« 2012年2月 | メイン | 2012年4月 »

第21回 6/29(金) 大平貴之さん

第21回 6/29(金)に登壇いただくのは、プラネタリウム・クリエイターの大平貴之さんです。

小学生の頃からプラネタリウムの自作をしていたという大平さんは、ソニー入社後も開発を続け、それまでのプラネタリウムの100倍以上にあたる150万個の星を投影できる「MEGASTAR(メガスター)」を製作し、業界をあっと驚かせたそうです。

しかも、最新鋭機の「Super MEGASTAR-II」は、なんと2200万個の星数投影ができるといいます。
私のようなオジさん世代がプラネタリウムを見ていたウン十年前に比べると、驚異的な進化をとげているということでしょうか。
おそらくは、かなり視力のよい人が、富士山頂やアラスカなどの限られた場所で、しかも年に数回の好条件でしか味わうことができない宇宙体験を、誰もが実現できる画期的なイノベーションと言えるのではないでしょうか。

一方で、大平さんは、ソーシャルベンチャーの起業家的でもあります。
大平技研という会社で、大規模プラネタリウム用の「Super MEGASTAR-II」から、家庭の浴室で宇宙が体験できるホームスタータイプまで、幅広い製品を開発・販売していらっしゃいます。

今回の夕学では、「星空を作るという仕事~MEGASTAR開発ストーリー~」と題して、「MEGASTAR」を開発するまでの軌跡を振り返っていただきます。
加えて、星空を作るという仕事の社会的意義や今後の方向性などについても語っていただく予定です。

第20回 6/21(木) 加護野忠男さん・大森信さん

第20回 6/21(木)には、加護野忠男(甲南大学特別客員教授)大森信(日大准教授)の師弟コンビにお越しいただきます。

日本を代表する経営学者の一人として活躍されてきた加護野先生は、神戸大時代の門下生の中から多くの研究者を育成されています。

灘の酒蔵と丹波杜氏の関係から、伝統産業の技能継承システムを見いだし、東大阪の中小製造業に、自己調整型の競争原理システムを発見するという、ユニークな研究観察眼を持つ加護野先生だけあって、ご門下生の方も、「おっとそうきたか!」というような目を惹くテーマを掲げて研究をされているようです。

夕学にも登壇いただいた西尾久美子さんの『京都花街の経営学』、神戸洋菓子店を研究した森元伸枝さんの『洋菓子の経営学』などがあります。

大森信先生もそんなお一人。
昨年『トイレ掃除の経営学』という本を出されました。しかも、白桃書房というバリバリの学術系出版社から。

イエローハットの鍵山秀三郎氏を代表に、トイレ掃除を日課にするという経営者の話はたまに伺いますが、それが実証的な研究テーマになりうるとは思いませんでした。
「トイレ掃除で生産性があがるわけがない、そういう精神論が長時間労働の元凶である」という表層的な批判はよく聞くところですが、実践している経営者は、そんなことは先刻承知しており、それでもなおやり続けるだけの目的や意義があるはずです。そこには、日本企業が抱えている問題を解決する手がかりが隠されているのかもしれません。

先端的ビジネスコンセプトを根づかせるためのヒントの多くは、日本の伝統システムの中に織り込まれているという加護野先生のかねてからの主張と合わせて、トイレ掃除の意義を考えてみたいと思います。


そこで、今回の夕学では、お二人に来ていただいて、たっぷりとお話いただくことにしました。

第19回 6/18(月) 石川勝美さん

第19回 6/18(月)に登壇いただくのは、石川遼選手のパパ、石川勝美さんです。

埼玉縣信用金庫に勤務しながら、石川選手のコーチ、マネジメントをこなす石川パパ。
石川選手が小学生時代、「夢はマスターズ優勝」と掲げたことをきっかけに、息子の夢を叶えるため、1年360日、練習にラウンド、試合の付き添いをしながら石川選手をトッププロに育て上げたとのことです。

