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第22回 1/20(金) 川田順造さん

第22回 1/20(金)に登壇いただくのは、神奈川大学特別招聘教授で文化人類学者の川田順造先生です。

川田先生は、主としてアフリカを対象とする民俗学的調査を行い、数多くの著作を著してきました。またクロード・レヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』の翻訳でも知られています。

今回の夕学でお話いただくテーマは「人類学から日本を問い直す」です。
昨年お書きになった『日本を問い直す―人類学者の視座』をもとにした講演になるかと思います。

近代化の150年で我々は何を得、何を失ったのか?
日本列島の歴史と文化を最新の人類学で読み解き、明治日本を問い直し、アジア・アフリカ諸国と高度成長期までの日本を対比することで今後の我が国の在り方に一石を投じる。
そんな講演になることを期待しております。

第21回 1/17(火) 池尾恭一さん

第21回 1/17(火)の講師は、慶應ビジネススクール教授の池尾恭一先生です。

池尾先生は日本を代表するマーケティング研究者のお一人ですが、ITの黎明期から、新しいマーケティングのあり方を、ITを活用した「マッチング」にあると喝破していました。

一方で、消費者のピンポイントのニーズを正確に把握し、もう一方では、ユニバーサルなソリューション・サービスを探索し、両者をITを使ってマッチングする、「インフォメディアリー」という概念を池尾先生からお聞きしたのは、もう10年以上前になると記憶しています。

「プロダクトアウト」から「マーケットイン」へとシフトしたマーケティングが、いまや「マッチングビジネス」へと進化する潮流が、この10年ではっきりと見て取れるようになりました。

夕学は、実に10年振りの登壇になる池尾先生に、思う存分語っていただきたいと思います。

第20回 1/12(木) 夏野剛さん

第20回 年明け1/12(木)に来ていただくのは、慶應SFC特別招聘教授の夏野剛さんです。

テレビのコメンテーターとして拝顔する機会が増えた夏野さん。言わずと知れた日本のケータイビジネスの先駆者のお一人です。

iモードの立ち上げのためにドコモに転身し、マルチメディア戦略の総責任者として、iモードからおサイフケータイなど多くのサービスを世に送り出しました。
現在は、SFCの教壇に立ちながら、ドワンゴ、セガサミーホールディングス、SBIホールディングス、ぴあ、トランスコスモス、GREEとったITベンチャーの取締役も務めていらっしゃいます。

先週、iPohnがauでも販売されるというニュースが話題になりました。昨日の日経によれば、ドコモでも秋から従来型の高機能ガラケーを廃止し、主力をスマートフォンに絞り込むとか。

つい数年前まで「ガラパゴス」の象徴とまで言われた日本のケータイ産業も、オープンネットワークに向けて、大きく舵取りを変えようとしています。

ガラケーからスマートフォンへ、ケータイからPC・タブロイド端末との融合機器へと変わることで、私たちの暮らし、ビジネス、コミュニケーションがどう変わるのか。
興味深いところです。

第19回 12/20(火) 宮脇昭さん

第19回 12/20(火)に登壇していただくのは、横浜国立大学名誉教授で、国際生態学センター長の宮脇昭先生です。

宮脇先生は、独自の方法で世界に3千万本以上植樹してきました。
その方法は、対象となる土地の地味というか、相性のようなものを重視し、その土地に最もあった樹木を中心にしつつ、多数の種類の樹種を混ぜて植樹する「混植・密植型植樹」というものです。
いわば、太古の自然に近い森や林を再現しようというものです。

これまで日本の植樹活動の多くは、単一樹種を植生する画一的なものでした。このことが台風等の自然災害に対する耐性の弱さに繋がっていると宮脇先生は言います。

その土地本来の植生は、「鎮守の森」を見ればわかるとのこと。そこにはシイ、タブノキ、カシ類の木々が生い茂る「いのちの森」があると言います。

さて、いま宮脇先生は、「不幸な東日本大震災の危機をチャンスに、瓦礫を地球資源として、土と混ぜて三陸海岸沿いにエコロジーの知見にしたがって、防潮などの多彩な機能を発揮する丘をつくり、今すぐ木を植え、地域経済と共生し、次の氷河期がくるまで9000年続く、いのちの森をつくろう」と説いています。

