失敗」が埋め込まれた時代でもありました。
教育勅語が発布され、元老制度がはじまり、軍備の増強と藩閥政治が確立したのもこの時代です。

坂道を登るためのハーケンとして打ち込まれた制度や仕組みが、自己増殖して、自らの身体を侵食することになることを、この時点でいったん何人の人が想定できたのでしょうか。

そんな歴史のパラドクスをお話いただけるものと思います。

この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
 ・4/22(木)莫 邦富 「中国から見た日本、日本から見た中国」
 ・5/19(水)伊丹 敬之 「イノベーションを興す」
 ・6/10(木)中西 進 「やまとごころを問う」

7/13(火)柳家喬太郎さん 『「落語」の話』

第20回 7/13(火)の講師は、落語家の柳家喬太郎さんです。
喬太郎師匠は、いまチケットが最も取りにくいと言われている方です。古典から新作落語まで見事に演じる稀有な落語家であり、CDやDVDも多数発売されています。

近年、大名跡の襲名がつづいたこともあり、空前の落語ブームが起きているそうですが、喬太郎師匠は、まさに、その主役のお一人といってよいのかも知れません。
寄席はもちろんのこと、実験的なイベントやテレビ・ラジオまで幅広く活動領域を持っていらっしゃるようです。

「私は噺家なので講演はやりませんが、「落語」一席と、落語にまつわるお話でよろしければ、お引き受けしましょう」

ということで、いつもの夕学とは異なった趣向で行うことになりました。
本物の寄席のようにはいきませんが、高座風のしつらえに座布団を用意し、お囃子付でお迎えする予定です。

柳家喬太郎師匠、夏の一席!  皆さん乞うご期待!!


この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
 ・4/28(水)伊東 乾 「音楽の効用、笑いの効用
              ~脳認知の基礎研究から業務マネジメントまで~」
 ・6/1(火)坂本 光司 「日本でいちばん大切にしたい会社」
 ・6/10(木)中西 進 「やまとごころを問う」

7/8(木)若田部昌澄さん 「危機の経済学」

第19回 7/8(木)の講師は、早稲田大学政治経済学術院教授で、経済学者の若田部昌澄先生です。

4月からMCCのagoraで、『竹中平蔵教授が講義する【問題解決スキルとしての経済古典】』という講座を開催します。
この講座の紹介文の中で、竹中先生は次のようにおっしゃっています。

経済学は本来、「社会の問題を解決するスキル」として、まさに「実学」として発展してきた。

近代経済学が生まれて250年余り。人類は何度も経済的、社会的な危機状態に遭遇してきました。その危機を脱出し、再び同じ問題を起こさないようにするための「問題解決スキル」として発展してきたのが経済学だ、ということです。

若田部先生は、経済学史を専門にされ、まさに危機状態に対して、経済学はどのように生まれ、発展し、貢献してきたのかを研究しています。
世界大恐慌をはじめ、日本が遭遇した70年代のインフレや、90年代の長期低迷など、危機状況に対して、どのような経済政策が取られ、どのような知見が蓄積されたのか。ひいてはどのようにして経済学が生まれていったのかを歴史的に解明することを専門にされています。

若田部先生によれば、「いま、経済学に対しては非難・批判・疑問の声が上がっている」とのことです。米国発の金融危機に端を発する今回の経済危機に対して、経済学があまりに無力ではなかったかという現実を反映した声なのでしょう。

若田部先生は、「経済学は役に立たない」という短絡的な指摘を排し、危機状態には、どのような経済運営がさなれるべきかを、現在の経済学を理解することを通して解説したいとのことです。
演題は、「危機の経済学」
興味深い講演になりそうです。


この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
 ・4/12(月)内田 和成 「異業種競争戦略
                ~事業連鎖で読み解く新しいタイプの競争-昨日の友は今日の敵-~」
 ・6/1(火)坂本 光司 「日本でいちばん大切にしたい会社」
 ・7/29(木)佐藤 賢一 「『フランス革命』に何が学べるか」

6/30(水)宮田亮平さん「ときめきを伝えるとき~自作を通して~」

第18回 6/30(水)の講師は、東京芸大学長の宮田亮平先生です。

新潟は佐渡の「蝋型鋳金」という伝統工芸の鋳型作家三代目として生まれた宮田先生。東京駅の待ち合わせスポットとしてあまりに有名な「銀の鈴」(現在は4代目だそうです)の制作者でもあります。
5年前からは、東京芸大の学長として、映画学科の教授として北野武氏を招くなど、大学改革のリーダーとしても活躍をしていらっしゃいます。

芸術の嚆矢は、ラスコーやアルタミラの洞窟に描かれた壁画だと言われていますが、いずれも光の入らない暗闇の中に描かれており、他者に鑑賞してもらうことを意図したものではなく、「神との交信」として営まれた精神活動だったと言われています。

神と繋がりたいという願いは、忠実な写実ではなく、自分のこころに映る感性や想念を自由に描くことで表出されました。自分が感じること、ときめくものを目に見える形に変換する表現活動が芸術の始まりだったのかもしれません。
恐らく、そこには論理などなく、何か大きな力に導かれるようにして筆が動く、トランス状態が発生したに違いありません。

さて、翻って現代、過剰とも言える意味追究社会への不適合が、こころの病として現出していると指摘する社会学者もいます。
何事にも、論理や意味、言語化・数値化できる価値が求められる時代にあって、芸術とはいったい何なのか。
宮田先生に、自作の紹介を通して語っていただけることを期待しています。


この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
 ・4/27(火)平田 オリザ 「対話の時代に向けて」
 ・7/13(火)柳家 喬太郎 「「落語」の噺」
 ・7/23(金)種田 陽平 「映画の中で生きる芸術」

6/29(火)遠山正道さん「世の中の体温をあげる」

第17回 6/29(火)の講師は、(株)スマイルズ代表取締役社長の遠山正道社長です。
スマイルズといってもすぐに思い浮かばない方も、「Soup Stock Tokyo」の開発・運営をする会社と言えばお分かりでしょう。
丸の内には、三菱商事の本社があるので、「Soup Stock Tokyo」の牙城のようなところでもあり、いたるところに黒字に白抜きのロゴマークを見ることができます。

1990年代から、多くの大企業で社内ベンチャー、企業内ベンチャーが試行されました。
硬直化した大組織ではやりにくいニッチビジネスの開拓や、筋はいいけれども、どうなるかわからない新技術の適用可能性を探索することを目的としたものでした。
早いうちから経営者としての経験を積むことで次世代の経営幹部を育成するという裏の目的もあったように思います。
残念ながら、ほとんど上手くいったという事例を聞かない社内ベンチャーで、稀有な成功例とされるのが、三菱商事の社内ベンチャーとして、遠山さんが起ち上げた「Soup Stock Tokyo」です。
今では、都内を中心に50以上の店舗網を持ち、冷凍スープの通販事業も行っています。遠山さんは、MBOをして独立し、ネクタイ専門店やリサイクルビジネスなど、遠山さんの感性を活かした新規事業も積極的に展開しています。
コンランショップのパッケージデザインやイデーの家具デザインなどを手がけ、ニューヨークや青山などで個展も開くなど、普通の起業家とはちょっと異なるアーティスティックなこだわりも感じる方ですね。
「Soup Stock Tokyo」成功の理由もそのあたりにありそうです。

スマイルズという社名には、ビジネスを通じて人を明るくしたい、元気にしたい、笑顔にしたいという遠山さんのスピリットが込められています。

「世の中の体温をあげる」

そう宣言する遠山さんのビジネス論、経営論をお聞きします。


この講演に関心をお寄せの方は、下記の講演もお奨めです。
 ・4/27(火)平田 オリザ 「対話の時代に向けて」
 ・5/18(火)佐々木 常夫 「仕事も家族もあきらめない」
 ・6/16(水)小池 龍之介 「自己洗脳の罠の外しかた」

6/21(月)野口吉昭さん 「コンサルタントの仕事術」

第16回 6/21(月)の講師は、HRインスティチュートを設立代表取締役でコンサルタントの野口吉昭さんです。
野口さんは1993年にコンサルタントとして独立し、同社を設立、いまでは10人以上のコンサルタントを擁するまでの組織に育て上げました。

慶應MCCで『コンサルタント養成講座』の主任講師を務めている伊藤良二さん(元ベイン日本代表)は、コンサルタントに必要な才能をひとつだけあげるとすればという問い掛けに対して、次のように答えました。

「頭がおかしくなるまで考え抜くことができること」

クライアントの大小を問わず、企業参謀として、当該企業の経営課題の抽出やソリューション提案をする時に、必要になるのは、考えて、考えて、考え抜くという泥臭い行為を、徹底的にやり抜くことだそうです。

そんなコンサルタント生活を20年近く経験してきた野口さんは、近年「コンサルタントの仕事術」シリーズという著書を著し、いずれもベストセラーになりました。
勉強法にせよ、思考法にせよ、コミュニケーション法にせよ、考えて、考えて、考え抜いた末に紡ぎ出されたメソッドには、普遍的な真理が表出されているのかもしれません。

いわば、仕事のプロとしてのノウハウ&ドゥハウをお話いただきます。

この講演にご関心をお持ちの方は、下記の講演もお奨めです。
 ・4/20(火)村上 憲郎 「世界で戦う仕事術」
 ・5/6(木)松尾 貴史 「オカルト懐疑派の論理」
 ・6/29(火)遠山 正道 「世の中の体温をあげる」

6/18(金) 清水浩さん 「未来のクルマから現実のクルマへ」

第15回 6/18(金)の講師は、慶應義塾大学教授の清水浩先生です。
清水先生は、電気自動車ひと筋に、30年近くも研究・開発に取り組んで来ました。

思えば、電気自動車なるものが、われわれ一般人レベルにも知るところとなってから数十年が経ちます。にもかかわらず実用化の壁は厚いものがありました。
「いつまで経っても“未来のクルマ”」
それが長年の電気自動車イメージでした。
それが2000年以降、環境問題、エネルギー問題、近年では自動車メーカの生き残り戦略という追い風を受けて、一気に実用段階に突入してきました。

清水先生が、“未来のクルマ”として開発した「Eliica」は、ベンツ並みの車体に八輪タイヤという独特の形状で、時速400キロ近い高速走行を可能にしたことで大いに話題になりました。モーターをタイヤに組み込むという高度な開発技術もありました。

清水先生の研究は、“未来のクルマ”開発から、電気自動車の大量普及を想定した事業展開へと発展しています。
昨年には、ベネッセの福武会長やガリバーの羽鳥会長等の出資を得て、普及型の電気自動車の開発と展開を目指す、産学ベンチャー「SIM-Drive」を起ち上げ、社長に就任。
“現実のクルマ”としての電気自動車の研究・開発・事業展開に取り組み始めました。

電気自動車普及の鍵を握るリチウムイオン電池の開発競争も熾烈を極める中、電気自動車に人生を賭けてきた清水先生が語る「電気自動車のいまとこれから」です。


この講演にご関心をお持ちの方は、下記の講演もお奨めです。

 ・4/12(月)内田 和成 「異業種競争戦略~事業連鎖で読み解く新しいタイプの競争
                -昨日の友は今日の敵-~」
 ・5/12(水)三谷 宏治 「発想の考動力~座って悩むな、ハカって考えよ~」
 ・7/30(金)中村 桂子 「生命を基本に現代文明を見直す」

第14回 6/16(水)小池龍之介さん 「自己洗脳の罠の外しかた」

6/16(水)の講師は月読寺住職、正現寺副住職の小池龍之介さんです。
山口の浄土真宗 正現寺に生まれ、東大では西洋哲学を専攻したという小池さん。既成仏教の枠にとらわれずに、本来の仏教が志向していた、この世を楽に生きる方法をわかりやすく伝えようと尽力されている若き住職です。
お寺とカフェの機能を兼ね備えた「iede cafe」を展開。それ以後、「月読寺」(東京・世田谷)に住まいながら、自身の修行と、一般向けに坐禅指導をしていらっしゃいます。

「生きる意味の不況に陥っている」
と現代社会を喝破したのは東大の上田紀行先生でした。
「悩める人に寄り添うことが、本来の仏教の役割である
ともおっしゃいました。

「仏教とは、苦悩に耐える力をもたらすものである」
そう語ったのは、南直哉師でした。

「寄り添う」「耐える力をもたらす」「楽に生きる方法を伝える」
表現は少しずつ異なるものの、おっしゃる主旨が共通していることはよくわかります。
解決することが出来ない問題に対して、私達がどう向かい、生きていくべきかを教え導くもの。それが仏教の本質でしょう。

小池さんが取り組んでいる「iede cafe」は、かつてのお寺がそうであったように、悩める若者がが気軽に訪れたり、逃げ込んだりすることができる敷居の低い場を作ろうという思いを込めたものだそうです。

「この世の善と悪をどう識別するのか」
「お金への執着をどう捨て去るのか」
「自分の価値観からどう脱却するのか」

小池さんが書いている最近の著書のテーマは、現代の真面目な若者達が直面し、内面に抱え込んでいる「けっして解決することが出来ない問題」の典型ではないでしょうか。

弱冠31歳の若い仏教者が説く仏道のレッスン。どこで開催してもすぐに満席になるという小池さんのお話には、興味津々です。

6/10(木) 中西進さん 「やまとごころを問う」

第13回 6/10(木)の講師は、奈良万葉文化館館長の中西進先生です。
「万葉集」の研究と普及に取り組んできた中西先生。80歳を越えた今も、朝日新聞に「万葉こども塾」という連載を持っています。
子ども向けに万葉集を分かり易く解説するという企画ですが、なかなかどうして、むしろ大人にお奨めしたいコーナーです。私も必ず目を通しています。

