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第19回 7/1(火) 福澤克雄さん

第19回 7/1(火)に登壇いただくのは、TBSテレビ制作局ドラマ制作部のディレクター福澤克雄さんです。

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幼稚舎からの生粋慶應ボーイで、大学在学中はラグビー部に所属、大学日本一のみならず、社会人代表をも破って、慶應史上初のラグビー日本一に輝いた時の主要メンバーです。
お名前でおわかりのように、福澤諭吉先生のひ孫さんにあたります。

TBSに入社してから制作した番組は
『3年B組金八先生(第5~7シリーズ)』(1999年~2005年)、『さとうきび畑の唄』(2003年)、『GoodLuck!!』(2003年)、『砂の器』(2004年)、『華麗なる一族』(2007年)。『Mr.Brain』(2009年)等々話題作揃いです。

そしてなんといっても、昨年「倍返しだ」のセリフとともに社会現象的大ヒットドラマとなった『半沢直樹』も、福澤さんが監督した作品でした。

今回の夕学でお話いただく演題は、ズバリ「メガヒットドラマはどうやって出来たのか」です。
噂によれば、10月からは『半沢直樹』の続編が放映されるとか。
タイミング的にも、絶好の機会をお見逃しなく。

第18回 6/23(月) 池上彰さん

第18回 6/23(月)に登壇されるのは、ジャーナリストで東工大教授の池上彰さんです。

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夕学は8年振り2度目の登壇になる池上さん。前回は大ブレークする直前のタイミングでした。

実は、池上さんとMCCは少しだけご縁があります。
2005年にNHKを退社されフリーになった池上さんは、充電と学び直しを兼ねて、いろいろな大学の社会人向け講座を受講されていました。
慶應MCCでは、「日経新聞から金融情報を読み解く」という講座(当時開講中)を受講されました。慶應商学部の金子隆先生の人気講義であった金融論の授業を、社会人向けにアレンジしたもので、日経新聞マーケット総合面に毎日掲載されている、さまざまな金融情報の見方と背景理論を学び、経済のダイナミズムを理解しようという講座でした。

池上さんは、経済、経営、政治、外交等々、各大学で幅広く最新の知識と理論を学び直されたようです。

池上ブームが、他の知識人ブームと異なり長続きしている理由を私なりに考えてみると、池上さんは、自分の引き出しにあるもので勝負するのではなく、あくまでもインタープリターに徹しているということではないでしょうか。
どんな領域であれ、人々が知りたい、知るべき知識を選びとり、取材し、わかりやすく再構成して解説してくれる。それが池上さんのプロフェッショナリティかと思います。

その専門性を支えているのが、自らも実践してきた「学び続けること」ではないでしょうか。
今回は、継続的な学びの実践家 池上彰さんが語る「働く大人の学び論」をお聞きできると思います。

第17回 6/20(金) 佐藤卓己さん

第17回 6/20(金)に登壇いただくのは、メディア史、大衆文化論を専門にする歴史学者の佐藤卓己先生です。

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最近、「反知性主義」への警鐘を鳴らす知識人が増えてきました。
夕学でも、佐藤優氏が政治家の「反知性主義」を指摘してくれました。
http://www.keiomcc.net/sekigaku-blog/2013/10/post_554.html#more

内田樹氏も同じ主旨のブログを書いています。
http://blog.tatsuru.com/2014/03/05_0950.php

反知性主義というのは、理論や事実・エビデンス、歴史的経緯や文化的背景といった知的思考をすっとばして、わかりやすさ、美しい物語、即断即決を尊ぶ思考のあり方を意味します。

佐藤卓己先生のいう、「輿論(よろん)」と「世論(せろん)」の同一化も同じ現象ではないでしょうか。
「輿論」とはpublic opinion、公的な問題に対して、論拠と責任を伴った意見をいうことです。
一方の「世論(せろん)」とはpopular sentiments、感情的で場当たり的な居酒屋評論家的発言を指します。

