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第24回 1/28(火) 国領二郎さん

第24回 1/28(火)は慶應SFCの国領二郎先生の登壇です。
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90年代のIT黎明期から、ITの進化が企業経営をどう変えていくのかを研究してきた国領先生。あまりにも有名な「オープンネットワーク」概念の提唱をはじめとして、この世界をリードしてきた経営学者です。
現在は、慶應義塾の常任理事として学校経営を担う、慶應の大黒柱のお一人でもあります。

夕学には、2001年の第1回シリーズから何度か登場していただいてきましたが、今回は今春出版された『ソーシャルな資本主義』(日本経済新聞出版社)にちなんだ講演をお願いしました。

ITの本質は、「従来見えなかったものが見えるようになること」や「従来は切れていた関係がつながるようになること」だと、国領先生はいいます。
見えないものが見えること、遠く離れていた存在とつながるようになることで、経済や社会はどう変わるのか、それは新しい資本主義のかたちとも呼べるものなのか。

「いいですか、ここが大事なとこですよ。聞き逃さないでよ!」

そんなオーラを発散しながら、ささやくように語る国領節に耳を傾けながら、新たな経済社会と経営の姿を考えてみたいと思います。

第23回 1/21(火) 山崎亮さん

第23回 1/21(火)に登壇いただくのは株式会社studio-L代表で、京都造形芸術大学教授の山崎亮さんです。
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山崎さんは「コミュニティデザイン」の専門家であり、啓蒙者です。

「現代社会における問題は複雑化しており、多くの人のアイデアを組み合わせながら解決策を検討する必要がある。また、解決策が提示されるだけでは解決に結びつかず、実際にその解決策に取り組む人の力が重要になる」
という山崎さんの言葉にあるように、21世紀は「熟議・衆議の方法論」が必要とされる時代となりました。

組織経営の世界では、「ホールシステムアプローチ」という手法が注目されています。クリエイティブに携わる人達には「ワークショップ」メソッドが広まっています。
山崎さんの「コミュニティデザイン」も、そんな熟議・衆議の方法論と言えるのではないでしょうか。

山崎さんは、地域開発や街づくりのプロジェクトで、住民参画型のソリューションとして「コミュニティデザイン」の方法論を確立してきたと言います。

多様な価値観を持つ人々とどのように合意形成をすればよいのか。
受身ではなく、当事者として問題に関わってもらう主体性をどのように醸成すればよいのか。

多くの現場に関わってきた山崎さんのお話を通して考えてみたいと思います。

第22回 1/16(木) 安田菜津紀さん

第22回 1/16(木)はフォトジャーナリストの安田菜津紀さんが登壇します。
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写真をご覧いただけばおわかりのように、26歳の美人ジャーナリストの安田さんですが、カンボジアを中心にアジア・アフリカの紛争頻発地域で貧困にさらされている子供達の姿を伝えることを使命とする硬派です。

安田さんが寄稿している「シノドス」というジャーナルサイトの記事によれば、彼女が貧困問題と向き合うきっかけは、学生時代の体験にあるといいます。
母子家庭の家計を支えてきたお母様が癌を患い、生活保護の申請を考えた際に直面したのは、対貧困政策が貧困の連鎖を招きかねないというパラドクスだったといいます。

ギリギリの生活ゆえにまさかの事態に備える余裕をもてない。備えがないゆえにちょっとしたことで貧困に陥る。
貧しいゆえに教育を受けることができない。教育がないからいつまでたっても貧しさから抜け出せない。
貧困の連鎖は、世界の至るところにあります。

そんな現実を自分が撮った一枚の写真を通して、世界に伝えることで世界を変えるきっかけにしたい。

それが、安田さんがジャーナリストを目指した原点だそうです。
東日本大震災以降は縁を頂いた陸前高田市に通い、海と共に生きる人々を追い続けているという安田さんの話を通して、世界と日本の貧困を考えます。

第21回 1/14(火) 川上真史さん×塚越慎子さん×田幸知有紗さん

第21回 1/14(火)は、人事コンサルタントの">川上真史さん、マリンバ奏者の塚越慎子さん、フリーアナウンサーの田幸知有紗さんのお三方による鼎談で、「グローバルビジネスパーソンの教養」について語り合っていただきます。