ちなみ本日(3/19)の連載では、春をテーマにした歌が紹介されています。

うちのぼる 佐保の川原(かわら)の 青柳は 今は春べと なりにけるかも
                               (大伴坂上郎女)

雪解け水が流れ、まだ肌寒い川辺にあって、凜とした存在感とともに春を告げるネコヤナギの情景を思い浮かべることが出来る子どもが、いったいどれ位いるのか。ちょっと不安になりますが、信州の田舎で育った私には、春を実感できる歌だと思いました。

さて、今回の演題は「やまとごころを問う」でお願いしました。

しきしまのやまと心を人とはば、朝日ににほふやまざくらばな
                           (本居宣長)
万葉集ではありませんが、あまりに有名なこの歌をモチーフにしてお願いをしたものです。

中西先生は講演主旨について、次のように書いています。

つきつめたところ、日本人の心には3つの特徴がある。
(1)バランス感覚 (2)センスのよさ (3)進取の気性
また、アジア文化の中における日本の文化力は感傷力だといえる。
これは、インドの想像力、中国の論理力に対応するものであり、アジア文化の完成だといえる。

アジア文化の中で日本の位相を明らかにすることで、日本らしさが浮かび上がってくるということでしょうか。
日本とは何か、日本文化とは何かを考えたい人には、是非聴いていただきたい講演です。

この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
 ・4/22(木)莫 邦富 「中国から見た日本、日本から見た中国」
 ・6/1(火)坂本 光司 「日本でいちばん大切にしたい会社」
 ・7/13(火)柳家 喬太郎 「「落語」の噺」

6/1(火)坂本光司さん 「日本でいちばん大切にしたい会社」

第12回 6/1(火)の講師は、法政大学大学院教授の坂本光司先生です。

いま、書店のビジネス書コーナーで、ド~ンと平積みされている本が、坂本先生の『日本でいちばん大切にしたい会社』二部作です。

地方の疲弊、空洞化が叫ばれて久しくなりますが、丹念に地方を見て回ると、数は多くないものの、卓越した技術や組織能力を武器に高業績を続けている企業があります。
坂本先生によれば、そういった優良企業には共通点があるそうです。
独自の経営理念を持っている。
短期の営利を追求しない。
企業を公器と考えている。
地域社会の中で果たすべき役割を認識している.
といったことです。

それらは、グローバル競争を志向している大企業が忘れてきた「日本的な経営」の美点ともいうべき特徴でした。
そういった企業を「日本でいちばん大切にしたい会社」と命名した所以がここにあります。
地域開発・中小企業を研究テーマにして、長年地方経済の現場を歩いてきた坂本先生ならではの慧眼と言えるでしょう。

企業の社会的責任やガバナンスについて盛んに議論が交わされていますが、私たちの周りには、正しい企業経営を行っている企業が数多く存在しているそうです。
その事例を紹介していただきながら「会社は何のために、また誰のためにあるのか…」について考える時間になればと思います。


この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
 ・5/18(火)佐々木 常夫 「仕事も家族もあきらめない」
 ・5/19(水)伊丹 敬之 「イノベーションを興す」
 ・6/10(木)中西 進 「やまとごころを問う」

5/25(火) 上野千鶴子さん 「男おひとりさまの生きる道」

第11回 5/25(火)の講師は、東大大学院教授の上野千鶴子先生です。
日本における女性学、ジェンダー研究のパイオニア・第一人者として、論壇で知られた上野先生。
かつては、パネルディスカッションの壇上で上野先生から舌鋒鋭く攻め込まれ、逆上あるいはシドロモドロ状態に追い込まれた男性研究者も少なくなかったと聞いております。
私の書棚には『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』なんていう本もあります。かつては戦闘的なイメージの方でありました。

三年ほど前に、久しぶりの書き下ろしとして発表されたのが『おひとりさまの老後』という本でした。

結婚していようがいまいが、世界一長生きの日本女性は、最後は「おひとりさま」になる(確率が高い)。そこで、元気なうちに、セーフティネットを準備し、予備知識を得ておこう!

という狙いで書かれたこの本は、発売一年少々で80万部を記録する大ベストセラーになったそうです。
「どうせ最後はひとりになるのだから、楽しく安心して暮らせるように、今から準備しときましょうよ」という上野先生のメッセージでした。女性の生命力を感じさせる文章です。

続編として出されたのが、今回の講演テーマでもある『男おひとりさま道』です。こちらも売れ行き好調と聞いております。

離婚・死別・非婚...理由はどうあれシングルシニアが増えていることは事実のようです。男の場合、女性の「おひとりさま」が直面する問題に加えて、「孤独」というやっかいな問題を抱えることになるとのこと。どうやら男の「おひとりさま」の方が道は厳しいようです。
だからこそ、女性を見習って、男も「おひとりさま」に向けた準備を元気なうちから考える。
そんな機会になればと思います。

この講演にご関心をお持ちの方は、下記の講演もお奨めです。
 ・4/12(月)内田 和成 「異業種競争戦略~事業連鎖で読み解く新しいタイプの競争
                -昨日の友は今日の敵-~」
 ・4/20(火)村上 憲郎 「世界で戦う仕事術」
 ・5/18(火)佐々木 常夫 「仕事も家族もあきらめない」

5/19(水) 伊丹敬之さん 「イノベーションを興す」

第10回 5/19(水)の講師は、東京理科大学 専門職大学院 総合科学技術経営研究科長・教授の伊丹敬之先生です。
伊丹先生は、夕学4度目の登壇です。私は、二年から三年経つと、伊丹先生の話が聞きたくなります。しかも、毎回直近の著書や研究テーマをモチーフにした新しいお話をしていただけるのが伊丹先生のすごいところです。

今回は2年前に東京理科大に移籍されてから取り組んでこられた「イノベーション」に関わるお話になります。
伊丹先生の魅力のひとつに「言葉にこだわる」ことがあります。(詳細はこちら
耳障りのよい経営学用語を使うことで、私達実務家が、「わかったつもりになる」「説明したつもりになる」ことを排し、自社の問題、自分自身の問題として状況に関わり、自分の頭で考え、自分の言葉で語ること、しかも説得力を持ったロジックとして持論を構築することを教戒しているように思えます。

イノベーションにおいても、
「筋のいい技術を育てる」「市場への出口を作る」「社会を動かす」という言葉を使っています。
そこには、イノベーションを興す「主体者」たらんとする人々に向けた力強いメッセージを感じます。
今回の講演でも、技術開発論ではなく、人間力学としてイノベーションを語っていただけるとのこと。 たいへん楽しみです。


この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
・6/1(火)坂本 光司 「日本でいちばん大切にしたい会社」
・7/20(火)小倉 紀蔵 「日中韓はひとつになれるか・・・文化・文明論的観点から」
・7/27(火)松本 健一 「日本の青春時代とは、何か~『坂の上の雲』にふれて~」

5/18(火)佐々木常夫さん 「仕事も家族もあきらめない」

第9回 5/18(火)の講師は、東レ経営研究所代表取締役の佐々木常夫さんです。

自閉症の長男に続き年子の次男、年子の長女が誕生。 しばしば問題を起こす自閉症の長男の世話、加えて肝臓病を患った妻がうつ病にも罹り20年の間に43回もの入院、3回の自殺未遂を起こす。 まだ子供が小さいときは、朝5時半に起き3人の子供の朝食と弁当を作り、夕方は会社を6時に出なくてはならない日々を過ごす。 育児、家事、介護に追いかけられる状況の中でも仕事への情熱を捨てず、大阪、東京と6度の転勤をしながら破綻会社の再建やさまざまな事業改革に全力で取り組み、同期のトップで取締役就任する。

これが、プロフィールに紹介されている佐々木さんのビジネスマン人生です。
「もし、あなたが同じ境遇であったとしたら、佐々木さんのように頑張れますか?」
と聞かれて、即答できる人が何人いるでしょうか。
「ワークライフバランス」という美しい言葉を使うことを躊躇してしまうほど、凄まじい人生です。

精神も、肉体も、ギリギリまでストレッチして生きてきた佐々木さんが語る「仕事・家族・人生」。
 自らの非力を嘆く前に、小さな不幸を愚痴る前に、他者の環境を羨む前に、背筋をピンと伸ばして聞きたい講演です。


この講演に関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
・5/25(火)上野 千鶴子 「男おひとりさまの生きる道」
・6/1(火)坂本 光司 「日本でいちばん大切にしたい会社」
・6/16(水)小池 龍之介 「自己洗脳の罠の外しかた」

5/14(金) 小林弘人さん

第8回 5/14(金)の講師は、インフォバーン代表取締役CEOの小林弘人さんです。

小林さんは、インターネット登場以前からコンテンツ製作に携わり、雑誌「ワイアード日本版」「サイゾー」を創刊、眞鍋かをり等,有名人ブログをプロデュースしてきたITメディア界の影の仕掛け人と言われています。
昨年著した『新世紀メディア論─新聞・雑誌が死ぬ前に』、解説・監修を手がけた『FREE(フリー)』は、いずれも業界人を中心に、たいへんな話題になりました。

ウィンドウズの登場以降、IT革命の衝撃は、私達の生活・ビジネス・働き方を大きく変えてきましたが、この3年~4年で、最も大きく変わるかもしれない(きっと変わるに違いない)と言われているのが、新聞・雑誌・書籍といった紙メディアの世界だと言われています。
新聞広告の出稿金額は大幅減が続き、昨年ついにインターネットに抜かれました。新聞の購読者数、書籍の販売数も長期低落傾向に歯止めがかからず、かつて花形とされた出版・新聞業界は、構造不況業種になったという声も聞きます。
そんな中に、アマゾンのキンドルやアップルのiPadといった電子書籍リーダーが米国で発売され、紙メディアの終焉が取り沙汰されています。
もちろん紙メディアが、全てネットに置き換わることはないでしょうが、グーテンベルクの活版印刷技術の登場以降500年に渡って、情報・知識伝達メディアの主役を張っていた看板役者が、脇役に回る日も近いことは間違いないでしょう。

小林さんは、ITメディアの仕掛け人と言われていますが、京都の同朋舎出版という老舗出版社の編集者としてキャリアをスタートさせた方です。根っからのIT人というよりは、紙メディアへの愛着もたっぷりと持ち、またその限界や閉鎖性も十分に認識している方ではないでしょうか。

そんな小林さんが説く、「新世紀メディア論」。出版・広告・IT業界の方々はもちろん、ITが変える新しい世界に関心のある全ての方に聴いていただきたい講演です。


この講演に関心のある方は、下記の講演もお奨めです。
・4/12(月)内田 和成 「異業種競争戦略~事業連鎖で読み解く新しいタイプの競争-昨日の友は今日の敵-~」
・4/20(火)村上 憲郎 「世界で戦う仕事術」
・5/6(木)松尾 貴史 「オカルト懐疑派の論理」

5/12(水) 三谷宏治さん

第7回 5/12(水)の講師は、KIT虎ノ門大学院主任教授の三谷宏治先生です。
三谷さんは、ボスコン、アクセンチュアで20年近いコンサルタントのキャリアを積んだ後に、「四十にして学に志す」とばかりに教育の世界に身を転じられたそうです。
現在は、子ども、親、学生、ビジネスパースンと幅広い方々を対象に、思考法、発想法を教えていらっしゃいます。

子どもから大人まで、三谷さんが注力している育成課題は3つ。「発想する力」「決める力」「生きる力」だそうです。夕学で、人気テーマとして追いかけてきた【仕事と人生の方法論】と、なにやら似ている感じですね。

今回は、特に「発想力」についてのお話です。
「創造力開発」をテーマにした研修・セミナーや書籍は数多くあります。それらの多くは、「発散(拡散)」と「収束」を繰り返す。という普遍的なメソッドに依拠しているものではないでしょうか。
三谷さんは、「発散(拡散)」と「収束」に加えて、「比べる」「ハカる」という考動力を提唱していらっしゃいます。
三谷さんのホームページを拝見すると、三谷流「発想の考動力を使うことで、「白目はなぜ白いのか」「冬はなぜ寒いのか」「空気はなぜ透明か」といった問いに対する「解」を導き出すとのこと。
なにやら面白そうだと思いませんか?