ここまでなら、イチロー選手のお父さん(チチロー)や、福原愛選手のご両親など、親子鷹で子供を一流スポーツ選手に育てた先達はいらっしゃいます。

今回、石川パパを夕学にお呼びした理由は、ゴルファー石川遼をどう育てたのか、と同時に、人間石川遼をどう育てたのか、をお聞きしたかったからです。

私にも大学生と高校生の子供がいるので余計にそう思うのかもしれませんが、10代の頃から石川選手の話し方、言葉遣い、精神状態の保ち方には目をみはるものがありました。

早熟の天才というのは、世間の注目から自身を制御するだけの精神的バッファがないせいか、傲慢不遜な態度によって、外部と距離を置くことで、精神バランスを保っているようなところがあります。
イチローもそうですし、中田英寿も、貴乃花もそういうところがありました。

石川選手の場合、それが皆無です。
苛烈な取材競争にさらされながら、あれだけ優等生的な対応をしていて、フラットな精神状態を保てる人間力は、いったいどこから生まれたのか。
それをお聞きできればと思います。

第18回 6/14(木) 金井壽宏さん

第18回 6/14(木)に登壇いただくのは、神戸大学大学院教授の金井壽宏先生、夕学には、通算五回目、最多の登場回数となります。

城取が金井先生とのお近づきを得てもう10年以上になります。
慶應MCCが開設初期に開催した『キャリアアーキテクチャー論』という11会合の連続講座のコーディネイターをやっていただいた時がはじまりでした。

このプログラムの受講生の皆さんとは、いまだに勉強会等の定期的な交流が続いており、「10年目のリフレクション」という名で、その様子をメルマガ「てらこや」に掲載してきました。
このコミュニティも、金井先生というシンボルがあってこそ続いてきたと思っています。
いまでも、ML上に気軽に登場され、各自に心温まるメッセージを寄せてくれます。

今回の夕学で、金井先生にお願いしたテーマは「組織開発」です。
現在、企業のみならず、NPOや地域コミュニティなど世界のあらゆる組織で行われている、個を出発点とした組織開発の試みについて、語っていただく予定です。

第17回 6/12(火) ちきりんさん

第17回 6/12(火)に登壇いただくのは、ライターで、人気ブログ「Chikirinの日記」運営者の、ちきりんさんです。

3万人/一日を越えるユニークユーザーを持つという「Chikirinの日記」。社会派のブログとしては、驚異的なアクセスを集めています。「さまざまな社会問題を独自の視点で分析する」ことにこだわって、マスコミの論調や識者の理論的解説とは、異なったユニークな意見であることが特徴です。

昨年出版された二冊の本(『自分のアタマで考えよう 知識にだまされない思考の技術』、『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』)もベストセラーとなっています。

「大量の知識を蓄えた"博識な人"に替わり、自分のアタマで考える"ゼロベース思考の人"が求められる時代が到来しつつある」という時代認識をベースに、その実践者であり、成功者としてのちきりんさんの思考法をお聞きできればと思います。

第16回 6/8(金) 成毛眞さん

第16回 6/8(金)の講師は、HONZ代表で、(株)インスパイア取締役ファウンダーの成毛眞さんです。

成毛さんは、夕学には、実に11年振りの登壇(2001年以来)になります。
あの時は、「正直言って飽きました」という印象的な言葉を残して、マイクロソフト日本法人のトップを退任されたばかりの頃でした。

新たな課題が提示されたり、問題が発生したとしても、「ここをこうして、ああすれば、きっとこうなる」という読みが、その通りにいくことが重なると、ご自身のモチベーションの源泉である好奇心が湧いてこない、ということが退任の理由だったかと記憶しています。

その後の成毛さんの生き方を見ていると、その時に大事にしようとしたご自身の価値観に忠実にいきようとしていらっしゃるのではないかと思えます。

退任とともに設立したインスパイア社のビジネスモデルは、2001年の日本では革新的なものでした。
ベンチャーファンドではなく、単なる投資会社でもない。かといってコンサルティングでもない。
強いていえば、後の産業再生機構や、現在の産業革新機構といった、企業再生支援事業に近いモデルですが、それを純粋に民の立場で、従って、企業再生というよりは、潜在的価値への投資というスタンスで、いち早くビジネス化に成功したということでしょうか。

現在の成毛さんは、HONZという「おすすめ本紹介サイト」の代表を務めています。
こちらのサイトも、なんとも説明しづらいコンセプトです。本の感想ブログでもなく、書評サイトでもない。「指名された読み手が、何冊もの本を読み、​そのなかから1冊を選び出して紹介するサイト」とのこと。