川上さんは、日本におけるコンピテンシー導入&普及の第一人者。
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塚越さんは、現在最も注目を集めるマリンバ奏者の一人。
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田幸さんは、映画、経済番組のMCやリポーター、ライターとして活躍するフリーアナウンサー。
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一見なんのつながりも見えない関係のようですが、三人に共通するのが「音楽」なんです。
川上さんは、京大オーケストラでフルートを演奏していたという本格派、田幸さんも国立音大声楽科の出身です。

お二人がマリンバ奏者の塚越さんをゲスト&プレイヤーとして間に挟んで、教養としての音楽を語り合います。

川上さんによれば、教養には二種類あるとのこと。
グローバルに働く人間として「これは知らないとまずい」という必須知識としての教養がそのひとつ。
もうひとつは、持っていることで世界が広がり、関係が深まることにつながる教養。

前者が守りの教養とすれば、後者は攻めの教養。音楽とは攻めの教養に他なりません。
川上さんも、田幸さんも、教養としての音楽があったことで、新しい世界を拓き、多くの人と知り合うことが出来たといいます。
そして、この三者のアンサンブルこそが、教養としての音楽が可能にした新しい関係性でもあります。

第20回 1/9(木) 出雲充さん

第20回 1/9(木)は株式会社ユーグレナの出雲充社長の登壇です。
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ユーグレナ(euglena)というのは「ミドリムシ」の学名なんだそうです。あの単細胞微生物のミドリムシです。
なんとユーグレナ社は、ミドリムシの食用化を事業とする会社、しかもマザーズに上場しているいま注目のベンチャー企業なんです。

東大農学部出身の出雲社長は、学生時代から「世界の食糧問題を解決したい」という大きな夢を持っていました。
その夢を実現する手段がミドリムシだったということなんです。

ユーグレナ社のwebサイトにある代表挨拶には次のようなメッセージが綴られています。

ミドリムシは水と光と二酸化炭素があれば育つことができ、 その生産効率は稲の80倍とも言われています。 また、人間が必要とする栄養素を豊富に備えているため、 食生活が乱れた現代人にも良いものです。 いずれはこのミドリムシを栄養事情が悪い国で生産することで、 食料問題、そして国家間の紛争などの問題解決に 一歩近づくことができると私たちは考えているのです。

下等生物?であるミドリムシが夢のような可能性を秘めていることに驚きませんか?

ユーグレナ社が実際に食用化した商品群には
ユーグレナサプリメント、ユーグレナ青汁など、「まあ、そうだろうな」と想像がつきやすい商品はもちろんのこと、クッキーやラーメン、米、塩まであって、もう一度驚かされます。

「ミドリムシで世界を救う」
出雲社長の途方もなく、そして夢が一杯のお話を聞いてみたいと思います。

第19回 12/11(水) 東浩紀さん

第19回 12/11(水)は、思想家で作家の東浩紀さんが登壇します。
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在野の若手思想家として論壇で活躍する東さんは、テレビに出るようなタイプの方ではありませんが、知る人ぞ知る行動派知識人です。

株式会社ゲンロンの代表として、webベースの情報発信やイベントと連動した会員制のゲンロンコミュニティを運営していらっしゃいます。
社会時評や政治思想の世界には、戦前から総合論壇誌というジャンルがあって日本のオピニオン形成に大きな役割を果たしてきましたが、朝日の『論座』、講談社の『現代』、文藝春秋の『諸君』と廃刊が相次ぎ、論壇の危機と言われる状態にあります。

一方で、WEBベースの新しいメディアも登場し、新たな論壇の場も形成されつつあります。先般、夕学にも登壇いただいた津田大介さんや東さんは、その担い手といってもよい存在ではないでしょうか。

今回の夕学では、数年前に話題になった東さんの著書『一般意志2.0』をベースにして、ネット社会に登場が予見されている「新しい民主主義のかたち」についてお話いただく予定です。

「一般意志」は、ご存じの方も多いかと思いますが、250年前にルソーが唱えた民主主義のキーコンセプトです。

すべての共同体の主権者である人民は「一般意志」の行使という形で主権を行使する。
「人々が十分な情報をもって議論を尽くし、たがいに前もって根回ししなければ、わずかな意見の違いが多く集まって、そこに"一般意志"が立ち現れてくるはずだ」