さて、当日は、「ハカって考える」実践として、全員でハサミをつかったワークが用意されているそうです。
ユニークなアイデアが出ないと悩む全ての方にお奨めの講演です。


この講演に関心をお持ちの方は、下記の講演もお奨めです。
・4/12(月)内田 和成
 「異業種競争戦略~事業連鎖で読み解く新しいタイプの競争
                -昨日の友は今日の敵-~」
・4/28(水)伊東 乾
 「音楽の効用、笑いの効用~脳認知の基礎研究から業務マネジメントまで~」<
・5/14(金)小林 弘人
 「新世紀メディア論~オープン出版宣言、21世紀の出版と新しいメディアビジネス~」

5/6(木) 松尾貴史さん

第6回 5/6(木)の講師は、放送タレントの松尾貴史さんです。

TV、ラジオ、映画、舞台、イベント、エッセイ、イラスト、折り紙までマルチな活躍をされている松尾さん。我々の世代では、「キッチュ」という芸名で、不思議な顔マネ芸を披露していた時代が懐かしいですね。
現在は、京都造形芸術大学映画学科准教授として、演技の指導なども担当しているそうです。

今回の講演は、松尾さんの多彩な専門領域のひとつ?である。超常現象の批判的愛好家として登壇されます。

人間には、太古の昔、自然現象に神性を見た古代人の精神世界が残っているようで、神秘的なもの、不可思議なものに心惹かれる習性があります。
なにもオカルトだけでなく、実は、日常生活やビジネスでも、根拠のない迷信や習慣を深く考えず続けてしまうことがあります。

今回は、日常生活で、つい陥りがちな錯覚、迷信、思い込み、ミスリードなど、ともすれば様々な害悪を産み出すきっかけにもなりうる非合理的な情報を、ほんのちょっと立ち止まって健全な懐疑精神で見つめ直すことの重要性をお話していただきます。
専門的な科学の知識などなくても、ベーシックな論理的思考によって、騙されない癖をつける事のすすめを楽しく話してくれるとのこと。

ロジカルシンキングの習慣を、セミナーや仕事の場だけでなく、日常の私達の生活の中で楽しむのも一興かと思います。


この講演に関心をお寄せいただいた方は、下記の講演もお奨めです。
・5/12(水)三谷 宏治さん ユニークな発想は論理的な思考から生まれます。
・5/14(金)小林 弘人さん 今、過去の呪縛から抜け出せないでいる業界の話です。
・6/16(水)小池 龍之介さん 心の悩みも、実は同じ陥穽から発生します。

4/28(水) 伊東乾さん

第5回 4/28(水)の講師は、東大大学院情報学環准教授の伊東乾先生です。

「どのような肩書きで掲示しましょうか」という私どもの問い掛けに対して、伊東先生は、東大准教授ではなく、「作曲家、指揮者、ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム藝術監督」と返答されました。
更に言うと、東大物理学科時代の同級生でありオウムのサリン散布実行犯となった豊田亨の入信や死刑求刑にいたる過程を克明に描いた『さよなら、サイレント・ネイビー』(集英社)で、第4回開高健ノンフィクション賞を受賞した作家でもあります。
最近では、テレビにも時折出演されて、コメンテーターとして鋭い論評を披露されています。

音楽、脳科学、生命情報学、身体運動科学等々、人間の右脳が司る感性的な活動を網羅する学際的な研究を専門にされています。

人間の脳や遺伝子については、その構造はほぼ解明されているものの、その機能・働きについては、まだよくわかっていないことが多いと言われています。
夕学でも、池谷裕二さん村上和雄さんが、そのあたりを詳しくお話いただきました。

糖尿病患者に、「大学教授の講義」と「吉本の漫才」を交互に聴いてもらい、前後の血糖値の上昇具合を比較すると、お笑いが血糖値を下げるという効果があることが実証できたそうですから、音楽や笑いといった感性的な快楽が、人間の脳や遺伝子のどこかプラス効果として働いていることは間違いないでしょう。
伊東先生は、そんな芸術の効用を、基礎研究から環境設計・業務マネジメントまで、理論と実践の両方で追究している方です。

はたして、どんな「音楽の効用、笑いの効用」を紹介していただけるのか。楽しみな講演です。


この講演に関心をお寄せの方には、下記の講演もおすすめです。
・4/28 平田オリザさん 「芸術の効用」を違った切り口で紹介いただきます。
・7/13 柳家喬太郎さん 笑いの効用を理解したうえで、本物の落語を聴くのも一興
・7/23 種田陽平さん 映画美術にも、単なる状況設定を超えた効用があります。
・7/30 中村佳子さん 生命科学の知見を専門家から伺えます。

4/27(火) 平田オリザさん

第4回 4/27(火)は、劇作家の平田オリザさんが、夕学2度目のご登壇となります。

「オリザ」という名前は本名だそうです。オリザ少年は、16歳の時、高校を中退して、自転車による世界一周旅行を敢行しました。
シナリオライターの父親、心理カウンセラーの母親、映画監督の叔父という自由で文化色の濃い環境で育ったオリザ少年は、当時から、既成の枠にはまらないスケールの大きな生き方を志向する人だったようです。

演劇人というと、60年代の唐十郎、70年代の野田秀樹、80年代の鴻上尚二という名前が思い浮かびます。いずれも時々の時代を象徴する個性的で主張性の強い人達でした。
90年代を代表するオリザさんは、先達とは対称的に、物静かで内省的な雰囲気を漂わせる人です。しかし、その内面に抱える情熱は相当なもので、演劇を通じて社会の問題に関わろうとする強い意思を感じさせます。

地域や自治体、企業などと連携して、若い演劇人を、継続的に育てるシステムを整えた「こまばアゴラ劇場」
演劇を通した表現力の向上、ダイバーシティマネジメントを志向する「演劇ワークショップ」
大阪大学大学院での、研究者志望の学生を対象とした「コミュニケーショントレーニング」
など、演劇人の枠を越えた活動を精力的に実践しています。

昨年は、長年の友人であった鳩山総理に請われて、内閣官房参与に就任されました。
鳩山さんの国会での施政方針演説、市民との対話集会などには、オリザさんの演出やアドバイスが反映されていたことは、よく知られたところです。
海外の演劇教育や文化行政にも精通しているオリザさんは、かねてから日本人の「異文化理解能力」の向上を訴えてきました。今後は、文化政策立案にも関わっていくことになります。

今回の講演では、コミュニケーション教育に演劇を取り入れる取り組みの紹介を通じて、
「対話の時代」に向けた私達へのメッセージを語ってくれるそうです。


この講演に関心をお持ちの方は、下記の講演もおすすめです。
・6/29 遠山正道さん 社員との対話を重視する企業経営者です。
・7/13 柳家喬太郎さん 日本を代表する文化といえば「落語」ですね。
・7/23 種田陽平さん 映画美術を芸術に高めたと言われる話題の人です。
・7/30 中村佳子さん 生命科学の視点から人間の諸活動を語ってくれます。

4/22(木) 莫邦富さん

第3回 4/22(木)の講師は、作家、ジャーナリストの莫邦富さんです。

莫さんは、日本在住の知日派経済ジャーナリストという独自の地位を確立、「新華僑」「蛇頭」といった新語を日本に定着させ、社会問題から政治、経済、日中関係論まで幅広いテーマで、旺盛な執筆活動を繰り広げています。
かつてはNHKテレビの「中国語講座」にもしばしば登場していたと聞いています。

莫さんは、1953年生まれ。いわゆる文革世代です。
10代半ばから20代前半の青春時代のど真ん中が、文革大革命と重なっていることになります。
政治、文化、思想の改革運動としてはじまった文革は、復権を企む毛沢東の思惑も絡んで、国民を巻き込んだ大粛清運動に発展しました。
中でも悲惨だったのは、若者達でした。「ペンを捨て、農民に学べ」というスローガンのもと、多くの青年が貧しい農村地帯に下放され、飢えと寒さに耐えながら悲惨な青春時代を送ったと言います。
あるシンポジウムで聴いたところでは、莫さんも下放された少年のひとりで、粗末な土塀小屋で暮らし、監視の目を盗んでランプに灯りを頼りに本を読んだそうです。

10年近く続いた暗い時代を乗り越え、上海外国語大学で、当時マイナーであった日本語を学んだことが、今日の成功に繋がりました。

中国を知りたい、中国人を理解したい。そう願う日本人。
日本人から学びたい、日本で事業を展開したい。そう願う中国人
両者を橋渡しする架け橋として、さまざまな領域で活躍をしています。

アジア二強時代と言えば聞こえはいいものの、規模と成長力の点では、日本は中国の前になすすべもありません。一方で、急成長する中国が抱える多くの問題(環境問題、都市への集中、格差、経済偏重主義等々)は、日本がかつて経験してきた問題でもあります。

中国から見た日本、日本から見た中国。
両者の視点が重なり合う部分が増えることは、アジアの発展、世界の繁栄に繋がっていくことを信じて、莫さんのお話に耳を傾けたいと思います。


なお、この講演に関心のある方は、下記の講演もぜひどうぞ。
・6/10 中西進先生 他国のことを知ることは、自国を知ることでもあります。
・7/20 小倉紀蔵先生 日中に韓国を加えた東アジアを文化・文明論的観点から語ります。

4/20(火)村上憲郎さん

第2回 4/20(火)の講師は、グーグル名誉会長の村上憲郎さんです。

日本大手企業のコンピュータエンジニアとしてキャリアをスタートさせた村上さんは、DEC社に転じて以降、外資系IT企業の経営者として、キャリアを積んでいらっしゃいました。
かつて、同じような経歴を持つ平松康三さん(前ライブドア社長)が夕学に登壇されましたが、平松さんによれば、外資系企業の日本法人トップが成功するか否かは、「いかにして、本社とケンカするか」にかかっているとのこと。
自国の商品・サービス、マーケティングをそのまま展開しようとする本社と日本市場に適合するための独自な展開方法を主張する日本法人トップ。両者は常に緊張関係にあります。
かといって、ケンカをしさえすればよいのではなく、「日本市場の開拓には、この人間が必要だ」と本社にその実力を認識させることも必須です。
異質な人々を説得しつつ、win-winの関係を築くという、日本人が最も苦手な能力が求められることになります。
村上さんが、グーグル日本代表として、そのキャリアを花開かせることが出来たのも、長年に渡る経験が礎になっていることは間違いないでしょう。

退任後に、村上式メソッドによる「英語勉強法」「仕事術」の本を著され、いずれもベストセラーになりました。今期の夕学でも、最も早くに満席マークが灯ることは必定でしょう。

今回は、更に一歩進んで、「世界で戦う仕事術」をお願いしました。
当日は、生産性をあげるために『村上式シンプル仕事術-厳しい時代を生き抜く14の原理原則』を事前講読しておくことをお願いしたいという指示を受けております。
これも「世界で戦う仕事術」のひとつと捉えて、準備万端で望んでいただければと思います。


なお、村上さんの講演に関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
・4/22  莫 邦富氏 グーグルと中国、こちらも緊張感一杯です。
・5/25 上野千鶴子先生 セカンドステージつながりで。
・6/16 小池龍之介さん Web上でお寺を開設するというユニークな試みです。

4/12(月) 内田和成さん

本日から「夕学五十講」2010年前期の申込・予約受付が始まりました。
開始早々に、サーバーが混み合ってしまい、ご迷惑をお掛けいたしました。申し訳ありません。
現在は、問題なく動いていますのでご安心ください。
夕学五十講申込サイト

さて、きょうから、恒例の講師紹介を行っていきます。
トップバッターは、早稲田大商学学術院教授の内田和成先生です。
かつては、ボストンコンサルティンググループの日本代表も務めた内田先生。いまや早稲田ビジネススクールを代表する教授のお一人です。

今回は近著の『異業種競争戦略』にちなんでお話いただきます。
成熟市場に衝撃的な技術革新が起きると業界構造が大きく変わってしまうことがあります。
例えば、カメラ業界といえば、10年前まで典型的な成熟市場で、キャノン、ニコン、ペンタックス、コニカ、ミノルタ、オリンパス、と限られたカメラメーカーが、市場秩序を形成していました。
いま、キャノン、ニコン以外のカメラメーカーは、カメラ事業から撤退し、代わってソニー、カシオ、パナソニックなどのエレクトロニクス企業がメインプレイヤーになっています。
カメラが精密機器からデジタル機器に変わったことで起きた業界変動でした。

同じことが様々な領域で起き始めています。電気自動車の登場で、日本のものづくり産業の雄「自動車産業」に同じ変化が発生するのではないかとも言われています。

昨日まで取引先や補完関係にあった友軍が、突如敵軍に転じる時代が到来したわけです。
内田先生は、こうした新しいタイプの競争を「異業種格闘技戦」と呼びます。

今回は、その実例のいくつかをご紹介いただきながら、異業種格闘技における戦いの特徴は何か、どうやって戦えばよいのかをお話いただきます。


なお、内田先生の講演に関心のある方は、下記の講演もお奨めです。
・5/12三谷宏治先生 同じコンサル畑(アクセンチュア)出身です。
・5/14小林弘人氏 出版、雑誌業界も異業種格闘技戦に突入しそうです。
・5/25上野千鶴子先生 仕事だけでなく、時には人生も考えたいものです。
・6/18清水浩先生 電気自動車研究・普及の大家です。

申込・予約方法が変わります

3月2日(火)から2010年前期の受講券購入申込・講演予約を開始いたしますが、お気づきのように今期からwebページを変更しました。

デザイン変更とともに、予約の方法が変わりましたのでお伝えしておきます。

これまでは、「受講券を購入する」→「講演を予約する」という順番でした。
これからは、「講演を予約する」→「受講券を購入する」という順番になります。

従来の方法ですと、行きたい講演に空席が出ても、受講券購入手続きをしている間に他の人にゲットされて、満席になってしまうということがありえました。
実際に、そのようなクレームをいただいたこともあります。

今後は、まず行きたい講演に予約を入れて、そのあとで、しっくりと受講券を購入することが可能です。これだと安心ですね。

もちろん、予約だけして権利を保持しつつ、ギリギリまで購入をせずに、土壇場でキャンセルするという行為が増えると、結果的に皆様に迷惑がかかりますので、予約後、1時間以内に購入手続きをしないと、自動的に予約が消滅することになっています。
予約の後は、購入をお忘れなく!!

