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普遍性が宿る場所

photo_instructor_743.jpg 森田真生さんの講演を聞きながら、「普遍性」について考えた。
 普遍性。私なりにこの言葉を定義づけすれば、時間や空間を超えて通じる真理、とでもいうところか。
 小学生でこの言葉に初めて出会ったとき、なんというのだろう、深遠な気持ちになったことを覚えている(もちろん当時は「深遠」などという言葉は知らなかった)。わかるようで、わからない。でも、なにか惹かれる。うっとりと憧れてしまうような言葉の響き。「普遍」という言葉が世の中にある以上、普遍的なものがこの世界にきっと存在するに違いないという期待が、胸の中に沸き起こった瞬間だった。

 あれから二十ン年。普遍性という言葉は何度も耳にしてきたし、自分自身で使ったこともあるかもしれない。しかし、真剣に向き合ったことは恐らくないだろう。
 今回の講演を聞き、久しぶりにこの「普遍性」という言葉にカツンとぶつかった。正面からこの言葉を見つめるのは、なんだか悪くない感じがした。

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怒らずに気持ちを伝える技術

photo_instructor_733.jpg 講師略歴を読み、ミステリアスな人だと思った。
出身地と感情教育家であること、アンガーマネジメントを始めたきっかけしか書かれていないのである。そこで、どんな人物かと安藤俊介氏の講演を聴いてみようと思った。
 簡単な自己紹介の後に「僕の講演はワークショップ形式でやりますから、今のうちに隣の人と仲良くして下さいね」と言われた。
『怒りをコントロールする技術』という講演を聴きに来るぐらいだから、皆キレやすいんだろうなー、話すの嫌だなーと思いながら隣を見ると、温和そうな中年男性だったので安心した。

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駒形哲哉教授に聴く、「社会主義市場経済」と中国を見る眼

photo_instructor_756.jpg 駒形先生の場合、それはインドネシアでのことであった。
 小学生の頃、駐在員の子として暮していた彼の地には、多くの華僑・華人がいた。なぜ彼らはここにいるのか。なぜ現地人に忌避されるのか。ぼんやりとした疑問を抱えたまま、アジア各国を経由しての帰国の途次、香港から台湾に入ろうとした駒形少年は、大陸との関係を警戒する当局によって漢字で書かれた書籍の一切を没収されてしまう。
 中国とは、一体どんな国なのか。あらためて刻まれたその素朴な問いを胸に、改革開放の35年間に、先生は研究者として向かい合ってきた。

 どんな小国であっても、人は、その国を丸ごと理解することはできない。いっときに接するのはその国の断片に過ぎない。それは人であったり、モノであったり、メディアが伝えるイメージであったりする。しかしそのような断片をいくら集めても正確な像を描くのは難しい。ましてこの巨大な隣国の場合、その断片すらあまりに多様すぎて、知れば知るほど全体像が掴めなくなる。

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デザインが持つパワー 水野学さん

photo_instructor_744.jpg『いま経営に必要なブランディングとデザイン』というタイトルの講演を聴いたところで、一介のWebデザイナーである私の頭で理解できるかどうか心配だったが、その一方で「あの『くまモン』のデザイナーさんのお話」であることに興味をそそられ、楽しみ半分・不安半分で会場に足を運んだ。

ステージに登場した講師の水野さんは爽やかな白シャツ姿。なんでも、以前テレビ番組で密着取材された際に「(編集の関係で)同じような服装に統一してほしい」と頼まれたとか。いざ着てみると気分が良かったので、それ以来、ほとんどの場面で白シャツを着ているそうだ。そんな前フリを受けて、「こんなカジュアルな格好で、しかも壇上からスミマセン」というお詫びの言葉から講演がスタートした。いつも思うことだが、ある分野で突出した活躍を見せる人は、みなさん腰が低くて自然体だ。

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発信とは人がするもの 谷口智彦さん

photo_instructor_750.jpg 「発信力」ときいて、てっきり日本文化広報のあり方を斬る!というような話かと勝手に勘違いをして臨んだが、どうやらそれは間違いだったようである。事はクールジャパン戦略の検証、といった小さな話ではない。むしろタイトルの頭にある「日本外交」、そう、まるっきりガチな国際交渉のリアルが、次々と開陳された90分であった。それもそのはず、谷口氏は、安倍首相の内閣官房参与として海外のメディアの矢面に立ち、日本政府を代弁する立場で日々闘っている方なのである。

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