ルソーは、人民主権の原理をそう定義しました。

想像上のフィクションに過ぎないと批判されることも多かった「一般意志」の概念ですが、ネットという社会テクノロジーは、ひょっとすると、かつてルソーが描いた理想的な民主主義の姿を可能にするかもしれない、と東さんは言います。

ネットが可能にする「もうひとつの民主主義」
それを考えてみたいと思います。


第18回 12/10(火) 平松博利さん

第18回 12/10(火)に登壇いただくのは、高級レストラン「ひらまつ」を展開する(株)ひらまつの平松博利社長です。
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(株)ひらまつは、「ひらまつ」を中心に、フランス料理、イタリア教理の高級レストラン24店舗を経営する東証一部上場企業です。
高級レストラン群を多店舗展開するレストラン企業というのは、世界でも類を見ないことだそうです。
売上高は110億円、経常利益19億円(経常利益率17%強)の超優良企業。しかも毎年増収増益を続けています。
飲食業で経営的に注目されるのは、低価格路線のチューン店と相場が決まっていましたが、高級ブランドと高収益経営を両立するひらまつの成功は、業界の通念に棹さす稀有な例といえるでしょう。

さらに平松社長の推薦図書が渋沢栄一の『論語と算盤』と知って、正直しびれました。
著者の渋沢栄一は、論語の説く社会観念と日本の商人道が尊んできた商道徳には通底する共通点があることを喝破しました。

平松社長の歩いてきた料理人としての道と経営者としての人生にも、きっと同じ共通項があるのかもしれません。

第17回 12/6(金) 菊池桃子さん

第17回 12/6(金)はタレントの菊池桃子さんの登壇です。
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なぜ菊池桃子さんを夕学にお呼びするのか、しかも「大人の学び」について話していただくのか、ということを意外なことと思われた方も多いかと思いますが、その理由は、菊池桃子さんが「大人の学び」の実践的研究者であり、啓蒙的教育者でもあるからです。

タレント活動の傍ら法政大学大学院政策創造研究科で雇用政策を学び、修士の学位をお取りになりました。
現在は、母校の戸板女子短期大学にてキャリア教育に従事し、NPO法人キャリア権推進ネットワークの理事も務めていらっしゃいます。

今回は、法政大学院で同門(諏訪康雄ゼミ)の鈴木美伸さんに仲介していただきました。鈴木さんありがとうございました。

15歳で芸能界に入り、結婚、出産、病気、離婚とさまざまな経験を重ねながらも、デビュー当時の清潔感と聡明さを失わずに、着実に自らのポジションを確立してきたように見える菊池さんが、39才でなぜ、大学院で女性のキャリアを学ぼうと思ったのか、仕事と研究をどう両立させたのか、そしていま「大人の学び」に何を思っているのか、お聞きしたいことはたくさんありそうです。

第16回 12/5(木) 小幡績さん

第16回 12/5(木)に登壇いただくのは慶應ビジネススクールの小幡績先生です。
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夕学は3度目の登壇になる小幡先生。東大卒、元大蔵官僚、ハーバード大Ph.D.という華やかなキャリアと、童顔でPerfumeファン、競馬ファンというアンマッチイメージが何とも魅力的な先生です。

アベノミクスに対しては、当初からはやや批判的な論陣を張っていました。株高、円安が進んで反アベノミクスの論客がおとなしくなっても、堂々と対論の場に立ち、たったひとりで闘っている感があったのも小幡さんらしい姿勢で好感が持てました。

思えば小幡さんの主張は、リーマンショック直後に刊行した『すべての経済はバブルに通じる』以来首尾一貫しています。

21世紀は、資本が余る時代である。
フローの蓄積で産み出された資本は、次の投資先を見失いつつある。いち早く投資先を見つけ出す「目利き」ができる者だけが儲かる。
「目利き」が出来ない者の資本は、どこかに集まり、バブルを引き起こす。
その文脈で読めば、現段階でのアベノミクスは、ミニバブルの予兆のようなものに過ぎない、ということかと思います。

そしてまた、アベノミクスの目先の成否を問うよりも重要なことは、移行期を迎えている資本主義社会にあって、日本と日本の企業はどういう道を歩むのかという根本的な議論だということではないでしょうか。