従来のように、まず受講券を購入して、そのあとに予約を入れていくという方法もできますので、どちらかお好きな方をお選びください。

坂東三津五郎さんの講演が決まりました!!

かねて、サプライズ講演を予言しておりましたが、ようやく実現しました!!

歌舞伎役者の坂東三津五郎丈の講演が11/18(水)に決定いたしました。
実は、三津五郎さんには、早い時点で内諾はいただいていたのですが、明治座で行われる予定の舞台の関係で、いつお越しいただけるかの最終決定が決まらずにおりました。
今期は、すでに25講演でご案内済みですが、久しぶりに1回多く、26回となります。
全回予約の方は料金は変わりません。

三津五郎さんは、同年齢で仲の良い、中村勘三郎さんと並んで、いま一番脂が乗った歌舞伎役者と言えるのではないでしょうか。
古典作品はもちろんのこと、新歌舞伎や映画、テレビ、新劇まで、幅広いジャンルで大活躍をされています。個人的には、3年前の大河ドラマ「功名が辻」での明智光秀や、映画「武士の一分」でのキムタクの敵役など、渋めの役柄で見せる存在感が印象的です。

一方で、日本舞踊の一大流派・坂東流の家元としての責務も果たしており、伝統文化を担う継承者としての顔も持っています。

今回は、昨年出された『坂東三津五郎歌舞伎の愉しみ』という本を読んで、是非お話を伺いたいとお願いをしました。
一般の方に向けて講演される機会は滅多にないことですので、是非、お見逃しなく!!

お申込はこちらから
http://www.sekigaku.net/index.htm

第25回 1/28(木) 金井壽宏さん&川上真史さん

今期の最終回、1/28(木)の講師は、神戸大の金井壽宏先生とワイアットコンサルタント川上真史さんの対談です。
お二人は、研究者とコンサルタント、それぞれ立場は異なりますが、日本の人事・人材開発の分野で大きな影響力を持つ代表的有識者と言えるかと思います。
金井先生は4度目、川上さんは3度目と、夕学でもおなじみですね。

今回二人が議論するのは、「ゆとり教育世代との向き合い方」です。
教育界のみならず、広く論争を巻き起こした「ゆとり教育」ですが、すでに文科省は方針転換したものの、「ゆとり教育」で育った若者が、企業に入社してくるようになったことで、企業人事の問題として再浮上してきました。

論点は、彼らとどう向き合えばよいのか、という点です。
「コミュニケーションができない」「メンタルに弱い」等々、「ゆとり教育」の弊害として指摘されている若年社員の諸問題ですが、彼らだけに限定する問題とも言えない面もあります。
「ゆとり教育」も含めた、もっと大きな社会環境の変化に、人間そのものが適合できていないという根源的な不適合に起因しており、「コミュニケーション」「メンタル」の問題は、中高年社員にもあてはまるのではないかという指摘です。

安易なラベリングは、分かり易いけれど、問題を限定してしまい、本来問われるべき真の問題を覆い隠してしまう危険性もあります。

そんな複合的な視点で、議論ができればと思います。

第23回 1/21(木) 朝原宣治さん

第23回 1/21(木)の講師は、北京五輪陸上銅メダリストの朝原宣治さんです。

北京の男子陸上400メートルリレーで日本チームが獲得した銅メダルは見事でした。他国チームのバトンミスに助けられたという側面はあったにせよ、体力的な条件を考えると、メダル獲得が大快挙であることに間違いはありません。
朝原さんが、バトンを後ろに放り投げて末続選手と抱き合った姿、奥さんの奧野史子さんの涙も感動的でした。

オリンピックに出ることだけでも凄いことですが、5回続けて出場し、36歳まで現役を続けた朝原さんの体力と精神力には、私達も学ぶ点が多いと思います。
念願のメダルを手にして、第二の人生を歩み始めた朝原さんに「限界への挑戦」を語っていただきます。

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第22回 1/19(火) 渡辺靖さん

第22回 1/19(火)の講師は、慶應SFC教授の渡辺靖先生です。

文化人類学の方法論に則ったアメリカ研究で名高い渡辺先生。朝・毎・読三誌のコラムや書評も執筆され、新進気鋭の知識人として将来を嘱望されている方です。

ペリーの浦賀来航から150年余り、日本の近代は、アメリカによって拓かれ、アメリカとの協調、対立、戦争、従属、同盟の歴史でした。
日本は常にアメリカとの関係によって彩られてきたといえます。
夕学でも、阿川尚之先生、藤原帰一先生などにアメリカ論を語っていただいてきました。

アメリカのアメリカたる所以は何かといえば、そのケタはずれの多様性でしょう。
東海岸のビジネスエリートが語るアメリカ、シリコンバレーのベンチャー経営者に見るアメリカ、中西部の田舎町のおじいさんが信じるアメリカ、メキシコ国境近くに住むスパニッシュのアメリカ。
まったく異なるアメリカでありながら、いずれも真実のアメリカであることに変わりはありません。

冷戦終結以降、長く続いてきた「アメリカの孤立」を経て、多様性の象徴であるオバマが登場し、世界との協調を声高く語りはじめたアメリカ。

アメリカを理解するうえで、私達に欠けている情報は何か、日本という場からアメリカを解釈する際に注意点は何か。
アメリカを見るうえでの視座について教えていただければと思います。

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第21回 1/15(金) ロバート・キャンベルさん

第21回 1/15(金)の講師は、東大教授で、近世から明治時代の日本文学を専門とする ロバート・キャンベル先生です。

流暢な日本語とソフトな語り口で、テレビに登場する機会も多いキャンベル先生。
研究者としての専門は、江戸から明治にかけての漢詩文だそうです。

外国人で、日本文化に造詣が深い人の嚆矢といえば、幕末~明治初期に日本に滞在した英国人外交官アーネスト・サトウが思い浮かびます。
神話から植物まで、ありとあらゆる「日本的なもの」に関心を寄せ、世界で最初の日本学者と呼ばれた人物です。
明治期、日本の伝統文化の由来について質問してくる外国人に対して、「そいうことはサトウに聞け」と他ならぬ日本人が答えたという博学の人でありました。
キャンベル先生は、現代のサトウ氏とも言えるかもしれません。

世界という眼鏡を通して日本を見つめてみると、日本人に見えない風景が見えてくると言います。
今回の講演では、維新前後の日本人が世界をどのように捉えようとしたかを検証しながら、現代の日本社会についても考えてみたいとのこと。

私達が失ってしまった「日本らしさ」「日本ならではのもの」について考えたいと思います。

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第20回 1/14(木) 西成活裕さん

第20回 1/14(木)の講師は、東大先端科学研究センター教授の西成活裕先生です。

「渋滞学」「無駄学」という、キャッチーなネーミングの研究領域を専門とする西成先生。○○力という安易なラベリングは評判の悪いご時世ですが、ここまでシンプルで分かり易いとインパクトがありますね。

なぜ渋滞が起きるのか、渋滞を避けるのはどうしたらいいのか。
なぜ無駄が生じるのか、無駄を省くにはどうしたらよいか。

人間という不可思議な生き物が作りだす、渋滞や無駄という社会現象を、高等数学や物理学の知見を応用して、科学的に解明しているのが西成先生の研究です。

スキンヘッドに黒めがね&チョビ髭という個性的な風貌もあって、テレビや講演にも引っ張りだこと聞いております。
ついには、小椋桂さん作詞作曲で、「ムダ取りの歌」なるCDまで出したといいますから、恐れ入ります。

「ムダとり」の技術といえば、IEやQCなど生産技術の分野でで言い尽くされていたと思っていましたが、どうやらそうではなかったようです。

数理物理学者が説く、「無駄学のすすめ」に乞うご期待!!

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第19回 12/22(火) 高橋智隆さん

第19回 12/22(火)の講師は、ロボットクリエイターの高橋智隆さんです。
世界初の本格的二足歩行ロボットと言われたホンダのアッシモが登場したのは1996年でした。
ホンダの開発陣は、ヒューマノイドロボットを作ることが、万物の創造主である神の領域を侵害したことにならないかというお伺いを、バチカンにたてたという話を聞いたことがあります。鉄腕アトムから50年近くがたって訪れた、ロボット時代の幕開けでした。

ところが現実のロボット開発は、産業用や軍事用、災害普及用など現実的なニーズに対応した機能重視型ロボット中心でした。

高橋さんは、アッシモが登場した当時、ロボット開発に夢を抱く大学生でした。
そして、現実のロボット開発がヒューマノイド型の進化ではなく、機能重視型へと傾いていったことに不満も抱いていきました。

であるならば、自分で作ろうとはじめたのが、ロボットベンチャー「ロボガレージ」でした。
高橋さんのロボットは、あくまでもアトムやガンダムの延長線上にあるエンタテイメントとしてのロボットです。
アニメ作品から飛び出たようなロボットが、もし本当に自分たちの身の回りに実在したら、どれほど楽しいでしょう。そんな素朴な好奇心から生み出されるロボットの数々を紹介していただきます。

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第18回 12/21(月) 福島智さん

第18回 12/21(月)の講師は、東大先端科学技術研究センター教授の福島智先生です。

ぼくが光と音を失ったとき、

そこにはことばがなかった。

そして世界がなかった。

ぼくは闇と静寂の中でただ一人、

ことばをなくして座っていた。

ぼくの指にきみの指が触れたとき、

そこにことばが生まれた。

ことばは光を放ち、

メロディーを呼び戻した。

       詩「指先の宇宙」 福島智作 より抜粋



朝日新聞の記者 生井久美子さんが、福島先生を取材した記録『ゆびさきの宇宙』は、上記の詩からははじまっています。

4歳で右眼を摘出し、8歳で全盲に、14歳で右耳の聴力を失い、18歳で全ろうに。
次々と襲う困難と闘ってきた福島先生が、「ゆび点字」という新しいコミュニケーション方法を開発・修得した時の歓びを詩に託したものです。

全盲・全ろうではじめて東大教授に就任した、日本のヘレンケラーこと福島智先生。

障害を背負った自分が生きていく意味は何か、神が与えたもうた使命があるとすれば、それは何か。
それを問い続けている福島先生が語る「バリアフリーと私達の未来」は、障害を克服するために、私達の科学や技術が作りだしたあらゆる手段・方法が果たすべき、真の意味は何か問い掛けるでしょう。

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第17回 12/15(火) 井村雅代さん

第17回 12/15(火)の講師は、元シンクロオリンピック代表コーチで、井村シンクロクラブ代表の井村雅代さんです。

以前、夕学に登壇いただいたアテネ五輪シンクロメダリストの武田美保さんによれば、シンクロの日本代表チームの練習は1日10時間以上、ほとんどの時間を水深3メールのプールで過ごすそうです。コーチの指導を受けている間も、常に立ち泳ぎを続けているとか。
その猛練習を支える体力を補うために5,000カロリー/日の食事を採るのだそうです。

猛練習に支えられた日本シンクロチームは、オリンピック種目に採用された1984年のロス大会から7大会連続でメダルを取り、日本のお家芸のひとつとして君臨してきました。
そのチームを作ったのが井村雅代コーチでした。
ソフトボールの宇津木妙子さんと並び、稀代の鬼コーチとして知られました。
プールサイドで選手を厳しく指導する姿はもちろん、テレビのバラエティに出ても、ニコニコと笑いながら「強くなるために10時間練習するのは当たり前でしょ」と喝破する姿が印象に残っています。

アテネ五輪で、団体、武田・立花のデュエットで銀を獲得して、代表コーチの座を降りた井村さんが、北京五輪に向けた中国チームのコーチに就任した時には、大きな議論を呼びました。
鬼コーチが、一転教え子達の敵に回る姿は、シンクロ版の星一徹という様相でした。

中国チームにも初のメダルをもたらした井村さんは、いまは日本に戻り、井村シンクロを拠点に選手の育成を続けています。

今回の講演タイトルは「叱って育てる」
国境を越え、時代を超えて貫き通してきた選手指導法を語っていただきます。

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第16回 12/10(木) 大西啓介さん

第16回 11/10(木)の講師は、ナビタイムジャパンの大西啓介社長です。
ナビタイムといえば、テレビ広告や電車の車内刷り広告のインパクトが強烈ですね。携帯に搭載されたナビウォークのお世話になっているビジネスパースンは、日本中に広がっています。

お祖父さんが創業した大西熱学に入社した大西社長。環境試験装置などを手がける堅実企業の後継経営者の道が眼前に存在していたはずです。
しかし、大西さんは、大学院時代に没頭した「経路探索アルゴリズム」の研究成果をビジネスに展開させるベンチャー起業の道を選びました。
大学院時代の同級生と二人で、大西熱学の社内ベンチャーとして事業をはじめ、今日の隆盛を築きました。
当初、迅速な検索スピードを実現するためには、ハードの制約が大きかったため、いかに小さなナビゲーションエンジンで検索できるかに絞って研究をしていたそうです。
その工夫が、携帯への搭載という道を拓き、いまでは携帯に不可欠な機能になりました。

