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第19回 7/5(火) 佐藤綾子さん

第19回 7/5(火)の講師は、日大芸術学部教授の佐藤綾子先生です。
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佐藤先生は、パフォーマンス学の第一人者です。
パフォーマンス学と言う言葉は、少なくともビジネスパースンの間では、なんとなく意味するとことろが浸透してきたのではないでしょうか。。

「巧言令色鮮し仁」という論語の言葉は、発祥の地中国はおろか、儒家思想が色濃く残るといわれる韓国をも抑えて、なぜか日本の地で幅広く受け入れられる価値観として残っています。
ところが、この価値観は、グローバルビジネスの舞台では、まったく意味をなさない、という事実を海外に出かけた日本人は嫌というほど思い知らされてきました。

海外のカンファレンスでキーノートスピーチを聞くと、政治家、経済人、ジャーナリスト、コンサルタント等々、あらゆる職業の人々が、自己表現の技術を、基本マナーのごとくに身につけていることに驚きます。

30年以上前、佐藤先生はいち早く「サイエンスとしてのパフォーマンス学」の概念を日本に持ち帰りました。
以来、第一人者として、研究と普及に尽力をしてきました。
数々の政治家や財界人のアドバイザーも務めてきたと聞きます。

「学ぶ一人一人が主体的に良きパフォーマーとなって、自分と組織体と社会の幸福づくりに貢献していくための自己表現とは何か?」
謙虚に学びたいと思います。

7/05 (火) 「ビジネスパーソンのためのパフォーマンス学」 佐藤 綾子氏

第18回 7/1(金) 田口佳史さん

第18回 7/1(金)に登壇いただくのは、東洋思想研究家の田口佳史さんです。
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田口さんには、夕学プレミアムagoraで、中国古典シリーズを担当いただき大好評をいただいております。
その様子は、これまでにも度々このブログでご紹介してきました。


中国古典の専門家である田口先生ですが、日本文化への造詣の深さも並々ならぬものがあります。
agoraでも、その博識の一端に触れる機会が度々ありました。そこで、「東洋思想との関係から日本文化と日本人を語る」というコンセプトで、秋に新規講座をお願いしまいた。
今回の夕学は、その前哨戦というところでしょうか。

「陰極まれば陽となし、陽極まれば陰となす」

田口先生は、陰陽論に度々言及されます。
今回我々が遭遇している未曾有の大惨事を考えると、戦後の日本が誇った物質第一主義、科学至上主義が「極まって」反転したという捉え方もできるのかもしれません。

ただ現在の不安な情勢もいつか必ず反転します。後生からみれば、実はすでに陰から陽に転じているのかもしれません。

いつまでもよい時は続かない。いつまでも悪い時も続かない。
だからこそ、陽の時には陰の備えを、陰の時には陽に向けた準備をしなければいけません。
有史以来、度重なる天災に遭遇してきた日本人には、それを乗り越える強さがあるはずです。
悲劇的な喪失と恐ろしい危険に直面しながら、平常通り、冷静に振る舞おうとする日本人の姿には、その精神的遺伝子が、しっかりと受け継がれているのではないでしょうか。
田口先生なら、きっとそうおっしゃると確信します。

7/01 (金)  「見えないものを見る~東洋思想から読み解く日本文化と日本人~」 田口 佳史氏

第17回 6/29(水) 辻井隆行さん

第17回 6/29(水)に登壇いただくのは、パタゴニア日本支社長の辻井隆行さんです。
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サラリーマン生活を経て早稲田大大学院で地球社会学の修士号を修得した辻井さんの研究テーマは「日本人の自然観」だったそうです。
その後、自然と共生する生活環境を求めて、冬は長野でスキーパトロール、夏はカナダでシーカヤックガイドをするなどして過ごしていた辻井さんが、パートタイムアルバイトでパタゴニアのお店で働くようになったのは、10年程前のことだったといいます。

翌年には正社員に、その後はスタッフ職を経て、日本支社の代表へと抜擢されたのは、パタゴニアという会社の組織観・人材観のなせる技だったのかもしれません。

組織構造を類型化する方法はいくつかありますが、「有機的組織」と「機械的組織」の二分類がよく知られたものです。
どちらが良い悪いのではなく、置かれた環境や事業・製品の特性に応じて状況適応的にふさわしい組織構造があるというのがこの分類の主旨ですが、パタゴニアは、組織の成り立ち、経営理念、扱い商品等々のどれを取っても、「有機的組織」が最も機能する会社であることは間違いありません。

