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選挙制度に異議あり! 谷口尚子さん

 photo_instructor_812.jpg谷口尚子先生の講演前日、2016年6月21日付の朝日新聞を広げ、私は口をあんぐりさせた。紙面には、今回の参議院選挙において憲法を重視政策に挙げた自民、公明の候補者はゼロ、と書かれていたからだ。

 自民党の党首が憲法改正に意欲的なことは今さら言うまでもない。憲法は国の最高法規である。その憲法の改正が重要でないならば、今回の候補者はすべて争点隠しのウソつきか、さもなくばコトの重要性が理解できない大バカのどちらかだ、と書いてしまっては言い過ぎか。

 まあ、だからといって、かつて政権交代を果たし惨憺たる結果をもたらしたどこぞの党に期待する気は毛ほどもなく、実現不可能な理想論だけを叫び続ける万年野党にはもはや飽き飽き。もともと政治に関心が薄いほうではないけれど、最近は投票のモチベーションをどこに見つけていいのやら。これが現在の私の偽らざる心境である。

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大阿闍梨に学ぶ、暗闇にあかりをともす生き方 塩沼亮潤さん

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すさまじい行と、その先にある奇跡

千日回峰行ーー明治時代以降にこの行を完遂した人、つまり大阿闍梨は塩沼亮潤さん以外にたったひとりしかいない。「てことは、かなり厳しい行なのだろうなァ」と聴講前にボンヤリ想像していたが、具体的な内容を聞いてひっくり返りそうになった。

19:00就寝、23:30起床。起床後すぐに滝に打たれて身を清め、階段500段を駆け上がって山伏のような格好(雨などで濡れると7kgにもなる)に着替える。休む間もなく山を登って朝8:30には24km先の山頂に到着。もちろん、歩くのは整備された登山道ではない。獣道だ。
山頂に着いたらすぐさま来た道を戻る。

毎日毎日、睡眠時間わずか4時間半で48kmもの険しい道のりを行く。これを1,000日間続けるのが千日回峰行だ。常人には到底真似できるものではない。

1,000日といっても、ぶっ続けではない。1,000日連続じゃ死んでしまう......からではなく、雪の時期は山に入れないからだ(いや、実際に1,000日も続けたら間違いなく死ぬだろう)。1年のうち4ヶ月ほどをこの行に費やしても、全て終えるまでには9年もかかる。

講演では、苦しい行の合間に塩沼さん自身が書き留めたたくさんの言葉が紹介された。

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ラグビー日本代表チームを変えたメンタルコーチ 荒木香織さん

photo_instructor_822.jpg自分の心を征すれば全てを征することができると、古より言い伝えられている。自己啓発本の専売特許ではない。しかしいざ実行しようとすると上手くいかない。なぜか。己の怠け心やいざ本番の緊張は無論承知の上だが、それでもあと何かが足りずに目標達成ができない。そうした「心の問題」に向かい合いたく今回の講演を心待ちにしていた。恐らく聴衆の中にもそうした人は(同時に話題のラグビー日本代表の話を聞きたいと思う人も)多かったと思う。

講師の荒木香織さんは小柄で、これほどスリムな女性がメンタルコーチとして、80人近くいたというラグビー日本代表選手の心を支えてきたというのが何やら不思議な気がした。しかもヘッド・コーチのエディ・ジョーンズ氏から与えられた使命はあまりにも大きい。「(日本代表チームの)マインドセットを変えて欲しい。」ひとりですら大変なのに対象はチーム、それも全ての核となるマインド、である。

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女性を「育てる」ではなく「育む」企業づくり 高田朝子先生

photo_instructor_827.jpgいざ女性活躍推進といっても、一体全体何をしたらよいのか。罰則規定はないものの管理職の比率を2020年までに30%に押し上げるという定量目標が先行しすぎて「じゃぁ女性社員に下駄をはかせればいいのか!?」とか、「私、選ばれちゃっても。。。」みたいな戸惑いが特に東京には溢れていると思う。今まで心地よい「固定観念」という枕に顔を埋めて寝ていたところに、大きな音の目覚まし時計で30%を示され、起き抜けに俊敏な活動はできないけれど、自分の意識や行動を変えなくてはいけないと覚醒した感じ。そんな迷える日本社会に一つの答えを与えてくれたのが法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント研究科の高田朝子先生である。

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限りなく透明な産廃業者 石坂典子さん

photo_instructor_821.jpg今回のレビューにこのタイトルを持ってきたのは、石坂産業社長、石坂典子さんのお話を聴き終えた後に「限りなく透明に近い産廃業者」という言葉が思い浮かんだからである。村上龍の小説『限りなく透明に近いブルー』を文字っている。しかし、透明に「近い」は失礼だなと思った。講演を聴いたかぎり、ズバリ透明である。石坂産業は透明な産廃業者なのだ。そして、社長の典子さんは、これからも透明性を追求していくと感じた講演であった。

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「異」を以て貴しとなす! 山岸俊男先生

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「贈る言葉」


私がまだ小学生の頃、テレビから流れてきた「贈る言葉」という歌を聞き、なんといい歌詞なんだろうと子どもながらに胸打たれたことがある。以来その言葉は、私が生きていくうえでの一つの指針になっている、と言っても過言ではない。

子ども時代の私の心を射抜いたその言葉とは「信じられぬと 嘆くよりも 人を信じて傷つくほうがいい」というあのフレーズ。

今回の山岸俊男先生の講座「安心社会から信頼社会へ」に参加し、私は、なぜ「人を信じて傷つくほうがいい」のか、その理屈をはじめて聞いたように思う。さらに、個人の心の持ちようではなく、日本の社会のありようが「信じられぬと嘆く」人々を大勢つくり出しているということにも気付かされることとなった。

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