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第24回 1/27(火) 長井鞠子さん

mariko_nagai.jpg第24回には、会議通訳者で、サイマル・インターナショナル顧問の長井鞠子さんをお迎えします。

長井さんは、日本における会議通訳者の草分け的存在として、先進国首脳会議(サミット)をはじめとする、数々の国際会議やシンポジウムの同時通訳を担当してこられました。
サイマル・インターナショナルといえば日本初の同時通訳エージェント。日本の経済成長、国際舞台での活躍をまさに担ってきた存在です。長井さんは創設間もないころの同社に入社して通訳者となられ、現在はその顧問として、後進通訳者の育成にも、携われていらっしゃいます。

「同時通訳は格闘技。
瞬間の真剣勝負。」

長井さんはそうおっしゃっています。さらにその瞬間の真剣勝負が続いていく戦いです。NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』で
ご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。50年近くにわたり数々の緊迫した真剣勝負に臨み、戦い続けてこられた長井さんならではの、力強い表現です。と同時に、厳しさや覚悟も伝わってきます。

そんな長井さんが、たくさんの真剣勝負を戦ってこられたからこその"秘伝"を伝授くださるのが、今回の『夕学五十講』です。著書『伝える極意』の内容を中心に、通訳現場でのエピソードやご経験談を交えながら、たっぷりお話くださることと思います。

ところで、社会人になりたてのころ、短い期間ですが私は英語にかかわる仕事をしていました。同時通訳者の方々やその仕事に、直接・間接的に触れることがあり、プロフェッショナルのなかのプロフェッショナルさ、に圧倒されました。実力やセンスのみならず、たいへんな覚悟とたいへんな努力が求められ、それに応えていらっしゃいました。さすがに自分が通訳になりたい、なれると思ったことはありませんが、かっこいい専門職の仕事に憧れていた当時の私は、そんな憧れより自分は、どんな仕事であっても仕事に対する覚悟やプロ意識をもつことからだ、と気づかされたのでした。

長井さんにご登壇いただくことが決まり、ふと思い出しました。ご著書『伝える極意』は、きびしい戦いの現場のイメージとは相反して、やわらかでぬくもりのある口調で、わかりやすく語ってくださっていました。"あの長井さん"のお話を直接お伺いできる。期待が高まり、ぴりりと緊張しつつ、とても楽しみです。

・長井鞠子さん
・株式会社サイマル・インターナショナル 顧問・会議通訳者
・演題:「伝える極意 ―言葉を超えて世界をつなぐ、をめざして」
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第23回 1/23(金) 内田和成さん

kazunari_uchida.jpg 今期の講師紹介も終盤となってきました。開講も間もなくです。今週の木曜日10/2に始まります。皆さま、お越しをお待ちしております。

さて、第23回 1/23(金)は、早稲田大学ビジネススクール教授の内田和成さんにご登壇いただきます。

内田さんは早稲田大学ビジネススクールを代表する教授のお一人であり、ボストンコンサルティンググループの日本代表も務められた先生でいらっしゃいます。ご存じの皆さま、著書を読まれたことのある皆さまも多いかと思います。

これまで『夕学五十講』にも3度、ご登壇いただきました。ご専門である競争戦略と、プロフェショナルな思考法、両テーマでご講演いただいています。

今回のテーマは、「既存事業の防衛戦略」です。すぱっと言い切るこのタイトルからもメッセージが伝わってきます。

前回の2010年前期のご講演で、「昨日まで取引先や補完関係にあった友軍が、突如敵軍に転じる時代が到来した」、とおっしゃっていました。前回からの間に内田さんのおっしゃっていた通り、ますます競争のはげしいビジネス環境となりました。さらに、変化のスピードが加速し、多様になっています。これまでとは違う思いもよらない相手が、思いもよらない戦略で、思いもよらないときに戦いの相手となることさえありえます。そんな現代における経営戦略のひとつが「既存企業の防衛戦略」です。

企業は、自分たちの既存事業を、"守る"戦略も描けなければならない、と内田さんはおっしゃいます。企業が生き残り、成長し続けるためには、どうしたらよいのか。新たな時代の競争戦略をお伺いいたします。

仮説思考』『論点思考』など、ご著書を読まれている方も多いのではないでしょうか。ご講演もさすがのプレゼンテーションです。ぜひ、たくさんの方に内田さんの"生"の講義も受講いただけたらと思います。

・内田和成さん
・早稲田大学ビジネススクール教授
・演題:「既存事業の防衛戦略 ―新たな挑戦者にどう対応すべきか―」
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第22回 1/15(木) 西澤直子さん

第22回 1/15(木) に登壇されるのは、慶應義塾福澤研究センター教授の西澤直子先生です。

photo_instructor_754.jpg福澤研究センターというのは、福澤諭吉やその門下生等の事績について幅広く資料収集・調査研究を行い、彼らの視野を通して広く近代日本の研究を行う組織です。

<慶應義塾福沢研究センター>
http://www.fmc.keio.ac.jp/

西澤先生は、大学卒業と同時にセンターの立ち上げに関わり、以来さまざまな立場で研究センターの活動に尽力をされてきました。
現在は、研究センターの中心メンバーであり、2008年の慶應義塾創立150年記念事業でもご活躍をされました。

私は、慶應の卒業生ではありませんが、慶應に来て改めて福澤諭吉の著作を読んでみると、彼の抱いた問題意識がいまもそのままあてはまることに驚かされます。
それだけ普遍性があったということかと思います。