思えば、経路検索というニーズは、交通網の発達と共に生まれた古典的なニーズでした。そのニーズを「経路検索アルゴリズム」というソフト技術の開発とハードの劇的な発展という時代の波とマッチさせることで、革新的なサービスが生まれたことになります。
研究開発型ベンチャーが成功する典型的な事例を見る思いがします。

「ナビゲーションエンジンで世界のデファクトスタンダードを目指す」という大志を抱くナビタイム
大西社長には、ナビタイムジャパンのサービスやビジネスモデルなど、今後の展望についてお話をしていただく予定です。

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第15回 12/8(火) 幅允孝さん

第15回 12/8(火)の講師は、ブックディレクターの幅允孝さんです。

ブックディレクターとはいかなる仕事なのか。
幅さんが代表を務めるBACHのサイトには次のようにあります。

BACHは本にまつわるあらゆることを扱います。 本屋さんをつくったり、本を流通させたり、本自体をつくったりするのが私たちの活動です。 私たちは本というメディアの力を信じています。 それは、小説でも、写真集でも、漫画でも、教科書でも、雑誌でも同じことです。 紙に印刷されたすべての言霊や感情を、然るべき場所に届け、 あらゆる人たちにその面白さを伝えたい。 私たちの仕事は、そんな気持ちに支えられています

例えば書店の陳列、例えばミュージアムの書棚、例えば病院の図書ルーム、例えば個人の書斎。
本が主役のあらゆる舞台を対象にして、主役(本)の魅力や素晴らしさ、面白さを伝えることを目的としたトータル演出家とでも言えばよいでしょうか。

幅さんは、いま日本で一番売れているブックディレクターです。

少子化、活字離れ、ネットの侵食等の理由から、右肩下がり現象が続いてきた出版業界は、昨秋来の経済低迷で雑誌広告が激減し、「いまや構造不況業種である」という自嘲的な嘆きも耳にします。

雑誌であれ、書籍であれ、紙媒体に込められた言霊の力を信じると宣言する幅さんが、本にどのような生命を吹き込むのか、プロフェッショナルの仕事ぶりを知りたいと思います。

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第14回 12/3(木) 首藤明敏さん

第14回 12/3(木)の講師は、博報堂ブランドコンサルティングの首藤明敏社長です。

慶應ビジネススクールを卒業後、一貫して博報堂のブランドコンサルティングに従事してきた首藤さん。ブランドコンサル部門の分社後は会社トップとして、消費財から生産財まであらゆる業種のブランドコンサル、経営コンサルを手がけてきたそうです。

先の日経新聞では、ルイヴィトン、シャネルといった欧州ブランドの苦戦が伝えられています。
90年代から2000年代初頭にかけて、欧州ブランドのドル箱市場とまで言われた日本。銀座の目抜き通りには、各ブランドのフラッグシップ店が偉容を競い合っています。それもようやく変わりつつあるのでしょうか。

一方で、日本にも規模は小さいながらもユニークなブランドが育ってきました。
首藤さんによれば、吉田カバン、ビームス、ひらまつなどがそれにあたると言います。モノづくりから価値づくりに舵を切り、日本ならではの強みに立脚した「日本発ブランド」です。
今回の講演では、その哲学について考えてみます。

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第13回 12/1(火) 重松清さん

第13回 12/1(火)の講師は、直木賞作家の重松清さんです。

直木賞をはじめ、数々の文学賞を受賞されているだけでなく、ルポルタージュや評論など小説以外の執筆活動にも意欲的で、とにかく多作の作家として有名です。

重松さんの作品には、いじめ、登校拒否、家庭崩壊など「家族」をテーマに書かれたものが多いと言われています。

思えば日本の近代化150年の歴史は、「家族」の形態、意味、構成力学が大きく変化した時代でもありました。
いまも昔も、「家族」は、愛を育み、命を産み、子供を育てるヒューマニティ溢れる安らぎの場所です。
一方で、かつての「家族」は、職業選択、結婚、居住場所といった目にみえる縛りで私達を拘束するものでもありました。
いま、それら目に見える拘束が消えた代わりに、目にみえない拘束が私達の手足を絡め取っているような気もします。見えないゆえに、その心理的抑圧は強く、安らぎの場所であった「家族」が緊張と葛藤の場に変わることも増えたのではないでしょうか。

そんな「家族」をテーマにお話いただく予定です。

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第12回 11/27(金) 南直哉さん

第12回 11/27(金)の講師は、福井の霊泉寺住職、青森の恐山院代の南直哉さんです。
サラリーマン生活を経て出家し、永平寺で20年以上の修業を積んだという南さん。いま注目の宗教家の一人だと言われています。
私は、ある方に教えていただいて、5月に南さんの講話を聞きにいきました。
写真を拝見すると、袈裟をブラックスーツに着替えれば、その筋の人も避けて通るのではないかという強面の南さんですが、宗教家として生涯をかけて向き合っているテーマが「生きることの苦しさ」であるとお話になりました。

宗教家として一番必要な素養は何かと問われれば、「不安のセンス」である、と最近のブログに書いていらっしゃいます。

大事なのは、自分が生きていること、存在していることに対する、抜きがたい不安です。どうして自分はこうなのだろう、このままでいいのだろうか。なぜここにいるのか、どこから来てどこへ行くのか。そういう問いが自分を底の方から揺るがしていることです。どうしても知りたいこの問いに答えられない切なさです。答える能力を「持っている」ことでなく、「持たない」ことなのです。いわば、この「不安のセンス」が、宗教家の資質として最も大切だと、私は思っています。それは、ある意味、「無明」や「原罪」などという言葉に極めて敏感に反応するセンスでしょう。

南さんの説く宗教は、「癒し」でも「救い」でもありません。むしろ「不安」や「苦しみ」です。
答えの出ない問いであることを知りながら、一生をかけて問いつづけるという「たたかいの仏教」かもしれません。

今回の講演タイトルもズバリ「私という困難」
南さんが幼い頃から感じてきた「生きにくさ」「生きづらさ」を皆さんと一緒に考えてみたいとおっしゃっています。

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第11回 11/17(火) 西水美恵子さん

第11回 11/17(火)の講師は、元世界銀行副総裁で、ソフィアバンクシニアパートナーを務める西水美恵子さんです。

西水さんは若くして米国に留学し、そのまま経済学者として活躍をされました。
30年近く前、縁あって世界銀行に移り、そこで、開発途上国の凄まじいまでの貧困を眼にしたのが、大きな転機になったといいます。
いかにして世界の貧困をなくすか。貧困から立ち上がるためのリーダーをどうやって育成するか。
世銀時代も、いまもそのことに取り組んでいるとのこと。

昨年出版された「国をつくるという仕事」という本は、西水さんが、世銀時代から精魂傾けてきた国づくりと人づくりの仕事を紹介した本で、たいへん話題になりました。
読んだ方も多いかと思います。

ワシントンに生活のベースを持ち、年二回に帰国の都度、多くの取材や講演をこなす生活をつづけていらっしゃると聞きます。

大学・大学院で経済学や政治学を学ぶ若者の多くが、ソーシャルな活動を通じて世界をよりよくする仕事につきたいと考えているといいます。いわば、彼らのロールモデルとして、生き生きと活動する西水さん。
環境や共生を、口では唱えながらも、消費と飽食の呪縛から抜け出ることができないでいる私達日本人に何を語るのでしょうか。

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第10回 11/13(金) 小宮一慶さん

第10回 11/13(金)の講師 経営コンサルタントの小宮一慶さんです。

個人の経営コンサルタントとして20年以上に渡って活躍されてきた小宮さん。
その高名は兼ねてから耳にしており、いつか夕学にお呼びしたいと思っておりました。
この数年は本も随分と売れているようで、私がよく覗く東京駅構内の書店には、小宮本コーナーまで設置されております。

今回の講演も、最近の著書『社長力養成講座』にちなんだものになります。
数多くの経営者に接してこられた小宮さんならではの、実践的なお話が伺えるものと思います。

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第9回 11/10(火) 山本一太さん

第9回 11/10(火)の講師は、自民党参議院議員の山本一太さんです。

総選挙では、政権交代の可能性がかなり高いと言われていので(実際にそうなりました)、なんとしても国会議員に来ていただきたいと思っていました。
(夕学では、後期の依頼は7月に行います)

さて、誰を呼ぶかが問題でした。 衆議院議員の皆さんはそれどころじゃないでしょうし、仮に受けていただいたとしても、落選されてしまったらと考えると二の足を踏みます。
与党になるであろう(依頼時点で)民主党の議員にはマスコミのスポットが当たるので面白みがありません。

そこで参議院。そして野党になるであろう自民党。だとすれば山本一太さんしかいない!ということになりました。

山本一太さんは、テレビでもおなじみの論客ですが、ネットを使って直接国民に語りかけるという、新しい政治家のあり方を"ホントに”実践している、ただ一人の人物だと思います。

ご自身のブログ「気分はいつも直滑降」は40万アクセス/月を越えると言います。
その秘訣は、驚異的な更新ペースにあります。
会議の合間、移動の社内、飛行機の待ち時間、深夜の事務所...
文字通り寸暇を見つけては、政治の動き、自分の意見、憤り、驚きをつぶさにアップされています。
ちなみに昨日(9/10)は、朝から深夜まで6本のアップがありました。しかもいずれも結構なボリュームでの書込です。 スゴイです!!

講演依頼にあたっては、「政局の話ではなく、日本の政治のあり方、将来のビジョンなら...」ということでお受けいただきました。

「健全な野党としてがんばるしかない!」と切り替え宣言を行った山本一太さん。
日本復活に向けた希望のシナリオをお聞きします。

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第8回 11/4(水) 鎌田浩毅さん

第8回 11/4(水)の講師は、 京都大学大学院教授の鎌田浩毅先生です。

火山学を専門とする鎌田先生。一般人には馴染みのない専門分野とは裏腹に、いま一番注目されているアカデミックスターではないでしょうか。

「科学の伝道師」を自認し、火山をはじめとして、難しい科学の話をいかに分かり易く伝えるかを苦心されてきた経験をベースに、コミュニケーション法、勉強法、仕事術の本を次々と書いていらっしゃいます。

『一生モノの勉強法―京大理系人気教授の戦略とノウハウ』は、20万部近い大ベストセラーになったと聞きます。

赤やオレンジのシャツにレザージャケットを着こなし、広告代理店のクリエイターと見紛うようないでたちで登場する鎌田先生。その服装も戦略的なプレゼン術のひとつのようです。

今回は、専門の火山の話を分かり易く解説いただくことで、合わせて「科学の伝道師」のノウハウを紹介いただくという複合構造の講演をお願いしています。

乞うご期待!!

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第7回 11/2(月) 岸井成格さん

第7回 11/2(月)の講師は、毎日新聞特別編集委員の岸井成格さんです。

日本を代表する政治ジャーナリストである岸井さん。
日曜日朝のサンデーモーニングをはじめとして、テレビでもおなじみの方ですね。先週の総選挙報道の際にはTBSの特番に出演されていました。

ズバリと本質を指摘する小気味の良さとシャープな語り口は、数多い政治ジャーナリストの中でもピカ一ではないでしょうか。
精悍な顔つきに白髪、ヒゲもよく似合います。
数年前に大病を患われて心配いたしましたが、すっかり元気になったようです。

登壇いただく11月2日といえば、鳩山民主党政権が誕生して、一ヶ月半後になります。
2大政党による本格的な政権交代時代の幕開けとも言われる鳩山政権。最初の難題は、公約実現のための財源確保だと言われています。
今年度補正予算の見直し・修正はどこまで出来るのか。
来年度予算の大胆な組み替えは可能なのか。
官僚のくびきを断ち切って政治主導の新時代を築くことが出来るのか。
その現状と見込を語っていただく予定です。

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第6回 10/23(金) 一條和生さん

第6回 10/23(金)の講師は、一橋大学大学院ICS教授の一條和生先生です。

一條先生も夕学は3度目の登壇になります。
グローバル企業の最新事例に精通するとともに、理論に裏打ちされた熱意のある講義スタイルが持ち味の一條先生が、今回取り上げるのは、「いかにしてイノベーションを起こすか」というテーマです。

未曾有の危機に直面し、今こそイノベーションが重要だと誰もが言いますが、ではどうやって、誰がリードするのかが問題です。
一條先生は、「Thought Leadership」という概念を用いて、イノベーションを起こすリーダシップを解説してくれる予定です。

「Thought Leadership」とは、革新的な構想・思想を発信することで、組織にイノベーションを起こすリーダーシップを意味するとのこと。
自らに自己革新を起こして画期的なコンセプトを生み出し世界をリードする真のリーディング・カンパニーの事例を紹介いただきながら、イノベーションを起こすリーダーの役割と育成についてお話いただけると思います。

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第5回 10/21(水) 石井淳蔵さん

第5回 10/21(水)の講師は、流通科学大学学長の石井淳蔵先生です。

夕学には4度目の登壇になる石井先生。ある時はブランド論、ある時は営業論とその時々の著書にちなんだ講演をしていただきました。
その専門領域の広さには驚くばかりです。
今回の講演「ビジネス・インサイトとは何か」も、最新著書を拝読して、早速お願いしました。

