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第21回 7/20(火)鴻上尚史さん

photo_instructor_1082.jpg7/20(火)今期最終回にご登壇いただくのは作家・演出家 鴻上尚史さんです。

新型コロナウイルスに絡む差別やいじめ、風評被害につながる言動・・・コロナ禍は改めて、日本社会の同調圧力の強さを見せつけられ、いま「生きにくい」と感じている人が少なくないと言われます。

鴻上さんは、共著『同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか』にて、日本特有の「世間」から生まれる「同調圧力」は、コロナ禍のなかで凶暴化したとまで記しています。

昨今、多くの企業、組織では「多様性」の大切さが広く言われているにも関わらず、日本社会は「協調性」が強調される帰来は変化していないようです。

そこには、「多様性」を受け止めるのはとても難しいことであり、その時の手がかりとして「シンパシー(同情心)」ではなく、「エンパシー(共感能力)」が大切であると鴻上さんは仰います。

これまで、さまざまな演劇作品を演出し、共感を呼ぶ舞台を創り出してきたからこその鴻上さんの視点は、日本人が持つ社会観を熟知しているからこその作品の数々なのでしょう。

さらに、鴻上さんの雑誌面上で繰り広げられる人生相談は子育て、夫婦の不満、容姿、孤独・・・等々、「えっ、こんなことまで!」の内容に相談者に寄り添った丁寧な回答に、読んでいるだけで穏やかな気持ちにもなります。

個人と社会に寄り添い、時に俯瞰し客観視する鴻上ワールドを通して、日本が持つ世間のルールを解き明かしながら、生きにくさ、息苦しさから解放されるためのヒントを頂きたいと思います。(保谷)

・鴻上 尚史(こうかみ しょうじ)
・作家・演出家
・演題:「同調圧力とエンパシー」
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※本講演の見逃し配信はありません。

第20回 7/13(火)山川 恭弘先生

yamakawa.jpg第20回 7/13(火)はバブソン大学准教授 山川 恭弘先生にご登壇いただきます。

山川先生は慶應義塾大学法学部卒、カリフォルニア州クレアモントのピーター・ドラッカー経営大学院にて経営学修士課程(MBA)修了、テキサス州立大学ダラス校国際経営学博士号(PhD)。そして現在、マサチューセッツ州にあるバブソン大学(
Babson College)にて教鞭をとられるとともに、起業・経営のコンサルティング、ベンチャーのアドバイザリー・ボードも務められています。

さまざまな国・地域で学び、研究し、実際に多くのスタートアップや事業創造にも携わってこられた山川先生。日本でも著書やメディアで積極的に発信され、幅広くご活躍です。

ご専門は「失敗学」。
バブソン大学はアントレプレナーを数多く輩出し、起業家教育全米No.1、と評価を受けている大学です。起業や経営において、失敗は必然であり、身近な存在であるという事実。失敗を恐れるのではなく失敗からも学び、活かすという姿勢。感じます。

不確実性が高まる世の中を生き抜くために鍵となるのは、「起業家的思考と行動法則」、と山川先生はおっしゃいます。起業者、経営者であるだけでなく、私たち誰にも必要なマインドや姿勢、行動の方法論のヒントがありそうです。じっくり学びたいと思います。(湯川)

・山川 恭弘(やまかわ やすひろ)
・バブソン大学准教授
・演題:「未来を創造する起業家的思考と行動法則」
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※本講演の見逃し配信はありません。

第19回 7/9(金)大木毅さん

★photo_instructor_1080.jpg7/9(金)は現代史家 大木毅さんのご登壇です。

2019年夏に出版された『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』は12万部のベストセラーとなり、有識者や書店員、新聞記者らが選ぶ「新書大賞2020」も受賞されるなど、大木さんの著書が大きな注目を浴びています。

「これは絶滅戦争なのだ」とヒトラーが断言し、史上空前の惨憺たる戦争とも言われる独ソ戦。第二次世界大戦の帰趨を決したともされますが、その実情を私たちはあまり知りません。

大木さんは、日本では、ヨーロッパにおける第二次世界大戦の展開について、30年、場合によっては半世紀近く前の認識がまかり通りってきたと仰います。

そこには、日本のアカデミズムが軍事や戦史を扱わず学問的なアプローチによる研究が進まなかったこと、この間の翻訳出版をめぐる状況の悪化から、外国のしかるべき文献の刊行が困難になったことなどが背景ともなっているようですが、そのなかにあって、大木さんの著書は史実理解への大きな一石を投じている故の評価なのかもしれません。

ドイツ留学時代より、関連書籍を自費で買い求め、原典にてドイツ語、英語で読み歪曲ではなく事実を理解し、わかりやすい解説を努めてきた大木さんの姿には、軍事史家としての矜持を感じます。

今や「趣味の歴史修正主義」者、事実を歪曲する「戦史研究家」も多いとされるなか、大木さんの独ソ戦概史の解説より、史実に向き合う姿勢とはなにか、本質の理解とはなにか、を考えてみたいと思います。(保谷)

・大木毅(おおき たけし)
・現代史家
・演題:「知られざる惨禍 独ソ戦とロシアの歴史認識」
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第18回 7/7(水)長谷川眞理子先生

hasegawa.jpg第18回 7/7(水)は長谷川眞理子先生にご登壇いただきます。

長谷川先生のご専門は、行動生態学、自然人類学です。

「100分de名著」のダーウィン『種の起源』回、『クジャクの雄はなぜ美しい?』『進化とはなんだろうか』などのご著書で、私たちにもわかりやすく人類学や進化論を解説してくださっています。

総合研究大学院大学(総研大)の学長でいらっしゃいます。
国立天文台、国立歴史民俗博物館、国際日本文化研究センターといった名だたる国の研究所の、一流の研究者養成を目的に
設立された、博士課程教育の大学です。その学長とは、どれほどすごい方なのだろう!とこれまでのご研究やキャリアについて知りたくなり、「私の研究歴」ページを見つけました。

びっくりしました!

「野生のチンパンジー、イギリスのダマジカ、野生ヒツジ、スリランカのクジャクなどの研究を行ってきた。最近は人間の進化と適応の研究を行なっている。」

人類学や進化論がご専門と思っていましたら人間の研究は最近のこと、「ずっと人間には興味がありませんでした。」ときっぱり。

しかし続いて、こう振り返られています。

「人間ともっとも近い動物の「心」について、ある種の直観を養うことができたことが大きかった」
その後、早稲田大学政治経済学部で教鞭をとり
「政治学、経済学など人間社会を研究する社会科学に、私自身が目を開かれました」

研究者としての姿勢、信念、お人柄がよく伝わってきて、私はますます今回の講演が楽しみになりました。
野生チンパンジーの生態研究に始まり、社会科学をへて、複雑適応系としての進化学の研究へ。ヒトの研究の進化(と言わないのでしょうが)としてますます興味をもちました。さらにもっとも高機能でもっとも不思議な脳と感情がテーマです。皆さんとじっくり長谷川先生の最新研究成果で学びたいと思います。(湯川)

・長谷川眞理子(はせがわ まりこ)
・総合研究大学院大学(総研大)学長
・演題:「認知の進化と感情の進化:認知が万能ではない」
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