今回、西澤先生がお話される『「一身独立」して「一国独立」す』という言葉は、福澤が生涯をかけて説き続けてきたもっとも大切な教えだとされています。

いまの言い方になおせば、「個の自律なくして、国家の自律なし」といったところでしょうか。
四半世紀を福澤研究と啓蒙に費やしてきた西澤先生から、じっくりとお聴きしたいと思います。

第21回1/9(金) 苅宿 俊文さん

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新年を迎えての夕学五十講は1/9(金)からです。第21回は、青山学院大学 社会情報学部教授、苅宿 俊文さんにご登壇いただきます。

苅宿さんのご専門は、学習コミュニティデザイン論、学習環境デザイン論、教育工学。そしてワークショップ研究と実践の第一人者でいらっしゃいます。

ワークショップ。すっかり身近な言葉となりました。子ども大人問わず、分野問わずいろいろなワークショップが開催されるようになり、企業内研修や人材育成の場でも多々取り入れられています。苅宿さんは、このワークショップを研究・実践し、中心となってワークショップを全国的に広める取り組みをされてこられた方です。

苅宿さんは18年間、小学校教諭をつとめた経歴をお持ちです。ワークショップがコミュニケーション教育として取り入れられている小学校を事例に、こう問いかけられている文章をお見かけしました。

子どもは遊んでいるだけではだめなのか。子どもたちが楽しんでいるのにワークショップをやる意味があるか。

目に見える形の学習が感じられないために、ワークショップは学習なのか、という問いが常につきまとうそうです。苅宿さんは、ワークショップは、「コミュニケーションの場」であり、「他者理解と合意形成を向上させるエクササイズ」であるとおっしゃっています。だからこそ、ワークショップを効果的に企画・運営する専門家が必要であると、専門家教育にも取り組まれています。
そして、このワークショップの本質と可能性に、今回の講演主題であるコミュニケーション力、が込められているのではないでしょうか。苅宿さんの講義を聞き、いま、求められるコミュニケーション力について、皆さんとじっくり考えてみたいと思います。

・苅宿 俊文
・青山学院大学社会情報学部 教授
・演題:「多元共生社会のコミュニケーション力」
講師プロフィールはこちら

第20回 12/18(木) 森田真生さん

masao_morita.jpg 第20回 12/18(木) にご登壇いただきますのは、森田真生さんです。

森田さんは、1985年、東京生まれ。東京大学理学部数学科をご卒業後、独立。現在も研究活動を続けながら、数学の感動を伝えるべく、演奏会や講演会、ワークショップなどの活動をされていらっしゃいます。

数学で演奏会?数学でライヴ?これは斬新です。大学や研究所に所属せず独立して活動されているのも研究者としては新しいかたち。若干29歳。森田さんが新しい時代の研究者でいらっしゃること、そして、想いがあって活動されていらっしゃるだろうこと、プロフィールからも伝わってきます。そんなわくわく感にお応えくださるような、今回の講演タイトルです。

「数学で心と身体を整える」

数学が心と身体を整えるものだ、とは私は考えたことも聞いたこともありませんでした。皆さんのなかには共感されている方や、数学や哲学などがご専門の方もいらっしゃると思いますが、多くの方は、数学がちょっと自分の生活とは別なところこにある存在であったり、もしかしたら苦手意識や挫折感があったりされるのではないかなと思います。私はこれもそうでした。でもだからこそ、「なんだろう。面白そう。」とわくわくして、新しい世界の入口に立てている、のかもしれません。

数学という営みの起源にまで遡れば、極めて「身体的な」行為であることがわかります。
数学という営みの歴史を概観しながら、数学的思考の身体化された側面を、様々な愉快なエピソードとともに、描き出してみたいと思っています。

森田さんはこう、講演への思いを語ってくださっています。そしてあるインタビューでは、こうおっしゃっていました。

「数学は現実の人生と関係しているどころか、この人生をよりよく生きていこうとする探究そのものなんです。」

数学を人間の根本的な営みととらえられるということ、なのでしょうか。未知の神秘的な世界ととらえるより、情緒や感性で意外にもすっとつかめる、新しい出会いになるかもしれないな、と私は予感しています。さて、いかがでしょうか。心と身体を整える森田さんの数学のライヴ授業を皆さんと楽しみたいと思います。

・森田真生さん
・独立研究者
・演題:「数学で心と身体を整える」

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第19回12/11(木) 安藤俊介さん

syunsuke_ando.jpg 第19回12/11(木)、安藤俊介さんにご登壇いただきます。

安藤さんは、日本アンガーマネジメント協会 代表理事で、日本人初のアンガーマネジメントファシリテーターです。アメリカで始まったアンガーマネジメントを日本に紹介し、普及をされています。

アンガーマネジメントとは何でしょうか。

アンガー、イライラや怒りの感情と、上手に付き合うための心理教育です。1970年代にアメリカで始まり、ビジネスエグゼクティブ、弁護士、政治家、スポーツ選手などを中心に広まったのが始まりだそうです。

アンガー、怒りといわれると大げさに聞こえますが、「イライラ、怒りの感情」と言いかえるととても身近で、どなたもが身に覚えのあるもの、に感じると思います。人間のもつ本質的な感情であることは明らかです。