スタッフひとり一人が経営理念に共鳴し、一体感をもった経営と個の自主性を両立することで、良い商品が生まれ、顧客に価値が提供できる。結果的に社会にも貢献できる。
そう考えるパタゴニアにとって、自然への畏敬の念と学識を持ち、自ら自然の中で生きることをモットーとしてきた辻井さんは、経営理念を体現でき、言語化・行動化できるリーダーとして適任だったのかもしれません。

数字ですべてを判断するグローバル金融資本主義的経営もあれば、パタゴニアのような理念追求型経営もある。それがアメリカという国の懐の深さです。

6/29 (水) 「理念に基づく組織運営」 辻井 隆行氏

第16回 6/22(水) 辻野晃一郎さん

第16回 6/22(水)に登壇いただくのは、元ソニー、前グーグルジャパン社長で、現在はアレックスの社長を務める辻野晃一郎さんです。
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辻野さんは、ソニーでVAIOやデジタルTV等のカンパニープレジデントを歴任されました。その後グーグルの日本法人社長に招かれ、昨年春に独立して、日本発のグローバルビジネスプロデュースを目指すアレックス社を立ち上げました。

MCCではソニーで活躍した方(OB含む)に何人か来ていただきましたが、いずれの方も身体の真ん中に芯のようなものがピシッと通っているような印象がありました。
(例えば、フェリカ事業を立ち上げた納村哲二氏、AIBOなど革新的製品プロジェクトに数多く関わった天外司朗氏など)

私は、そういう方々を「ソニーのさむらい」と呼ばせていただいています。
辻野さんも間違いなく「ソニーのさむらい」のひとりかと思います。

昨年、辻野さんが書かれた『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』という本は、サムライが闊歩していた頃のソニーと、現在のグーグルを比較しながら、その同質性を体験的に語ってくれた本です。

その同質性とは、「異端・異能・異才を生かす」ということだと言います。
さむらいがさむらいらしく生きていける組織ということかもしれません。
刀は時に「凶器」になりますが、その凶器をも身体の一部化できる「狂気」がなければ、革新的な製品やサービスは生み出せないのかもしれません。

未曾有の大震災を経て、日本はまた逞しくも荒々しい精神を取り戻すことができるのでしょうか。興味深いお話が聞けるものと思います。

6/22 (水) 「異才・奇才を活かす組織」 辻野 晃一郎氏

「祈ること」と「働くこと」 その2

不協和・不安を合理化する心理装置としての「神」を持たない私達日本人は、「明日への不安」にどう向き合っているのだろうか。

dst11031408110028-p2.jpg3月14日月曜日の早朝、計画停電情報の迷走から、精緻なパズルの組み合わせで成立している首都圏の電車ダイヤは大混乱に陥った。にもかかわらず、多くの人々は「仕事」のために会社を目指した。
「こんな時に家族を残して仕事に向かおうとするなんてクレイジーだ」と外国人は言ったのだろうが、多くの人々には、戸惑いこそあれ、迷いはなかったのではないか。

他ならぬ私もその中の一人であった。
駅の構内を溢れ出す人混みの中に身を置き、顔を真っ赤にしてがなりたてる駅員の誘導に従いながら、ただじっと電車を待っていた。
海外のメディアは、その様子を見て、日本人の冷静な行動や精神の強靱さに驚嘆の目を向ける。
しかし、その見立ては必ずしも正しいとは思えない。

人々はけっして冷静ではなかった。冷静であろうとしていただけだ。冷静でいよう(見せよう)と自分の感情と行動を必死になって制御していたのである。
それは、自己の内なるものとの「精神の戦い」ではなかったか。
「明日への不安」にくじけそうになる「こころとの戦い」ではなかったか。
多くの人々にとって、その日の「仕事」は、「目には見えない戦い」ではなかったか。
黙々と働くこと、目の前に課題に集中すること、それが表に見える戦いの姿ではなかったか。

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第15回 6/15(水) 干場弓子さん

第15回 6/15(水)の講師は、ディスカヴァー・トゥエンティワン社長の干場弓子さんです。
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「本が売れない」と言われて久しくなりますが、そんな時代にあって、「この人が目をつけた著者・テーマは必ず売れる」と言われる伝説の出版プロデューサーが干場さんです。

干場さんのことを教えてくれたのは、夕学に登壇いただいた小宮一慶さんです。
小宮さんはそれまでにも多くの本を出していましたが、ディスカヴァー社から出した「ビジネスマンのための●●力講座」シリーズが大ヒットしたことで、急に本が売れ出したと言います。


