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第25回 1/29(火) 角田光代さん&おちまさと さん

第25回 1/29(火)最終回を飾っていただくのは、角田光代さん(小説家)&おちまさとさん(プロデューサー)の対談です。

直木賞作家で、映画化されて話題になったベストセラー『八日目の蟬』など、ヒット作を次々と放つ角田さん。

今回は、「どなたかとの対談ならお引き受けします」という角田さんからの返事を受けて、角田ファンを公言するおちさんにインタビュアーをお願いしました。

前期の夕学では講師として登壇したおちさんですが、『相手に9割しゃべらせる質問術』というベストセラーを書いた、インタビューのプロでもあります。

おちさんは、小説論を中心に、いじめ問題など社会的トピックも話題にして、角田さんの考えを聞いてみたいとのこと。

最終回に相応しい、にぎやかで楽しい夜になればと思います。

第24回 1/25(金) 與那覇潤さん

第24回 1/25(金)は愛知県立大学准教授の與那覇潤先生です。

與那覇先生は、日本近代史を専門とする若き歴史学者で、『中国化する日本』という本でスケールの大きな歴史観を展開され、話題になりました。

明治維新以降、日本は西洋流の近代化(富国強兵と殖産興業)を積極的に押し進めた。急ぐあまりに制御不能に陥り、軍国主義の台頭を許し、昭和日本の破滅を招いてしまった。戦後は形を変えた近代化(民主主義、自由経済)に邁進し、大きな飛躍を遂げたが、いつしかグローバル化に追いつけなくなり、その繁栄は終わりつつある...。

というのがステレオタイプの近代日本のイメージだとすれば、與那覇先生の歴史観は、まったく異なるものです。

明治日本が歩んだ道は、西洋流の近代化ではなく、千年前の宋朝中国が確立した「中国化」の道であった。
いま、世界で進行しつつグローバル化とは、実は「中国化」そのものである。

という歴史観です。

與那覇先生のいう「中国化」とは、
「経済や社会を徹底して自由化する一方で、政治の秩序は一極支配によって強権的に維持支配する」という社会のしくみのことです。

この中国化というフレームワークを日本と世界の近現代史にあてはめてみると、近代化の優等生といわれていたはずの日本の衰退・停滞と現代中国の台頭が説明できる、と與那覇先生は言います。

與那覇先生の講義を通して、「アジア独自の近代化」がどのような可能性と罠を持つのか考えてみたいと思います。

第23回 1/22(火) 谷田大輔さん

第23回 1/22(火)に登壇いただくのは、タニタ総研所長の谷田大輔さんです。

谷田さんは、1965年に、家業のタニタに入社し、開発部長、社長、会長を歴任。半世紀近くかけて、タニタをヘルスメーター売上世界No1企業へと成長させました。
タニタ飛躍の要因は、なんといっても世界で初めて家庭用体脂肪計・体組成計を開発・販売したことにあります。
我が家にもタニタのヘルスメーターがあり、毎日測定結果に一喜一憂しています。

2009年に出版された「体脂肪計タニタの社員食堂」は420万部という驚異的な販売部数を記録し、今年丸の内にできた「丸の内タニタ食堂」には長蛇の列が出来ました。
私も、何度か行ってみましたが、あまりの行列に並ぶのを断念することが続いております。

タニタがここまでのムーブメントを起こしえた理由は何か。
現在は、タニタ総研の所長として、タニタ経営論の普及に邁進する谷田さんにお聞きします。

第22回 1/16(水) 山根節さん

第22回 1/16(水)に登壇いただくのは、慶應義塾大学院教授の山根節先生です。

ビジネススクールで会計管理とマネジメントコントロールを教える山根先生。会計士出身というキャリアも含めて考えると、経営を数字とお金で捉える専門家という印象を持たれるかもしれません。

山根先生の持論は、その逆、つまり、数字とお金から経営の実像を逆照射すること、数字とお金を通して、その会社の戦略や強みを探ることにあります。
更にいえば、儲かっている会社の会計情報を丹念にみることで、時代の流れまで読み解くことができるといいます。

前回の夕学登壇は2006年。
当時の「儲かる企業」の代表として、新日鉄、アコム、トヨタなどの会計情報を読み解いて、儲かる理由を解説していただきました。
6年という年月は、経営環境を大きく変えるもので、これからの企業は、すでに「儲かる企業」の代表とはいえなくなりました。