日本では、1920年代に大衆メディアの登場に伴って、「輿論」と「世論」の境界がなくなり、それが戦争に向けた国民的熱狂を引き起こしてしまったという現実があります。

ネットの普及、ソーシャルメディアの興隆にともなって起きている「ネトウヨ」現象や「ヘイトスピーチ」の発生を見ると、「輿論と「世論」の同一化は、戦前以上の規模と勢いで広がりつつあるのではないかという危機感を覚えます。

私達は、この時代にどうふるまえばよいのか。
ウェブ時代に「世論の輿論化」をどう取り戻せばよいのかを考えてみたいと思います。

第16回 6/17(火) 山口香さん

第16回 6/17(火)に登壇いただくのは、筑波大学体育系准教授で柔道家の山口香さんです。

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この2年間、日本の柔道界は、史上最悪の危機的状況にありました。
ロンドン五輪で金メダル男子ゼロ、女子1個と惨敗したことに加え、男子では元金メダリストの指導者による暴行事件、女子代表チームのパワハラ指導、全柔連指導部の閉鎖的体質の露呈と、伝統を揺るがす不祥事を続けざまに起こしてしまいました。
特に、女子代表チームで行われていた暴力やパワハラ指導の実態は、日本スポーツ界に染みついた悪しき風習や考え方が凝縮されたものであったと思います。

女子柔道界黎明期のスターで、指導者としても実績のあった山口さんが、背中を押す形で、選手自身による告発や問題提起が行われたのは、異例なことでありましたが、長年の膿を出す意味では、避けられない荒療治だったと思います。
批判を恐れず声をあげた山口さんの勇気と信念は、広く敬意が払われるべきではないでしょうか。

厳しい師弟関係とは、本来互いをリスペクトしあえる信頼のうえに築かれなければなりません。ところが日本の場合、指導者が選手を意のままにする偏った力関係に陥る間違いを起こしやすいようです。

山口さんのお話を伺いながら、これからの時代、私たちはスポーツに何を求め、何を目指すのかを考える機会にしたいと思います。

第15回 6/11(水) 菊澤研宗さん

untitled.bmp第15回 6/11(水)は、慶應商学部教授の菊澤研宗先生が5年振り、二度目のご登壇です。

前回講演はこちら

経営哲学を専門とする菊澤先生、制度派経済学に依拠する経済学者でもあり、組織の不条理を研究する経営学者でもあります。
カント、ヘーゲル、ポパー、マックスウェーバー、ドラッカー等々。ドイツ観念哲学から、科学哲学、コーポレントガバナンス論から軍事史研究、人間主義経営学まで、おそるべき博識を誇り、幅広い研究領域をカバーする先生です。

慶應MCCのagora講座でも、マックスウェーバーのプロ倫やドラッカーの経営哲学を講義いだいてきました。

古典を通して考える【自由と資本主義】 2009年
http://www.sekigaku-agora.net/course/kikuzawa_kensyu2009.html

菊澤研宗教授による【ドラッカー再発見】 2010年
http://www.sekigaku-agora.net/course/kikuzawa_kensyu2010.html

この二年はカリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院で、在外研究生活を送り、さらに研究領域を広げて帰還されたばかりです。

帰朝講演もかねてお願いした今回の夕学では、「いまこそ経営に哲学を!」というど真ん中の本質的テーマをお話していただくことにしました。

菊澤先生が、米国留学中の二年間でより思いを強くしたのは、やはり日本企業には哲学が必要だということ。
米国流の科学的で経済合理的マネジメントだけでは、企業が合理的に不正を犯したり、合理的に失敗したりすることを防ぐことは出来ない。この不条理から抜けだすには、人間主義的で哲学的マネジメントが絶対に必要だ、ということだそうです。

