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バイアス・フリーとコンセプト、そして禅 濱口 秀司 さん

photo_instructor_924.jpg一つの便利な言葉なり解釈なりが社会に受け入れられ、便利であるが故に繰り返し、まるで不変の真理のごとく使われるのに遭遇すると私は嫌悪感や不信感を覚えずにはいられない。
典型的な例は「日本人は英語が話せない」で、実際はカタカナ英語や単語を繋げた文でも日本人は話せる方だと思うことは多い。原因を探っていけば様々な解が見つかるのに一度「日本人は英語ができない」と安易に振りかざした途端、すべての思考や解決への道は閉ざされてしまう。他にもあるのが「日本人は改善が得意でもイノベーションが苦手だ。」それ本当?濱口さん、よろしくお願いします。

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闘うチバニアン 岡田 誠先生

photo_instructor_923.jpg千葉時代を意味する「チバニアン」は、約77万年から12万6千年前の地質年代の基準地となった場所を指す名称。千葉県市原市の地層にある。今回登壇した岡田誠先生は、その研究チームの代表を務めていらっしゃる方だ。

チバニアンは、語感はキャッチーだが、ミルフィーユ(地層だけに)が載った3頭身のゆるキャラなどでは決してない。意外に結構な苦労人だ。まずもって先の私のようなボンクラな無知と偏見に対し辛抱強く向き合ってこなくてはならなかったし、しかもまだ何者にもなれておらず、長らく半人前状態での足踏みを余儀なくされている。現在、チバニアンは、世界で69番めのGSSP(Global Boundary Stratotype Section and Point:国際標準模式層断面とポイント)になるべく国際地質科学連合に申請中で、そこで認められて初めて、ようやく正真正銘、本物の「チバニアン」になれるのだ。

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超AI時代における落合陽一さんの考え方

photo_instructor_922.jpg心ってそんなに大事だろうか?

身体よりも心が大事であると、私たちは子どもの頃からそういう教育を受けて育った。
AI(人工知能)の話となれば、人間との大きな違い――心や感情の有無ばかりが取り沙汰される。

「心ってそんなに大事ですか?」

講演のために用意されていたどの言葉よりも、質疑応答で出た何気ないこの一言が、落合陽一さんの考えをよく表している気がした。演題は「超AI時代の生き方・働き方・考え方」。AIについての講演は、他の夕学講演でも何回か聴く機会があったが、今回はこれまでとは違ったメディアアーティストの視点と切り口であり、AIやテクノロジーがどうのこうのという話よりも、落合さん自身の考え方に脳が刺激された感じであった。ここでも、「落合陽一さんの考え方」という視点から、今回の講演について書いてみる。

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人生100年時代の心のあり方 石川善樹さん

photo_instructor_912.jpg石川善樹氏は現代の若い人だと思う。悪い意味ではない。講演が雨天の日だからか傘をさした人の絵のTシャツにジャケット姿で軽やかに登場し、聴衆の年代やニーズをよく捉えており、論理的で大変良くまとまっていて話し方もわかりやすかった。「考えるスタート地点が大事なので語源から考え始めるのが好きです」と言って予防医学がイタリア語で馬を御すること、自分を御することがマネジメントとの話、そして石川氏の「胸にどうしようもなく迫る」3つの疑問が紹介される。
(1)自分は何歳まで生きるか? (2)こんなに自堕落でいいのか (3)何歳から本気出すのか?
初めに大枠が示された。他にも講演は豊かに広がったがここではこの3点に絞り紹介する。

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「羽生善治さんと阿刀田高さんが考えるAIとの付き合い方」

羽生善治阿刀田高「AI(人工知能)は単なるブームではないか」。私のまわりの経済学者たちのあいだでは、そんな説が濃厚である。だいたい最近になって思うのだが「AIが人間の仕事を奪う」という代替説自体が、人々の不安や恐れを煽るような、ちょっと"アレ"な感じの話題な気がしている。恐怖心はあるものの、結局のところ、私を含めてAIがなんだか理解してる人ってそんなにいないのでは?って感じである。AIがもたらす漠然とした不安。そんなAIについて「AI時代の人間の行方」という題目で、本日は将棋棋士の羽生善治さんと、作家の阿刀田高さんのお二人の見解を対談形式で存分に伺った。

前半一時間は羽生さんのお話。将棋棋士の観点からすると、AIと人間の違いは次の三つに集約される。

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"リアル未知子"に見る強さとしなやかさ 内山聖子さん

内山聖子これまで夕学五十講にてさまざまなスピーカーによる講演を聴いてきたが、講演の冒頭には特に、スピーカーの個性があらわれるような気がしている。

大いにくつろいだ雰囲気で話し始める方、登場した瞬間に会場を惹きつけるチャーミングなオーラをまとった方、闘いのような厳しい顔で臨む方----内山さんはいずれのスピーカーとも違い、あたかもビジネス・プレゼンのごとくアジェンダの説明から講演をスタートした。
このアジェンダがまた魅力的で、会場の人たちが知りたい・聴きたいであろうことをしっかり見抜いている。さすがヒットドラマのプロデューサー、1話目から視聴者の心をガッチリつかむ術を心得ていらっしゃる。

今回の講演は、『失敗しないドラマ創り』というタイトルから想像されるとおり、あの大ヒットドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(以降、『ドクターX』)の話が中心だった。企画やキャスティングなど作品誕生の背景から撮影時の裏話まで、全シリーズを鑑賞してきた『ドクターX』ファンとしては終始ワクワクの90分間だったが、講演で披露されたエピソードを列挙するのは芸が無いので、本レポートでは内山さんのお話から私が勝手に感じたことを書いてみようと思う。

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