小宮さん以外にも、勝間和代さんや小池龍之介氏など、いまをときめく著述家も、ディスカヴァー社が火を付けた人達と言えるでしょう。

昨年から今年にかけては『ニーチェの言葉』が百万部を突破したと聞きます。
ミリオンセラーひとつで新社屋が建つという伝説?を聞いたことがありますが、ディスカヴァー社も新社屋が建つのでしょうか。

それはさておき、今回の演題は「ヒットに方程式はあるのか?」
稀代のヒットメーカーであると同時に、書店直取引方式で、重点化した書店で、ドンとフェイスを確保するという小売業型の売り場づくりに成功してきたマーケッターでもある干場さんに、「売れない時代に売る経営」の極意を聞きます。

6/15 (水) 「ヒットに方程式はあるか?」 干場 弓子

「祈ること」と「働くこと」 その1

地震から2週間近くが経過した。
地震・津波の直接的な被害を受けられた被災者の皆さま、原発事故で甚大な影響を受けていらっしゃる方々に心からお見舞い申し上げるとともに、いま私達(関東地方に住む人々)が直面している心理状態について、キリスト教と関連づけながら考えてみたい。

2月8日のブログ(阿刀田高さんと読み解く【旧約・新約聖書とキリスト教】その2)で、私は次のように書いた。

「人間は、神に逆らい、善悪を知ること=知恵を得ることで人間になりました。そして、その代償として、けっして逃れられない苦難を繰り返し経験することを宿命づけられたのです。

人間が遭遇するあらゆる苦難は、人間が神に逆らった罰であり、神の意志に他ならない。

天災であれ、飢餓であれ、戦争であれ、疫病であれ、不景気であれ、人間の苦難・逆境・のすべては、かつて人間が犯した「原罪」の代償であり、神の意志である。

彼ら(西欧人)は、困難に遭遇する度にそう思うのでしょう。

いま思うと、なんと高慢な文章であったかと猛省せざるをえない。
未曾有の大惨事に遭遇する可能性は、世界のどこにいようが同じである。論理的に言えば人類のすべてに天災に見舞われる可能性はあった。
にもかかわらず、自分は安全圏において、慌てる下界(他者)を見下ろしているかのような書き方をしている。
自らの不明を恥じるばかりである。


さて、いま私達が直面しているものを、ひと言で言い表すとしたら「明日への不安」ではないだろうか。
つい先日まで、「きょうと同じ明日が来る」 誰もがそう思っていた。
それが3・11を期して大きく変わってしまった
「きょうと同じ明日が来る」という確信が、これほどまでに揺らいだことはなかった。
何がどうなっているのか。いつまでも不便が続くのか、はたして日本は大丈夫なのか。
私達は、答えなき不安、終わりなき不安に包まれている。濃い霧の中を浮き船で漂っているかのようである。

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第14回 6/9(木) 中村哲さん

第14回 6/9(木)の講師は、ペシャワール会現地代表の中村哲先生です。
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中村先生はパキスタンやアフガニスタンの難民医療、山岳過疎地域医療に四半世紀近く従事してこられました。
10年ほど前からは、医療だけでは人は救えないとばかりに、アフガンでの飲料水・灌漑井戸事業や、農業振興のための大規模な水利事業などへの活動のフィールドを広げていらっしゃいます。

「アフガンで最も頼りにされている日本人」として、いまや世界に知られる存在です。

夕学からの依頼は昨年の夏前でした。
当時、手がけられた用水路がパキスタン大洪水で損傷し、その復旧に奔走していらした頃でした。
「来年の春には日本に戻るので、その時なら」というご返事をいただき、一年越しの依頼が実現しました。

ガンジーを思わせる小柄な身体と哲学者然とした風貌の裏に秘めた意思の力を感じ取ることができればと思います。

6/09 (木) 「アフガンとの約束」 中村 哲氏

第13回 6/7(火) 石坂浩二さん

第13回 6/7(火)のご登壇いただくのは俳優の石坂浩二さんです。
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慶應在学中にデビューして49年、日本を代表する知性派俳優として、数多くの作品に出演していらっしゃいます。
調べたところ大河ドラマの主演三回(「天と地と」「草燃える」「元禄繚乱」)は最多とのこと。いまの「江 ~女たちの戦国~」でも千利休という重要な役どころを演じています。
ドラマ「坂の上の雲」では海軍大臣山本権兵衛、映画「沈まぬ太陽」では国民航空(JALがモデル)の再建を担いながら志半ばで退任した国見会長役、ドラマ「白い巨塔」では、財前の教授就任を阻もうとして敗れ去った東教授役etc...
こう考えてみると、私が見ていたドラマ(けっして多くはないのですが)のほとんどの番組に重要な役どころで登場していました。