アメリカ人は、日本人に比べると感情表現が豊かで、ストレートだとよく言われます。映画やドラマ、ニュースなどを見ていると言い争いやケンカ、怒りの場面が多く感じて、素直でいいなと思うこともあれば、驚きや違和感を感じることもあります。けれどもビジネス環境や生活習慣が変化し、多様化もし、ストレスフルな社会になっていて、私たち日本人観のなかでも感情の表現やつきあい方は間違いなく変わってきているともいえるのではないでしょうか。

ところで、今回これを書いていて、私自身、気づいたことがありました。

アンガーにもつはっきりとしたネガティブ感情です。
イライラしていると自分でも心地よくありませんし、イライラしている人のそばは悲しくなります。怒られるのも怒るのもエネルギーがいり疲れますし、怒られるかもしれない不安や、怒ってしまった後悔なども不快です。こうしたマイナスイメージが伴うことで、アンガーは「抑えよう、消そう、なくさなければ」と思います。でも本来、感情とは、素直で正直な現象(人間としての持ち物といえるのかもしれません)であって、抑えたり消そうとしたりできないし、しようとすれば無理がくるはず。目指すのは、上手につきあっていくこと、これに尽きるはずです。

気づいてみれば当たり前ですが、教わることも学ぶこともしないのが、イライラや怒りの感情とつきあい方、です。そしてどなたもが身につけたい、知っておきたいスキルに違いありません。

どうしたらよいのでしょう。安藤さんが真正面からアンガーとのつきあい方、ご紹介くださいます。ヒントをしっかりいただけるようにしっかりお伺いしたいと思います。

・安藤俊介さん
・(一社)日本アンガーマネジメント協会 代表理事
・演題:「怒りをコントロールする技術」
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第18回 12/9(火) 駒形哲哉さん

第18回 12/9(火)にご登壇いただくのは、慶應大学経済学部教授の駒形哲哉先生です。
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駒形先生は、現代中国経済研究を専門にされています。
10年以上に渡って「中国マクロ経済分析」を継続し、データに基づいた中国経済の客観的分析を続けています。

中国といえば、「社会主義市場経済」という独特の経済体制をとってきました。1992年、鄧小平の南巡講話からはじまったこの経済システムは、社会主義の実現と市場経済という、相反する理念の両立を目指すという中国独特の体制です。
こんなアクロバチックな経済体制が上手くいくはずがない、という西側の見方を裏切るように、中国経済は20年以上も驚異的な高度成長を続けてきました。
GDP世界一の座も、目の前に届くまでになりました。

日本にとって、中国は脅威と羨望と侮蔑の感情が入り交じる、気になる存在です。切っても切り離せない重要な隣国でありながら、心穏やかに見ることができない国です。
中でも、ビジネスに関わる人々にとって、関心が高いのは「社会主義市場経済」の永続性ではないでしょうか。
数年前の反日暴動以降、日本からの経済投資が減少し続けているという事実は、中国経済の頭上に黒雲が湧き起こっているのを感じ取っているからだとも言えます。

危機意識を持っているのは中国も同じこと、今年盛んに喧伝されているのが「新常態(ニューノーマル)」というキーワードではないでしょうか。
7~8%程度の成長率を維持しつつ、格差是正や腐敗防止といった負の側面を同時に実現する経済体制を構築しようという意味のようです。いわば、「社会主義市場経済」第2ステージといったところかもしれません。

果たして中国の「社会主義市場経済」は続くのか?
専門家である駒形先生の講義を通じて、この特異な経済体制が続いてきた仕組みと限界の有無について考えてみたいと思います。

阿刀田高さん「朗読21の会」

小説家 阿刀田高さんが主催されている「朗読21の会」公演のご案内です。

阿刀田さん、前期の『夕学五十講』最終回にご登壇いただき、会場では速報版をお配りしました。ご案内チラシができまして受付もはじまりました。
今回のテーマは「短編小説」。藤沢周平と阿刀田作品が朗読されます。
阿刀田さんによる講演、「短編小説の魅力」もあります。

皆様ぜひ、お出かけください。

朗読21の会公演
短編小説はすばらしい ~藤沢周平と阿刀田高の世界~

会場:内幸町ホール 全席自由 4,000円
日時:10月21日(火)14:30開演
    10月22日(水)18:30開演
    10月23日(木)14:30開演

info_14_panf1.png  小説の朗読を、私は4年前、この会ではじめて聞きました。引き込まれました。人間の声と、呼吸、間合い、ぬくもりによって、言葉が命をもつものなのだなあと感じました。

朗読ははじめてという方、小説がお好きな方、阿刀田ファンの方、朗読に特別関心をもったことがなかったけれど面白そうなことが好きという方、ぜひおすすめです。

第17回12/3(水) 水野学さん

manabu_mizuno.jpg 第17回12/3(水)は、クリエイティブディレクターの水野学さん、お迎えします。

クリエイティブディレクター。

水野さんのプロフィールによると、「ブランドづくりの根本から、ロゴ、商品企画、パッケージ、インテリアデザイン、コンサルティングまで、トータルにディレクションを行う」プロフェッショナル、です。新しくて、おしゃれで、躍動的な、現代的なプロフェッショナルのひとつですね。

皆さんはきっと水野さんがディレクションされたお仕事にあちらこちらで出会われていると思います。いちばんインパクトがあって、どなたもがご存じなのはやはり、くまモン、でしょう。