「企業はなぜ存在するのか」「企業の社会的使命は何なのか」というそもそも論を深く深く考える機会にしていただければと思います。

第14回 6/10(火) 村田吉弘さん

moto_yosihiro_murata.jpg第14回 6月10日(火)は、菊乃井主人の村田吉弘さんです。

京都・祇園にある老舗料亭 「菊乃井」。18代前の先祖から京都に住み始めたという、生粋の京都人でもあるその家に、村田さんは、長男として生まれました。立命館大学在学中にフランス料理修行のために渡仏。大学卒業後、料亭での修行を経て、実家に戻り、1976年「菊乃井木屋町店」を開店。1993年「菊乃井」3代目を継がれて、現在に至ります。

「菊乃井」 主人として、料亭を仕切り自ら料理でもてなす村田さんはまた、「日本料理を正しく世界に発信する」「公利のための料理をつくる」 ことをライフワークにもされています。

昨12月、「和食(Washoku) 日本人の伝統的な食文化」、ユネスコの無形文化遺産に登録され、話題となりました。
食文化はいま世界で滅びかけている、国民一人ひとりが守っていかなければならないと、和食の登録申請に尽力されたおひとりでもいらっしゃいます。

世界、と同時に、日本の大人や子どもへの食育活動も積極的に展開しなければならない。NPO法人日本料理アカデミー理事長として、医療機関や学校を訪問しての食育活動や、アカデミックな継承と研究をめざした教育活動などにも取り組まれています。

今回、『夕学五十講』では、「京料理とは何か」、をタイトルにご講演いただきます。
世界からみた和食と、日本にいきる和食。ヨーロッパで料理修行された料理人であり、生粋の京都人である料理人。老舗料亭と、毎日の私たちの食卓。村田さんの原点が「京料理」にあるのかもしれません。日本のこころ、ぜひ皆さんに聴いていただきたい講演です。(湯川)

第13回 6/6(金) 窪寺恒己さん

tsunemi_kubodera.jpg第13回 6/6(金)は、国立科学博物館標本資料センター コレクションディレクター、窪寺 恒己さんにご登壇いただきます。

人類初、世界初のダイオウイカとの遭遇。

窪寺さんたちの大プロジェクトとその大成功は、私たち日本中をワクワクさせてくれました。


昨年1月に放送された、NHKスペシャル「世界初撮影!深海の超巨大イカ」はたいへんな反響を呼び、ダイオウイカは一大ブームになりました。
番組は放送前から話題となって、ドキュメンタリー番組としては異例の視聴率16.8%を記録。ダイオウイカに会えると人気が高まり、国立科学博物館で開催された特別展「深海」は、来場者数59万人を記録、たびたび行列ができていました。番組や展覧会をご覧になられた方も多いのではないでしょうか。

巨大なダイオウイカが、暗く静かな深海のなか突如現れ、動き回る姿は、圧巻でした。と同時に、遭遇の瞬間、頂点に達した窪寺さんたちの興奮と感動が、画面からあふれ伝わってきて、感動を共有しました。

欧米の研究者やドキュメンタリ―製作会社がたびたび試みながらも成功することのなかった、ダイオウイカとの遭遇、インパクトの大きさを感じます。しかしそれだけではなく、"深海の神秘"という、私たち人類にとっての永遠のロマンも背景にあるのではないでしょうか。

ダイオウイカは、16世紀の大航海時代からも、海の魔物として知られ、恐れられていたといいます。私たちと同じ、この地球上に実在しながらも、人間がアプローチし得ない、未知にあふれた深海という世界。そこに生きるダイオウイカ。それを追い続ける研究者のおひとりである窪寺さん。神秘であるからこそ惹かれ、感動の発見があるからこそ惹かれるのだと思います。

人類400年のロマン。
窪寺さんのロマン。
深海の神秘、私たちのロマン。

「深海の怪魔 ダイオウイカを追いかけて」。窪寺さんのロマンあふれるお話、皆さん、ご一緒しませんか。(湯川)