一方で、クイズ番組で見せる博識や、画家として10年連続で二科展に入選という経歴を持つ芸術センスの面からも、俳優の枠に止まらない文化人・教養人と言える方ではないでしょうか。

慶應高校の在学時代に100周年記念の祝賀行事のリーダーを務められたという経緯もあって、慶應の150年祈念行事にあたって、多くのイベントの協力をいただきました。
今回も、慶應義塾創立150年記念事業室長の岩田さんのご尽力もあって、お忙しいところをご登壇いただけることになりました。

6/07 (火) 「好奇心を捨てないで」 石坂 浩二

第12回 6/2(木) 武田双雲さん

第12回 6/2(木)の講師は、書道家の 武田双雲さんです。
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武田さんは、パフォーマンス書道という新たな文化エンタテイメントを切り拓いた方です。テレビでもよくお顔を拝見しました。
一昨年の大河ドラマ「天地人」の題字は、武田さんの手によるものでした。

3歳から母である書家:武田双葉(そうよう)氏に書を叩き込まれ、東京理科大学理工学部卒という意外?なキャリアを経て、書道家として名をなしました。
現在は湘南を基点にして創作活動を続けていらっしゃいます。

パフォーマンス書道では、富士ロックフェスティバル、世界陸上オープニングセレモニー、モスクワ、ブリュッセルなどのイベント等、数多くの実績をお持ちです。
B'z、野村萬斎など様々なアーティストとのコラボレーションを実践されています。

今回の演題は「夢の叶え方」です。
「夢が叶う人の共通点を実体験を交えながら伝えます。
 夢の描き方から、実現までの大切なプロセスをわかりやすく面白く語ります」
というメッセージをお寄せいただいております。

6/02 (木) 「夢の叶え方」武田 双雲氏

第11回 5/31(火) 遠藤功さん

第11回 5/31(火)の講師は早稲田ビジネススクール教授の遠藤功先生です。
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コンサルタントとしての豊富な経験を武器にMBAの教壇に立つ遠藤先生は、一貫して日本の製造業に軸足を置いた著作を発表してきました。
『現場力を鍛える』『見える化』『ねばちっこい経営』etc。言い得て妙なネーミングと相まって、いずれもベストセラーになりました。
夕学にも二度登壇いたただき大好評でした。

今度の講演は「日本品質」がテーマです。
品質はこれまでも、そしてこれからも日本企業の競争力の柱でした。その一方で、「品質の国 日本」の基盤が危機にさらされつつあるのも事実のようです。

そんな問題意識をベースに、日本企業が創り出すべき差別化された品質とは一体何かを具体的な事例を交えて解説していただきます。


5/31 (火) 「『日本品質』で勝つ!」 遠藤 功


第10回 5/27(金) 佐野元春さん

第10回 5/27(金)の講師は、ミュージシャンの佐野元春さんです。
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1980年代に青春時代を送った人間にとっては、青春のほろ苦い記憶とともに屹立する音楽の巨人です。
今回の夕学登壇にあたっては、早々にご自身のWEBサイトに紹介いただいたこともあって、あっという間に(受付初日)に満席となってしまいました。

「ミュージシャンが講演」ということに、意外だという印象をもたれる方もいらっしゃるかもしれませんが、佐野さんがここ数年「ソングライティング」という活動に注力されていることに注目しての依頼でした。

佐野さんは、次のようなメッセージをお寄せいただいています。

-これまで、流行歌の作詞や作曲というと、芸能の一環に含めて語られがちでした。
しかし、70年代に始まり今日至る、国内のソングライターたちの充実した仕事ぶりを俯瞰してみれば、「ソングライティング」は、文学や演劇など他の表現と同様、現代的なパフォーミングアーツの一環として捉えていい、一級の表現形式だと言えます。
この講演では、テーマを「ソングライティングとは何か?」として、そうした「音楽詩」表現の諸相を省察し、その意義と可能性を伝えていきたいと思います。-

人類が「文字」を使い始めたのはいつの頃なのか、まだよく分かっていませんが、およそ三千年~二千年前のことではなかったかと言われています。しかし、芸術の一形式としての「詩」は、文字の読み書きよりも先に存在していたと聞いています。

ギリシャ時代にも、そして古代中国においても、「詩」を読むことは知識人に求められる教養でありました。
日本でも、戦前までは多くの人々が、事ある毎に漢詩や短歌を詠んだと言われています。