力と度胸に依存する市場は、中国や韓国に委ねよう。
成熟社会の歴史的経験を蓄積しないと出来ないことに特化した、日本ならではの経済社会を築く必要がある。
そんな小幡先生の持論をお聞きしたいと思います。

第15回 11/27(水) 池内了さん

第15回 11/27(水)は、総合研究大学院大学教授で科学者の池内了先生です。
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宇宙論を専門に研究されてきた池内先生ですが、近年は科学・技術・社会の交差領域に関わる時事評論やエッセイなど科学啓蒙的な活動にも取り組んでいらっしゃいます。

3.11以降「科学の限界」「科学技術への不信」などの言葉が飛び交うようになりました。科学の専門家によれば、科学と科学技術は似て非なるもので、その混同を改めることから始めねばならないということかもしれません。

純粋な理論の世界である「科学」と、科学の知見を活用しているものの現実の社会への関わりを重視する「技術」とは、自ずと異なる理解の仕方が必要です。
技術の使い方を間違えたり、発展途上の技術が失敗を招くことはありますが、それが科学そのものが間違えていること、制御不能に陥っていることではありません。何があろうとも科学の有用性は揺るがないもののはずです。

と、思っていたところ池内先生の講演内容紹介文を読むと、「現代科学はさまざまな限界にぶち当たっている」とあります。現代の純粋科学は収穫逓減期にさしかかっており、科学は終焉に向かっているという論がある、とのこと。

科学に精通し、科学と社会の接点を深く考えている池内先生が語る「科学の限界論」です。

第14回 11/26(火) 宮崎辰さん

第14回 11/26(火)に登壇いただくのは、東京恵比寿の3つ星フレンチ「ジョエル・ロブション」プルミエメートル ドテルの宮崎辰さんです。
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メートル ドテルというのは、レストランにおけるサービスのプロフェッショナルです。シェフと並んでお店の価値を形成する極めて重要な役割だと言われています。

顧客満足(CS)の理論では、顧客満足の提供には、商品の性能・品質といった「機能的価値」に加えて、サービスやブランド、スピリッツといった「意味的価値」を積み重ねなければならない、と言われています。
メートル ドテルというのは、この「意味的価値」の提供を担う現場の責任者という役割ではないでしょうか。

お父さんが愛読していた『Danchu』の影響で料理に興味をもち、料理人の世界を志した宮崎さんは、理由あって、シェフからメートル ドテルに路線を変更したといいます。
以来、サーヴィスマンとして腕を磨き、ついに昨年「クープ・ジョルジュ・バティスト」サーヴィス世界コンクール東京大会で優勝の栄冠に輝きました。
世界の一流レストラン、ホテルから集まった300名のライバルに打ち勝っての優勝だそうです。
ご著書の『世界一のおもてなし』(中経出版)もベストセラーとなり、日本中が注目するサービスのプロといえるでしょう。

東京オリンピック招致で活躍した滝川クリステルさんが、得意のフランス語でIOC委員を前に力説したのも、日本人の「おもてなし」の精神でした。

宮崎さんの話を通して、日本が世界に誇り、認められた「おもてなし」について考えてみたいと思います。


第13回 11/21(木) 駒崎弘樹さん

第13回 11/21(木)に登壇いただくのは、社会起業家の駒崎弘樹さんです。
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駒崎さんのお名前を初めて聞いたのは7年も前のことになります。慶應SFCの金子郁容先生の講演でお聞きしたのが最初です。「ソーシャルアントレプレナー」という言葉もこの時に初めて知りました。

駒崎さんが創設し、いまも代表理事を務めるNPO法人フローレンスは、日本のソーシャルアントレプレナーの草分けであり、もっとも成功している組織のひとつです。

1. 社会をより良くしようというミッション性が明確にある。
2. 経済的リターン(利潤)と社会的リターンの両立ができること。
3. 継続的な事業として社会の問題を解決していくこと。
4. イノベーションを実践していること

金子先生によれば、これがソーシャルアントレプレナーの定義になりますが、フローレンスは、その全てにあてはまる組織です。

病児保育、待機児童問題、ひとり親支援といった、働く母親にとって避けられない社会問題に正面から取り組み、しかも継続的な成長と着実な利益を実現しています。
成熟社会の新しい公共のあり方として、成功例を提示してくれる存在といえるかと思います。