第12回 6/5(木) 新見正則さん

masanori_niimi.jpg第12回 6/5(木)にご登壇いただきますのは、帝京大学医学部外科 准教授の新見正則先生です。

新見先生は、西洋医で、漢方医、臨床医で移植免疫の研究者、趣味はトライアスロン、そして、昨秋「イグ・ノーベル賞 医学賞」を授賞されました。

テレビ東京の「主治医が見つかる診療所」にレギュラー出演もされています。たいへんな人気番組で、月曜夜のレギュラー放送に加え、この春からは毎昼の別冊放送も始まりました。

新見先生はあるときは血管外科や脳の専門医師として、あるときは漢方を処方するお医者さんとして、あるときは移植免疫学の研究者として、またあるときはご自身の体験をもって、コメントやアドバイスをされています。

先日、「体重コントロールの達人」でもある新見先生とぶらり横浜を"健康散歩"する回をみました。「ちょい○○」が新見先生のアドバイス。食事では、野菜をちょい足し、炭水化物ちょい残し。ちょい運動では、散歩がてらちょいたくさん歩く、ちょいでこぼこ道を選ぶ、など。「いいとはわかっているけれど、なかなかできない」ことの多いなか、私たちふつうの人々の気持ちに寄り添われているのも新見先生らしさです。

昨秋、「イグ・ノーベル賞医学賞」に輝かれました。イグ・ノーベル賞は、ユニークでユーモラスなちょっと笑えるような実験内容で、でも、とても考えさせられる結果、に与えられる、国際的な賞です。授賞式はハーバード大学でおこなわれます。

心臓移植したマウスに、さまざまな音楽や音を聴かせたところ、オペラ「椿姫」を聴いたマウスがいちばん延命したそうです。移植免疫学は20年前オクスフォード大学に留学されたとき以来のライフワークだそうですが、一方で、先ほどのちょい○○のような、好奇心や考え方あって、運と縁に恵まれての成果なのだ、と新見先生はおっしゃっています。

そんな新見先生とマウスが教えてくれる、幸せな生き方論。
元気に、幸せに、楽しく生きていきたいなあ。そんなお気持ちのある方、どなたにも、ぜひお聞きいただきたい講演です。(湯川)

第11回 5/28(水) 藻谷浩介さん

photo_instructor_712.jpg第11回 5/28(水)は、日本総合研究所主席研究員藻谷浩介さんです。

前著『デフレの波』が大ベストセラーとなり、一気に全国区のエコノミストとして世に出た藻谷さん。日本経済が直面する最大の問題は「二千年に一度の人口の波」だ、と言うご指摘は、ハッとさせられる気づきを与えてくれました。
夕学でも素晴らしい講演をしていただきました。
http://www.keiomcc.net/sekigaku-blog/2011/04/ppt.html

藻谷さんは、日本政策投資銀行時代には、平成合併前3,200市町村の全てを、ほぼ自費にて巡歴し(しかも2度、3度)、地形・交通・産業・人口動態・通勤通学動態・郷土史等を詳細に把握した地域研究・地域振興政策研究の専門家です。

昨年上梓された『里山資本主義』は、そんなライフワークの一環と位置づけられる好著でした。
自らナビゲーターとして出演したNHK広島局制作の「里山資本主義シリーズ」で取材した、身近な資源を活用する地域発の新たな取り組みを書籍化したものです。こちらも前著に負けない大ベストセラーとなりました。

私も信州の出身なのでよく分かりますが、日本の山村、農村にはどこにいっても里山があります。里山には、先祖が営々守り育んできた自然と人間の共生システムがあります。里山のルールを守っていれば、いまの時代でも、水と食料と燃料、それに幾ばくかの現金収入がちゃんと手に入ります。