設立時のインスパイア社もそうですが、人に説明しづらい、というのは、それだけ、新奇性が高いということでもあります。見たことがないものを説明することほど難しいことはありませんから。
だからこそ、それを形にしていくことに、成毛さんの知的好奇心が沸き上がるということなのかもしれません。


今回の夕学でお話いただく演題は「現代の常識を疑う」。
英語社内公用語化批判や、就活での日経不要論といった脱常識の視点を掲げる成毛さんならではの、時代の見方、生き方を語っていただければと思います。

第15回 6/6(水) おちまさと さん

第15回 6/6(水)は、プロデューサーのおちまさとさんに、夕学二度目の登壇をしていただきます。

10才の時、映画『ジョーズ』を観て、将来の仕事は、スクリーンの向こう側(制作者側)に立つことだと決断したという早熟の天才企画マンおちまさとさん。
「天才たけしの元気が出るテレビ」で世に出てから既に四半世紀。テレビだけでなく企画・プロデュースを企業やファッションなどに領域を広め、いまではウェブサイトやSNSゲーム、ファッションへと縦横無尽に活躍をしていらっしゃいます。

昨年出された『「気づく」技術』『相手に9割しゃべらせる質問術』は、いずれもベストセラーとなり、ビジネス書の著者としても、類まれな才能をみせてくれます。

おちさんによれば、あらゆる領域においても、企画の原点になるのは「気づき」だそうです。そして「気づき」とは、幼い頃からの経験を通じて蓄積された記憶の複合体であるとのこと。

今回は、ジャンルを飛び越えたプロデュースを生業にするおちさんに「どうやったら気づけるのか」という『「気づく」技術』を講義していただきます。

第14回 6/1(金) 古賀茂明さん

第14回 6/1(金)にお話いただくのは、元経産省官僚で大阪府市統合本部特別顧問の 古賀茂明さんです。

古賀さんは、改革派官僚として鳴らし、自民党政権時代の末期に、公務員制度改革の推進役として活躍をされました。
民主党政権になってから、一転閑職に追いやられ、紆余曲折を経て、野に下る道を選ばれました。

その経緯と闘う姿勢は、ベストセラー『官僚の責任』に記述されています。

一時は、橋下さんの後任として大阪府知事選への出馬も取りざたされましたが、現在は大阪府市統合本部特別顧問として、大阪の改革に尽力をしていらっしゃいます。

昨夜の「報道ステーション」では、関西電力が準備する大飯原発再稼働の妥当性を、大株主である大阪市が確認する作業の一環として、古賀さんをはじめとして橋下ブレーンの面々が、現地調査&ヒアリングに入った様子が報道されていました。

あれこれと理由を付けて、報道陣の撮影を出来るだけ制御しようとする関電側に対して、「あなた方(関電)が災害対策として努力してきた成果を多くの人に知っていただけるせっかくのチャンスを無駄にするんですか。報道陣への公開は、あなた達のためにもなるんですよ」と鋭く迫る古賀さんの姿が印象的でした。

霞ヶ関の改革に内側から挑戦し、その岩盤の強固さを肌で知る古賀さんが語るニッポンの改革課題。何を、どういう順で、どう改革していけばよいのかを考えたいと思います。

第13回 5/31(木) 土居丈朗さん

第13回 5/31(木)にお話いただくのは、慶應経済学部教授の土居丈朗先生です。
土居先生は、弱冠42歳、財政学のライジングスターとして注目されている研究者です。

2012年3月現在、野田政権は、「社会保障と税の一体改革」の旗を掲げて、消費増税に向けて、党内外の反対意見の中を突き進もうとしています。

マスコミの報道は政局がらみの生臭い話として語られがちですが、政府債務がとてつもない規模に膨れあがっていること、高齢化に伴う社会保障の増大が避けられないことは、誰がどうみたって変えられない事実です。

政権党がどこであろうが、総理大臣が誰であろうが、私たち国民は、日本財政をどうするかという問題を「わが事」として認識し、政策判断の基軸を持つことが求められています。

ある程度の増税は避けられないとしても、はたしてどこまでの増税を覚悟するのが妥当なのか、経済成長を追求すれば増税せずにすむのか、増税の前に歳出削減を求める声が多いがどうすればよいか等々、私たちが有権者として、責任をもった判断を求められる問題がいくつかあるのではないでしょうか。