被災地を覆う瓦礫でさえ、何万年かのスパンでみれば豊かな森に欠かせない地球資源に変わりうるとするならば、私たち人間の営みは、大自然の長大な循環システムの中に位置づけられることになります。

「生きがいとは未来に向かって今すぐできることを行うこと」と喝破する83歳の宮脇先生の言葉に耳を傾けたいと思います。

第18回 12/15(木) 永田和宏さん

第18回 12/15(木)にお越しいただくのは、細胞生物学者で歌人の永田和宏先生です。

科学者として、長らく京大や京都産業大の教壇に立ってきた永田先生。もうひとつの顔は「塔」短歌会を主宰され、朝日歌壇の選者も務める歌人の顔です。
しかも家族全員が歌人(亡河野裕子さん、永田淳さん、永田紅さん、)というお家柄です。

40年以上に渡って、科学と文学の二足のわらじをはいてきた永田先生。
研究と創作という二つの仕事が、一人の人間の中でどのような意味を持っているのか、妻であり歌人であった河野裕子の歌人としての生涯をも語りながら、話をしてくださいます。


PS.
永田和宏さんの娘さんの名前は永田紅さんではないかというご指摘を受けました。謹んでお詫び申し上げるとともに訂正をさせていただきました。

第17回 12/13(火) 竹田青嗣さん

第17回 12/13(火)に登壇いただくのは、早稲田大学教授で哲学者の竹田青嗣先生です。

在日韓国人二世として大阪で生まれた竹田先生は、在日作家論から始まり、文芸評論、思想評論とともに、実存論的な人間論を中心として哲学活動を続けていらっしゃいます。

今回の夕学で、竹田先生が提示してくださった演題は「哲学の遠望鏡で現代を見る」です。
哲学の思考の遠近法は、100年単位のスパンで人間の社会と時代を考えるとのこと。100年前といえば、日韓併合がなされた年です。日露戦争に勝ってしまった日本が、周回遅れの帝国主義ランナーとして、東アジアに進出し「大きな間違い」をはじめた頃です。
欧州では第一次世界大戦が勃発し、やがてソビエト革命が起きます。
米国では、フォードシステムが生まれ、本格的な工業化社会が到来していました。

世界史の教科書に記述されている時代と現代を一つのスパンで捉えて、人間の社会と時代を考えると何が見えてくるのでしょうか。
哲学という巨視的な遠望鏡でみた人間の営みについて、じっくりと考えてみたいと思います。

第16回 12/9(金) 長谷川英祐さん

第16回 12/9(金)の講師は、北海道大学大学院准教授で進化生物学者の長谷川英祐さんです。

長谷川先生がお書きになった「働かないアリに意義がある」は20万部を越える大ベストセラーになっています。
絶妙のネーミングの効果もさることながら、アリの社会に見られる一見非効率な行動が、実は組織の長期的存続システムを担っていることを解き明かし、短期的な効率性を追い求めがちな人間社会に警鐘をならした長谷川先生の筆致は一読の価値があります。

組織には「2-6-2の法則」が働くということはよく聞くところです。
短絡的な発想からすれば、下の2割をどうするかということに目が向きがちですが、長谷川先生のアリ社会の研究によれば、働かない2割がいることによって、組織は永続的に維持できるとのこと。

もちろん、アリと人間は違うわけですが、かつてダイエーの会長だった頃の中内功さんが、「組織は、いざというときに削減できるように、ある程度のムダを抱え込んでおいた方がよい」という言葉を聞いたこともあります。

長谷川先生のアリ社会の講義を通して、組織の効率と存続について考えたいと思います。

第15回 12/8(木) 本田直之さん

第15回 12/8(木)の講義は、レバレッジコンサルティング代表取締役社長の本田直之さんです。

「如何に少ない労力で大きなリターンを得るかという経営の仕組みを構築する」

本田さんが提唱するレバレッジコンサルティングのコンセプトは実に魅力的な響きを持っています。
海外でMBAを取得し、外資系金融を経て参画したベンチャー企業ではジャスダック上場に貢献。いまは、コンサルティングの傍ら多くのベストセラー著作を発表し、それでいて、一年の半分をハワイで過ごすデュアルライフを実践するという本田さんの生き方も、誰もが理想とする人生と言えるでしょう。

誠心誠意、汗をかく、無駄を承知で...
日本人には「とにかく一生懸命がんばることで道を拓ける」という価値観が色濃く残っています。
その一生懸命さを、レバレッジのための知恵の開発向けることで、違った光景が見えてくるのかもしれない。本田さんの成功は、それを物語っているのかもしれません。


講演のテーマは「7つの制約にしばられない生き方」

◇ なぜ、毎朝決められた時間に会社に行かなければならないのか?
◇ なぜ、社会人になったらスーツにネクタイなのか?
◇ なぜ、満員電車に乗らなければならないのか?