そこで、今回は、「会計情報から経営を読み解く」という同じコンセプトで、2013年版「儲かる企業」ランキングの中から、いくつかの企業を選び出し、儲かる理由の読み解くをやっていただきます。


第21回 1/15(火) 佐々木毅さん

第21回 1/15(火)に登壇されるのは、学習院大学教授の佐々木毅先生です。

日本を代表する政治学者で、東大総長も務められた佐々木先生が、『学ぶとはどういうことか』という本を出されたのは今春のことでした。
働く大人の学びを生業としていることもあり、たいへん興味深く拝読させていただきました。

佐々木先生は、福澤諭吉の『学問のすすめ』を、社会全体が学び、学びなおさなければならなかった時代の記念碑であると評価しています。

『学問のすすめ』は、海賊版を含めれば三百万部以上発行されたのではないかと言われています。
当時の人口(約三千万人)の一割が読んだ計算になります。現代で換算すれば、1千万部を越える超ド級のベストセラー。当時の経済状況や識字率を考慮すると、その社会的インパクトの大きさは相当なものだったと推察できます。

文明の転換期には、社会全体が学び、学びなおさなければならないことを、当時の日本人は、直観的に認識していたのかもしれません。

現代という時代も、成長、発展、開発の文明から成熟、維持、共生の文明へと曲がり角にさしかかっているといわれています。

佐々木先生には、「大人の」という限定の条件をひとつ加えさせていただいて、「学ぶということ」について論じていただきます。

第20回 1/9(水) 津田大介さん

年明けの第一弾、第20回 1/9(水)に登壇いただくのは、ジャーナリストでメディア・アクティビストの津田大介さんです。

審議会やシンポジウムの会場で、発言者のコメントをtwitterでリアル発信をするという、新しい実況スタイルを確立した津田さん。
東日本大震災の取材では、ソーシャルメディアの力をまざまざと見せつけてくれたことで、ニュータイプのジャーナリストとして注目度が高まりました。

いまも、毎週金曜日になると、twitterの呼び掛けに応える形で、総理官邸前に数千人規模の市民が集まり、抗議デモを行っています。
ピークの6月には、数万人規模だと言われました。

中国の反日デモも、アラブの春を可能にしたのも、ソーシャルメディアの力だと言われています。

ソーシャルメディアを活用した取材・報道を開拓してきた津田さんから、書き手と受け手が相互連環するソーシャルメディア時代の情報のあり方、向き合い方を解説していただきます。

第19回 12/20(木) 樹木希林さん

第19回 12/20(木)に登壇いただくのは、女優の樹木希林さんです。

私たちの世代が樹木希林さんを語る時は、『時間ですよ』の浜ちゃん、『寺内貫太郎一家』の婆ちゃん役(当時は悠木千帆さん)が思い浮かびます。(古い話題ですみません)
いずれの番組も、その存在感は強烈でありました。

翻って、近年では、時折ワイドショーに登場する際に垣間見える「場の支配力」にも圧倒されます。

内田裕也さんが事件を起こした時の、堂々たる会見振り。
オセロ中島騒動の際の的確なコメント。

クセ者揃いのレポーターにほとんど口を挟ませず、それでいて視聴者が喜びそうな映像だけはしっかりと撮らせる。

「はいはい、あんたたち、これで十分でしょ」
「さあ、これでおしまいね」

そんな感じで取材を仕切ってしまったのではないでしょうか(想像ですが)

今回の依頼で分かったのですが、希林さんはマネジャーを持っていないので、こういう取材の仕切りも全部ご自身でやっていると思います。

映画プロデューサーの李鳳宇さんは、
「底意地の悪い人の"演技"をしていると、ほんとうに底意地が悪い人に思えてくる(笑)」
と希林さんの演技力を評したことがあります。

地と役柄の境目がどこにあるのかわからないところが存在感の理由なのかもしれません。

そんな希林さん、最近は老人役、特に痴呆老人の役を引き受けることが多いそうです。
映画『わが母の記』の老母役、や第一三共の認知症薬CMなど。

痴呆役というのは、二の足を踏む役者さんが多いそうですが、樹木希林さんの場合、一切の躊躇はなかったとか。

「老いの重荷は神の賜物」
という演題は、樹木希林さんの役者魂そのものかと思います。

第18回 12/13(木) 船橋洋一さん

第18回 12/13(木)に登壇いただくのは、元朝日新聞主筆で、(財)日本再建イニシアティブの船橋洋一さんです。

船橋さんは、朝日新聞では、安全保障・経済などの外交問題を専門領域とする国際派記者として活躍、2007年から2010年までは主筆として、朝日の社論を代表する役割を務められました。