最近は政府の審議委員なども積極的に引き受けて、社会起業の啓蒙活動にも取り組む駒崎さんは、いまや日本を代表する若手有識者のひとりになりました。

社会を変えること、継続的な事業体として自立すること、これまで相反するといわれてきたアプローチの本質をお聞きします。

第12回 11/19(火) 長谷部葉子さん

第12回 11/19(火)は慶應SFC准教授の長谷部葉子先生が登壇されます。
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異言語・異文化コミュ ニケーションを基軸にした教授法・カリキュラムデザインを専門にする長谷部先生。別名「慶應SFCのビッグママ」と呼ばれる人間味溢れるユニークな先生です。

長谷部先生を推薦してくださったのは、新進気鋭の行動派社会学者として活躍している古市憲寿さんです。この春に夕学に登壇された際に、「長谷部先生は素晴らしいですよ」と推薦いただきました。古市さんは長谷部先生の教え子のおひとりです。

長谷部先生は、大学教員としては異色のキャリアを歩んできました。
若い頃は、不登校、いじめ、病気、高校・大学受験失敗など、ありとあらゆる挫折を経験してきたといいます。
そこからの問題意識で、20代半ばから寺子屋(私塾)を立ち上げ「子どもたちを死なせない、活き活きと活かす教育」に取り組み続け、35歳で大学入学、40代で大学院修了後、現職につかれました。ゼミは発足してすぐに学生達のこころを掴み、SFCきっての人気ゼミになったと聞いています。

今回、長谷部先生にお願いしたのは「人生論」のお話です。
波乱の人生を歩んでいらした長谷部先生と一緒に、「しあわせ」「生きるということ」「希望」などを語り合う時間になればよいかと思います。

第11回 11/15(金) 髙階秀爾さん

第11回 11/15(金)に登壇いただくのは大原美術館館長の髙階秀爾先生です。
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ルネッサンス以後の西洋美術を専門とする髙階先生ですが、日本美術にも造詣が深くその方面の著作も多数あります。美術史家としてはもちろんのこと、美術の素晴らしさを世に伝える啓蒙者としても大活躍をしていらっしゃいます。

髙階先生にいただいた講演内容によりますと、今回の講演のテーマは、「言葉とイメージの競演」だそうです。

詩を読むこと、うたを詠むことは言葉で絵画を描くことに通じ、絵を描くという行為は声にならない詩・うたを創ることでもある。
髙階先生は、そうおっしゃいます。

古今の芸術作品を紐解きながら、芸術様式の違いの裏側に通底する美意識の同一性についてお話いただけるものと思います。

第10回 11/12(火) 安藤忠雄さん

第10回 11/12(火)は、建築家の安藤忠雄さんが6年振りに登壇されます。
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いやー、安藤さんの人気はスゴイですね。
8/29 午前10時に申込・予約を開始して、午後に入るとすぐに満席マークが灯ってしまいました。恐れ入ります。

安藤さんには、何度も夕学でお話していただいてきましたが、いつもその時代に向き合いながら建築を考えている方だという印象を持っています。

最初に来ていただいたのは12年前でしたが、ニューヨークの9.11テロ跡地ビルのコンペに参加した作品を紹介していただきました。
前回(2007年)には、ドバイの海洋博物館のお話がありました。
今回は、どんなお話を聴けるのでしょうか。

思えばこの6年間は、世界も日本も未曾有の事態・災害にさらされつづけてきました。
経済・自然環境、国際関係図と日本の位置取りが大きく変化する中で、これからの日本、建築そして私達に必要な力について、安藤さんにお考えをお聴きできればと思います。

第9回 11/7(木) 三浦雄一郎さん

第9回 11/7(木)に登壇いただくのは、今春80歳にしてエベレスト登頂に成功したプロスキーヤーの三浦雄一郎さんです。
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前回の登壇は2008年、75歳で二度目のエベレスト登頂に成功した年のことになります。トレーニングのために日常も履いているという鉛入りの靴をゴツゴツと響かせながら会場に来てくれたことをよく憶えています。

三浦さんの話によれば、エベレスト山頂付近の酸素濃度は6%、通常の三分の一程度の薄さとのこと。普通なら、人間が酸素濃度6%という環境にいきなり放り込まれると、3分で卒倒し、5分で死に至るのだそうです。
恐るべき過酷な環境です。