ゆるキャラのグランプリ。優れたキャラクターデザイン。熊本らしい。キャラクター使用料を無料にした戦略と、すごい商品売上高(2013年はなんと449億円といわれます)。ソーシャルメディアを使ったPR。キャンペーンの連動がうまい。などなど、さまざま、話題になってきました。

誕生秘話もたびたび語られています。はじめはキャンペーンのロゴをデザインする依頼だったそうですが、おまけでつくったキャラクターが採用されてくまモンの大ヒットにつながりました。ロゴではなくキャラクターを誕生させ、デザインだけではなくコンセプトを打ち出し、キャンペーンにとどまらずもっとトータルにプロデュースした、水野さん。ここにクリエイティブディレクター水野学の仕事が、作品が表れています。

そんな水野さんのコンセプトは

「圧倒的なデザインへのこだわり」

だそうです。水野さんは、「どれほど素晴らしいコンセプトをもってしても、最終的なデザインやアウトプットのクオリティ無くして辿り着くことが困難な聖域があります。」とおっしゃっています。圧倒的なこだわりの意味がここからも伝わってきます。

くまモン大ヒットの秘訣は、キャラクターデザインだけでもアイデアだけでもなく、最終的なクオリティの高さとそのトータルプロデュースだったととらえると、経営に必要なブランディングとデザイン、今回の講演タイトルにもすっとつながります。とっておきの、おしゃれで新しい戦略論がお伺いできそうで、楽しみです。

・水野学さん
・クリエイティブディレクター 慶應義塾大学招聘准教授
・演題:「いま経営に必要なブランディングとデザイン」
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第16回 12/2(火) 谷口智彦さん

photo_instructor_750.jpg第16回 12/2(火)に登壇いただくのは、慶應SDM教授で内閣官房参与の谷口智彦さんです。

谷口先生は、日経ビジネスの経済記者から外務副報道官に転身し、いまは安倍政権の対外発信に関わる戦略的なアドバイスを行う方です。
いただいたプロフィールによれば、「何か日本の(芳しくない)話題が出る度BBCやCNN、Al Jazeera Englishなどに生出演する」とのことですので、安倍政権というより日本全体にとって、海外メディアとのコンタクトパーソンということかもしれません。
今春慶應SDM教授にご就任されるまで、第二次安倍政権の内閣審議官として官邸内で働いていらっしゃいました。4月、慶應正教授にご就任後も「なんとか両立しようと」されている由です。

日本は外交下手、というよりも情報発信下手と言われています。
特に、尖閣問題、慰安婦問題など東アジアの外交政治状況に緊張感が高まっていますが、中国、韓国の積極的な外交広報戦略に対して、日本はいつも後手に廻ってきたという印象は否めません。

ではどうすればよいか。まだ間に合うのか。
ジャーナリストとして世界を取材し、またスポークスマンやPR担当者として政府広報の一翼を担った谷口さんにお聞きしたいと思います。


第15回 11/28(金) 斎籐環さん

第15回 11/28(金)にご登壇いただくのは、精神科医で筑波大学教授の斎籐環先生です。
photo_instructor_742.jpg「ひきこもり」治療など思春期・青年期の精神病理の専門家であり、執筆や講演など文化評論活動でも知られる斎籐先生。ご専門のひきこもりやうつに関する著作はもちろんですが、近年はサブカルチャーや社会評論などでも活躍していらっしゃいます。

なかでも「日本人ヤンキー化論」はメディアでも話題になりました。
斎籐先生のいう「ヤンキー」というのは、見た目は派手で暴力的かつ好戦的、それでいて家族愛や義理人情には厚く、物事を論理的に考えることは苦手(というよりも価値を置かない)だけれども、気合い・根性など精神力は重視する思考・行動特性を持つ人々とでも言えるでしょうか。

昔から一定のボリュームで確かに存在し、独自のスタイルと文化を継承してきたヤンキーですが、斎籐先生によれば、いまは日本社会全体がヤンキー化しているように思えるとのこと。

確かに、ネットの言説の中には、異なる立場の相手との対話拒否を前提として、激しい批判や中傷をぶつけ合う人々が増えました。
また、昨今のブラック企業問題も、雇用者側の問題はもちろんではありますが、あそこまで理不尽な環境でもがんばり続けようという行き過ぎた労働倫理観のようなものが、若者達にあるような気がしてなりません。

ヤンキーには、人間的に「いい奴」が少なくありません。友達にすると、いざという時に助けてくれる愛すべき存在でもあります。
しかしながら、ヤンキー化した社会は、ファナティックな時勢に流されやすいという致命的な欠点があります。ナチスの台頭を許したドイツも、戦前の日本も、ヤンキー的な社会でありました。

若者の精神病理を数多く見てきた斎籐先生が敷衍する「ヤンキー化日本人論」。
楽しみな講演です。


第14回11/20(木) 岸見一郎さん

ichiro_kishimi.jpg 第14回11/20(木)、哲学者の岸見一郎さんにご登壇いただきます。

「あなたが変われば世界は変わる ~アドラーに学ぶ~」

オーストリアの精神科医、アルフレッド・アドラー(Alfred Adler)。
彼が提唱した心理学「アドラー心理学」、その正式名称 個人心理学。学術的名称には馴染みのない方もいらっしゃるかもしれませんが、アドラーが注目した、"個人"という考え、個人次第で世界が変わるという考え方は、多様で複雑な人間関係の社会で生きる現代の私たちにも、身近でヒントの多いテーマといえましょう。それだけにいま、とても注目されています。