大阪府市特別顧問にも就任した土居先生に、財政運営の諸問題を解説していただきます。

3.11をきっかけに、私たちの意識はどう変わったのか

きょう、4月7日から始まる【複合連鎖危機とニッポンの改革】という講座の打ち合わせで竹中平蔵さんと話をした。
その時に聞いた話が印象に残ったので紹介したい。

この講座は、竹中さん等が、震災発生直後から議論を重ねて出版した『日本大災害の教訓~複合危機とリスク管理~』という本にちなんでいる。今回の体験を、リスク管理という視点から整理し、「ニッポンの改革」課題として、世に問い掛ける場としようというものだ。

上記がオフィシャルコメントだとすると、竹中さんが、本音で多くの人に問うてみたいのは次ぎのことだという。

「3.11をきっかけに日本はどう変わったのか、そして私たちの意識はどう変わったのか」

この問いには、日本が変わることは、私たちの意識が変わることから始まるはずだという含意がある。そして、残念ながら、私たちの意識はほとんど変わっていないのではないかと危機感も滲み出ている。

その典型的な現象を、3.11一周年を期して、メディア各社が特集した震災関連番組に見たと竹中さんは言う。

「現場は強いが、中枢管理機能が弱い」
これは、ずっと以前から言われてきた日本の特徴であり、「マイクロマネジメント」は得意だが、「マクロマネジメント」は苦手であると言い換えることが出来る。
大震災に伴う複合連鎖危機のような緊急時には、その強弱が平常時以上にはっきりと浮き出てしまう。これは人間の身体と同じである。

悲劇から一年が経過し、災害経験から教訓を学ばねばならないいま、問われるべきは、防災対策の「マクロマネジメント」はなぜ機能しなかったのか。今後に備えて、「マクロマネジメント」をどう再構築するかという大きな視点であるべきだ。

にもかかわらず、メディアが報じたのは「マイクロマネジメント」の感動秘話ばかり。
例えばこれこれ
確かに、災害時・復旧時に日本人が見せてくれた現場の底力は世界に誇るべきものだし、竹中さんも番組を見れば感動する。

しかし、真の知性には、ウォームハートとクールヘッドの両面が必要である。「マイクロマネジメント」の素晴らしさを伝え、ウォームハートに訴えることを否定するものではない。しかしながら、クールヘッドにこだわり、「マクロマネジメント」の問題を骨太に取り上げる番組が果たしてひとつでもあっただろうか。

続きを読む "3.11をきっかけに、私たちの意識はどう変わったのか"

第12回 5/25(金) 中野剛志さん

第12回 5/25(金)に登壇いただくのは、経産省の官僚で、現在は京都大学大学院工学研究科准教授の中野剛志先生です。

中野先生は、反TPPの急先鋒として、テレビやネットで強烈な反対意見を述べている方です。昨年お書きになった『TPP亡国論』という本は、20万部を売り、新書大賞2012の第三位にあげられました。

今回の夕学では、反TPPの背景理論とでもいいましょうか、中野先生が専門とする「経済ナショナリズム」という政治思想についてお話いただきます。

「経済ナショナリズム」は、現代経済学の主流をなす経済自由主義思想の真逆に位置する考え方で、反グローバリズム、保護貿易主義などとセットで語られることが多い思想です。
従って、「異端の思想」と呼ばれているそうです。

中野先生は、その捉え方は、「経済ナショナリズム」のある一面を表現してはいても、本質を射てはいないと主張しています。

「経済ナショナリズム」は、あくまでも国民(ネイション)に対する忠誠のイデオロギーである。国民が豊かな経済社会を取り戻すために必要な理論と政策とはどうあるべきかを方向付けるものである、と...。

私は、「経済ナショナリズム」について一般向けに書かれた『国力とは何か』という本を読みましたが、「なるほど」という共感と「なんだこれは」という違和感が交互に沸き起こりました。実に不思議な本でした。

共感と違和感が共存するところが、「異端の思想」たる所以なのでしょうが、世界のパラダイムが変わろうとしている時に、新しい道を指し示してくれる光源は、異端や辺境から生まれるというのも事実です。

そんなことも期待しながら、「異端の思想」をじっくりと勉強してみたいと思います。

第11回 5/22(火) 二宮清純さん

第11回 5/22(火)に登壇いただくのは、スポーツジャーナリストの二宮清純さんです。

夕学への登壇は、講演者として一度、対談者のホストとして三度(石毛宏典さん犬飼基昭さん島田亨さん)。ずいぶんとお世話になってきました。
講演者として久し振りにご登壇(7年振り)いただくことにした理由は、間近に迫るロンドン五輪の見方についてお話いただきたかったからです。