時間・場所・働き方・人・服装・思考・お金等々、私たちを縛る常識を抜け出すことで、レバレッジの効いた自由な生き方が実現できると説く本田さんの講演を是非、お聞きください。

第14回 11/30(水) 佐山展生さん

第14回 11/30(水)に登壇いただくのはGCAサヴィアングループ取締役、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授の佐山展生さんです。

日本におけるM&Aの実務と研究の第一人者として活躍する佐山先生。
慶應MCCの『実践M&A講座』では、開講以来、必ず第一回の基調講義をお願いしています。

佐山先生は、M&Aに関わること以外にも、仕事に取り組む姿勢、人生の処し方など幅広い教戒を語ってくれますが、私には印象的な言葉があります。

「知らないうちに富士山に登った人はいない」

「目の前に仕事をコツコツやってきたら大きな成果につながる」
「一生懸命にやっていたら周りの人が助けてくれた」

こういう言い方をよく耳にしますが、佐山先生の考え方はその正反対でしょう。
「大志なくして、大事は成し遂げられない」それがこの言葉の意味です。

1980年代、まだM&Aという言葉を誰も知らなかった時代から、今日の来る日を確信し、さまざまな障害や中傷を乗り越えて、今の地位を築いた佐山さんの人生を考えると、実に説得力のある言葉だと思います。

さて、夕学は6年振りの登壇になる今回、お話いただくテーマは「危機の時代のリーダー像」です。

リーダーシップとは「変化に対応することだ」と高名な経営学者は言いましたが、リーダーの役割と存在感は、平時ではなく、危機にあってこそ際立ちます。

一橋大大学院の授業で、多くの経営者を招いた連続講義を通して、佐山さんが抽出したリーダー像をお伺いできればと思います。

第13回 11/29(火) 飯田哲也さん

第13回 11/29(火)に登壇いただくのは、環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也さんです。

国内での自然エネルギー政策の第一人者として知られ、先進的かつ現実的な政策提言と積極的な活動を展開していきました。
ことに、3.11以降は、自然エネルギーを中核にした新しいエネルギー政策を巡る議論に大きな影響力を発揮されています。

これまでのように原子力発電を推進する政策はすでに破綻しています。かといって、すぐに自然エネルギーへの切り替えができほど単純な問題でもありません。
安全、環境、コスト、経済への影響、地域開発、持続可能性等々さまざまな変数を組み合わせた複雑な連立方程式を解いていかねばなりません。

環境エネルギー政策研究所は「社会変革プラットホーム」を目指すと謳っています。
「たんなる机上の研究に留まらず、現実的な政策を創発してその実現を図るとともに、新しい社会の方向に志を持った社会的起業や社会的金融を拡げてゆく実践をする」とのこと。

複雑な方程式を解くのは、政府でも電力会社でもなく、志をもって、ステークホルダーを繋ぎ、アイデアだしと実践活動を行う、第三の存在なのかもしれません。

第12回 11/25(金) 豊竹咲大夫さん

第12回 11/25(金)にお越しいただくのは。人形浄瑠璃文楽太夫の豊竹咲大夫さんです。

咲大夫師匠が、父(八世竹本綱大夫)の師匠でもあった豊竹山城少掾に入門したのは9歳の時だったといいますから、すでに芸歴は50年以上。日本を代表する名人のお一人です。

文楽の歴史は歌舞伎より古く、平安末期・鎌倉期にさかのぼると言われています。大阪では、武家のたしなみである能に対して、文楽は商人・町人のたしなみとして広く普及し、近松門左衛門、竹本義太夫という大スターの登場により、大阪文化の華と呼ばれました。

「じょーるりでも聴きに行きまひょか?」

それが大阪商家の粋な旦那さんの合い言葉だったそうです。

文楽は、義太夫を語る大夫、三味線で伴奏する三味線弾き、人形を操る人形遣いの「三業」で成り立っています。しかも文楽の人形は、3人で一体の人形を操ると言います。いかにも日本的な「摺り合わせ」的芸能文化と言えるのではないでしょうか。