アドラー心理学は、人間が人間らしく生きるための方法を教える心理学です。

岸見さんは、アドラー心理学とはどんな心理学かとの問いにこう答えられています。岸見さんの著書、『嫌われる勇気』や『アドラー 人生を生き抜く心理学』のタイトルもまた、その特徴を示していると思います。

誰だって、人に嫌われたくありません。人とうまくやっていきたいと思います。人をがっかりさせたり、傷つけたり、したくありませんし、進んで傷つきたくなんてありません。だからこそ人と関わることが、ときに怖くなります。私もそうです。けれども私たちは、社会のなか、対人関係のなかで生きている、生きる喜びもそこにこそあります。

アドラーは、「自分に価値があると思えるか」なのだと語っています。

人と関わっていく勇気は、社会で生きていく方法論、といえるかもしれません。自分が変われば、世界は変わる。さてそれはどういうことなのでしょうか。アドラーに学ぶ生き方論。講演を聞いてじっくり考えてみたいと思います。

・岸見一郎さん
・哲学者
・演題:「あなたが変われば世界は変わる ~アドラーに学ぶ~」
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第13回 11/18(火) 中室牧子さん

makiko_nakamuro.jpg 第13回11/18(火)は、慶應義塾大学総合政策学部 准教授 中室 牧子さんにご登壇いただきます。

中室さんのご専門は「教育経済学」です。

皆さん、聞きなれない学問分野ではないでしょうか。そもそも、教育と経済学という言葉が、結びついていること自体が斬新で違和感を感じるかもしれません。私もそうでした。

それはなぜかな、と考えると、教育というと考え方、方針、価値観といった抽象的で感性的な言葉で、いつも話題にしたり議論したりしているからだと気づきました。教育は経済価値(だけ)では測定しえないもの、してはならないもの、という雰囲気さえもあります。

教育経済学とは、教育政策の費用対効果を統計的に分析・評価する学問です。統計データなどの科学的根拠に基づいて判断することを「エビデンスベースト」(evidence based)といいますが、教育の政策についても、エビデンスベーストで検討、意思決定すべきである、ということです。

中室さんの講演紹介やインタビュー記事などを拝見してみると、私たち日本人にあるこの感覚の違和感にこそ、中室さんは問題提議を投げかけられているのだなとわかります。

「教育にエビデンスのある政策を。」

と同時に、中室さんのご専門・研究は、馴染みがない違和感があるなんて言ってはいられない、とても身近でとても大事なテーマなんだとも、気づきました。

「私には子供がいませんが、私には、子育て中のお父さん・お母さんたちに決してわからないことがわかる時があります。」

それは

「どういう教育投資の投資対効果が高いのか。」

お父さん・お母さんに限らず、また、子育てや教育にかかわっている方に限らず、どなたもが知りたい、学びたい話なのです。家庭や教育の現場だけでなく、政策においても、戦略や新事業・商品開発などビジネスにおいても、学ぶに値する新しい分野ではないでしょうか。なぜ、教育にエビデンスなのか。中室さんの講義でしっかり学びたいと思います。

・中室牧子さん
・慶應義塾大学総合政策学部 准教授
・演題:「なぜ教育に科学的根拠が必要か」
講師紹介ページはこちらです。

第12回 11/13(木) 安冨歩さん

第12回 11/13(木)にお話しいただくのは、東大の東洋文化研究所教授の安冨歩先生です。

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安冨先生をご紹介するにあたってこのサイトをよく確認してみると、その研究遍歴の広さに驚かされました。
経済学、人類学、東アジア史、生物学、物理学etc。
ご本人の弁によれば、いまは「社会生態学」と呼ぶ新たな学問の創設を目指しているとのことです。
(そういえば、ドラッカーも社会生態学者を自称していましたね)

安冨先生は、震災後に「東大話法」という概念を使って、ご自身が所属する東大の権威性を鋭く批判して話題になりました。(「東大話法」についてはこちらを

そんな安冨先生が、今年『ドラッカーと論語』という本を出されました。
安冨先生の言葉を借りれば、ドラッカーと論語は、世のビジネスマンの二大聖典だそうです。
確かに書店に行けば、「◇◇◇で学ぶ論語」「ドラッカーに学ぶ◇◇◇」といった類の本が山積しています。
なぜ、日本人はかくもドラッカーと論語に心惹かれるのでしょうか。

これまた安冨先生によれば、彼らの思想は統一的に理解することが出来ると言います。
2500年前の孔子の言行禄とマジメントの発明者の言説にどういう共通点があるのか、どんな補助線を引くことで、彼らの思想に通底する思想基盤が見えてくるのか。
実に興味深い講演です。

第11回 11/11(火) 桜井博志さん

第11回 11/11(火)にご登壇いたくのは、旭酒造株式会社桜井博志社長です。
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旭酒造と聞いてピンと来ない方も「獺祭」というお酒の名前はお聞きになったことがあろうかと思います。 こちらです。↓
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滅多に手に入らない幻の日本酒として有名です。
私は4~5年前、ブームのほんのちょっと前に山口湯田温泉の居酒屋で口にすることが出来ました。甘くフルーティーな味わいに驚いた記憶があります。
獺祭ブランドの金看板と言われている「獺祭 磨き二割三分」は、山田錦を磨きに磨いて、芯部分のわずか23%だけを使うという純米大吟醸です。
大吟醸というのは、23%といかないまでも精米比率が50%を越えるまで磨き上げるために手間がかかり、それゆえ高価です。獺祭は、その大吟醸しか造らないことが特長だと言います。