石井先生が『マーケティングの神話』で、それまでの潮流であった科学的マーケティング・仮説検証型アプローチの限界を主張されたのは、90年代初頭。マーケティング研究のエポックを画した本でした。

あれから20年近く経ち、マーケティングに限らず、戦略論、意思決定、そして経済学分野においても、反分析主義、反計画主義のアプローチが目立つようになりました。
脳科学や実験心理学の成果は、人間の営みが如何に非合理で、感情に左右されるものであることを明らかにしてくれました。

そんな時代の流れを受けて、石井先生の近著『ビジネス・インサイト』は、『マーケティングの神話』の続編というつもりで書いたとのことです。
「概念はわかった では、そうすればよいか教えてくれ」という要望に応えるものだといいます。

ビジネスインサイトを思い切って意訳してみれば、「見えないものを見る」ということではないでしょうか。

過去の延長線上から将来を読むのではなく、自分の感性を信じて新たな道に歩み出すのが経営者の仕事である。
そんな石井先生の声が聞こえるような気がします。


第4回 10/16(金) 御立尚資さん

第4回 10/16(金)の講師は、ボストンコンサルティンググループ日本代表の御立尚資さんです。

世界有数のコンサルファーム ボスコンの日本代表を務める御立さん。
実は、6年前、まだ旧新丸ビルの地下大会議室を会場にしていた頃に登壇していただいたことがあります。
思えば、あの時の日本も、金融危機の最中だった時期です。あれから日本企業を取り巻く環境は上下変動が激しく変わりました。
そんな時代の変化の中で、コンサルファームのトップをずっと務め続けることの心労は、いかばかりのものかと思います。

しかも、ワールドビジネスサテライトや、日経ビジネスオンラインなどに定期的に登場されて、鋭い経済分析や戦略解説を、これまたずっと続けていらっしゃいます。
推察するに、社会事象・社会現象と理論・原則を「つなげる力」が卓越しているのではないでしょうか。

変化に踊らず、現象に惑わされず、普遍的な原理を用いて、冷静に物事を見抜くことができる方だと思います。

そんな御立さんがお話いただくのは、「変化の時代の戦略ルネッサンス」です。
眼前の変化が、一時的な「波」にすぎないのか、それとも流れそのものを変える「潮目の変わり目」なのかを見極める重要性と、「潮目の変化」に対応するビジネスモデル再構築の必要性をお話いただけるそうです。

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第3回 10/13(火) 玄田有史さん

第3回 10/13(火)の講師は、東大教授の玄田有史先生です。

玄田先生は、夕学3度目の登壇になります。過去2回はいずれも満席でした。
答えのない問題に直面した時に、苛立つことなく、あきらめず、ひたすら問題と格闘して、のたうちまわることに価値があることを説くのが玄田先生です。

今回は、この4年間玄田先生が取り組んできた「希望学プロジェクト」についてお話していただくことにしました。

働くことにも、生活することにも、そして生きることにも希望が持てないとき、私たちは何ができるのか。

それが希望学のテーマでした。

例えば、新日鐵の高炉がなくなり、鉄の街からの脱皮をはかれぬままに苦境し続ける岩手県釜石市を訪ね、釜石の人々が何を考え、どう格闘しているのかを調査することを通して、挫折の向こうに広がる希望の灯を見いだそうとしたものだそうです。

「厳しい環境に喘いではいても、釜石の人々が明るい。挫折を経験したあとに来る本当に希望が見えているから」
そう、玄田先生は言います。

玄田先生独特の、つぶやくようなお話を通して、「挫折から育つ希望」を考えます。


PS.
玄田先生、ブログも書いていらっしゃることに気づきました。
ゲンダラジオ
お人柄が伝わるようないいブログです。

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第2回 10/7(水) 沢木耕太郎さん

第2回 10/7(木)は作家の沢木耕太郎さんです。

個人的な話題ですが、沢木さんは私のあこがれの人でした。
<詳しくはこちらを>

いえ、私だけでなく、私と同世代の人達にとっての「あこがれ」でもありました。

多くの若者が沢木耕太郎のようになりたいと願い、沢木耕太郎の真似をして旅に出ました。
そして沢木耕太郎のようになれずに、いま生きています。

60歳を越えた沢木さんが語るのは「博打的人生」
カシアス内藤や色川武大といった無頼漢の逸話なのか
入社日に辞表を出して、フリーランスライターの道を歩き出したご自身の人生なのか
いま沢木さんが追いかけている未知なる誰かの生き方なのか

聞き逃せない講演です。

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第1回 10/5(月) 小黒一三さん&福岡伸一さん

第一回目は、小黒一三さん福岡伸一さんの対談セッションです。

“スローフード、スローライフ、ロハス”
現代社会の都市生活者が抱く漠然とした渇望感に応えるライフスタイルを、小黒一三さんは、雑誌『ソトコト』を通じて提唱してきました。

“動的平衡”
生命科学の知見が明らかにした生命の不可思議なメカニズムを、福岡伸一さんは、独特の語句表現を使って、私達の眼前に提示してくれました。

二人は、問題意識と志を共有する仲間同士でもあります。

「ロハス」と「動的平衡」を繋ぐものはなんでしょうか。
ひとつは、「私達人間が、長い間続けてきた食生活や生活習慣には、必ず意味がある」とう真理です。
いまひとつは、「成長・発展、分析・計画というパラダイムからは、上記の意味は見えてこない」という問題意識です。

生命は、行く川のごとくに流れの中なかにあり、私達が「食べること」「暮らすこと」は流れを止めないための営みとのこと。
私達が便利になることは、流れをせき止めたり、流路を変えることで、行く川の流れのどこかに無理を強いてきたことを忘れてはいけません。

「ロハス」と「動的平衡」
二つのキーワードをめぐって、日本人の「いま」と「これから」を考えます。

小黒一三さん

福岡伸一さん


夕学申込はこちらへ
http://www.sekigaku.net/index.htm

夕学の申込が開始されました

お待たせいたしました。

夕学五十講2009年度後期の申込受付が開始されました。
今期は10/5~1/28まで全25講演となります。

今期は
・希望社会を求めて
・未来を創る経営
・実践 仕事の方法論
・私がみたニッポン
・生き抜く力を磨く
の5つのテーマを掲げております。

それと、まだ確定はしていませんが、上手く事が運びますと、もう一人、ビッグゲストの追加講演を出来るかもしれません。
26回になっても全回予約の料金は変更しませんので、その場合は一回お得ですね。

ブログでもきょうから、いつものように講師紹介をしてきますのでお楽しみに!

第25回7/30(木) 佐藤勝彦さん

第25回 7/30(木)の講師は、宇宙物理学の第一人者 佐藤勝彦先生です。
この春に東大を定年退官された佐藤先生は、宇宙をテーマにした一般向け科学解説書や教養書を数多く書いてこられました。
湯川秀樹、朝永振一郎両博士を嚆矢に、昨年の南部陽一郎先生まで、ノーベル賞学者を輩出してきた日本の素粒子理論研究の関連領域で、私達一般人がかろうじてイメージできるのが「宇宙」の不可思議を解明することに貢献してきたという事実ではないでしょうか。
佐藤先生は、そんな伝統的系譜をつないでこられた研究者のお一人です。

137億年前にビックバンによって誕生し、いまもって加速度的な膨張を続けていると言われる「宇宙」。夕学にも登壇いただいた松井孝典先生のお言葉によれば、「自然界には、宇宙の歴史的痕跡が刻み込まれており、いわば「宇宙の古文書」の役割を果たしている」とのこと。
その古文書を、物理学の理論を使って読み解くことで、宇宙の謎を解明するのが宇宙物理学という学問です。

佐藤先生によれば、宇宙を構成する物質エネルギーのほとんどは「暗黒物質」と呼ばれるものだそうです。
なんともおどろおどろしい名称が付けられていますが、要は、自ら光を発することもなく、どんな信号にも反応することもない、正体不明の存在であることが、「暗黒」である所以とのこと。
つまり、宇宙のほとんどは、まだ未解明の物質エネルギーに満ちており、宇宙の膨張も、その「暗黒物質」が及ぼす効果なのだそうです。

かくも不思議で、スケールの大きな宇宙の話。
佐藤先生のお話を聞いたあとに、夏の夜空を眺めてみたいと思いませんか。

第24回 7/24(金) 保阪正康さん

第24回 7/24(金)の講師は、作家の保阪正康さんです。
日本の近現代史、特に昭和史を専門とし、骨太のノンフィクションや歴史書を著してきた保阪さん。かつて夕学にも登壇いただいた半藤一利さんと並ぶ在野歴史家の代表者です。

昭和という時代は、わずか60年の短い期間に劇的なパラダイムチェンジが起きた稀有な時代です。
私の父親は昭和2年生まれ(昭和元年は一ヶ月もなかったので事実上の昭和のスタート)ですが、その年代の方々は、一人の人生の中で、「軍国主義」「連合軍占領下」「戦後経済発展」という、3つの時代を生き抜かねばなりませんでした。
社会規範、経済状態、教育制度、文化・思想のあり方等など、人間のモノの見方・考え方に影響を及ぼす環境要因が、まったくといっていいほど異なる中で生きてきたことになります。

「こうした時間帯のなかで、日本人はどのような変容をとげたのか。あるいはとげなかったのか。この講座では改めてそのことを考えてみる」と保阪さんはおっしゃっています。
日本人は何を、どのように失敗し、それをどうやって省察してきたのか。
昭和という時代の日本人のどのような性格や思考方法を次代につなげばよいのか。
戦後64回目の夏を前にして、そのことを考えてみたいと思います。

第23回 7/22(水)山本博文さん

第23回 7/22(水)の講師は、東大史料編纂所教授の山本博文先生です。
日本近世史(江戸時代)を専門として、江戸文化や武士をテーマにした多くの著作を出してきた山本先生。
江戸城を眼前に望む丸ビルで行う夕学では、徳川将軍と大奥をテーマにお話していただきます。

昨年、大好評だったNHK大河ドラマ『篤姫』は、改めて大奥への関心を喚起させてくれました。
名前の通り、本来は、表向きの政務とは一線を画す、影の存在であった大奥が、後継将軍の決定にさえ影響を及ぼすほどの政治力を持つにいたったのはなぜなのか。
とかく興味本位の俗論で語られることが多い世界ですが、今回は、最新の資料を踏まえながら、徳川幕府における大奥の役割や意義などを解説していただきます。

第22回 7/17(金) 上田紀行さん

第22回 7/17(金)の講師は、東工大大学院准教授で文化人類学者の上田紀行先生です。
文化人類学というと、未開の奥地や秘境に入り込む探検家的な研究姿勢が特徴ですが、上田先生の学者としてのキャリアは、スリカンランカでのスリランカで「悪魔祓い」のフィールドワークだったと言いますから、もう筋金入りですね。

そんな上田先生がここ数年特に力を入れて取り組んでいるのが、日本仏教の再生です。「仏教ルネッサンス塾」という勉強会の塾長をつとめ、宗派を超えた若手僧侶のディスカッションの場をマネジメントするなど精力的に行動をされています。
考えてみれば、親鸞、一遍、日蓮などを産み出した「鎌倉仏教」は、それまでひと握りの支配者層に独占されていた仏教を民衆に開放することで壮大なパワーを発揮したと言われています。
あおの信長の天下布武に最後まで抵抗したのは、本願寺を中心にした一向宗の門徒達でした。日本の仏教は、社会の変革期に大きな力を発揮する磁場の働きを果たしてきたのかもしれません。
翻って、混迷を深める21世紀の社会。自殺者3万人と言われる一方で、癒し、ヒーリングが求められています。
果たして、宗教は、仏教は、この時代にどのような役割を果たすべきか。
仏教に期待されるものを考えてみたいと思います。

第21回 7/13(月) なかにし礼さん

第21回 7/13(月)の講師は、作家の なかにし礼さんです。

学生時代に、シャンソンの訳詞家としてキャリアをスタートさせ、作詞家に転向してヒット曲を次々と世に送り出したなかにしさん。
『天使の誘惑』(昭和44年黛じゅん)、『今日でお別れ』(昭和46年菅原洋一)、『北酒場』(昭和57年細川たかし)と、いまと違って権威があった頃の日本レコード大賞を三度も受賞しています。

その後小説も書き始め、こちらも大ヒット作を連続して、2001年には『長崎ぶらぶら節』で直木賞を受賞されました。

そんな華麗な遍歴を誇るなかにしさんですが、訳詞家になる時、作詞家に転ずる時、小説を書き始める時、それぞれの転機にあたっては、人生を変える大きな出会いがあったそうです。
石原裕次郎氏、ゴーギャンなどとの出会いがそれにあたるとのこと。

彼らとの出会いが、なかにしさんにとって、どんな意味を持ち、何を変えたのか。
人生を変えるような大きな出会いとはいったい何なのか。
この講演では、そんな出会いを考えます。

第20回 7/9(木) 箭内道彦さん

第20回 7/9(木)の講師は、クリエイティブ ディレクターの箭内道彦さんです。

箭内さんは、広告の世界では名前の知られたクリエイターです。
誰もが知っているところでは、吉本のお笑いタレントを、奇抜なヘアスタイル次々と登場させて話題になった、資生堂のUNOシリーズのCMがありますね。