文楽太夫でいま一番脂が乗っているといわれる豊竹咲大夫師匠に、日本の誇るべき伝統芸能文楽の魅力、大夫としての生き方、感性について語っていただきたいと思います。

第11回 11/21(月) 村上陽一郎さん

第11回 11/21(月)に登壇いただくのは、東洋英和女学院大学学長の村上陽一郎先生です。

村上先生は、東大や国際基督教大学で長らく教鞭をとられたのちに現職に就任されています。科学史、科学技術と社会との関連領域がご専門とのこと。
従って、今回のテーマ「安全とリスク」は村上先生の専門のひとつになります。

例えば原発の是非をめぐる問題に対して、私たちはよく次のような言葉を口にします。

「原発は本当に安全なのか、私たちは安心して暮らせるのか」

村上先生によれば、「安全」と「安心」はよく似た言葉でありながら、位相の異なる概念になります。
「安全」の対概念が「リスク」であり、これは科学技術の力で制御できる可能性を論じる際に使われる言葉。
「安心」の対概念は「不安」であり、これは主観的な心理の問題になります。

「安全」と「安心」の混同、「リスク」の「不安」の混同が思わぬ混乱を引き起こすことになります。

科学に100%はないので「100%安全」「リスクゼロ」はあり得ないはずなのに、ここに「安心」「不安」の概念が混入すると、わずかなリスクにも「不安」を煽られる事態が発生します。

本来、ここのところのもつれた人を解きほぐす努力をするのが、専門家や知識人・メディアの役割であるはずなのに、その努力を放棄して、もつれた糸のままに前に進めようとしてきたのが、これまでの原発問題ではなかったでしょうか。

「原発は絶対に安全である」
確率論的には明かな間違いであることを承知しながら、そう言い続けてきた政府や東電の責任は免れません。

「誰もが安心できる基準を明示せよ」
何をもって安心できるのかが主観に委ねられる以上、一部マスコミが主張するこの主張にも論理矛盾があります。


長々と書いてしまいましたが、そんなことを考えることができる講演になることを期待しております。

第10回 11/16(水) ピーター・バラカンさん

第10回 11/16(水)にお越しいただくのは、ブロードキャスターのピーター・バラカンさんです。

ユダヤ系ポーランド人の父と、英国人とミャンマー人のハーフである母を持ち、ロンドンで生まれ育ったという生粋の国際人であるバラカンさん。日本在住37年。硬派のTVキャスター、ラジオDJ、著述と多岐な分野で活躍をされていますが、一貫して、仕事と生活の中心にあるのは、音楽だと言います。

思えば、バラカンさんの来日時は、日本のポピュラー音楽の黎明期であり、YMO、坂本龍一、大滝詠一など、バラカンさんが接点をもったアーティストとともに、ポピュラー音楽の発展の一翼を担ってきたのかもしれません。

イギリスでの青春時代、日本での暮らしを振り返りながら音楽と共に生きてきた人生を語っていただきます。
演題は「ロンドンそしてトーキョー、音楽漬けの60年」です。

第9回 11/15(火) 村山斉さん

第9回 11/15(火)の講師は、東大数物連携宇宙研究機構機構長で物理学者の村山斉先生です。

数物連携宇宙研究機構というのは、読んで字のごとく、数学と物理の連携による宇宙研究を目的に、2007年に設立されたばかりの新しい宇宙研究専門機関です。
長らく米国で活躍されていた村山先生を、いわば逆輸入の形で機構長に招き、宇宙研究の最先端を走っている研究組織です。

村山先生が昨年出版された『宇宙は何でできているのか』は、20万部を越える大ベストセラーになったといいますから、人々の宇宙への関心はいつの時代も変わらないようです。

太古の昔から、ことある毎に夜空を眺め、宇宙の広がりに壮大な神威を感じてきた人類ですが、近代宇宙研究の始まりは、百年前、アインシュタインの相対性理論からだということなので、実は新しい研究分野です。
従って、宇宙には、まだまだ分からないことが多いと言われています。

高精度な望遠鏡の開発や素粒子理論の進展によって、最近分かってきたのは、宇宙は暗黒物質、暗黒エネルギーといった未知のもので支配されていること。
地球あらゆるものを構成する最小単位である「原子」は宇宙の5%にも満たない。
ということだそうです。