佐野さんの言葉を借りれば、現代社会において、その役割を担っているのは、ソングライター達の作詞活動ではないでしょうか。
かつて、文学者や演劇人・映画人が、その時代の風と匂いを小説や劇作・映画に載せて表現してきたのと同じ文化的な意味が、「ソングライティング」にはあると確信しているようです。

5/27 (金)  「共感伝達としての「音楽」と「言葉」」 佐野 元春氏

次期の『夕学五十講』に予定について

この度の東北地方太平洋沖地震にの影響を受けられた皆様に、心よりお見舞いを申し上げますとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げたく存じます。

被災された方、ご家族・知人の安否に気を揉んでいらっしゃる方、不便な生活を強いられている方等々、多くの皆様が、今回の震災の影響を大きく受けていらっしゃることと思います。

私どもは、被害に遭われた方々の一日も早い救済と復興をお祈りする一方で、自分たちができる努力を冷静に見極め、力強く、前向きに実行することもたいへん重要なことだと考えております。

次期の『夕学五十講』は、4月13日(木)から開催が予定されおり、お陰様で多くの皆様に申込・予約をいただいております。
従いまして、現時点では、予定通り開催する所存でおります。

このブログでは、来期講師の紹介をしている最中でした。
金曜日以来更新が滞っておりましたが。きょうから再開いたします。


第9回 5月26日(木) 阿部秀司さん

第9回 5月26日(木)の講師は、映画プロデューサーの阿部秀司さんです。
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阿部さんは、CMディレクターを経て、映画制作の道に入りました。
岩井俊二監督の映画デビュー作品『Love Letter』が最初の作品です。以降、『パラサイト・イブ』『海猿』『オールウェイズ 三丁目の夕日』など、大ヒット作を次々とプロデュースされてきました。

1960年代後半から長きに渡って斜陽産業と揶揄されてきた日本映画ですが、実はこの数年観客動員数が増えています。その原動力になったのがテレビとの連動企画でした。

「いいものを作れば売れる」という頑固職人的な隘路に陥っていた映画界に、テレビの特性を活かした圧倒的なプロモーションを展開する手法を持ち込んだ点において、「ビジネスモデル」の革新者のひとりといってよいかもしれません。

映画産業を支える裾野が広ければ広いほど、山は高くなります。
テレビを見てシネコンに足を運び、映画館という空間に興味を抱く、やがて「へぇ~こんな映画もあるんだ」と芸術性の高い作品へと関心を移してもらう、そんな流れが出来ればいいなぁと強く思います。
例えば「午前十時の映画祭」のような試行が根付いてくれるとうれしいのですが...

それはさておき、阿部さんの演題は、ズバリ『売れる映画を作る』
ど真ん中のストレートのようなタイトルでお願いしました。

売れない理由をあげつらうのではなく、売るためにどうすればよいかを考えるにはどうすればよいか。
誰もが関心のあるところかと思います。

5/26 (木)  「売れる映画を作る」 阿部 秀司氏

第8回 5月20日(金) 紗幸さん

第8回 5月20日(金)の講師は、文化人類学者で、日本で最初の外国人芸者でもある紗幸さんです。
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紗幸さんは、オーストラリア メルボルン生まれ。
交換留学生として来日、慶應大学を卒業されました。その後、オックスフォード大学にてMBA、社会人類学の博士号ならびに経営学の修士号を取得し、海外の大学で講師などを務めるほか、人類学者として人類学ドキュメンタリーの監督とプロデューサーを務めていらっしゃいます。

学者として、日本文化の研究や海外への紹介をするうちに、ご自身が芸者になってしまったという行動派です。

かつて、日本全国で8万人の芸者さんがいたと言われていますが、現在はわずか2500人。いまでも外国人が期待する日本体験にベスト10には、「芸者さんと会うこと」が入っているそうですが、本場の日本でも、芸者さんの姿を見ることは滅多にありません。

今回は、「日本初の西洋人芸者が見た花柳界」と題しまして、日本の花柳界の伝統と現状、そしてこれからについて、外国人の目、文化人類学者のフレームで分析をしてもらいたいと思います。