クリエイター、特にCMクリエイターというと、天賦の才に恵まれたひと握りの天才の世界という印象がありますが、箭内さんの持論はまったく違います。

「自分ひとりで思いつくことなんてあまりにも小さい。目の前の相手と向き合ってそこから生み出せばいい」

自分の才能に思い悩んでいた時に、クリエイティブは自分だけで考えるものではなく、依頼主から引き出すものなのだということに気づいたことで、一気に世界が拓かれたと言います。

箭内さんは、それを「合気道」の精神に擬えました。
つまり、「相手の力を利用すること」に本質があるということです。
「合気道」の精神は広告の世界に留まらず、およそ全てのビジネスにあてはまるスピリットです。
そう気づいた箭内さんが書いた本が、『サラリーマン合気道』でした。

この講演は、そんな箭内さんの仕事術をお聞きしたいと思います。

第19回 7/7(火) 森田汐生さん

第19回 7/7(火)の講師は、アサーティブジャパン代表理事の森田汐生さんです。

アサーティブネス、あるいはアサーションというのは、端的にいえば、「きちんと自己を主張すること」と言えばよいでしょうか。
1960年代~70年代にかけて、米国で普及したコミュニケーション理論とスキルのひとつです。

マイノリティや女性など、抑圧されがちな立場に置かれた人々が、相手に対して攻撃的にならずに、かといって受け身的にもならずに、言うべきこと、主張すべきことを、適切に伝えるためのコミュニケーションのあり方として発展してきました。

森田さんは、イギリスの医療機関でソーシャルワーカーとして働くなかで、アサーティブネスに出会い、専門家としてのトレーニングを積んだそうです。10年ほど前に、日本においてアサーティブの考え方を広める目的でアサーティブジャパンを設立し、全国各地で講演や研修を行っています。

日本人は、同質的な集団の中で、和を重んじるばかりに、知らず知らずのうちに、言いたいことを抑圧するコミュニケーションスタイルが染みついていると言われています。
一方で、社会は多様化し、異なる価値観を持った人々と協働することも求められています。

言いたいことを我慢して、無用なストレスを感じることや、主張をしないばかりに、意見を持たない人間と軽視されてしまうことも増えてきました。
いまこそ、上手に自己主張するスキルを持つことが必要ではないでしょうか。

森田さんのお話を通して、誠実で率直な「No」の伝え方を、アサーティブネスを通じて学んでみたいと思います。


第18回 7/2(木) 漆紫穂子さん

第18回 7/2(木)の講師は、品川女子学院学校長の漆紫穂子先生です。
大正時代に、当時品川町長であった漆昌巌氏、娘の雅子氏により設立されたという品川女子学院。80年以上の伝統を誇る女子中・高等学校です。
設立当初から、良妻賢母を養成するお嬢様学校ではなく、社会で働き、家庭と両立させる自立した女性を育てようという理念を掲げていたといいますから、当時としては稀有な女子学校ではなかったでしょうか。

そんな名門校を引き継いだ漆紫穂子先生ですが、現在にいたる道のりは、平坦ではなかったとのこと。一時は生徒が集まらず、廃校が取りざたされた時期もあったそうです。
漆校長が取り組んだ学校改革が奏功し、現在では、国公立大学をはじめ、有力私大にも多くの生徒が進学する人気女子校のひとつに数えられています。

今回の講演では、改革の過程を振り返りながら、先生に、職員に、そして生徒に直接働きかけ、モチベーションを高めていった漆先生の改革のストーリーをお話いただきます。

第17回 7/1(水)上村達男さん

第17回 7/1(水)の講師は、早稲田大学大学院教授の上村達男先生です。
上村先生は、言わずと知れた会社法の大家です。2006年の会社法改正前後はもちろんのこと、この10年、グローバル金融資本市場の大波が日本を覆い尽くそうとする中で、日本の企業経営やコーポレートガバナンスのあり方について積極的に発言をされてきました。

素人知識で認識しているのは、会社法改正の意義は、頻発する企業不祥事が社会問題化したこと、金融資本市場の急進展に背を向け、グローバルな競争について行けないor目を背けようとしている日本企業の「経営の規律」を糾すことにあったような気がします。
ベンチャーにとっては障壁となっていたいくつかの規制を緩和する一方で、会計制度やコーポレートガバナンスの仕組みを変えることで、経営監視機能を強化する取り組みが行われてきました。

その流れの中で起きた、今回の金融危機。
経営のモデルとされた米国で顕在化したグローバル金融資本主義の問題点は、日本の資本主義、そして株式会社をどう進化させていくのか。
法的な側面から、問題の本質に遡って考えてみたいと思います。

第16回 6/17(水) 清水聰さん

第16回 6/17(水)の講師は、明治学院大学教授の清水聰先生です。
清水先生の専門は消費者行動論です。そう聞いてピンと来ない方も多いかもしれませんが、実は、マーケティングの中でも、最もビジネス現場との関係が深い分野ではないでしょうか。
有名な「アイドマ(AIDOMA)理論」は消費者行動論の知見が、実務の世界に広く普及した例のひとつです。

いわば、消費者は、なぜ、どのようにモノ・サービスを購入し、利用するのか。そのメカニズムを明らかにしようというものです。
当然のことながら、消費者の行動は、時々の社会環境や技術環境の影響を受けて変化します。現在では、ネット社会の進展をうけて、上記のアイドマ理論に変わり、アイサス(AISAS)理論」なる概念を提唱する一群もいます。
アメリカの音楽業界は、すでにi-Tuneに覇権を握られており、ネットでの流通が主流になりました。もちろん、すべての販売チャネルがネットに置き換わることはないにしろ、モノ・サービスの消費プロセスにおける、ネットの存在と影響力は、消費者行動論を大きく変えると言われています。

清水先生は、そんなネット社会の新たな消費のあり方を、「ネットが産み出した新しい消費者像」という切り口から解明すべく、実証的な研究をしてきました。
「目利き」 「聞き耳」 「死神」というのは、そんな新しい消費者と行動を言い表した言葉です。

消費財メーカーや小売り業など、一般コンシューマー向けビジネスの関わっている方、商社や広告業界など消費者と消費行動に関心のある方には、是非聴いて欲しい講演です。

第15回 6/11(木) 山極寿一さん

第15回 6/11(木)の講師は、京大大学院教授で霊長類学・人類学を専門とする 山極寿一先生です。

ルワンダとコンゴ民主共和国にまたがる中央アフリカ熱帯雨林の森で、ゴリラやチンパンジーの生態を解明すべく30年にも及ぶ調査研究を続けているという山極先生。
ゴリラの研究では、数ヶ月間も現地に留まって、その生態を間近で観察してきたと言います。
山極先生の研究は、単なるゴリラの生態研究に留まらず、その知見を現代の人間社会が抱える普遍的な問題にまで敷衍していることに特徴があります。

今回の講演テーマは「暴力はなぜ生まれてきたのか」です。
古代社会での戦争は、部族間による土地や資源の争奪戦でした。やがてそれは国家レベルの戦争へと発展します。
中世には、国を超えて、宗教や民族を巡る争いが生まれました。
近代に入ると、帝国主義による侵略戦争が始まり、世界大戦へと連鎖していきました。
第二次大戦後は、イデオロギーをめぐる戦いが世界を二分しました。
現在の先生は、西欧文明社会とイスラム原理社会とのテロ戦争の様相が濃くなっています。

これほどに、文明が進歩したにもかかわらず、なぜ戦争はなくならないのか。なぜ暴力が繰り返されるのか。人類の祖ともいえる霊長類(ゴリラやチンパンジー)の生態を知ることで、暴力とは何か、人間性とは何かを解明しよう、というのが山極先生の研究です。

山極先生によれば、「人間の暴力には人間以外の霊長類の攻撃性に由来する特徴と、人間独自のものがある」とのこと。
何が人間を人間たらしめ、それゆえに引き受けねばならなかった不幸とは何か。
そんなスケールの大きな問題を考えることができればと思います。

第14回 6/9(火) 三枝成彰さん

第14回 6/9(火)の講師は、作曲家の三枝成彰さんです。
テレビでは洒脱なトークで司会業もこなす三枝さんですが、音楽家としては、クラシックから、映画音楽、テレビ音楽、演劇音楽など、さまざまなジャンルで活躍していらっしゃいます。

そんな三枝さんが、ライフワークとして取り組んでいるのがオペラの作曲と普及活動です。

「音楽・演劇・美術が渾然一体となったオペラはどうして生まれ、今日まで人々を魅了してきたのか。それはすなわち、近世から現代までの西洋文化を考えることに他なりません。その歴史をひもとくことで、世界にあまねく広まっている西洋文化の意味を考察します。」
とのこと。

夕学では、これまでも、クラシック音楽(茂木大輔さん)ミュージカル(塩田明弘さん)と音楽関係を取り上げてきましたが、その全ての要素を取り込んだ芸術がオペラです。

三枝さんが、自らの経験も踏まえて語る本格的なオペラ講義です。

第13回 6/3(水) 宇津木妙子さん

第13回 6/3(水) はルネサス高崎女子ソフトボール部シニアアドバイザーの宇津木妙子さんです。
まだ記憶に新しい昨年の北京五輪。日本選手団最大の快挙は女子ソフトボールの金メダル獲得でした。
あの時、冷静沈着な強面の監督として鳴らしてきた宇津木さんが、テレビ解説席で思わず発した「よかったョ~!!」という嗚咽混じりの言葉。
感動の場面を思い出す方も多いのではないでしょうか。
シドニーでも、アテネでも、あと一歩及ばず敗れ去った日本チーム。その時、宇津木前監督は「弱いから負けたんだ」と突き放すように言い放ちました。
その冷徹なまでの勝負師精神には、恐ろしさを感じたほどです。

そんな宇津木さんが、絞り出すようにして発した、あの一言は、ご本人とその教え子でもある斎藤現監督、そして選手達にしかわからないさまざまな思いが凝縮した言葉だったと思います。

いまでは、かつての厳しい姿とは別人のような柔らかな笑顔で、テレビに登場することも増えた宇津木さん。教え子達が成し遂げた夢の金メダルをどのように総括しているのでしょうか。

第12回 6/2(火) 原丈人さん

第12回 6/2(火)の講師は、 デフタパートナーズグループ会長の原丈人さんです。

慶應の法学部を卒業後、中央アメリカの考古学研究に従事するために渡米し、その資金獲得のためにスタンフォード大でMBAを取得し、ベンチャーキャピタルの世界に入ったという原さん。
ネット時代の到来を見越して、シリコンバレーのITベンチャーに投資し、大成功しました。
数年前からは、コンピューターによるITの限界を読み切って、ポストコンピュータ-によるネット社会のあり方とコンピューターに換わるネットワークツールを新たな基幹産業として育てようという活動をされています。

更に、最近ではソーシャルな活動に重点を移し、自らが開発したポストコンピュータ-のネットワーク技術を使って発展途上国の情報インフラを整備し、識字率、医療衛生状態の改善につなげようという社会的な取り組みに注力しています。

2007年に出版され、ベストセラーになった『21世紀の国富論』という本は、そんな原さんの想いの丈がつづられた素晴らしい本です。
アダム・スミスが元祖『国富論』を書いたのは、いまから230年前。
夕学に登壇された大阪大学の堂目先生によれば、スミスが主張したのは、市場経済万能主義による富める者中心の社会発展ではなく、道徳的な規範も合わせ持った、貧困なき社会の実現だったとのこと。

生き馬の目を抜くようなシリコンバレービジネスで成功してきた原さんが、いち早く見据えたのは、230年前にスミスが抱いた問題意識と同じだったのかもしれません。

演題は「公益資本主義と新基幹産業創生」
すぐに役立つ実践的な知識やスキルもよいですが、大上段から社会のあり方を問いかける原さんの講演も、是非多くの方に聴いて欲しいものです。

第11回 5/28(木) 堀場厚さん

第11回 5/28(木)の講師は、堀場製作所の堀場厚社長です。

"京都系企業”と呼ばれる企業群があります。
京セラ、ローム、ワコール、オムロン等々。戦後生まれで、京都に本社を置き、独自な製品や経営観をもって、キラリと光る優良企業としてあげられる企業です。
堀場製作所も、そんな"京都系企業”の代表といえる存在です。
厚社長のお父様である堀場雅夫さんが終戦間もない頃に学生ベンチャーとして起ち上げたのがはじまりだと言われています。

経営学の研究では、「なぜ、京都にユニークな優良企業が多いのか」という命題に対して、京都の閉鎖性が理由にあげられています。
「一見さんお断り」という慣習に見られるように、京都は伝統的に外部の人間を容易に受け入れない、閉鎖的社会だと言われています。
志のある若者が起業しようとしても、既成の事業領域、やり方では通用しません。それゆえに創業時から、新奇性や独自性にこだわり、自社ならではの技術やサービスを創り出すことを迫られます。そのスピリットが"京都系企業”には脈々と息づいていると言われています。

堀場社長にも、その精神は、しっかり受け継がれているようです。
昨秋の金融危機以降、世界中の経済が急激に冷え込み、守りに入ることを最優先する会社が多いなかで、、いたずらに不況を嘆くばかりではなく、逆境の時こそ、次ぎに備えた準備をすべきであるという前向きな発言を繰り返しされています。