二宮さんの特徴は、あらゆるジャンルのスポーツに精通していることはもちろんのこと、スポーツ選手を育成するシステム、スポーツを振興するための政策、スポーツ団体・組織の経営にいたるまで幅広い領域をカバーできる、数少ない(というよりも、恐らく日本で唯一の)スポーツジャーナリストです。

五輪で勝つためには、選手の才能や努力、監督・コーチの指導法や采配だけでは不十分です。選手の発掘、育成、生活、将来設計に至るまで、トータルな戦略とシステムが不可欠です。
私たちがテレビで垣間見る試合やレースが、氷山の頂点だとすれば、水面下にあって、それを支える見えない全体像があるはずです。

そんなことも含めて、オリンピックを楽しむための多面的な見方を伺えることが出来ればと思います。

第10回 5/17(木) 原研哉さん

第10回 5/17(木)に登壇いただくのは、デザイナーで武蔵野美術大学教授の原研哉さんです。

商業デザインはもちろんのこと、長野オリンピックの開・閉会式プログラムや、 2005年愛知万博の公式ポスターを制作するなど日本の文化に深く根ざした仕事も多い原さん。近年は、日本産業の潜在力をデザインによって可視化し、世界へ発信するという課題に注力しているそうです。

原さんの考える、日本の産業の次なるヴィジョンは「家」だそうです。
それは、住宅産業がどうこうという意味ではなく、これからの人類が直面するあらゆる社会的な問題の集約点であり、その問題を解決しようとして試みられているさまざまな産業アクティビティの交差点として、「家」があるという視点に拠っています。

考えてみれば、これからの「家」を考えることは、環境、高齢化、エネルギー、医療、通信、IT等、あらゆる社会的問題を考えることと同じことかもしれません。
また、産業ビジョンとして「家」は、ひとつのパッケージに多機能と多義性を凝縮することを得意とする日本の強みが活かせることなのかもしれません。

「家」を基軸にした新しい日本、新しい生活、新しい産業の方向性を考えてみたいと思います。

第9回 5/14(月) 釈徹宗さん

第9回 5/14(月)にお話いただくのは、浄土真宗僧侶で宗教学者の釈徹宗さんです。

夕学では、これまでに何人かの僧侶の方にお話をお聞きしてきました。玄侑宗久さん、南直哉さん、多川俊英さん等々。
立場や考え方は異なれども、いずれの方も長く記憶に残る印象的なお話をしていただきました。

今回の釈徹宗さんは、私たちの日本人の生活の中に溶け込む仏教性、宗教性について造詣の深い方です。

釈さんによれば、私たちの暮らしの中には、いたるところに、仏教の精神性は練り込まれているそうです。つぶさに身の周りを点検してみれば、音楽や踊り、建築や生活様式、伝統芸能からサブカルチャーにいたるまで、仏教の根があり、花が開いているとのこと。それを私たちが仏教と認識していないだけのことなのかもしれません。

では、微細構成要素として、遺伝子のごとく、人間のモノの見方・考え方、価値観、生活習俗に溶け込んだ日本の仏教精神にどのような宗教的な意味があるのか。
釈さんのお話を通して、日本人の盲点とも言われる宗教精神について考えてみたいと思います。

第8回 5/11(金) 武田隆さん

第8回 5/11(金)に登壇いただくのは、株式会社エイベック研究所代表取締役の武田隆さんです。

武田さんは、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「企業コミュニティ」の専門家であり、インターネット黎明期に学生ベンチャーとして立ち上げた会社を、WEBの進化に適応しながら変化&発展させてきた起業家でもあります。

ソーシャルメディアが登場するずっと前から、ソーシャルメディア的な「場」を使ったコミュティの可能性に着目し、それを如何に作るか、メンテナンスするか、ビジネスとして成り立たせるかを試行錯誤しながら追究してきた、こだわりを持った人かと思います。