里山を維持できるか、それとも失ってしまうのか、瀬戸際の危機にある日本の現状を確認しつつ、里山が持つ価値について考えてみよう。
そんなお話が伺えるものと思います。


第10回 5/23(木) 花田光世さん

第10回 5/23(木)に登壇いただくのは、慶應SFC教授で、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(財)SFCフォーラム代表理事の花田光世先生です。

photo_instructor_726.jpg人材開発、キャリア論の分野で日本を代表する専門家として知られる実践的研究者でいらっしゃいます。

「キャリア自律」という言葉・概念は、いまでは当たり前のように使われていますが、1990年代初頭に、花田先生が最初に我が国で提唱をされた概念です。

単なる研究者ではなく、キャリアアドバイザーの育成、キャリア自律プログラムの実践、キャリア自律促進の組織風土・組織システム構築の支援、ダイバーシティ開発の支援など実践活動を積極的に行ってきたことで定評があります。

MCCでは花田先生が主管する慶應SFC研究所 キャリア・リソース・ラボラトリーとの共催で「キャリアアドバイザー養成講座」を開講しており、すでに数百人規模のキャリアアドバイザーを世に送り出してきました。

長らく本を書かないことで有名で、「書かざる巨人」と評されてきた花田先生ですが、昨年二冊の本を上梓されました。

『「働く居場所」の作り方 あなたのキャリア相談室』日本経済新聞出版社
『新ヒューマンキャピタル経営』 日経BP社

同じテーマについて、個人からの視点、組織の立場に分けて書かれたセットの本と理解してよろしいかと思います。
いわば、花田先生の実践的研究の現時点の集大成といえるものかもしれません。

今回の講演では、前者の本をベースに、日常の仕事の中にキャリア自律を組み込んでいくことの意義についてお話いただく予定です。

第8回 5/20(火) 柳川範之さん

第8回 5/20(火)に登壇いただくのは、東大大学院教授で経済学者の柳川範之先生です。

photo_instructor_711.jpg2012年7月 野田首相(当時)のもとに設けられた国家戦略会議フロンティア分科会の報告書の中に書かれた次の一文が話題になりました。

「・・・場合によっては、40 歳定年制や50 歳定年制を採用する企業があらわれてもいいのではないか・・・」
報告書の主旨は、経営環境の変化と働く人の意識・ニーズに変化を受けて、もっと柔軟な雇用形態が増えるべきだという、しごく当たり前の主張でしたが、マスコミはいつものミスリードで「40歳定年」だけを大きく取り上げました。

この意見の提唱者である柳川先生は、「究極のリストラ? 40歳定年制の発案者・柳川範之東大大学院教授に聞く」などというセンセーショナルなタイトルの記事もありましたので、ご記憶の方も多いかと思います。

このワード、実は、議論を喚起するために、柳川先生が意識的に使ったものだそうです。その意味で、したたかに目的ははたされたのかもしれません。

先行きが見えない時、進むべき道に複数のオプションを持っておくべきだ、というのは意思決定の常道です。
個人のキャリアも同じ、22~23歳の若さで、終身雇用の代償に将来の選択肢を捨ててしまうという意思決定が、本当に正しいことのなのかどうかをよく考える必要があります。

元気に生き生きと働き続けるために、世界経済の変化に合わせた働き方について、柳川先生と一緒に考えてみたいと思います。

第9回 5/22(木) 小川進さん

第9回 5/22(木)に登壇いただくのは、神戸大大学院教授の小川進先生です。

photo_instructor_706.jpg小川先生は、ユーザーイノベーション(ユーザー・消費者参画型の新製品開発)研究を専門とされるマーケティング学者です。MITスローンでユーザーイノベーションの第一人者エリック・フォン・ヒッペル教授のもとでPhDを修得されました。

ユーザーイノベーションが、新たな商品開発の方法論としてはじめて注目されたのは、もう10年以上前になります。
小川先生が『イノベーションの発生論理』という本を書き、組織学会高宮賞を受賞されたのは、2000年のことになります。2002年前期の夕学に登壇いただいて、ユーザーイノベーションについてお話していただいたことがあります。
当時始まったばかりの「空想生活」などの事例を興味深くお聞きした記憶があります。