日本酒の製造は伝統的に杜氏という職人集団が担ってきました。各酒蔵には仕込みの季節になると通い慣れた杜氏さんがやってきて、徒弟的な伝承システムを守りながら酒造りを行いました。杜氏は社員ではなく、言わば請負型の外部専門家のようなものですが、酒造りにおける権限は絶対で、蔵元でさえ口を挟めないといわれています。

実家の酒蔵を継いだ桜井社長は、純米大吟醸に絞り込んだマーケティング戦略を立てましたが、製造に手間がかかり過ぎることや経営への不安から杜氏が酒造りを拒否してしまったといいます。

桜井社長は、「それならば自分達で納得のいく酒を造ろう」とはじめて出来上がったのが「獺祭」だったと言います。
講演タイトルの通り、ピンチをチャンスに変えることで生まれ得たお酒ということでしょうか。

お酒の好きな人はもちろんですが、成熟産業にあって新しい動きを起こそうと努力していらっしゃる多くの方にヒントを与えてくれる講演になると思います。

第10回11/7(金) 中原淳さんと山口孝夫さん

第10回11/7(金)の講演は、東京大学 大学総合教育研究センター准教授 中原淳さんと、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の山口孝夫さんとの対談です。

takao_yamaguchi.jpg jun_nakahara.jpg  
中原さんは、「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織の人々の成長や育成、コミュニケーションやリーダーシップを研究されていらっしゃいます。

山口さんは、JAXAの有人宇宙ミッション本部 宇宙環境利用センターにて、宇宙飛行士の採用や育成に携わっていらっしゃいます。

人材育成のプロフェッショナルとして、異なるご所属と領域で、しかしともに最先端の世界で、研究と実務を積んでいらっしゃるお2人の、はじめての対談です。テーマはリーダーシップ。今回は、JAXAの宇宙飛行士の選抜・育成を事例にしながら、

リーダーシップとは何でしょうか。
リーダーシップは測れるのでしょうか?
リーダーシップとは育てられるのでしょうか?

そんなリーダーシップとその育成をテーマにお2人とご一緒に考えていきたいと思います。

中原さんといえば、何かわくわくするような、最先端の大人の学びをプロデュースされていて、面白そうなことが大好きな先生。研修、講義、OJTといった固定イメージのあったこれまでのビジネスパーソンの学びとは違う、「大人の学び」のあり方ややり方、場のつくり方を考えている方とも表現することができるのではないかと思います。
山口さんは、宇宙飛行士の採用・育成のほか、宇宙環境を利用したさまざまな実験や、宇宙服の開発などにも、取り組まれていらっしゃいます。
こんな中原さんと山口さんの対談です。とても、何か面白いことが起こりそうな、何か思いもよらない議論の展開がありそうな予感がします。

対談
・中原淳さん
 東京大学 大学総合教育研究センター准教授
・山口孝夫さん
 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 有人宇宙ミッション本部
 宇宙環境利用センター 計画マネジャー
・演題:「リーダーシップは測れるのか?育てられるのか?
 ~宇宙飛行士の選抜・育成システムから考える~」
・講師紹介ページはこちら、中原さん山口さん、です。

第9回 11/4(火) 松山大耕さん

第9回 11/4(火)に登壇いただくのは、妙心寺退蔵院の松山大耕副住職です。
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妙心寺は、京都右京区花園にある大寺院で臨済宗妙心寺派の総本山です。京都を代表する禅寺のひとつではないでしょうか。退蔵院は妙心寺の塔頭の一院で、日本最古の水墨画である瓢鮎図を所有するお寺としても有名です。
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松山氏は、京大大学院で生命科学を修了したという理系出身の禅僧です。
弱冠36歳の若き副住職でいらっしゃいますが、進取の精神旺盛に、革新的な取り組みに挑戦してきたことで知られています。

外国人観光客向けに英語で禅の教えを説き、座禅体験が出来るツアーを企画したり、三年間修業付の住み込みを条件にして、無名の若手アーティストに退蔵院の襖絵を描いてもらう「退蔵院方丈襖絵ブロジェクト」を行うなどユニークな活動をされてきました。

なかでも「禅とグローバリゼーション」は松山師が力を入れて取り組んでいるテーマです。
日本の禅宗を代表し前ローマ教皇に謁見したのをはじめとして、世界のさまざまな宗教家・リーダーと交流されてきました。今年はダボス会議に出席して世界のリーダーに向けて情報発信をされました。

MCCでは、この春夏にかけて、臨済宗妙心寺派と共催で『古川周賢老大師に問う【禅の智慧】』を開催しました。

私もこの講座に参加して少し禅を勉強しましたが、つくづく思ったことは、禅の考え方は、いまという時代を生きる私達が抱える問題に重要な指針を与えてくれる、極めて現代的な思想である、ということです。

禅には、「知解分別を捨てる」という教えがあるそうです。
知識・理論・常識・社会的価値観といったフレームを取り去って、自由に現象に向き合えという意味です。
グローバリゼーションの進展によってもたらされた多くの問題や障害は、それぞれの「知解分別」を乗り越えることがいかに重要か、そしていかに難しいことなのかを示唆しているのではないでしょうか。
だからこそ、日本の禅の思想を、世界に発信する意義があると思います。