5/20 (金) 「日本初の西洋人芸者が見た花柳界」 紗幸


第7回 5月17日(火) 魚谷雅彦さん

第7回 5月17日(火)の講師は、日本コカ・コーラの魚谷雅彦さん会長です。
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10年前に日本コカ・コーラの社長に就任し、「26年振りの日本人社長」として、2000年代の同社をリードしてきました。
飲料業界を取り巻く環境は、けっして順風ではありませんでした、少子化や若年人口の減少は、かつて若者をターゲットに発展してきた同社にも大きな影響を及ぼしたはずです。
そんな中で日本コカ・コーラは、時代の変化や消費者のニーズを巧みに捉えて、独自の商品開発を推進しつつ、ナショナルブランドとして、確固たるブランドイメージを確立してきたのではないでしょうか。

その推進役でもあった魚谷さんは、4年ほど前に「ブランドヴィジョン」という会社を設立し、企業のマーケティングに関するサポートや次世代の人材育成のためのマーケティング啓蒙活動にも取り組んでいらっしゃいます。

講演タイトルは、評判の著書名と同じ『こころを動かすマーケティング』でお願いしました。

5/17 (火) 「こころを動かすマーケティング」 魚谷 雅彦氏

第6回 5月12日(木) 佐々木俊尚さん

第6回 5月12日(木)の講師は、ITジャーナリストの佐々木俊尚さんです。
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2010年は、日本の電子書籍元年だと言われました。
各社から電子書籍端末が発売され、印刷会社や出版社等を巻き込んだ電子書籍ブックサイトも次々と開設されました。
その後「大盛況!」というニュースを耳にしないところをみると、消費者はまだ様子見の段階というところかもしれませんが...。

以前、このブログにも書きましたが、ブックディレクターの幅允孝さんは、SONY Reader Storeのサイトに寄せた文章で次のように言っています。

白いご飯は箸で食べるのが一番だけれど、カレーライスやリゾットは、スプーンの方が圧倒的に食べやすい。料理の種類が増えれば、新しい道具が出てくるのは当たり前のことだ。

「読みたい時に、読みたいモノを、読みたい」という読書スタイルには、新しい道具があってしかるべきだということですが、いまはまだ、そのプロセスにあるということでしょう。

さて、佐々木俊尚さんは、毎日新聞の事件記者を経て、月刊アスキーの記者として、あるいはフリーのジャーナリストとして、黎明期から、日本のIT分野の潮流と深層を追いかけてきた方です。

電子書籍が普及していった先にはどのような未来が待ち受けているのか。その世界ではタブレットデバイスのような機器はどのような進化を果たしていくのかについてお話しを聞きたいと思います。


5/12 (木)  佐々木俊尚さん「電子書籍とタブレットがもたらすもの」


第5回 4月28日(木) 栗谷仁さん

第5回 4月28日(木)の講師は、A.T.カーニー株式会社パートナーの栗谷仁さんです。
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右肩上がり経済が終わり、企業の売上が伸び悩むことを所与条件とすれば、漸増する費用を削減することでしか利益を捻出することが出来ません。
こういう状況に陥った組織がコスト削減策として最初に取り組む方針が「前年比◆%削減」というコスト一律削減運動でしょう。
目先だけを見た部門最適化サイクルに嵌っている放漫経営の会社には、有効な手立てでしょうが、そこには「戦略」という発想がまったくありません。

「戦略とは、何をやらないかである」というポーターの名言ではありませんが、コスト削減にも戦略的な思考が不可欠です。
コストと機能(目的)、あるいはコストとベネフィットを分析し、優先順位と重点化を論理的に推進するためのアプローチ、つまり「コストマネジメント」という発想が求められています。

栗谷さんは、コンサルタントとして企業のコスト削減、業務改革に携わってこられました。今回は、これからの時代に必須の「コストマネジメント」のロジックとアプローチを、特に調達コストのマネジメントをハイライトして紹介していただきます。

4/28 (木)  栗谷 仁さん
「利益創出のためのコストマネジメント思考法~調達コストのマネジメントを中心として~」



第4回 4月26日(火) 土井香苗さん

第4回(4/26)は、ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗さんです。

北アフリカ・中東の民主化運動を報じる新聞記事に「ヒューマン・ライツ・ウォッチの発表によれば」という報道が増えてきました。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、国際的な人権NGOとして、知られざる人権侵害の実態を調査、発表することを使命としているそうです。
メディア報道を生み出すことで、人権侵害を止める世論を作り出すことを目的にしています。

土井さんは、東大在学中に司法試験に合格する秀才でしたが、そのまま官僚や裁判官になる道を選ばず、弁護士として、日本にいる難民の法的支援や難民認定法の改正に関わってきました。
2009年には、ヒューマン・ライツ・ウォッチの日本代表に就任。最近はメディアに登場する機会も多いようです。

