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40代50代まだまだこれから。だからこそ多様な働き方。明るい未来 柳川範之先生

noriyuki_yanagawa.jpg柳川範之先生は、小学校4年生から中学1年生をシンガポールで、高校時代をブラジルで、過ごされたそうです。楽屋でご挨拶のあと、ふとそんなお話になりました。時代は1970年。帰国子女がまだまだ珍しかった時代、そして、シンガポールは独立間もなく、ブラジルは債務激増の時代です。

「こんな国があるのか、と思いました。」
その頃を振り返り、ひとこと、おっしゃいました。その言い方に明るさがありました。働き方の多様性、選択肢をもつ生き方、40代50代はまだまだこれからいろいろなことをやるチャンスがあってその能力も持っている。柳川先生のメッセージの原点をこのひとことに感じました。

産業構造の変化は、世界全体で急速におこっています。講演の前半は、経済全体の大きな視点からとらえていきました。産業構造の変化、それに伴う能力や技能の陳腐化、直接・間接的グローバル競争の激化、直面しているのは日本だけではありません。日本の問題はこの世界の変化についていけなくなる危険性、にあります。産業構造調整のスピードが遅く、少子高齢化や人口減少といった特徴からです。それではどう変わらなければならないのでしょうか。
暗い話題が続きますが、と先生がなんどか添えられたとおり、楽観的にはとうていなりにくい現状ながらも、常に柳川先生のお話には前向きさを感じました。実際、講演も著書もさいごはこう、しめくくられています。

「未来は明るい。未来には大きな可能性がある。」

では、どうしたら変われるのでしょうか。
柳川先生は、働き方の多様性と、学び直しの2つ、だとお話されました。

もっと多様性ある働き方のできる、社会や企業をつくっていくことと、もっと多様性ある働き方を個々人が始めていくことです。どのようなステップをふみながら、どんなことをポイントに、進めていけば実践ができるか、お話は続きます。
いまの仕事を辞めずに準備から始める。仲間をつくる。事業計画をつくる。など。詳しいことはぜひ『40歳からの会社に頼らない働き方』をご参照いただければと思います。

副業やNPOの立ち上げと言われると、「大変だ。こんな私にできるだろうか(できるはずがない)。」と思考停止しがちで、私もその一人でしたが、いまの仕事の能力を生かしながら何か始める、会社以外のコミュニティをつくってみる、そう言われると、「何かできそうな気持ち」になってくるのでした。そして、まだまだ多様な働き方をするのは、今の社会や企業では難しくとも、今までよりこれからはやりやすくなっていくことは予想され、「未来は明るい」のだと思えてきます。ひとつひとつで見ると現実的に感じられ、明るく見えてくる。柳川先生がくださったヒントは、思考の転換そのものかもしれません。

さいごに、もうひとつの、「自分の能力を磨く」です。
知識や能力は陳腐化するので、新しい知識や能力を身につけていかねばなりません。40歳定年とは、20年ごと節目を感じて、学び直すとよい、という目安でもあります。
では、「自分の能力を磨く」とは、どういうことでしょうか。「蓄積された経験を理論で整理し、棚に入れること」と説明されます。知識や情報はそのままでは役には立たず、普遍化してこそ能力として次にも生きる、のです。働きながら、キャリアを続けながら、学び続けていただくための場や機会を目指している、私たち慶應MCCにとってもおおいに勇気づけられたお話でした。多様な働き方とは、活き活きと生きていくための思考の転換、おおいにヒントもありました。できることを私も、私たちもチャレンジしていきたいと思います。(湯川)