暗黒物質という、おどろおどろしい名前の正体は何か、それが宇宙の大部分を占めることが意味することは何なのか、そして宇宙はどうやってはじまり、どうなっていくのか。

壮大な宇宙研究の最先端に触れたあとで、晩秋の夜空を眺めて帰るのもよろしいかと思います。

第8回 11/9(水) 千住博さん

第8回 11/9(水)にお越しいただくのは、日本画家の千住博さんです。

夕学は5年ぶり2度目の登壇になる千住先生。日本が誇る千住三兄弟(弟の千住明さん、妹の千住真理子さん)の中でも、最も「熱い」人ではないでしょうか。

先日、東京駅前の丸善書店で「千住博展」が開かれていました。そこに寄せられていた千住さんの「あいさつ」の文章が印象的でした。

グローバリゼーションが喧伝されているけれど、それは政治や経済の話、せいぜい言語レベルの問題である。言葉が生まれるずっと以前から芸術は存在していた。芸術は地球に登場したその時からグローバリゼーションであった。美しいものを見た時の感動に国境や言語に違いなどない...

そんな主旨の言葉であったかと思います。

今回の演題は、ずばり「美とは何か」
千住さんらしい、スケールが大きくて、熱いお話を伺えるものと思います。

第7回 11/2(水) 加藤嘉一さん

第7回 11/2(水)に講演いただくのは、北京大学研究員、フィナンシャルタイムズ中国版コラムニストの加藤嘉一さんです。

「中国で最も有名な日本人」
それが加藤さんに称せられたキャッチフレーズです。
5年前、反日デモ騒動が盛り上がった中国で、TVインタビューに対して、中国語で堂々と意見表明したことが、加藤さんが中国メディアにデビューするきっかけになったと聞きます。

高校時代に、それこそ、袖すり合うような縁を活かして、北京大国費留学生のチャンスを掴んだ加藤さん。留学するまで中国語はまったく話すことが出来なかったそうですから、わずか2年ほどで、日本の若者代表として、中国メディアに論陣をはるまでになった行動力と発進力には驚嘆せずにはいられません。

そんな新時代人の加藤さんが、いま一番注力しているのが、「内側から見た人にしかわからないリアルタイムの中国とそこから見えてくる日本と世界を語る」ことだそうです。

夕学では、莫邦富さん、宋文洲さんといった知日派中国人の方、関光博先生や国分良成先生といった中国研究者から、中国論、日中関係論について話を聴いてきましたが、中国に暮らし、市井の人々と交流する弱冠27歳の青年が見たリアルタイムの中国論には、大いに興味が湧くところです。

第6回 10/20(木) 前刀禎明さん

第6回 10/20(木)に登壇いただくのは、元アップル日本法人代表で、リアルディア社長の前刀(さきとう)禎明さんです。

前刀さんは、アップル社のマーケティング担当のヴァイスプレジデントと日本法人の代表を兼任され、iPodブームの立役者としてアップル復活の狼煙を上げた人物として有名です。

現在は、リアルディア社で、感性・創造力・表現力を育むための教育・自主学習プログラムの開発と提供を行っていらっしゃいます。
感性、創造力、表現力が増せばモチベーションの向上に繋がる。自らのキャリアと人生観に基づき始めた五感を刺激する教育の重要性についてお話いただきます。

第5回 10/18(火) 金子郁容さん

第5回 10/18(火)の講師は、慶應SFCの 金子郁容先生です。
夕学は3度目の登場になる金子先生。個人的には、何年かに一度はお話を聞いてみたいと思う数少ない先生の一人です。

10年前にお越しになった際の話で印象的だったのは、指揮者のいないオーケストラ「オルフェウス」でした。ネットワーク時代の組織マネジメントのあり方、自律分散型組織のリーダーシップの姿として、その後に多くの方が言及されました。

5年前のお話では、「ソーシャルアントレプレナー」という概念を教えていただきました。社会的な問題解決を志向しつつ、自立経営を継続させるための利益も追求するという第三の組織モデルの提言でした。

今回は、「新しい公共」について話していただきます。
金子先生の専門のひとつに、ボランタリーシステム・組織の研究があります。阪神大震災の際に活躍したボランティアの存在をもとに、ネットワークで自律的に機能する新しい社会貢献の姿を描きだしてみせました。