チュニジアも、エジプトも反体制運動を強権的に抑圧しようとした独裁者に、最終的に待ったを掛けたのは、国際世論でした。その構図はリビアも同じです。
しかし見方を変えれば、国際社会が関心を持たない限り、知られざる人権侵害や社会弾圧はなくならないということでもあります。

世界のどこかで起きている悲劇に、私達が出来ることは何か。土井さんと一緒に考えたいと思います。


4月26日(火)土井香苗さん「世界のために私ができること」

「発想の考動力」三谷宏治さんの新著

昨年5月に夕学に登壇いただいた三谷宏治先生(K.I.T.虎ノ門大学院教授)が、新しい本をだされるそうです。
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・『ルークの冒険 ~カタチのヒミツ』実務教育出版 3/15
ルーク冒険KBCチラシ.pdf

・『お手伝い至上主義でいこう!』プレジデント社 3/11
Otetsudai_chirashi.pdf

いずれも子供向けに書かれた本だそうですので、春休みのプレゼントに最適ですね。
以下に三谷さんからのメール分を紹介いたします。
キャンペーン企画もあるようですよ!!

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城取さん、こんにちは

いよいよ発売が迫ってきました!

実は2冊、同時期に出ます。
・『ルークの冒険 ~カタチのヒミツ』実務教育出版 3/15
・『お手伝い至上主義でいこう!』プレジデント社 3/11

いずれもHP上で新刊キャンペーンを紹介していますので、こちらもご紹介頂けるとうれしいです。
http://bit.ly/hH8Nx4

・『ルークの冒険』はルークのストラップ・キーホルダーを抽選で200名に
・『お手伝い至上主義でいこう!』は「ムスメ語録 増補版」pdfを応募者全員に
そして、
・『特別講義 ルークの冒険』を全国10校に完全無料で!


また、オアゾの丸善本店では『ルークの冒険』を買うと、上記のルークのストラップ・キーホルダーがもらえるはず(数量限定、早い者勝ちですが・・・)なので、それを皆さまにお伝え下さい。


【変更】7月11日(月)川島隆太さん

本講演は、東日本大地震により川島先生の移動交通手段の確保が困難になっているため、7月11日(月)に変更になりました。謹んでお詫び申し上げるとともにご連絡申し上げます。
                         

4月5日(火) 記

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第三回(4/18)は、東北大学教授の川島隆太さんです。

私は、ゲームの類にはとんと関心がなく、大昔のテレビゲームもほとんどやったことがありませんでしたし、ファミコンは触ったことさえありません。
そんな私が唯一はまった(というよりは少しばかり楽しんだ)のが任天堂DSの脳トレでした。
当時小中学生だった娘達と騒ぎながら脳年齢を競った記憶があります。

大隆盛を極めた脳ブームの象徴ともなった脳トレのアイコンとして知られた川島先生が、ブームの当事者として社会から受けた褒貶を、静かな怒りと反省を込めて振り返った本が昨年出た『さらば脳ブーム』です。

講演では、川島先生が、産学連携活動を通して行ってきた、脳機能イメージング研究成果の社会実装の試みに関する経緯を、それらに対する批判への反論を含めて総括していただくとともに、学術と社会の2つの常識の間に挟まれて活動することの危うさ、難しさについてお話いただきます。


4月18日(月) 川島 隆太さん 「さらば脳ブーム」


第二回 4月14日(木) 姜尚中さん

第二回 4月14日(木)は政治学者の姜尚中先生です。

夕学には、三度目の登壇となる姜先生。実は前回(2008年)に登壇いただいた際に、「創作-ノート」と書かれた手帳を脇に抱えて控え室に現れたことを印象深く憶えています。ついさっきまで、アイデアを書き込んでいらした、そんな様子でした。

手帳の表紙には、「母-オモニ-」と記されていました。
この初の長編小説として世に出ました。

『母-オモニ-』集英社

戦前、婚約者を頼りに単身日本に渡ってきた姜先生のお母様は、当時16歳だったそうです。
苦労しながら姜先生を育てた母(オモニ)は、終生日本語の読み書きに不自由したと聞きます。
東北アジアの国際関係を専門とする政治学者である息子は、母(オモニ)の人生を追想する行為を通して、20世紀の東北アジアの実相を描き出したことになります。

演題は、「母(オモニ)なるものから見た東北アジア」
姿勢を正してお聞きしたい講演です。


姜尚中氏 4月14日(木)
「母(オモニ)なるものから見た東北アジア」

田口佳史先生を囲む「トムの会」を開催しました

昨夜、夕学プレミアムagoraで中国古典シリーズの講義をお願いしている田口佳史先生を囲む同窓会が行われました。
田口先生には、論語、老荘、大学と中国古典を講義していただきましたが、そのすべてを受講されている平野崇雄さんが幹事役となり、三講座の修了者を対象にした合同同窓会として企画されたものです。