武田さんが昨年お書きになった『ソーシャルメディア進化論』は、そんな16年の苦闘の歴史と、そこから紡ぎ出した実感のはりついた知識とノウハウが詰まった良書です。

ソーシャルメディアのマーケティング活用は、言うまでもなく、twitterを使うこと、facebookを開設することに意義があるわけではありません。
あるいは「こんな失敗事例も増えている」といった安直な反ソーシャルメディア論もいかがなものかと思います。

企業が顧客との心あたたまる関係を築き、それを収益化するためにはどうすればよいのかを考え続け、16年300社のマーケティング支援に取り組んできた経験に基づいたお話しが聞けるものと期待しています。

第7回 5/10(木) 川村真司さん

第7回 5/10(木)に登場されるのは、新進気鋭のクリエイティブディレクター川村真司さんです。

川村さんは、大手広告代理店を経て、クリエイティブラボ「PARTY」を設立し、現在は東京とニューヨークを拠点に活躍をされています。
TOYOTAやGoogleといったブランドのグローバルキャンペーンを手がける一方で、これまで誰も試みたことがなかった実験的な広告表現の開発をしていらっしゃいます。

例えば、
「Rainbow in your hand」ペラペラとページを括ることで掌中に虹を描き出す小冊子です。

あるいは、WEBカメラやストロボを使ったミュージックビデオ
SOUR「日々の音色」 androp「Bright Siren」等々

その斬新な表現手法は、カンヌ国際広告祭をはじめとした多く広告賞を受賞されていますし、2011年Creativity誌によって「世界のクリエイター50人」に選ばれました。

弱冠33歳、若さと創造力に溢れる表現のプロから、グローバルに通用するクリエイティブマインドを感じ取りたいと思います。

第6回 4/26(木) 西村佳哲さん

第6回 4/26(木)に登壇いただくのは、働き方研究家でリビングワールド代表の西村佳哲さんです。

「働き方研究家」というのは、いまの時代を捉えた、実に秀逸なネーミングですね。
西村さんは美大を卒業された後、建築分野を経て、ウェブサイトやミュージアム展示物、公共空間のメディアづくりなど、各種デザインプロジェクトの企画・制作ディレクションをされてきました。
その一方で、ワークショップやファシリテーション、あるいはインタビューなどを通して、人間が他者とかかわり合うありさまを見つめてきたと言います。

他者とかかわり合うことで学び、成長し、喜びをえていくという人間の本質に焦点を絞りこんでいったのかもしれません。

経済的な成長、金銭的な豊かさという大きな潮流に、日本全体が乗っかることができた時代を終えて、ひとり一人の人間が、どう生きるか、何のための生きるのかを考えることが求められる時代になりました。

だからこそ、「他者とかかわる」という根源的な欲求を真っ正面から見つめ直して、そのための原理作法を考えてみることは重要なことかと思います。

第5回 4/24(火) 浅野温子さん

第5回 4/24(火)にお話いただくのは、女優の浅野温子さんです。
トレンディー女優の代表と言われた時代から、性格俳優としても確固たる地位を築いている現在まで、映画・TVドラマの第一線で活躍を続けている浅野温子さん。

実は、この10年ほど、古事記に代表される日本の神話に関心を寄せ、独自のアレンジを加えた「よみ語り」という活動を続けてこられました。
浅野温子よみ語り公式サイト
http://www.ikushimakikaku.co.jp/asano_atsuko_yomigatari/index.html

浅野さんの「よみ語り」は、いわゆる朗読劇ではなく、浅野さんが一人で様々な登場人物を演じる"一人語り舞台"だそうです。
恋愛ドラマから歴史物まで、コメディからシリアスまで、芸域の広さを誇る浅野さんならではの表現形態かもしれません。

古代にあって、記紀にまとめられる以前の歴史や旧辞を伝承したのは、語り部と呼ばれる人達でした。
また、わが国における役者の原型は、神の御前で踊り語った「わざおぎ」と呼ばれる人々であったと言われています。

