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知性と情熱に彩られた「道」 池田理代子さん

池田理代子この日の客席は圧倒的に女性が多い印象。「ベルばら」世代の40代、50代が目立つ。いつもよりも柔らかな期待感に包まれる中、壇上にあらわれた池田理代子さんはビビッドなピンクのワンピース姿。お年のことには触れるのは無粋と知りつつ、つい言いたくなってしまう。72歳とは到底信じられない華やかさ、美しさだ。

講演タイトルは「私の歩いてきた道」。
「わたしの話を聴きたい人なんて居ないんじゃないかと思って」と、少女漫画の巨匠に似つかわしくない謙虚な第一声から始まった講演は、夕学五十講では珍しいインタビュー形式。漫画家の他に声楽家の顔も持つ池田さんは、人前に立つことには十分に慣れておられるはずだが、両手でマイクを持つ姿からは少しの緊張が伝わってきた。

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多様な専門性を束ねる専門家 白坂成功さん

いまから50年前(1969年)アポロ11号の成功により人類は初めて月面に立った。アポロ計画にどれ位のコストがかかったのかは知らないが、アメリカが国家の威信をかけた一大プロジェクトであった。その当時、人工衛星を1機打ち上げる為に、膨大な人員と時間が投入されたことは間違いない。
ところが、2017年、インドのPSLVロケットの打ち上げでは、一度になんと104機の人工衛星を打ち上げ、軌道に乗せることに成功している。

白坂成功今回の夕学の登壇者 慶應義塾大学大学院SDM研究科で超小型衛星の開発研究を行う白坂成功教授によれば、宇宙開発の常識は大きく変わった。
いまや、第三次宇宙開発ベンチャー時代を迎えつつあるという。ロケットも衛星も小型化・低コスト化が進み、主役は民間企業に移りつつある。宇宙開発の目的も、社会問題の解決や、ビジネスユース、さらにはエンタテイメントにまで及んでいる。

日本でも、宇宙ベンチャーが続々と生まれている。
ロケット系では、ホリエモンがスポンサーになったことで知られるインターステラテクノロジズ社が、MOMOという小型ロケットの打ち上げに取り組んでいる。
MOMO

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ビズリーチからはじまる生産性革命 南壮一郎さん

南壮一郎「どれどれ?経歴も申し分ない」
「へー、そんな経験が!」
「即戦力じゃないか!」
「ぜひ欲しい!」
「おい君、彼はいったいどこで!?」

この後に続くのはもちろん「ビズリーーーチ!」である。ビズリーチのテレビコマーシャルは登場人物が少なく、ほぼセリフだけで物語が進んでいくため、映像の派手さもない。しかし何故かインパクトがある。

株式会社ビズリーチは、代表取締役社長である南壮一郎氏が自身の経験からはじめた求職者課金型の転職サイトである。南氏が楽天イーグルス退職後に転職活動をはじめた際、いくつかの転職エージェントに登録して27社を紹介された。しかしそこに同じ企業はなく、求職者と採用者のマッチングプロセスが不透明であり、違和感をもったのがはじまりであった。

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日本発データガバナンスを通じた多様性への目覚め 山本龍彦さん

山本龍彦日本は、G20の議長国となる2019年というタイミングで、AIやビックデータの活用によって、ビジネスにおける国際競争をリードしようとするのみならず、人々の日常の暮らしへ大いにAIを活用しようとしている。

データやAIの活用により、新たなビジネスが生まれ、企業の国際化が推進されることを高く期待している。しかし、慶應義塾大学法科大学院教授で慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュートの副所長でもある山本龍彦氏から、AIのプロファイリングがプライバシーを侵害する可能性があること、人々をAIが検出するアルゴリズムに基づく恣意的なカテゴリーで分類する危険性を持ち合わせていることを説明いただいた。山本教授はその上で、データを活用した新たなビジネスのチャンスを法的枠組みによって適切に管理する必要性を訴えた。

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「兆し」と「見立て」のデザイン 岩嵜博論さん

人間を理解し、デザインに置き換え、ビジネスに転換する

岩嵜博論それが、きょうの講師 岩嵜博論氏のコアコンピタンスである。
リベラルアーツ大学ICUで社会学を学び、慶應SFCで建築、イリノイ工科大学でデザイン思考の修士を修め、京大MBAで博士号を取得した俊才である。


「価値の源泉がモノからサービス、体験へとシフトしている」
岩嵜さんは、その象徴的事例として、ラスベガスで開催された2018 International CESでトヨタが発表したe-paletteを紹介してくれた。
そこには、移動や物流、物販など様々なサービスに対応し、人々の暮らしを支えるモビリティカンパニーを目指すというトヨタの意思がある。自動車そのものではなく、自動車をツールとしたサービスにこそ価値の源泉がある、と宣言をしているに等しい。

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明石ガクト氏に聴く、実践:VISUAL STORYTELLING

明石ガクトいやこれ無理っしょ、この講演レビューするとか。だって相手は明石ガクトさんよ?ワンメディアの代表取締役で、日本の動画制作の第一人者よ?去年バカ売れした著書のタイトルだってズバリ『動画2.0』なんだから。動画1.0どころか静止画すらない文字だけ2500字かそこらでどうやってこの日の講演内容をまとめて紹介しろっちゅうねん。どこまで竹槍精神なんや。

なんなら今回、文章じゃなく動画でレビューしましょか?こう見えても学生時代には若手映像作家の登竜門と言われたぴあフィルムフェスティバルで予選を突破したこともあるんですよ。本選で落ちたけど。え?映像と動画は違う?そこをわかっていない時点でアウトですか。そうですかわかりましたじゃあ潔くテキストだけで玉砕しますよ。メディアとしてのテキストのダメっぷりを全力で証明することで時代は動画だよ!というのを伝えるのが今回の私の役割ってことで。斬られ役か。

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