内閣府の「新しい公共」推進会議座長として活動されていた渦中に起きた今回の大震災。そこに発生したボランタリーな活動のインパクトは、阪神大震災とは違ったものがあったと言います。

今回の夕学では、「支え合い」や「他人への配慮」などを基本とする「新しい公共」という古くて新しい社会像について、考えてみたいと思います。

第4回 10/14(金) 亀田信介さん

第4回 10/14(金)登壇いただくのは、亀田総合病院院長の亀田信介さんです。
千葉房総は鴨川にある亀田総合病院は、革新的な病院経営を行っていることで知られています。
総合病院を中心に、クリニック病院やリハビリテーションセンターなどを擁す総合メディカルセンターとして、鴨川というけっして利便性がよいとはいえない立地でありながら、東京からも多くの患者が訪れていると聞いています。

革新者たる所以は、日本の病院では先駆けとなる電子カルテを導入や、患者への情報を開示、全館個室、24時間面会体制の導入など、徹底した患者サービスシステムを実現してきたことにあります。

鴨川の地に11代続く医者の家系で、兄弟四人が全員医師として医療と経営に従事するという恵まれた家族環境にあるとはいえ、全国の病院が医師不足、看護婦不足で疲弊する時代にあって、亀田病院の成功は、次代の病院経営の一つのモデルであることは間違いありません。

演題は、「サービス業としての病院経営」
病院のみならず、顧客満足と収益性の両面追求を求められる全ての組織にとって、意味のあるお話になることを期待しています。

第3回 10/11(火) 山折哲雄さん

第3回 10/11(火)の講師は、宗教学者の山折哲雄先生です。

山折さんは、今回の震災と日本人の意識・行動をどう見ているのか。日本人の深層意識と顕在行動の中に何を見いだしているのか。それを聞いてみたい。

それが3年半ぶりの再登壇をお願いした理由でした。

前回の夕学では、終了したばかりのオリンピックで日本選手がインタビューに何と答えたのか、その今昔の姿を比較することから、日本人の精神構造の中に共有化されてきた意識と価値観を見いだしてくれました。
同時に、その変化を考察することで、私たちを取り巻く環境の変化が、日本人の精神構造に及ぼす影響についての洞察を披露してくれました。

象徴的な事件やトピカルな事象を題材にして、宗教・歴史・民俗・文学等々広くて深い教養を駆使し、私たちが、感情にとらわれ過ぎて見定めることができない本質を、鋭く描写してくれることにおいて、山折さんは傑出しています。

そんな山折さんは、今回の大震災に向き合っている日本人の意識と行動に何を見いだし、何を感じたのでしょうか。

復興に向けてこころを一つにしようとする思いと自分に影響が及ぼされることは避けていたいという本音が同居し、せめぎ合ってきたかのように見えたこの半年。
立ち止まって、じっくりと考えてみるのはよい頃ではないでしょうか。

第2回 10/7(金) 工藤公康さん

第2回 10/7(金)に登壇いただくのはプロ野球選手の工藤公康さんです。
ご登壇にあたって工藤さんに紹介用の肩書きをお聞きしたところ「野球浪人」というしびれるお答えが帰ってきました。

昨年末に西武ライオンズとの契約が終わり、残念ながら今シーズンは日本プロ野球団のユニフォームを着ることはありませんでした。すでに48歳。200勝をはじめ数多くの栄誉を手にされたわけですから、普通の感覚であれば、引退の道を選ぶのが当然なのかもしれません。
しかし、工藤さんは、来シーズンの働き場を探すべく、年末には海外トレーニングに出かける予定だそうです。

まさに、「あきらめない男」 このエネルギーは、同年代の人間として誇りにしたい思いがあります。

引退した島田紳助氏が武田鉄矢氏に言われた言葉として「頂点を極めた人間は、その時からゆっくりと山を下っていかねばならない」という主旨のことを語っていました。芸能人にせよ、スポーツ選手にせよ、政治家にせよ、晩年をどう過ごすか、引き際をどう仕切るかが重要だと言われてきました。

しかし工藤さんを見ていると、山を登るとか下るといった感覚ではない、もっと別次元の生き方を確立しているように思えます。そこに成熟した社会における人生のあり方がみえるような気もします。

工藤さんは、なぜ「あきらめない」のか。
それをじっくりと考えてみたいと思います。