新東京ビルの三菱21世紀倶楽部を貸し切った会場には、総勢28名の方々が集結しました。二十代から七十代まで、年齢、職業、立場もさまざまですが、皆さん楽しく交流されました。

学びて、時にこれを習う。また説(よろこ)ばしからずや。
朋あり、遠方より来たる有り。また楽しからずや。

論語冒頭の一節のごとく、ともに学んだ朋友同士が、実践での活用報告を交換しようと集まった会でした。

乾杯の音頭を取っていただいたのは、最年長で田口先生から「ミスター老荘」と称せられた柏原晃一さんです。
弁護士である柏原さんは、法律家にとって最も難しく、かつやりがいを感じるのは、利害を異にする人々の和解を仲介することだとおっしゃいます。
これは「陰陽相和す」ことを旨とする老荘思想に相通ずるものがあるそうです。

乾杯の後、短いながらも田口先生の講義をお聴きしました。

「上り坂の儒家、下り坂の老荘」

二つの思想を使い分けることこそが、日本人が培ってきた東洋思想であるという、いつもの教えを改めて胸に刻むことが出来ました。

順番にお聴きした皆さんの報告は、とても興味深いものでした。
それぞれが感銘した東洋思想の一節を、大切に胸に抱き、事ある毎に指針として振り返りながら日々を送っていらっしゃることがよく分かりました。

田口先生に感謝の気持ちを込めて、細田純代さんから花束が贈呈されました。細田さんは、お父上が創業した品川測器製作所という会社を切り盛りする若き女性経営者です。お忙しい中を三講座とも、熱心に受講されました。

最後の締めは、橋本恵治さんでした。
橋本さんは、agoraだけでなく、社内の研修で、そして田口先生の私塾タオクラブでも学んでいらっしゃるというメンバー随一の東洋思想通です。
「朋」とは、師を同じくする仲間という意味である。田口先生という師のもとに集った縁を大切にしましょうとまとめていただきました。

田口先生のagora講座は、今後も継続する予定ですので、これを期に同窓会の名前を決めようということになり「トムの会」と命名することになりました。

「足を知る者は富む」という田口先生お気に入りの老子の言葉に由来しています。
田口先生は、愛犬の名前に「トム」という名前を付けています。
毎朝毎夜呼びかける度に、この言葉の含意を心に刻見直そうという思いからの命名だと聞いています。

明日からは、トム君を呼ぶ度に、「トムの会」も思い出していただければと思っております。
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春の中国古典シリーズは「孫子」を取り上げます。
">田口佳史さんに問う中国古典【人生の戦略書・孫子】

田口先生は夕学にも登壇いただくことになっています。
7月1日(金)「見えないものを見る ~東洋思想から読み解く日本文化と日本人」

第一回 藻谷浩介さん(4/13 水)

月曜日(2/28)から2011年度前期『夕学五十講』の申込受付が始まりました。
おかげさまで今期も多くの方に申込・予約をいただいており、はやくも満席や空席僅かのマークが点っております。
本当にありがとうございます。

さて、恒例になりました夕学の講師紹介を始めていきたいと思います。

4月13日(水)トップバッターは、日本政策投資銀行の藻谷浩介さんです。
藻谷さんは、日本と世界の地域振興・開発の現状調査・研究を専門にされてきました。平成の大合併前には、約3200の及ぶ全市町村の99.9%、海外59カ国を、私費で訪問調査したといいいますから驚きです。

地方の現場を実見し、各種統計調査のデータや郷土史を合わせた多面的な地域分析をしてきた藻谷さんが、昨年書かれて、50万部越えのベストセラーになったのが『デフレの正体』でした。

経済のダイナミズムを「人口の波」で解き明かすこの本によれば、現在の日本経済の低迷は、イノベーションの不足でも生産性の非効率でもなく、高齢化による人口減にその原因があるとのこと。
よってその解決策は、景気対策でも、金融政策でも、経済成長論でもなく、高齢化社会の弊害を減ずる対策につきると主張されています。

講演の演題は、『日本経済の虚像と実像』
私達が束縛されている「思い込み」を解き放つ、もうひとつの視点をお聞きできればと思います。

4月13日水曜日 藻谷 浩介さん 「日本経済の虚像と実像」