ユーザーイノベーションは、それまでのものづくりと百八十度パラダイムが異なるので、当時からその困難さが指摘されていました。画期的な大ヒット商品が生まれてこないことも懐疑的な人がよく口にすることでもありました。

ただ、小川先生の近著『ユーザーイノベーション』を詠むと、そういう大ヒット商品を作ろうという発想そのものが、大量生産時代の意識を引きずっているのかなと思うようになりました。

「こういうものが欲しい」という消費者の思いは、本来ユニークなものであるべきで、ユーザーイノベーションというのは、ロングテール型なのかもしれません。
この本で小川先生が紹介しているユーザーイノベーションの事例は、いずれもそのタイプではないでしょうか。

創造の喜びを消費者に広げる。
イノベーションの民主化こそが、ユーザーイノベーションの本質だと小川先生はいいます。「モノ作りの新たな形について興味がある方にきっと参考になる」お話だそうです。


第7回 5/16(金) 坂本幸雄さん

第7回 5/16(金)に登壇いただくのは、元エルピーダメモリ社長の坂本幸雄さんです。

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エルピーダ社の設立と挫折は、日本企業の再生・再編のあり方を考えるうえで、多くの教訓を残してくれました。
日立、NEC、三菱電機という日本を代表する総合電機メーカーのDRAM事業を統合させ、世界と戦える専業メーカーとして再生すべく、たたき上げのプロ経営者坂本氏を社長に迎えて建て直しを図る。上手くいけば、将来映画の題材になったかもしれない大きな挑戦でありました。

リーマンショックさえなければ、挑戦は成功したかもしれません。
あるいは、もっと早く坂本さんに全権が委ねられていれば環境変化も乗り切れたのかもしれません。
または、実はエピルーダ社がマイクロンの傘下に入り生き残ったという選択は、坂本さんだからこそ出来た、最善の再建策だったのかもしれません。

倒産から1年半、社員をひとりも切らずに再生をはたすという難事業を成し遂げたうえで、『不本意な敗戦 エルピーダの戦い』という話題の本を書いて、日本はエピルーダの挫折から何を学ぶべきなのかを世に問うた坂本さんに、当事者ならではの思いを語っていただきたいと思います。

第6回 5/14(水) 橋本大二郎さん&手嶋龍一さん

第6回 5/14(水)は、前高知県知事の橋本大二郎さんと外交ジャーナリストの手嶋龍一さんの対談になります。
かつてNHKの報道記者として20年近く同僚であったお二人は、いまは慶應大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(慶應SDM)の教授同士として再び近しい関係にあります。

橋本大二郎さん手嶋龍一さん

44歳という当時の最年少知事として当選以来16年間に渡って高知県知事を務めた橋本さんは、改革派知事の代表として、行財政改革や新たな政策の実現に取り組みました。
現在も、「地域自立型の国づくり」を目指して精力的な活動を進めています。

一方の手嶋さんは、外国特派員時代の知見をもとに、外交ジャーナリストとして独立後は、日本の外交・安全保障政策に欠落していた「インテリジェンス」という言葉と概念を広めたことで知られています。

今回は、昨年秋に慶應SDMで企画していたお二人の対談講演が、台風の影響で中止せざるをえなかったことを残念に思われた手嶋先生が、場所を丸の内に移して、実務家向けにアレンジして企画していただきました。

地方分権の流れを受けて、財源と権限の移譲を受けつつある地方ですが、受け止め方は地域によって温度差が大きいように思います。
昔ながらの官僚出身知事による県政が続いている自治体もあれば、大阪や愛知のようにやたらと威勢がよくて、その分も揉め事も多い都道府県もあります。