今回の夕学の演題は「大波に打ち勝つ経営」
逆境に立ち向かう、ファイティングスピリットを持った人材をどう育てるか。教育問題にまで言及しながら、力強いお話をいただけるようです。

第10回 5/26(火)竹森俊平さん

第10回5/26(火)の講師は、慶應義塾大学経済学部教授の竹森俊平先生です。

昨秋に発した金融危機以降、金融危機の発生原因や資本主義のこれからをテーマにした書籍が山のように出版されました
そんな中で、多くの識者から高い評価を得た数少ない良書のひとつが、竹森先生の『資本主義はお嫌いですか』でした。
この本が発売されたのは昨年の夏の終わりですから、金融危機のインパクトは、専門家の間の議論であって、私たち自身の問題として眼前に立ち上がる前のことです。
しかもこの本で多くの紙面を割いているのは、サブプライムローンが及ぼす世界経済への危険性について論争がかわされた米国の経済学会の様子ですが、その会議が行われたのは2006年の夏のことでした。

つまり、今回の危機はすでに3年前から多くの経済学者の間で予見されえたもので、突如として発生したものではないことがわかります。
しかし残念ながら、予見できることが支配的な言説となるかどうかは別物で、世界の叡智を集めた場であっでも、時の勢いに流されていくことが止められなかった様子がよくわかります。

どうやら、私たちが選んだ資本主義というシステムは、いつの時代も予測不能な新たな問題を発生させるメカニズムを内在しており、永遠に不確実なままであるようです。
少なくとも、資本主義にまさる思想や制度がない以上、次々と生まれてくる資本主義の弱点を見つけては分析し、手だてを考え、対策を打つという行為を、永遠に続けていくしかありません。

私たちには、その現実を冷静に受け止めて、一時の享楽に浮かれることなく、資本主義と付き合い続ける覚悟をしておく必要がある。
竹森先生は、きっとそんなお話をされるのではないでしょうか。

第9回 5/22(金) 山田ズーニーさん

第9回 5/22(金)の講師は、文章表現・コミュニケーションインストラクターの山田ズーニーさんです。
ベネッセで高校生を対象とする小論文編集長として「書く力、考える力」の育成に取り組んできた山田ズーニーさん。
現在は、学生さんだけでなく、大人、企業人を対象とした、表現教育にも尽力しています。
糸井重里さん主宰の『ほぼ日刊イトイ新聞』では、「おとなの小論文教室。」を連載中ですので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
PCがビジネスツールとして普及して以来、私たちの表現技術は、ビジュアル化への傾倒を深めてきました。
また、メール文化の普及は、手紙や報告書を推敲し、手直しをするという習慣を、なくしつつあると言われています。

「ひと目でわかること」「ひと言で言い表すこと」が重要なことは言うまでもありませんが、それは、論理的に自分の考えを伝えるというプロセスの向こう側にある、一歩進んだ表現のあり方であって、思考のショートカットを意味するものではありません。

書くという行為を通して培われる表現力が、時を超えた普遍的な「知性」であることは、今もなんら変わることはないはずです。

文章表現のプロ、山田さんが説く、「相手のこころを揺さぶる文章」の要件とは何か。
ブログを書く私としても、興味深い講演です。

第8回 5/12(火) 五味一男さん

第8回 5/12(火)の講師は、日本テレビ上席執行役員の 五味一男さんです。

入社以来、ディレクターorプロデューサーとして、数々のヒット番組を世に送り出してきた五味さん。
24時間テレビを、現在のマラソンとチャレンジ応援パターンという形に作りかえたことをはじめとして、「マジカル頭脳パワー」、「ごくせん」「エンタの神様」などの大ヒット番組に関与してきたとのこと。

日大芸術学部を出て、CMディレクターとして市川準氏に師事した後に、テレビ制作の世界に入ったというキャリアだけを拝見すると、天才肌のクリエイターというイメージが思い浮かびます。
天才のやり方は天才だけに通用するもので、普遍性はないというのが一般的な捉え方ですが、五味さんは、そんな考え方を真っ向から否定します。

ヒット作品は、天才的なひらめきや、思いつきから生まれるのではなく、一般大衆の代弁者として、彼らが抱えている潜在的なニーズを、最大公約数で表すことができるかどうかである。
ヒットには、ヒットするための普遍的な理論がある。
というものです。
メガヒットを生み出すノウハウを、自ら「五味理論」と名付け、多くの場で紹介しています。

グローバル企業が、軒並み足下をすくわれているなか、内需産業が注目されています。基本的なニーズが全て満たされてしまっている成熟社会にあって、新商品・サービス開発に携わる方には必見の講演ではないでしょうか。

第7回 5/8(金) 池上重輔さん

第7回 5/8(金)の講師は、早稲田大学商学研究科、客員准教授の池上重輔先生です。

外資系コンサル、外資系企業でのブランドマネジャー、新事業開発、ベンチャーキャピタリストなどを歴任してきた池上先生。昨年、日本向けにブルーオーシャン戦略を解説する本を書かれました。
ブルーオーシャン戦略は、欧州を代表するビジネススクールINSEADのW・チャン・キムとレネ・モボルニュが提唱した戦略論の理論的フレームワークです。
競争のない、まったく新しい市場をブルーオーシャン(青い海)に擬え、激しい競争のもと消耗戦を余儀なくされるレッドオーシャンから脱却し、新市場を切り開く組織的な方法論と言われており、成熟化した社会で、競争戦略に苦慮している日本企業からもたいへん注目されている理論です。

その一方で、池上先生によれば、「日本においては残念ながら多くの誤解や、実行方法がよく理解されていない例が非常に多い」とのこと。
今回はブルー・オーシャン戦略を理解する上でのポイントを実例を交えながら解説していただけるようですので、新規事業や新商品開発を考えているビジネスパースンには必見の講義です。

第6回 5/7(木) 谷川俊太郎さん・覚和歌子さん

第6回 5/7(木)は、詩人の谷川俊太郎さんと覚和歌子さんによる、詩の朗読&対談です。

「マザーグースのうた」をはじめ、半世紀に渡って、日本を代表する詩人として活躍する谷川俊太郎さん。
彼の詩は、誰もが何らかの形で目にし、朗読してきたことと思います。
今回、谷川さんに講演と朗読をお願いしたところ、「どなたかと対談であれば」ということで、自ら覚和歌子さんをご指名いただきました。

覚さんは、作詞家として平原綾香、夏川りみなどに詩を提供する一方で、「千と千尋の神隠し」の主題歌「いつも何度でも」の作詞など、ジブリ作品でも同じみの新進気鋭の作詞家・詩人です。

聞けばお二人は、セッションで朗読と対談をする機会も多いとのこと。
気のあったお二人の詩人による「言葉の世界」をご堪能いただきたいと思います。

第5回 4/28(火) 荒俣宏さん

第5回 4/28(火)の講師は、作家の荒俣宏さんです。
SF小説『帝都物語』で世に出て、幻想文学、神秘世界、妖怪などなど、人間の理性・論理とは少しばかり距離のある、不可思議世界の森羅万象に精通した「知の巨人」として有名です。

ライフワークとされる『世界大博物図鑑』は、荒俣さんが平凡社で“生活しながら”全7巻を一人で書き上げたと言われています。
私は、目にしたことはありませんが、例えば鳥類の巻を見ると、キジ類の分類の中に、キジ、ヤマドリ、ニワトリなどと並んで、大鵬やフェニックスまでもが載っているとのこと。
現存する(した)かどうかではなく、人類が想像しえたあらゆるものが掲載された、まさに「博物図鑑」であります。

今回の講演では、当初は「日本の歴史と文化」というテーマの中で、江戸・東京の文化についてお話していただこうと思いましたが、時代や地域を限定されると話ずらい、もっと自由にして欲しいというご要望を受けて、「博物学と美術」という演題となりました。

古今東西の人類の叡智・情念・想像を、その巨躯一杯に詰め込んだ荒俣さんのお話が、どう展開するのか大いに楽しみです。

第4回4/24(金) 今北純一さん

第4回(4/24)の講師は、欧州系戦略コンサルティング会社 コーポレート・バリュー・アソシエイツ(CVA)のマネージング・ディレクターを務める、今北純一さんです。

今北さんは、メーカーの研究者出身で、単身ヨーロッパに渡ってから30年、日本と欧州の掛け橋的な仕事をされてきました。テクノロジーとエコノミクスを結合した)「テクノ・エコノミクス」という考え方を体現してきたという今北さん。
理系、文系といったステレオタイプの分類軸では処しきれない融合的な捉え方を提唱されています。
日本では、「欧州」という呼び方で、ヨーロッパとアメリカをセットで捉えてしまう傾向がありますが、実はヨーロッパ(特に大陸欧州)とアメリカは、社会・文化的価値観はかなり違うと言われています。
今北さんによれば、欧州は、大枠の社会ルールを共有化しておいて、個別の問題は、個の対応力に委ねるべきだという価値観を持っているそうです。
規制や細かいルール作りによって暴走を防ごうとするアメリカ型の社会システムに対して、欧州の方が日本人には親和的であるはずです。

また、今北さんは、将棋の羽生善治さん、柔道の山下泰裕さん等とも親しく交流しているといいます。将棋や柔道といった日本的文化を欧州人に説明するのに苦労していた時に、絶妙のタイミングで現れて、手助けをしてくたのが今北さんだとか。人間的にも魅力的な存在に違いないでしょう。

講演は、ズバリ「世界で戦える人材とは」です。

第3回4/22(水) 佐高信さん

第3回4/22(水)の講師は、佐高信さんです。
佐高さんも夕学は3度目の登壇になります。
大学時代からの友人である岸井成格さん(毎日新聞編集顧問)が言うところの「人間性センサー」を持っている佐高さんにとって、これまで2回は、小泉-竹中コンビという好敵手が健在だったので、センサーの鳴り方も、ひときわ高かったような気もします。
ところが、この2年ほどは、センサーを鳴らすに相応しいほどの相手もいないというのが、我が国の政治の現状ではなかったでしょうか。こころなしか佐高さんの物言いも優しくなったと感じるのは私だけでしょうか。

そこで今回は、現状の政治・経済を斬るのではなく、過去の先達を振り返っていただくことにしました。
佐高さんは、「慶應出身だから...」というわけでなく、ひとりの評論家として、福澤諭吉を高く評価しています。
幕末、日本中に攘夷思想が跋扈していた頃は、福澤の開明的な思想や行動に対する攻撃も激しいものがありました。命を狙われることもしばしばだったと言います。中津藩の下級武士に生まれ、拠って立つ基盤のない福澤は、生身でその危険に立ち向かっていきました。
その精神的強靱さは、佐高さんの高く評価するところです。

また、明治政府が成立後に、繰り返し政府出仕を求められながら、終生在野に生きることを貫いた姿勢も佐高さんの好みのようです。

思想というのは、常にその時代の風と熱に晒されます。
後世から見てみれば好きなことが言えますが、ある方向へと時代がうねりを上げて動いている時、人々が熱病のようにそれに流されている時、敢然として自身の信じる思想を語り、行動することは並大抵のことでは出来ないことを、自らもそうして生きてきた佐高さんはよく知っているのかもしれません。

時代の熱に浮かれなかった生き方。それが佐高さんをして、福澤諭吉を「平熱の思想家」と言わしめたものだそうです。

第2回4/15(水) 藤原和博さん

第2回4/15(水) 杉並区立和田中学校前校長で、大阪府知事特別顧問の藤原和博さんです。

夕学には3度目の登壇になる藤原さん。
最初の時は、リクルートから和田中校長の転身した直後。二度目は、その3年後、そして今回はそのまた3年後になります。

はからずも和田中の学校改革の様子を定期報告のようにお聞きしてきたわけですが、改めて思うのは、藤原さんの卓越した実行力です。
威勢のよい改革論を語る人は多いものですが、実際に学校組織に飛び込んで、さまざまなしがらみや制約条件をクリアしながら、構想を実現することは、並大抵のことではありません。
強い意思の力が必要なことはもちろんですが、冷静な分析、ユニークな発想、したたかな交渉、暖かい人間性等など、人間としてのトータルな力が必要です。
藤原さんは、その全てを有しながら、持ち前の飄々とした雰囲気で、サラリとやってしまったという印象を与えるところが素晴らしいと思います。

彼の改革の原動力になったのが、今回の講演タイトルにもある「つなげる力」です。
藤原さんの言う「つなげる力」とは、情報編集力のことです。
人、モノ、金、アイデアなどなどさまざまな情報を柔軟な発想で組み合わせる力とも言えるかもしれません。
藤原さんは、組み合わせる際に発揮される「頭の柔らかさ」こそが、いまの子供、大人、日本に必要なもので、それを養うための「よのなか科」という授業を行って来ました。
和田中学校の改革は、彼が「つないだ」情報が、次ぎの情報を「つなぎ」、その連鎖が改革を継続させるエンジンになることを証明した事例だと思います。

いま藤原さんが挑戦しているのが、大阪の学校改革です。
和田中を退任された後、1年かけて大阪の学校現場を周り、入念な状況把握を終え、「こうすればいける」という確信を得た頃ではないでしょうか。

教育に関心がある人、組織の変革を目指す人、自己の能力向上を考えている人等々
もう一歩成長したいと考えている全ての人に聴いて欲しい講演です。