日本再建イニシアティブでは、『福島原発事故独立検証委員会』のプログラムディレクターをつとめ、2012年2月、政府・国会の事故調に先だち、民間事故調報告書を発表しました。

MCCには、今春開催した『複合連鎖危機とニッポンの改革』にゲスト講師として登壇いただきました。
民間事故調の結果を踏まえて、戦後初めて直面した国家的危機を振り返り、求められるべき「人間の安全保障」について、問題提起していただきました。

折しも、尖閣諸島を巡り日中関係の緊張感が一気に高まってきました。臨界状態に陥る前に、なんとかして制御しなくてはなりません。

また、今年は世界のリーダー交代期でもありました。年末にかけて、中国の全国人民代表大会、米国の大統領本選挙が行われます。

太平洋を挟んだ両大国のリーダー交代が視野に入るこの時期に、日・中・韓関係が、最も冷え切っており、日本の政権交代も確実視されるという最悪のタイミングを迎えているといえるでしょう。

国際経済と政治、安全保障に精通した立場から、「世界はどう変わるのか」を論じていただきたいと思います。

第17回 12/11(火)坂野潤治さん

第17回 12/11(火)に登壇いただくのは、東大名誉教授で歴史家の坂野潤治先生です。

坂野先生の『日本近代史』(ちくま新書)は、新書ながらも400ページを越える大作で、そのまま立てることができるほどの分厚さです。
しかしながら、その分厚さを忘れてしまうほどに「読ませる力」のある本です。
「こんな通史を待っていた」という感想をもった歴史ファンも多いのではないでしょうか。

個人的な予想としては、今年の新書大書の最有力候補です(何の根拠もありませんが...)
新聞各紙の書評にも取り上げられてきました。

毎日新聞
http://mainichi.jp/feature/news/20120611dde018040020000c.html

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/book/review/20120501-OYT8T00398.htm

日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO40252680X00C12A4MZC001/

朝日新聞
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201109300244.html

この本で、坂野先生は、1857年(安政四年)~1937年(昭和12年)までの、幕末~昭和の80年間を7つの時代区分に分けて論じています。

改革・革命・建設・運用・再編・危機・崩壊の7区分です。

徳川幕府が、制度疲労と外部環境変化に対応するために「改革」を試すも思うようにいかず、維新という「革命」が起き、明治という新たな国家が「建設」され、諸問題を巧みな「運用」で乗り越え、民主化へと「再編」を図るも、軍部台頭という「危機」を迎え、戦争にのめり込んで「崩壊」していく。

そんな日本の近代80年の興隆と衰退を振り返ることができます。
そして、それは、現代の日本が抱えるいくつかの病巣が形成された宿命や理由を確認することでもあります。


今回の夕学では、この本を概観しつつ、坂野先生が現在研究中の1825年~1867年の幕末政治史を中心にお話いただきます。

第16回 12/6(木) 宮台真司さん

第16回 12/6(木)の講師は、首都大学東京教授の宮台真司先生、演題は「社会システムの再構築を急げ」です。

宮台先生は90年代中盤、いわゆる「ブルセラ論争」で一躍、世に知られることとなりました。
出演されていた、『朝まで生テレビ!』でその姿をご覧になった方もいるのではないでしょうか。
ブルセラ女子校生達の生き方を肯定的にとらえ、擁護する宮台先生の振る舞いは、当時大きな論争を呼びました。

"他人に迷惑をかけなければ何をしてもOK"という発言に代表される、自己決定論者としての立場から、"感情的な安全を保証する場=ホームベースが大事"と主張する立場へと、近年は主張が変化してきたように見えます。

宮台先生は今の日本を「巨大なフィクションの繭」と表し、戦後、日本社会が築き上げてきた社会システムが機能しなくなった社会だといいます。
これからは、国家に依存することなく、共同体への参加と自治をモットーとした自分たちで築くつながりが大事だと説きます。

