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100年企業の改革を進めるトリックスター 有沢正人さん

有沢正人.jpg 大企業の幹部の人たちと懇親していると、いつも不思議に思うことがある。彼らの酒の肴のほとんどが、過去や将来の人事の話題だということだ。過去の人事についてであれば「いやぁ、やはり人事はよく見ているよ」。近い将来の人事の噂に関してであれば「しかし人事は、実際に席に座ってみるまでは分からないぞ」

 そういう時の彼らは、人事という単なる企業活動の中の一機能のことを、あたかも神の託宣であるかのように神妙な面持ちで語るのだ。
 人事ひとつで人生設計までもが大きく変わる可能性があるのだから、それがおおごとであることは分かるものの、私自身はずっと小さな会社のオーナーをしているので、その感覚は今ひとつピンと来ない。

 「人事を尽くして天命を待つ」という。この場合の人事というのは"人としてできること"といったような意味であり、企業のHRのことではない。しかし人事を語る時の大企業ビジネスマンたちの顔は、まさしくその天命を待つ無力な民のそれ、そのものだ。

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「考えることをやめるな!」池上彰さん

池上彰.jpg今回の講師は「わかりやすい解説」でおなじみの池上彰氏。テレビでは見ない日がないほどの活躍ぶりだが、本人によると「現在の本業は大学で学生に教えることと、本を書くこと」。テレビはそれらに支障のない範囲でやっているそうだ。
東京工業大学をはじめ複数の大学で授業を持ちながら、抱える締め切りは月に25本というから凄まじい。

池上氏のこの熱は、一体どこから湧き、どう維持されているのだろう?

この日の講演は米英仏のシリア攻撃の話から始まった。
シリア攻撃を開始する2日前、ツイッターで「ミサイルを飛ばすからロシアは準備しておけ」とつぶやいた米・トランプ大統領。軍事機密を漏らしたとして問題になったというが、単に軽率な発言だったのか?

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鏡 横田南嶺さん

nanrei_yokota.jpg「死んだらどうなるのだろう。」4、5歳くらいの頃だろうか、そんなことを考えた時期があった。それは決まって寝る前で、眠りにつくまであれこれ考えていつの間にか眠り、起きるとそんなことはすっかり忘れて夜になるとまた考えるという事がしばらく続いた。しかし同様の問いを持たれても円覚寺の横田南嶺管長はやはり違う。2歳の頃のその問いに誠実に取り組まれていく。

「白い煙になって空に帰って行く」
「(灯籠流しで用いる)船に乗り川を流れてあの世に行く」
火葬場と新盆の川で死をそのように大人は説明したが、生憎流したその船は目の前で沈んでしまった。2歳の幼児はどうも冷めた目を持ってしまったらしく、次のような感想を得る。
「大人は当てにならない。」

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第25回 7/27(金)山口周さん

shuu_yamaguchi.jpg7/27(金)、2018年度前期さいごの講演は、コーン・フェリー・ヘイグループ 山口周さんです。

山口周さんは電通、ボストン・コンサルティング・グループ、A.T.カーニーなどを経て、現在、コーン・フェリー・ヘイグループのシニア クライアント パートナー。この豊富なコンサルタントとしてのご経験とキャリアの山口さんのベースに、美学美術史のご専攻があると知り、なるほどと手を打ちました。話題となりました山口さんの近著の一冊を読んだときです。

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』
私は幼いころから音楽や絵などが好きで、専攻こそしなかった(できなかった)ものの、制作や研究にも憧れました。ですので"美意識"というテーマを真っ向から扱ったこの一冊にはとてもひかれました。

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第24回 7/24(火)飯田泰之先生

yasuyuki_iida.jpg7/24(火)は経済学者の飯田泰之先生にご登壇いただきます。

飯田先生は明治大学政治経済学部で教鞭をとり、研究・政策に取り組まれていらっしゃいます。ご専門は経済政策、マクロ経済学、応用計量経済学。内閣府経済社会総合研究所はじめ、政府の委員や政策にも携わられているほか、ニュース番組や討論番組のコメンテーターとしてもご活躍です。

皆さまのなかにはメディアや書籍で、飯田先生のことをお知りになられた方、注目されたきっかけの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

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第23回 7/20(金)水島広子先生

hiroko_mizushima.jpg7/20(金)は水島 広子先生にご登壇いただきます。水島先生は、精神科医で、対人関係療法専門クリニック院長でいらっしゃいます。

心にも"健康"があり、調子のよいとき悪いときがある。健康の維持・回復のための治療や予防、方法がある。私たち誰もがそう知り、意識する時代になりました。それほど身近となった一方で、ストレスやメンタル不全、特に対人関係によるものは、現代において、とても大きな問題となっています。