松山師には、そんなお話を伺えたら嬉しく思います。

第8回10/30(木) 鴻上尚史さん

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第8回10/30(木)は、作家で演出家の、鴻上尚史さんにご登壇いただきます。
今回のタイトルはずばり、「表現とコミュニケイションのレッスン」。

鴻上さんのお名前、お顔、ご活躍は皆さん、メディアや舞台でよくご存じかと思います。『夕学五十講』にも、2005年にご登壇いただいたことがあります。

前回ご登壇いただいたときのタイトルは、「自己演出のすすめ ~あなたの魅力を演出するヒント」。そのときの鴻上さんのお話で

感情を豊かにすれば表情が豊かになるというけれども、その逆もある。新しい表現を身につけることで、新しい感情ももてるはず。」

というメッセージはとても印象的で私もよく覚えています。思い出しても改めて新鮮にさえ響くメッセージです。

前回のご登壇からの9年で、演劇的手法を、表現力やコミュニケーション力のワークショップに用いるというアイデアは、とても身近になったと感じています。大学の授業や研修でもとりいれられはじめています。鴻上さんや、同じく夕学やagoraにもご登壇いただいている平田オリザさんなど、皆さんが積極的にそしてこつこつと取り組んでこられてこそでしょう。

そして、表現力とは、役者さんや特別な方だけの才能ではなくて、私たち誰もが、磨いたり、身につけたり、練習したりできるものだと、私たち多くが共感し実感している証拠だとも思います。けれども、では、どれだけ自分自身が上手になってきただろうかというとドキリ。まだまだです。先ほど、新鮮に響く、と書いたのは私自身の正直なところで、それだけに変わらない本質であり、まだまだであることだなと思います。

さて、今回の講演タイトルは、ずばり、「表現とコミュニケイションのレッスン」。
鴻上さんのことです、楽しく、明るく、やってみたくなるように、たくさん語ってたくさんヒントをくださることでしょう。しっかり学ぼう。楽しみです。

前回のご講演の「夕学レポート」はこちらです。ぜひお読みください。

・鴻上尚史さん
・作家・演劇家
・演題:「表現とコミュニケイションのレッスン」
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第7回10/28(火) 山本晶さん

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第7回10/28(火)ご登壇いただきますのは、慶應義塾大学大学院経営管理研究科 准教授の山本晶さんです。

山本晶さんのご専門は、マーケティングサイエンス。なかでも、インターネットマーケティング、ソーシャルマーケティング、クチコミマーケティングなどと呼ばれる最先端の領域です。なかでも近著のタイトルでもある最新のテーマが、今回の「キーパーソン・マーケティング」です。

メディアも、IT技術の進化も、情報の活動も、そして流行も、人々の意識も、とても変化が速いのが現代社会です。それゆえに予測がむずかしく、戦略立案がむずかしいのですが、なにをすればうまくいくのか、なぜうまくいくのか、紐解くことがまたさらに輪をかけて、むずかしいことが挙げられます。このネットやソーシャルメディアを使ったマーケティングの実践のむずかしさと、ソーシャルメディアの台頭から、山本さんが紐解きのカギとしているのが、「キーパーソン」です。

キーパーソン・マーケティングでは、特別な影響力を持つキーパーソンをどうつかまえるか、思わず発信したくなるのはどういう内容だろうか、という視点から考えるそうです。キーパーソンさえつかまえられれば、コストをかけずに、大ヒットを生むことも夢ではなく、実際にいくつもの事例がでています。しかし、では、と思います。

「どうしたらよいのでしょう。」

山本さんも実際ビジネスの現場の方々からよく「どうしたらよいのか」という質問をされるそうです。広告の予算がとれないのでクチコミで売りたい。流行のソーシャルメディアで何か仕掛けたい。オンライン・コミュニティを開設したもののユーザーの参加が進まない等々。つまり「どうしたらよいのでしょう。」

そうした問いに対する山本さんなりの答えをまとめられたのが、本著であり今回の講演でもあります。どうしたらよいか、という漠然とした問いに正解などありませんが、たくさんの具体的なヒントがあることと思います。あらゆるジャンルのビジネスパーソンの皆さんにとってヒントになるのではとも予感しています。私もとても期待しています。

・山本晶さん
・慶應義塾大学大学院経営管理研究科 准教授
・演題:「キーパーソン・マーケティング」
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第6回 10/21(火) 武田双雲さん

第6回、10/21(火)は、書道家 武田双雲さんにご登壇いただきます。

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武田双雲さんには、「夢の力」と題して、2011年度前期の『夕学五十講』にご登壇いただいたことがあります。再登壇のリクエストをたくさんいただいていましたし、私自身も楽しみにしていました。

ご講演を聞きながら、なんてポジティブで、明るくて、さわやかな方なんだろう!と感想をもち、元気をいただいたのを覚えています。

そのことをよく表しているのが、双雲さんの「夢」。講演の最後に、「私の夢」を語ってくださり、そして、「」の字を伸び伸びと書いてくださいました。その回の楽屋ブログがこちらです。「夢」の字もご紹介していますので、ぜひご覧ください。

双雲さんの「私の夢」は、「世界感謝の日」を創設すること、だそうです。世界中の人々が、この日だけは、絶対の他者を非難せず、感謝をする、というのが「世界感謝の日」です。とても素敵で、ポジティブで、双雲さんらしい夢だなあと思いました。

ですから、双雲さんが今回の講演タイトルでもある『ポジティブの教科書』を著されたときには、ぴったり!と思いました。書店で見かけ、その場で手にとり、一気に読みました。

ご自身とてもポジティブな双雲さんでさえも、「生きていると様々な問題がやってきます。小雨もあれば嵐もある」とおっしゃいます。いいときばかり、晴ればかりではない。だからポジティブでいるための心構えが必要です。
では、どうすればよいかというと、ただ前向きになろうとする無理やりなポジティブでは、勝てないそうです。必要なのは、クリエイティブで、良質なポジティブ。ポジティブに質があるとは!