個の重視から絆、つながりの重視へ。
東日本大震災を通して顕在化した日本社会の様相をもとにその背景が語られることでしょう。

原発都民投票条例の請求代表人としての活動、日本社会を自然エネルギーにシフトする「エネシフジャパン」の活動など、自ら現場へ出かけてはたらきかける、「行動する学者」としての発言に注目です。

第15回 11/30(金) 南直哉さん

第15回 11/30(金)に登壇されるのは、恐山院代の南直哉住職です。

南住職は、その舌鋒の鋭さ、迫力ある姿から、「恐山の論争」とも「永平寺のダースベイダー」とも称されてきたと聞きます。

180センチを越える長身、キリッと切れ上がった目、よく通る声etc。
確かに威圧感と迫力は十分です。
それでありながら、前回の夕学でのお話は、終始笑いに満ちていました。エンタテナーとしても最高レベルにある方です。

前回は、永平寺での修業時代を振り返りながら、なぜご自分が仏教の道を選んだのかというお話をしていただきました。
今回は、新著の『恐山 死者のいる場所』にちなんだお話をお願いしました。

本の題名にあるように、恐山は「死者と出会える場所」です。
正確にいえば、死者に対して「なんらかの想い」を残したままの人が、内なる想いを確かめる場でもあります。
どんな人にとっても、親しい人の死を受け入れることは、難しいことです。
それが突然で、思いも寄らない理由であればなおさらのこと。

恐山を訪れる参拝者の方々は、伝統的に東北地方の方が多いそうです。南住職も、この一年半多くの震災被災者や遺族の方々と対話する機会をもったと言います。
「震災後」を生きる人間の生と死の問題をお話いただきたいと思います。

第14回 11/28(水) 為末大さん

第14回 11/28(水)に登壇いただくのは、侍ハードラー、元プロ陸上選手の為末大さんです。

ロンドン五輪出場をかけて臨んだ6月の日本陸上選手権。
為末さんの挑戦は、1台目のハードルで失敗し転倒するという、ある意味で、劇的な幕切れとなりました。

170センチの小さな身体で、400メートルハードルという過酷な種目に挑み、世界大会で2度メダルに輝くなど日本を代表する陸上選手と言えるでしょう。
実績もさることながら、存在感のある「記憶に残る」選手でした。

丸の内では、「東京ストリート陸上」というユニークな企画を自らプロデュース。
丸の内仲通りに設営された特性コースで、見事なハードリングを披露されました。いまでも、時折あの時の勇姿が丸の内ビジョンで流れることがあります。
既成のスポーツ選手の枠に収まろうとしない挑戦心・革新性も、為末さんの魅力です。

いまの目標は、陸上選手であったことを忘れられることだというコメントをどこかの雑誌で読んだことがあります。
それほどまでに、新しいことをやりたいという意欲に溢れているということかと思います。
最後のレースの転倒は、新しいスタートの号砲だったのかもしれません。

今回の講演のテーマは「ゾーン」
スポーツや芸術の世界で語られるようになった言葉です。
何かに集中、没頭しているときに、他の雑音が一切聞こえなくなり、眼前の一事に冷静に向き合うことができる精神状態を表すようです。
心理学者のチクセントミハイは、この状態を「フロー」と呼び、人間が生きる喜びの到達点だと喝破しました。。

為末さんはどんな「ゾーン」を味わってきたのか、また味わおうとしているのか。
侍ハードラーの第二幕をお聞きしたいと思います。

第13回 11/27(火) 井上達彦さん

第13回 11/27(火)の講師は、早稲田大学商学学術院教授の井上達彦先生。演題は「模倣というイノベーション」です。

「模倣」というと、パクリ、コピーといった言葉が連想され、必ずしもイメージはよくありません。
確かに、どこかの国の海賊版のような猿真似は論外ですが、井上先生によれば「模倣」とは、立派な経営戦略とのこと。

およそすべての創造は、なんらかのインスピレーションとなる原型があるはずで、その意味で、なんらかの模倣を伴っていると言えるかもしれません。
日本人は、有史このかた「模倣」を得意にしてきた民族でした。