それは、働く個人、生きていく個々人の問題としても、それを支える家族や同僚等としても、そして、雇用する企業側やマネジメントする側にとっても、です。

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第22回 7/19(木)橋爪大三郎先生

daisaburo_hashizume.jpg7/19(木)は社会学者、東京工業大学名誉教授 橋爪大三郎先生のご登壇です。

社会宗教学の大家でいらっしゃる橋爪先生の著書は、素人であってもわかりやすいものが多いと大評判、特にビジネスパーソン必読書としてのベストセラー多いことも特長です。

それもそのはず、先生は、ビジネスパーソンこそ「リベラルアーツ」、「本物の教養」を学ぶことが大切と強く主張され、日本人である私たちが特に苦手意識を持ちやすい世界の宗教について、興味深く解説下さいます。

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第21回 7/12(木)スプツニ子!さん

suputuniko.jpg7/12(木)はアーティスト、東京大学特任教授 スプツニ子!さんのご登壇です。

「!」までつくお名前、モデルかとさえ思うその美貌、さらに肩書からだけでは、何者なのかつかむことの難しいスプツニ子!さん。

日本人のお父様と、イギリス人のお母様はお二人とも数学の研究者。

それを聞けば、英国インペリアル・カレッジ数学科、情報工学科を卒業、英国王立芸術学院(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)にてデザイン・インタラクションズ専攻修士課程を修了。さらには、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ助教としてデザイン・フィクション研究室を主宰、そして東大へというご経歴にうなずく方も多いことでしょう。

テクノロジーによって変化していく世界を扱う映像、音楽、写真、インスタレーション作品を発表し、その活動は多岐にわたっていらっしゃいます。

ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでの卒業制作として発表した『カラスボット☆ジェニー』(2011)、『生理マシーン、タカシの場合。』(2010)、『寿司ボーグ☆ユカリ』(2010)など、ネットで大反響を呼び、東京を拠点に、世界各国の名だたる美術館より声がかかり、さまざまな展示活動は引きも切らず続いています。

今回、お話し頂くテーマは「問いを立てるデザイン」。

デザインとITとメディアの結節領域にて、未来を創り出す存在として注目されるスプツニ子!さんは、デザインを通じて社会にどんな問題提起をされているのでしょうか。

異才が放つ言葉に注目し、じっくりとお伺いしたいと思います。(保谷)

 ・スプツニ子!さん
 ・アーティスト、東京大学特任教授
 ・演題:「問いを立てるデザイン」

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第20回 7/6(金)白井さゆり先生

sayuri_shirai.jpg7/6(金)ご登壇頂くのは慶應義塾大学総合政策学部 教授 白井さゆり先生です。

黒田総裁の再任、2人の副総裁も就任し、日本銀行ではこの4月より新たな体制がスタートしています。

日銀は、2013年黒田総裁就任後、安倍政権の下で政府と共同声明を発表し、物価安定目標として「2%の物価上昇率」を掲げ「異次元緩和」を導入してきましたが、5年経た今もなお、2%の達成には程遠い状態になっているのはご存じの通りです。

「日銀の金融緩和は足りていない」と主張する黒田総裁再任によって、安倍政権では、「物価上昇率2%こそ実現できていないが、経済は各段に良くなっている。企業収益もよく、物価も2万円を超え、雇用もよい。だからこそ、今後も金融緩和策を続けるのが得策である」というメッセージを国民に送り続けているのです。

白井先生は、足許のインフレ率2%目標より程遠いこと、市場価格に歪みをもたらす国債と株式の大量買入れに市場参加者は漠然とした不安を抱えているこの現状に、中央銀行としての政策に異議を唱えていらっしゃいます。

現在は、世界景気の回復基調と東京オリンピック開催の特需、異次元緩和による円安誘導に支えられ、一見すると順調な景気拡大局面にあるように見えますが、それらの要因が剥落していけば、本来の成長力に戻るのではないかと、先生はアラートを発しているのです。

その時に慌てるのではなく、正しく現状を見つめ、日本経済の行く末について率直に国民と向き合い、対応を考えておく必要があると強くおっしゃいます。

それは、私たち国民一人一人が、今後の日本をどうしたいのかを考え、向き合うということでもあります。

白井先生の豊富なご経験と分析を解説頂くことより、日本経済の先行きについて、自分事として考えてみたいと思います。(保谷)

 ・白井さゆり先生
 ・慶應義塾大学総合政策学部 教授
 ・演題:「東京五輪後の日本経済」

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推薦図書 『東京五輪後の日本経済』(小学館)
推薦サイト  小学館のBOOK PEOPLE の「岐路にたつ日本経済