「クチコミは売れる」 山本晶(ひかる)さん
ITが登場したことで大きく変容したものはいくつもあるが、マーケティングで言えば「消費者理解の方法論」がそれにあたるだろう。
消費者が製品・サービスに関わる情報を認知してから、購買、使用に至るまでのプロセスのうち、見えづらかったAttention、Interestといった初期段階のトレーサービリティが、ITによって飛躍的に高まった。ソーシャルメディアの登場はそれを加速させている。
今や、消費者はいたるところに「消えない足跡」を残してくれるようになった。
それを利用した新たな消費者理解の方法論が開発されてきた。
新たな消費者理解の知見は、さまざまな成果となって現れてきた。
夕学でもいくつかの事例がある。
・オンライン上のコミュニティをマネタイズすることに成功した武田隆氏(エイベック研究所)
・消費者を起点としたイノベーションを研究している小川進先生(神戸大学)
・ネットを通じてつながることで生まれる経済システムを説く國領二郎先生(慶應大学)
「クチコミマーケティング」もそのひとつであろう。
10年以上に渡って「クチコミマーケティング」を研究してきた慶應ビジネススクールの山本晶(ひかる)先生は、本当にクチコミは売れるのか、というど真ん中の疑問を解明すべき調査研究を行ったことがある。
結論からいえば、「クチコミは売れる」という結果が出た。