「ユーラシア大陸の東端に位置する島国」
という地理的な環境は、さまざまな文化や技術が、最後に辿り着き、そこで熟成し洗練されるという日本文化の特性を醸成しました。

例えば日本人は、中国で生まれた漢字をベースに、万葉仮名を生みだし、さらにはカタカナ・ひらがなを加えることで、現在の荘厳かつ雅な文体を作りだしました。

漢字は、習得に時間がかかることから庶民層に広がりにくいという欠点をもっています。ベトナムや朝鮮半島といったかつての漢字文化圏が漢字を捨てた理由もここにありました。

日本での、ひらがなやカタカナの創造は、表意文字として漢字の素晴らしさを活かしつつ、庶民層への広がりに必須な簡便化と効率化を可能にしました。
このように、模倣から始まり、極めることでオリジナルを越えるまでに洗練させてしまうというのが日本の伝統的な模倣戦略です。

井上先生によれば、「模倣」にはふたつのタイプがあるとのこと。
ひとつは、「遠い他者から学ぶ」こと。
これは、第一回の山田英夫先生が説く「ビジネスモデルのイノベーション」と同じ主旨かと思います。

もうひとつは、「悪い例から良いところを学ぶこと」
賢者は赤子からも学ぶことが出来るといいますが、模倣とは奥深いものかもしれません。

この講演では、
模倣の達人の心得から倣い合う場作りまで、模倣の原理と方法論を解説していただきます。

第12回 11/21(水) 磯﨑憲一郎さん

第12回 11/21(水)に登壇いただくのは、小説家の磯﨑憲一郎さんです。

磯﨑さんは、2009年『終の住処』で芥川賞を受賞されました。
三十を過ぎて結婚した男女の人生をユーモラスに描いたこの作品は16万部のベストセラーになったと聞いています。

本離れ、特に純文学離れが喧伝される昨今ですが、今回の夕学では、真っ正面から小説の魅力について語っていただきます。

そもそも小説とは何なのか?いつ発明されたのか?小説にしか出来ない事とは?それらの問いを考えながら、小説と、私たちが生きる世界との関係をどう捉えられるのか?

小説の作り手が語る小説の魅力を堪能できればと思います。

第11回 11/20(火) 前野隆司さん

第11回 11/20(火)は、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(SDM)教授の前野隆司先生に登壇いただきます。

前野先生が研究科委員長を務める慶應SDMは、4年前に開設された慶應の新しい大学院です。
「システムデザインマネジメント」という言葉は聞き慣れない方も多いかと思いますが、同大学院のHPによれば、
「大規模・複雑で不確定要素の多いあらゆるシステムを創造的にデザインし、確実にマネジメントするための学問体系およびその実践を表します」
とあります。

例えば、宇宙開発のような大型プロジェクトや新しい社会システムの構築提言などの政策立案プロジェクトなどの高度で複雑なプロジェクトを担うリーダーを育成することを社会的使命として生まれた大学院と言えるかと思います。

前野先生は、ヒューマンインタフェースのデザインから、ロボットのデザイン、教育のデザイン、地域社会のデザイン、ビジネスのデザイン、価値のデザイン、幸福な人生のデザインまで、様々なシステムデザイン・マネジメント研究を行なっているそうです。

詳細はヒューマンラボのHP http://lab.sdm.keio.ac.jp/maenolab/

今回の夕学は、前野先生の研究を支える知的基盤能力とも言える「思考」の方法論についてお話いただくことにしました。
題して「思考脳力とイノベーションのデザイン」

世界の諸問題を整理理解するための「思考」の型とイノベーションの関係を解きほぐし、どう考えればよいのか、幸福になれるのかをワークショップを交えながらお話いただければと思います。

第10回 11/14(水) 池上英洋さん

第10回 11/14(水)は國學院大学准教授で西洋美術史家の池上英洋先生です。

この3年間、agora講座でキリスト教、ギリシャ・ローマの文化について勉強してきました。
西洋社会の文化的・精神的な基層を形成するものとして知られながら、日本人は、その理解が著しく乏しいといわれる両者について、少しでも知見を深めたいと思ったからです。

キリスト教とギリシャ・ローマの文化について、僅かながら囓ってみると、その必然として、ルネサンスという時代への興味が湧いてきます。
1000年間におよぶ中世を経て、両者が再びイタリア半島の地で出会い、あらゆる分野で化学反応を起こしたのがルネサンスという時代だと言われています。