「地方分権はなぜ必要なのか」
豊富な知事経験を持つ橋本さんに、手嶋先生が問いかける形で論点を深めていただけることを期待しています。

第5回 4/22(火)戸田奈津子さん

第5回 4/22(火)は、映画字幕翻訳者の戸田奈津子さんです。natsuko_toda.jpg

大ヒット作、歴代アカデミー賞作品ふくむ、数多くの映画作品の字幕翻訳を手がけてこられました。
その40数年は、私たち日本人が、世界が、ハリウッド映画に魅せられ、感動し、衝撃を受け、憧れ、未来を夢見た、時代の変遷そのものでもあったのではないでしょうか。

「E.T.」「インディ・ジョーンズ」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「スター・ウォーズ」「シンドラーのリスト」「フォレスト・ガンプ」「タイタニック」「ハリー・ポッター」「アバター」etc... 挙げればきりがありません。皆さんの思い出の映画、大切な映画のなかにも、戸田さんが字幕翻訳された作品がいくつもきっとありますね。

私自身もそうです。初めて映画館でみた洋画は「E.T.」でした。「おうち 帰る」とE.T.がつぶやくシーン。「いつもここにいるよ」のお別れの言葉。大泣きしました。ひらがなとようやく少しの漢字を覚えたころで、必死に画面の字幕を追いかけたこととともに、字幕で読んだいくつかのセリフをいまでも覚えています。

限りある字数に、映画と言葉と思いのすべてを凝縮し、表現し、そして伝える、字幕。戸田さんの映画、英語、字幕翻訳にかける想いをじっくり、お伺いしたいと思います。(湯川)

第4回 4/18(金) 井上哲浩さん

第4回 4/18(金)に登壇いただくのは、慶應ビジネススクール教授の井上哲浩先生です。

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マーケティングサイエンスを専門とする井上先生。恩師である池尾恭一先生との共著で、こんな本も書いています。『戦略的データマイニング』日経BP社

この2年程、マーケティングの世界では、「ビッグデータ」という言葉が盛んに喧伝されました。
ICチップが至るところに埋め込まれ、私たちの行動はデジタルデータとしてさまざまなところに蓄積されているといわれています。
またtwitter、SNSといったソーシャルメディアから発信される定性情報はネットワーク上に増殖を続けています。
かつては泡のように消えていった私たちの行動や発言が、個人IDにヒモ付けされることで連結、意味づけされて、ビッグデータの中から創出してくる。
ビッグデータ=宝の山論を信じる人は、決まってそんな壮大な物語を語ります。

はたしてそれは本当なのか。典型的なバズワード現象に陥りつつある「ビッグデータ」の時代に、マーケティングはどう変わるのか、あるいは何が変わらないのか。データを使った「発見と創出」のマーケティングを標榜する井上先生の持論をお聞きします。

第3回 4/14(月) 宮本恒靖さん

第3回 4/14(月)は、元サッカー日本代表キャプテンの宮本恒靖さんです。

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02年の日韓大会、06年のドイツ大会と2大会連続でW杯日本代表のキャプテンを務めた宮本さん。日韓大会ではバットマンマスク(鼻骨骨折の保護ガード)が印象的でしたし、ドイツ大会ではヒデと他の選手の間にあって苦悩した姿が記憶に残っています。

三浦知良、中田英寿、本田圭佑など、サッカーのスーパースターは、どこか突き抜けたところがあるアバンギャルドな雰囲気の選手が多いのですが、宮本さんはその対極の良識派のイメージがありますね。

関・関・同・立に各100人以上の合格者を出す大阪の名門生野高校時代にガンバ大阪のユースチームに所属、プロ契約と同時に同志社大学に進学した文武両道タイプです。
知性に加えて、甘いマスク、強烈なキャプテンシーを併せ持ったスタープレイヤーでありました。

