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ビジョンと実現 辻 孝さん

ツジphoto_instructor_940.jpg「日本人には臓器移植よりも再生医療の方が合っていると思う」との話をかつて聞いた。10年以上前の話だ。それは日本人の思想や宗教観を基にした話だったように記憶しているが現在の再生医療はどのようなものなのか。身近な歯や毛髪をトピックとした辻孝氏の今回の講演を楽しみにしていた。しかし一方で不安も大いにあった。医療の専門的な話についていけるのかという、恐らくは会場の多くが持っていたであろう問題だ。この点について専門的な箇所もあったがスライドを含め辻氏は素人にもわかりやすく話されたと思う。とはいえ完全に門外漢の私がここで本講演について医療の観点から取り上げるのは読者にとっても恐ろしく退屈な、そして的外れで講演者の怒りを招くレビューになりかねない。したがってここでは違う面から辻氏の講演を論じたい。

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人工生命研究からみる「わかり方」の未来 池上高志先生

池上photo_instructor_949.jpgルンバはなぜ生命にならないのか?
ルンバは自身でゴミやほこりを探知し、自動で掃除をしてくれる。だが、あくまでルンバは掃除機であり、私たちはそこに生命が宿っているとは考えていない。なぜルンバが生命にならないのかについて、池上高志先生は以下4つの仮説をあげる。

  1. コンピューターの計算速度が遅い(CPUの問題)
  2. パラメーターが正しくない
  3. モデルが簡単すぎる
  4. まだ発見されていない理論がある

池上先生は第4の新しい原理の発見のために人工生命(Artificial Life)の研究をしているという。

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「人・本・旅」で総オタク化すれば、日本は変わる 出口治明さん

デグチphoto_instructor_939.jpg 何かに耽溺している人を見るのは楽しい。たとえ「好き」を追求するあまり、常軌を逸した世界にイってしまっていたとしても、熱情そのものに罪はなく、むしろ尊いのだ。
 そういう尖った熱情をもって何かに打ち込みすぎる人は、日本では長らく「オタク」「変態」と疎まれてきた。しかし、「オタクと変態を増やさなければ日本に未来はない」と本物のオタクであるこの人は喝破する。研究者でもないのに世界史の本を物すほどの歴史オタク(ご自身の言)で、万象にあかるい「歩く教養」のような人。本業は、今をときめくAPUの学長。超一級のビジネスマンとしても知られる、彼の人が言うのだ。

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ユーザーインで1兆円企業を狙う 大山晃弘さん×清水勝彦さん

大山晃弘.jpg

ウォルマート、BMW、プジョー、ディオール。これらの企業に共通することは何かーーそう、同族経営であることだ。
実は世界の企業の80~90%は同族経営だという。特に我が国においては国内法人企業約250万社のうち97%は同族経営だ。また、この約250万社のうち中小企業は全体の99.7%で、従業者数では66%を占めている。つまり日本の企業の大部分が「同族経営の中小企業」だと言える。

偉大なる中小企業

アイリスオーヤマは、そうした「同族経営の中小企業」の中でも自他ともに認めるトップクラスの有名企業だ。
「え?アイリスオーヤマが中小企業?」と疑問に思う向きも多いだろう。実際、グループ総売上高4900億円(2018年度予想値)、グループ総従業員数11,866名という陣容を見ると押しも押されもせぬ大企業に思えるが、会社法上の大会社の要件である「資本金5億円以上」「負債200億円以上」は満たしておらず、税法上も中小企業者に分類される会社なのである。

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