「年を取ったら無理をするな」というけれど、私にとっては、それは間違い。
「年を取っても無理をする」でないと冒険は出来ない。
夢中にさえなれれば道理も引っ込む
三浦さんは、そう言ってのけました。

5年前の約束を果たし、見事三度目の登頂に成功した三浦さんが、いま描いている夢は何なのか、道理を越えたビッグビジョンをお聞きしたいと思います。

第8回 10/31(木) 橋爪大三郎さん

第8回 10/31(木)の夕学には、社会学者の橋爪大三郎さんが登壇します。
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『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』とベストセラーを連発している橋爪先生。
慶應MCCでは、agoraシリーズで「橋爪大三郎さんのセミナー【宗教で読み解く世界】」という講座を二年続けてお願いしてきました。

その講義内容をもとにして出来上がったのが『世界は宗教で動いている』という本です。6月にでましたが、すぐに増刷がかかり5万部を越えるベストセラーになっていますので、書店でご覧になった方も多いかと思います。
裏話を言うと、橋爪先生はこの本のタイトルがあまりお気に召していないようです。本当に付けたかった題名は、「ビジネスパーソンよ、宗教を学べ」
そう、ズバリ今回の講演タイトルなんです。
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本を買うのはビジネスパーソンだけではないから、という出版社の意向に従って、本の題名から取り下げることに承諾はされましたが、橋爪先生が、agora講座で、そしてこの本で一番言いたいことは、グローバル社会に生きるビジネスパーソンこそが、宗教について知らなければならない、というメッセージだと思います。

私たち日本人には想像がつきにくいものですが、世界では先進国、新興国を問わず、政治・経済・法律を含めて社会全体丸ごとが宗教の影響を色濃く受けていると橋爪先生は言います。

だとすれば、グローバル人材を育てようと思うなら、英語と同じ位、いやひょっとしたらそれ以上に宗教を勉強することが不可欠なのかもしれません。
私も2年続けて橋爪先生の講座を聴講して、少しだけ宗教を勉強しましたが、宗教というのは見知らぬ他者を理解するフレームワークとして有意義だということを実感しています。
エジプトやシリアの問題、TPP交渉、尖閣問題etc、世界で起きている多くの政治・経済問題を宗教というフレームを使って考えてみると、新聞・TVの報道とは違った理解の仕方ができるかもしれません。

「ビジネスパーソンよ、宗教を学べ」

宗教を宗教として知るのではなく、世界を理解する知的教養として知る。そんな講演になると思います。

第7回 10/29(火) 澤上篤人さん

第7回 10/29(火)の講師は、さわかみ投信会長の澤上篤人さんです。
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日本人の個人金融資産は約1400兆円と言われています。しかもその約半分(700~800兆円)は預貯金マネーとのこと。低金利のもと、国家予算の9倍ものお金が事実上のタンス預金として静かに眠っていることになります。

これをなんとかリスクマネーへの投資(債権、株式)に回すことが出来ないか、それがこの20年の日本の大きな財政課題でもありました。
最近金融機関のCMで見かける「NISA(少額投資非課税制度)」も、こういう背景から生まれた制度です。

この問題に民間の立場から取り組み、日本における長期運用のパイオニアとして知られているのが「さわかみ投信」です。

長期投資という志を共有できる顧客に対象を絞り混んで、「さわかみファンド」というたった一本のファンドを運用することで実績を上げてきました。

前回(2006年)に登壇いただいた時の日経平均は17,000円。その後日本の経済環境はファンドにとっては逆風の連続でありましたが、さわかみ投信のwebサイトをみると、当時と比較して、純資産額、顧客数とも大きく伸びていることがわかります。

個人金融資産の6割を占める高齢者が安定した預貯金を崩さないのは無理もないこと。むしろ残り4割を持つ現役層が、無理のない範囲で長期投資に挑戦し、長い目で見た資産運用、企業の成長支援、そして日本経済の活性化に貢献して欲しいと思います。