人間の可能性を再発見した時代、
人間と神の関係を再構築した時代、
表現活動を通して人間を再認識した時代
それが、ルネサンスという時代です。

ルネサンスとは、なにを意味し、どのように広がり、どうやって終焉したのか。
それを知りたいと思った時に、どんぴしゃりの本に出会うことができました。
池上先生の『ルネサンス 歴史と芸術の物語』です。

今回の夕学では、絵画・彫刻や芸術家の名前だけで語られることが多いルネサンスという時代を、社会がどう変わったのかという視点からも整理していただきたいと思います。

第9回 11/13(火) 西川善文さん

第9回 11/13(火)に登壇いただくのは、三井住友銀行名誉顧問の西川善文さんです。

西川さんは、三井住友フィナンシャルグループの総帥として、銀行業界の激動の時代に、三井住友の舵取りを担った方です。
「顔の見える最後の頭取」と言われ、ラストバンカーと称された名経営者です。

小泉政権時代に、三顧の礼で、日本郵政の社長に迎えられ、郵政民営化に向けた経営改革の指揮を執りました。
その一環で行った、東京駅前の中央郵便局(MCCの入っているビルの目の前にあります)の建て替え工事の真っ最中に、鳩山邦夫総務大臣(当時)の横やりを受けて、建築計画の大幅変更を余儀なくされるなど、随分とご苦労をされたのではないかと推察致します。

日経新聞「私の履歴書」連載をもとに上梓した『ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録』は、たいへん面白い本でした。
安宅産業崩壊、平和相銀・イトマン事件、「住銀の天皇」磯田追放、銀行大合併、郵政民営化等々、
昭和から平成にかけて起きた大事件、騒動、改革に当事者として関わってこられた西川さんの半生は、住友のみならず、日本の金融業界の歴史でもあったわけです。

今回の夕学では、「リーダーとは前のめりで戦うものである」と喝破する西川さんのリーダーシップ論をお聞きします。

第8回 11/6(火) 金原亭馬生師匠

第8回 11/6(火)に登壇いただくのは、落語家の十一代目金原亭馬生師匠です。

馬生師匠は、1969年に十代目馬生に弟子入りをされました。十代目馬生は、昭和の大名人と謳われた五代目古今亭志ん生の息子さんで、女優の池波志乃さんのお父さんにあたる方です。
従って、古今亭・金原亭は兄弟一門ということになります。

馬生師匠には、今春MCCのagoraで【落語ワークショップ】の講師を務めていただきました。
その際に垣間見た博識ぶりに感服して夕学登壇をお願いした次第です。

お恥ずかしい話ですが、私は、馬生師匠の講釈で「丑三つ」「暮れ六つ」といった江戸の時間尺度の由来を初めて知りました。

馬生師匠によれば、落語界では「人気の柳家、実力の古今亭・金原亭、わけがわからない◆◆」という標語があるとかないとか。その自信のほどがわかります。

歌舞伎座界隈で生まれ育った生粋の江戸っ子噺家が語る「江戸の粋」
落語ファンはもちろん、生の落語は初めてという方にも是非おすすめです。

第7回 10/26(金) 井上慎一さん

第7回 10/26(金)に登壇いただくのは、Peach Aviationの代表取締役CEO 井上慎一さんです。

全日空が日本初の本格的LCC((Low Cost Carrier)として発足させたPeach Aviationは、成熟産業の業界リーダーが挑む新事業として話題性に富んだものでした。
関空が拠点ですので、関東にはややなじみが薄いものの、今年3月には国内線が、5月には国際線が就航し、順調な滑り出しだと言われています。

経営再建がなったJALもLCCに参入し、7月からジェットスタージャパンが国内就航を開始しました。こちらは成田が拠点空港とのこと。一方で、マレーシアのAir Asia社をはじめとしたアジアのLCCが日本に進出をはじめています。

「ジャパンクオリティー」で他社との差別化を図るというPeach社のビジネスモデルとは如何なるものか、日本におけるLCCビジネスの将来性など幅広いお話をしていただく予定です。

第6回 10/24(水) 北川智子さん

第6回 10/24(水)はケンブリッジ ニーダム研究所客員研究員の北川智子さんです。

北川さんは、昨年までハーバード大レクチャラーとして、ハーバードの学生に日本史を教えていました。
理系出身の北川さんが、どういう経緯でハーバードで日本史を教えることになったのか、授業にどんな工夫を凝らしたのか、どんな授業内容だったのか、を振り返ってまとめたのが『ハーバード白熱教室』という本です。

