« 評価の軸を自分の内に 安田秀一さん | メイン | 年相応より、好奇心相応 若宮正子さん »

リラックスなんて、上手にできない。そんな時に、心身統一合気道 藤平信一さん

藤平信一みなさんは一週間にどれだけリラックスやストレス解消の時間を使っていますか。買い物やこどもと公園でバトミントンをするのと違い、自分がリラックスに専念できる時間はなかなか持てないまま、すごい勢いで生きている感じしませんか。リラックスする時間を作ろうとして、むしろ一生懸命仕事を片付けようと焦ることや、何か大切な用事を後回しにして、無理やりストレス解消の時間を捻出するようなこと、私にはあります。そしてそんな時間をどれだけ確保しても、結局ストレスは解消しないなんてこともあったり。。。

心身統一合気道会 会長で、慶應義塾大学体育会合気道部師範・特選塾員の藤平信一先生は、いつでも、どこでも、誰でも、すぐにできる心身統一合気道を使えば、緊張をほぐし、自分が持つ最大限の力を発揮できると教えてくださった。なんとそれぞれの動作に必要な時間は数十秒で、オフィスでも駅でも、自宅でも、服を着替えることもなければお化粧をする必要もない、万能術なのである。

その手順は1~4に分かれている。
1.姿勢
2.意識
3.呼吸
4.心身一如

1.姿勢
姿勢を適切に保つことは緊張せずに日々過ごすための第一歩である。合気道の姿勢は最も楽に作られており、必ずしも「背筋をピンと張り胸を張るキヲツケ」ではない。つま先立ちの姿勢からゆっくりかかとをつけて、胸を張ることなく、肩の位置は自然に。すると、つま先に重心が置かれた状態でとても立ちやすい。
藤平先生はスポーツ選手にこの立ち姿勢を伝授している。この姿勢を確認し、重心を下すだけで、野球選手のバッティングフォームに安定感が出るのだという。先生は大リーグチームのキャンプに最長5か月帯同してこの訓練をするという。

2.意識
立ち姿勢ができたら、その姿勢をとった時に意識を下腹のおへそのさらに下にもっていく(腹筋に力を入れても、力が入らない下腹の下の部分)。ここを臍下の一点(せいかのいってん)という。立ち姿勢と意識の位置さえ整えれば、歩き出した後や、次の動作が始まったあとは、いちいち姿勢を確認する必要はない。この基本動作さえ確認すれば、重心が上がり、「あがる(緊張する)」ことや「頭に来る」ことはない。座っている状態の姿勢で正しいものも、胸を張った状態ではなく、座骨を立てて、臍下の一点のさらに少し下の椅子との間の位置を意識して肩をストンと下した状態。一度、肩を上げ下げすると、きちんと下がった感覚がつかめる。

海外のエグゼクティブが日本人の取締役を指して、「なぜ彼らは姿勢が悪いんだ」と尋ねる話があるように、発言の信ぴょう性や説得力と姿勢には大きな関係があることは、周りのオフィスを見渡してみるとよくわかる。

3.呼吸
姿勢と意識が整ったら、今度は呼吸を整える。ポイントは口を「ア」の形に自然に開けてささやくように「ハァ~」と吐く。無理に長く吐き続ける必要はないし、徐々に息が細く消えていく感じがよい。姿勢を整えずに呼吸を整えようとしてもうまくいかないので、注意が必要。

人は緊張すると知らないうちに呼吸が浅くなっている。体に力がはいったこの状態では、練習したはずのプレゼンもうまくはいかない。

4.心身一如
最後に、心と体が連動するように心がけること。朝、会社であいさつをするときに、きちんと挨拶をする相手を見ていますか?「おはようご」くらいの時点ですでに顔も心もパソコンに集中していることはありませんか。心身分離の代表的な事例は、「あれ、私、鍵閉めたっけ?」。書類を渡すとき、挨拶をするとき等、さまざまなビジネスの場面で心身一如を心掛けると、オフィスのコミュニケーションが円滑に進む。

根詰めて仕事をしていると、私にはリラックスする勇気がないときがある。のんびり時間を使っている間に、仕事が溜まっていく恐怖やストレスが蓄積されていくと思ってしまう。そのストレスのせいで、余計に緊張して空回りし、仕事をスムーズに進めることができない。なんて不器用なのだろうと自分を責め、ときには悪循環に陥ることもある。ここまでくるとネガティブ街道まっしぐらだが、似たような経験をしている人は絶対にいるはず。もしいたら、あなただけではありません。一緒に方向転換しましょう。

藤平先生は、どんなにいい研修を受講したとしても、受講する姿勢や意識が整っていなければ効果が少なくなってしまうとおっしゃった。心身統一合気道のルーティンは、すべての動作の基盤となる動きである。合気道は仕事や研修の効果を最大限発揮することによいだけでなく、わたしのような「リラックス困窮者」がその効果を最大限発揮させるものでもある。のんびりする時間の直前や、うまくリラックスモードに入れないときこそ、基盤となる合気道の要素を確認すればよい。短時間で長時間リラックスと同じ効果が得られるのであれば、もう息抜きすることを恐れることはない。

沙織