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音楽が好きで、好きで仕方ない ピーター・バラカンさん

photo_instructor_585.jpg人間は、個人的体験や出来事についての記憶を、脳内の長期記憶貯蔵庫に、ほぼ無制限に保管することができる。
ただし、脳内倉庫の奥にしまい込まれた、記憶箱の中身を探し出すには、中身を示す「ラベル」が必要になる。
人間は、洋の東西を問わず、歌や音楽をその「ラベル」に使ってきた。
ほこりだらけの箱に何が入っているのか、歌や音楽という「ラベル」によって識別できることを本能的に気づいたのかもしれない。
ある音楽を聴くことで、脳の奥底に眠っていた懐かしい記憶を鮮やかに思い出すことができる理由は、そういうメカニズムである。

歌や音楽は、人生物語のインデックスになる。
多くの人は、歌や音楽を手がかりに、個人的体験や出来事を想い起こし、その時の喜びや痛みを再現することができる。

ピーター・バラカンさんの場合、音楽は記憶ラベルであると同時に、それ以上の意味もあったようだ。家族の思い出、時代の象徴、仕事そのもの、として記憶に入り込み、好きな音楽を話すことが、自身のライフバリューを語ることに等しくなる。
そんな音楽漬けの人生がよくわかる二時間であった。

音楽の原体験は、ラジオから流れてきた子供向けのノベルティソングだった。
Charlie Brown /The Coasters
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11才の時に聴いたビートルズの衝撃はいまも忘れない。
Twist and shout /The Beatles
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16才の少年の音楽人生は「ブルース心」との出会いで決まった。
Born in Chicago /The Paul Butterfield Blues Band
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迷い込んだロンドン大学日本語学科時代に、人生を変えるレコードに出会う。
Iko Iko /Dr. John
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日本に来て最初に聴いたこの曲で、俄然この国興味が湧いた。
スモーキン・ブギ/ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
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この曲がきっかけで、それまでの会社を辞めることになった。
American Girl /Tom Pettyトム.jpg

YMOを世界に紹介することで新たなフィールドが開かれた。
CUE/Yellow Magic Orchestra
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86年、テレビの仕事で食べていけるようになった頃に手がけた最初のCD。Diamonds on the Soles of Her Shoes /Paul Simon
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これらは、ピーターさんの音楽漬け人生のほんの一部である。

音楽が好きで、好きで仕方ない。
好きなことを仕事に出来たら楽しいだろうなぁと思っているうちに、ひょんなことから日本へやって来て、在日37年。ずっと音楽と関わりながら生きてきた。
「やるべきこと(ヒットする曲)」と「やりたいこと(好きな歌)」との相克を経て、転職、やがてフリーに道を選んだ。
人を感動させよう、ヒット作品を世に出そうというのではない。たとえ少数であっても、自分の好きな歌を、地球のどこかにいる仲間に届けたい...
フリーのブロードキャスターという仕事は、ピーターさんが辿り着いた天職であるようだ。

之を知る者は之を好む者に如かず
之を好む者は之を楽しむ者に如かず

私の大好きな『論語』の章句が想起される素敵な人であった。


この講演に寄せられた「明日への一言」はこちらです。
http://sekigaku.jimdo.com/みんなの-明日への一言-ギャラリー/11月16日-ピーター-バラカン/

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