双雲さんのポジティブはきっと、とびきり良質で強力です。そんな双雲さんに学ぶポジティブの方法論。とても楽しみです。

・武田双雲さん
・書道家
・演題:「ポジティブの教科書」
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第5回 10/15(水) 松崎一葉さん

第5回、10/15(水)、筑波大学医学医療系教授の松崎一葉さんにご登壇いただきます。

ichiyo_matsuzaki.jpg ストレス、メンタル、ストレスマネジメント、こうした言葉もずいぶん身近になりました。それだけに、ストレスやメンタルが、私たちのすぐそばに、日常に、あってそう認識されている、ともいえます。

今回はとてもユニークな切り口で、究極のプロフェッショナルから、メンタルマネジメントを学びます。宇宙飛行士。

松崎先生のご専門は、産業精神保健学、宇宙航空精神医学です。宇宙飛行士の採用、トレーニング・育成、メンタル・健康管理をされていらっしゃいます。

『アポロ13』という映画がありました。

トム・ハンクス主演で、ロン・ハワード監督による迫力と緊張感あふれる作品でした。はじめて見たのは20年近く前ですのに、よく覚えています。トム・ハンクス扮する宇宙飛行士が、あれほどまでに希望を持ち続けることのできる、"強さ"にとても感動しました。

宇宙飛行士といえば、選ばれた方のなかの選ばれた方だけがなれる、英雄的なプロフェッショナル。けれども生命の危険さえも伴う想定しえない危機が連続する、極限のストレスフルな、非常に厳しいプロフェッショナルでもあります。

そんな宇宙飛行士には、論理的で合理的な問題解決能力に加えて、「情緒的な内界の豊かさ」と「意思の力」が求められる、と松崎先生はおっしゃっています。トム・ハンクス扮する宇宙飛行士の姿に重なります。

一方で、現代人は、誰もが非常にストレスフルな日常に生きている、とも松崎先生はおっしゃっています。
これは宇宙飛行士たちに通じるものです。彼らが直面する極限のストレスと、その究極のメンタルマネジメントには、私たち現代のビジネスパーソンにとっても、ヒントやアイデアがあるはず。そんな思いから、松崎先生は今回『夕学五十講』にご登壇くださることと思います。

宇宙飛行士に学ぶ、「知・情・意」のメンタルマネジメント。大いに学びたいと思います。

・松崎一葉
・筑波大学医学医療系 産業精神医学・宇宙医学グループ 教授
・演題:「知・情・意のメンタルマネジメント」

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第4回 10/14(火) 木村草太さん

第4回10/14(火)に登壇されるのは、いま注目の若き憲法学者 首都大学東京准教授の木村草太先生です。

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木村先生のお名前を知ったのは夕学でもお馴染みの佐藤優氏のサイトでした。
佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」
安倍内閣が推し進めている一連の憲法論議について、論理的かつ分かりやすく問題点を解説してくれる人はいないかと考えていたタイミングでした。

佐藤氏は「15秒でコメントしろ、というような制約のあるテレビのワイドショーでは、展開することが不可能な、ほんものの憲法論、国家論が展開されている。」と評しています。

調べてみると木村先生は、東大法学部を卒業後、大学院に進学するのではなく、東大に助手として採用されている。当時の東大には、オーソドックスな研究者育成コースとは別に、学業優秀な学生を対象に、任期付き(3年間)の助手として自由な研究環境を与えて、博士論文に相当する助手論文を仕上げるという特別コースがあったそうな。
通常は修士2年、博士3年(最短で!)の5年間かかるところを3年間で同水準の研究成果を求められるということなので、かなりの狭き門ということかと思います。

さて、昨今の憲法論議ですが、安倍さんをはじめとする保守派勢力が、したたかな戦略のもと、よく考えられた手順で議論をリードしているような気がします。

かつてのタカ派は威勢良く、憲法改正を叫ぶだけでしたが、今回の一連の憲法論議は異なります。
真正面から憲法改正を持ち出すのではなく、まず「憲法96条改正」という迂回路を提言し、それも難しそうだとなると、集団自衛権の解釈変更という変化球を投げ込んでくる。
そのしたたかな戦術は、かつでの陸軍エリートが推し進めた大陸進出政策を想起させます。
「誰もがおかしいと気づいた時には遅かった」とならないようにする必要があります。

近代憲法が、権力を抑制するための知恵として生まれたことを考えると、権力を握る人達の手によって進められる憲法改正が、我々国民にとって望ましいものであるか、慎重な見極めが必要ではないでしょうか。

木村先生に、分かりやすい解説と論点整理を期待したいと思います。


・木村 草太
・首都大学東京法学系 准教授
・演題:「憲法論の急所」

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