語り部もわざおぎも、恐らくは神意を憑依させる神懸かりしながら、全身全霊を使って、物語を語っていたのでしょう。


人々は、そんな演技や語りを通して、人間の真理や不条理、生きることの喜びと哀しみを学んでいったと思います。

稀代の美人女優がよみ語る日本の神話。いまから楽しみです。

第4回 4/18(水) 日比野克彦さん

第4回 4/18(水)に登壇いただくのは、アーティストの日比野克彦さんです。

芸大在学中にダンボールや、わら半紙を再利用した芸術作品を製作して注目を浴び、その後、舞台美術やパブリックアートなど、幅広領域で活動してきた日比野さん。

日本を代表するコンテンポラリーアーティストである日比野さんが、今回の夕学で取り上げるのは「ひとはなぜ絵を描くのか」というシンプルかつ深淵なテーマです。

人類最古の絵画とされる洞窟壁画が描かれたのは4万年前だと言われています。文字を使い出すはるか以前から、ひとは絵を描いてきたことになります。

今回の夕学では、日比野さんが世界中を旅して絵を描いてきた経験を振り返りながら、絵を描きたいと思った衝動は何か、何が筆を取らせたのか、その時の作品を解説いただきながら、顧みていただきます。

第3回 4/17(火) 内田樹さん

第3回 4/17(火)神戸女学院大学名誉教授の内田樹先生です。

日本を代表するブロガーでもある内田先生。私も「内田樹の研究室」をいつも楽しみに拝読しています。
専門はフランス現代思想ではありますが、国際関係から、教育問題、メディア、政治、武道、マンガまで、驚異的に広い守備範囲をもち、独創的かつ論理的な言論を展開されています。

事前にいただいた講演内容によれば、2012年は「スーパーイヤー」とのこと。EUもアラブも、西アフリカも、北朝鮮も混迷の度を深めている渦中にあるにもかかわらず、世界の主要国で大統領選挙や首脳陣の交代が予定されており、国際政治醸成が大きく動く可能性があることがその所以のようです。当然ながら、渾沌下にあるのは日本も例外ではありません。

先の見えない、渾沌とした時代にあって、私たちは不透明な先行きにどう向き合い、考えていけばよいのか、ウチダ節に酔うだけでなく、深く考えてみたいと思います。

第2回 4/12(木) 原田泳幸さん

第2回 4/12(木)に登壇いただくのは、日本マクドナルドホールディングスCEOの 原田泳幸さんです。

日本マクドナルドの2011年12月の決算は、上場以来の最高益を更新したそうです。
牛丼業界に代表されるように、他のファストフード会社の多くが、かつてマクドナルドが先鞭をつけた価格戦略の罠に足を絡め取られ、不毛の競争を繰り広げたうえで消耗していることを考えると、原田さんが先頭に立って進めたマクドナルドの経営改革が、いかに時宜を得たものであったのかがよくわかります。

夕学では、2年越しの依頼がようやく叶い、登壇実現となりました。

日本では数少ないプロフェッショナル経営者として、異業種の経営改革に成功した原田社長の迫力と肉声を感じ取れる貴重な機会になると思います。

ちなみに、昨日の予約受付開始から1時間半で「満席」マークが灯るほどの大人気となっております。予約キャンセルが入ることも多いので、こま目にチェックしていただければと思います。
申しわけございませんが、キャンセル待ちは受け付けておりませんので、ごめんなさい。

第1回 4/11(水) 藤原和博さん

けさの10時から夕学の申込受付が始まりました。
わずか1時間半で、満席マークが灯ってしまう超人気講演も出ていますので、ご関心のある方はお早めにチェックをお願いします。

さて、恒例の講師紹介もスタートさせていただきます。毎日一人ずつご紹介をしていきます。
きょうは、その1回目。


今期の夕学トップを飾るのは、藤原和博さんです。
どの肩書きをご紹介するのがよいか迷いましたが、藤原さんは、肩書きでご紹介する人ではないと思い直し、ここではあえてお名前だけとします。

リクルートで最初のフェロー社員、杉並区立和田中学校長としての学校改革、橋下さんの元での大阪府特別顧問etc。そのキャリアの軌跡が藤原さんを物語ってくれます。

3年振りの夕学登壇となる今回は、近著『坂の上の坂』にちなんだお話をお願いします。
演題は「坂の上の坂をどう生きるのか」

司馬さんの代表作タイトルをモチーフに借り、坂の上の雲を目指して生き抜いた先に訪れる数十年の長い時間。それは惰性で生きるには余りにも長く、むしろ「もうひとつの坂」と呼ぶにふさわしい人生の課題である、というのがこの本の問い掛けになります。

藤原さんらしい、独創的で実践的なモノの見方・考え方を、「もうひとつの坂」に立ち向かうために使うとどうなるか。

ワークショップを交えた、有意義な時間となること間違いなしです。