久し振りに、澤上さんの元気が出る話を伺いたいと思います。

第6回 10/21(月) 高橋伸夫さん

第6回 10/21(月)に登壇いただくのは東大大学院教授の高橋伸夫先生です。
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高橋先生が『虚妄の成果主義』を世に問い、反成果主義の論を真っ正面から展開し、大反響を呼んでから10年近くになります。
その後も、成果主義の批判と日本型年功制の再評価に関して精力的な研究と啓蒙に取り組んで来られました。
この春に刊行された『殻 脱ジリ貧の経営』もその発展的線上に位置づけられる本だと思います。


さて、マックス・ウェーバーの『プロテスタントと資本主義の精神』(プロ倫)は、皆さんんよくご存じの古典的名著です。
ウェーバーはこの本で、西欧の近代資本主義の勃興・発展を可能にした勤勉・禁欲といった労働意識(精神)の根底にあるプロテスタンティズムの存在を指摘しました。

更に、彼はこの本の最後で「鉄の檻」という有名なメタファーを使って、資本主義が行く着く先にある世界をシニカルに予測しました。

神と直接繋がりたいという崇高な精神がもたらす勤勉・禁欲的な労働意識によって発展した資本主義は、やがて精神性を失い、金儲けが目的化するだろう。
そこでは、人々は組織と制度に縛られ、「鉄の檻」の如くに硬直下した官僚制組織に隷属していくことになるだろう、という予言です。

『殻 脱ジリ貧の経営』執筆の端緒は、-ウェーバーの「鉄の檻」は誤訳で、本来「殻」と訳すべきだった-という啓示にあったと、高橋先生は言います。

組織が誕生し、発展する過程では、外的から身を守る楯のようの役割を果たしてきた「殻」のようなものが、成熟期になると硬直化し、柔軟な変化や動きを抑制するマイナス効果をもたらす。それが高橋先生の言う「組織ジリ貧メカニズム」です。

今回の夕学では、多くの企業事例を紐解きながら、組織の発展と衰退のダイナミズムを論じていただきます。

第5回 10/16(水)千住真理子さん

第5回 10/16(水)はヴァイオリニストの千住真理子さんの登壇です。
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皆さんもよくご存じのことと思いますが、慶應が誇る千住三兄妹のおひとりでいらっしゃいます。
夕学では、長兄の千住博さん(日本画家)、次兄の千住明さん(作曲家)とともに、真理子さんにも素晴らしお話をしていただいてきました。

千住兄妹に共通するのは、芸術は「わかる人だけがわかる」ものではあってはならない、という強い思いではないでしょうか。
自分の絵が、音楽が、演奏が、市井の普通の人々のこころにどれだけ届くだろうか。三人ともそのことを常に意識しながら活動していらっしゃることは間違いありません。

真理子さんも、コンサート、ラジオのパーソナリティ、ボランティアなどさまざまな活動に意欲的に取り組みながら、人々との出会いと交流を大切にしていらっしゃいます。

前回(2007年)に登壇いただいた際には、慶應理工学部の教授であった故千住鎮雄先生の教え子だという方が、講演を聴きにいらっしゃいました。

今回も素敵な出会いがあることを期待したいと思います。

第4回 10/15(火)細谷功さん

第4回 10/15(火)に登壇いただくのは、ビジネスコンサルタントの細谷功さんです。
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かつて「地頭力」というワードを流布させた細谷さん。5年前に登壇いただいた際には、"「結論から」「全体から」「単純に」考える力・思考する力"を地頭力を定義し、わかりやすいお話をしていただきました。

今回の夕学は「組織」がテーマになります。
どんな人間でも年を重ねれば、シワが増え、体力が落ち、活動量が衰えていきます。人間に限らず全ての生物は経年による老化現象から逃れることはできません。

「老化」というメタファーを組織にも使うことがあります。
無駄な会議が増えてくる。なぜやっているのかわからない仕事がある。慣例や実績にこだわる人が多い。縄張り意識や部門間対立が常態化する等々。
歴史が長い組織には、「老化」という言葉を使うことがしっくりとくる現象があるものです。

細谷さんによれば、「組織の老化」も人間と同じで避けられない宿命であるようです。
だとしたら、その発生メカニズムを明らかにし、少しでも老化を遅らせるアンチエイジング対策を知っておくことが必要です。

今回の夕学では、組織の不条理と闘っている皆さんと一緒に、会社のアンチエイジングについて考えてみます。