日本人の感覚では、不思議に思うことも多いかもしれませんが、私は「これもAamerican dreamのひとつかな」と興味深く拝見しました。

世界中から優秀な学生が集まるハーバードとはいえ、わざわざ日本史を学ぼうという若者がどれほどいるのかと思います。案の定、初年度の履修者はわずか16名だったそうです。
それを創意工夫を凝らした授業で、3年で251名へと大幅に増やし、学生が選ぶ約50名の「思い出に残る教授」に選出されるまでになったというのが北川さんのサクセスストーリーです。

ハーバードの学生も魅了したという北川さんの白熱講義を、丸の内で再現していただきます。

第5回 10/18(木) 高橋俊介さん

第5回 10/18(木)は慶應SFC大学院特任教授の高橋俊介さんです。

高橋先生が、"自由と自己責任のマネジメント"というメッセージを掲げて、人材マネジメントの世界に颯爽と登場してから17年になります。
以来、日本のキャリア論、人材マネジメント論の潮流をつくってきた「Management Guru」のお一人かと思います。

高橋先生が見通している21世紀のキャリア形成の環境は、「想定外変化と専門性の細分化深化が同時に進行する」ことだと言います。

何が起きるのかまったく想定できない環境の中で、他者と圧倒的な差別化が可能な高度な専門性を深掘りすることが出来るかどうかということでしょうか。

そこには、長期のビジョンを描き、計画を目標に落とし込み、着実に階段を昇っていくというゴールデンロードが存在しません。

ダイナミックな環境変化適応能力と揺るぎない哲学的基軸、そし生涯を通して打ち込める何かを持つことが必要です。

高橋先生が所属する慶應SFCキャリアラボで行った6000人のアンケート調査や100人以上のインタビュー調査の結果も交えて、そのような環境で自ら満足度の高いキャリアを切り開く方法論や、企業の人材育成のあり方語っていただきます。

第4回 10/16(火) 出口治明さん

第4回 10/16(火)に登壇いただくのは、ライフネット生命保険の出口治明社長です。

日本の生命保険会社のビジネスモデルは、敗戦によって生じた多数の戦争未亡人の就労対策も兼ねた、いわば国策事業としてはじまったと言われています。
いわゆる「生保レディー」と呼ばれる方々が保険の販売を担う特異なモデルです。

その総本山というべき日本生命の幹部社員であった出口さんが、半世紀以上続いた既存ビジネスモデルに疑問を抱いたことから、ライフネット生命保険は誕生したと聞いています。

経営パートナーとして選んだのは、ハーバードでMBAを修得し、帰国したばかりの若き起業家岩瀬大輔氏(現ライフネット生命副社長)でした。

生命保険の裏も表も知り抜いた出口さんと経営学の知見と行動力&発進力を備えた岩瀬さんのコンビは、設立から6年で、ライフネット生命を東証マザーズに上場するまでに育て上げました。

今回、出口さんがお話されるタイトルは、「道場破りを受け入れる気概を持て!」です。
30年以上も過ごしてきた業界と会社に対して、50代半ばにして、堂々と戦いを挑んだ出口さん。その心意気やよし。

出口さんとライフネットの挑戦をお聞きしたいと思います。

第3回 10/9(火) 勝間和代さん

第3回 10/9(火)は経済評論家の勝間和代さんの登壇です。

前回、勝間さんに夕学に来ていただいたのは2008年5月。すでに、いくつかベストセラーの著書はありましたが、テレビに登場するようになる少し前ではなかったでしょうか。
「カツマー」という言葉もまだなかったように記憶しています。
まさに「有名人になる」直前、というタイミングだったのかもしれません。

勝間さんがこの春に出された『有名人になること』という著書は、なぜ、有名人になる必要があったのか、カツマーブームをどのようにして起こしたのか、その渦中に何があったのか、そして今何を考えているのか、を実に冷静に分析してみせたユニークな本です。

カツマーのみならず、勝間さんのことは知っていても本を読んだことはない、という方にもグサリと刺さるコンセプトかと思います。

どうすれば成長できるか、自分は社会に何で貢献できるのかを、考え続けている勝間さんらしいポジティブなお話を聞きたいと思います。