引退後は、2012 年9月よりFIFA マスター(FIFA が運営するスポーツに関する大学院)にチャレンジし、イギリス・イタリア・スイスでの受講を経て2013年7月末に修了したばかりです。サッカーと教育、地域コミュニティ-、ライフスタイルが深く結びつく欧州のサッカー、スポーツの楽しみ方を、広い視野で日本に還元してくれる方だと確信しています。

お願いした演題は「FIFA マスターで考えた日本サッカーの未来地図」
世界を知る宮本さんならではの、深い話をお聞きしたいと思います。

第2回 4/11(金) 穂村弘さん

第2回 4/11(金)は、歌人の穂村弘さんです。
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現代短歌を代表する歌人であると同時に、ユーモアたっぷりの洒脱なエッセイにも人気が高い穂村さん。なんと20本以上の連載を抱えているそうです。

慶應MCC agora講座では、『穂村弘さんと詠む【世界と<私>を考える短歌ワークショップ】の講師をお願いしておりまして、昨年は私も参加して、ホムラワールドに感化されたくちです。

穂村さんは、「社会化された言葉」から自由になろう!というメッセージを、繰り返し、あの手この手で、叩き込んでくれました。
私たちは、長く生きていると(とりわけ企業組織で)、暗黙のうちに社会の色、組織の色に染まっていきます。特に思考や言語は、所属する世界の通行手形のような意味合いをもっているので、社会の色、組織の色を強く反映したものになることが避けられません。

しかし、おもしろいもので、人のこころに刺さる短歌というのは、社会の色、組織の色を拭い去った自由な言葉を使っています。
つまり、短歌を詠むという行為は、住み慣れた世界、語り慣れた言葉の束縛を解き、現代人が忘れた自由な表現を取り戻すことでもあるのです。

このような「反社会化的姿勢」というのは、穂村さんのあらゆる視点・生き方に貫かれていて、多くのファンを引き付ける理由でもあります。

私たちに求められている創造性、新奇性、新たなモノの見方・考え方には、「反社会化的姿勢」が不可欠なことは間違いありません。
短歌にまったく興味がないという方にこそ、ぜひお聞きいただきたい講演です。
短歌好きはもちろん大歓迎です。

2014年前期が始まります。第1回 4/10(木) 竹中平蔵さん

先月26日(水)、2014年前期の「夕学五十講」の申込・予約の受付を開始しました。開始早々に満席講演が出るなど、今期も多くの方にご関心をお寄せいただけているようです。ありがとうございます。

本日から、恒例の今期の登壇講師の紹介を開始したいと思います。
4/10(木)の第一回に登壇いただくのは、慶應SFC教授の竹中平蔵先生、正念場を向かえているアベノミクス第3の矢 成長戦略について、現状と今後の見通しを語っていただきます。

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政府の産業競争力会議のメンバーでもある竹中先生、成長戦略の政策立案を推進する立場にあります。とはいえ、かつて小泉政権で経済政策の司令塔を務めた時とは、政権に対する立ち位置はかなり異なるようです。
誤解を恐れずに推察するならば、ちゃぶ台をひっくり返したくなるような怒りをぐっとこらえながら、改革を実のあるものにするために、必死になって岩盤規制に立ち向かっているという感じでしょうか。

安倍首相がダボス会議で第3の矢について言及した裏には、竹中先生の強い要請があったと側聞します。一方で、ダボス後の国内講演では、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」に対する「海外投資家の失望感は非常に高まっている」という厳しい指摘を行っています。

安倍首相の口から、岩盤規制改革の意欲を改めて世界に向かって公言してもらい、その威光を楯に規制改革に取り組む一方で、改革に対する海外の厳しい見方を紹介することで、そこかしこに潜む抵抗勢力への牽制球としたのかもしれません。

あるいは、タカ派の持論を表出しはじめた安倍首相に対して、胸突き八丁を迎えている岩盤規制改革は、全精力を注ぎ込まなければ乗り切れないという暗黙のメッセージを送っているのかもしれません。

4/10にどんなお話が伺えるのか楽しみです。