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感想レポートのコンテストをやります。

「夕学五十講」の今期からの新企画として、「感想レポートコンテスト」を開催することにします。

詳細はこちら

夕学をお聴きになった方に感想・所感・決意等々をレポートとしてまとめていただくものです。
人間の学習は、インプットだけでなく、アウトプットを出すことでより強固なものになります。「いい話を聞いた」「ためになった」で終わりにせずに、もう一度振り返り、自分の言葉で感動を綴ってみませんか。

私は、このブログをはじめて足かけ6年になります。年間50回、延べ300回以上の講演をブログにまとめてきました。
仕事とはいえ、自分でも「よく書いているなぁ」と感心しますが(?)、ブログを書いた効果も実感しています。
どんな講演だったのか思い出せずにいても、ブログを読めば、その時の記憶が鮮やかに甦ります。不思議なものです。

人間の脳は、過去の記憶や経験のファイルを、どんどん頭の奧の方にしまい込んでいくので、通常では「すっかり忘れた状態」になっていきます。でもけっして忘れてはいないのです。思い出せないだけです。
感動を文章にするという行為は、行方不明になった記憶ファイルを探し出す検索機能を脳の中に埋め込んでいくことに近いのかもしれません。

「夕学五十講」も、せっかく貴重なお金と時間を使って勉強していただくわけですから、後々まで活用できるようにしたいですよね。
ブログやtwitterで夕学の感想をアップされる方も多いようですし、是非、皆さんの声をお聞かせいただければと思います。


感想レポートを書いていただいた方には、もれなく「夕学五十講」の受講券を差し上げます!!
さらには、一期ごとに最優秀賞には、翌期の「夕学パスポート」(全回予約券)には贈呈します!!

ただし、応募は期間中(一期ごと)にお一人様2回まで、レポートは所定の文字数(1500字~2000字)にまとめていただくことが必要です。
また、応募いただいた作品は、『夕学五十講』WEBサイト他、慶應MCCの各メディアに掲載する可能性があることをご了承をいただくことが条件となります。

多くの皆様の応募をお待ちしております。

『夕学五十講』感想レポートコンテスト
https://www.sekigaku.net/Sekigaku/Default/News/NewsDetail.aspx?SGNewsID=360

なお、新企画としては、もうひとつ「明日への一言」というのもはじめる予定です。
こちらの案内は次の機会に...

教養として読む「聖書」

秋からはじまるagoraで、作家の阿刀田高さんをガイドをお願いして、「聖書」「キリスト教」を考える講座を開催する。

阿刀田高さんと読み解く【旧約・新約聖書とキリスト教】

agoraをはじめた2年前からやりたかった企画である。
欧米の思考・価値観の根底には、ギリシャ・ローマの思想とキリスト教がある。従って彼らを理解するためには、その二つをを学ぶ必要がある。
ギリシャ・ローマを大づかみで理解するなら、塩野七生さんの『ローマ人の歴史』という絶好のテキストがある。やっかいなのはキリスト教、さらには源流であるユダヤ教である。
だからこそ、「異質な他者への理解を促進すること」を目的のひとつに掲げるagoraで取り上げるには相応しいテーマであろう。

ずっと適任の講師役を探していたが、なかなか「これは」と思う方が見つからなかった。
キリスト教を解説してくれる宗教学者は大勢いる。
キリストの教えを説き聞かせてくれる神父様や牧師様も多い。
でも、もっとニュートラルな立場で、わたし達の抱く「なんでだろう?」という素朴な疑問に寄り添って話してくれる人がいないだろうか。
そんな欲張りな思いで探していた。

「それなら、阿刀田先生がピッタリですよ」
私の問いに間髪いれずに答えてくれたのが、光文社出版局長の古谷俊勝氏であった。
彼には、昨年から折りにふれてagoraの企画を相談させていただいていた。

不覚にも私は知らなかったが、阿刀田さんには、『旧約聖書を知っていますか』『新約聖書を知っていますか』というベストセラーがあるという。
早速読んでみると、これが面白い。

冒頭の書き出しからしてユニークである。

まず胸一杯に空気を吸い込み、 「アイヤー、ヨッ」 と叫んで欲しい

「アイヤー、ヨッ」の合言葉を頭に入れれば、旧約聖書の世界が一気に開けるのだという。実際に、その言葉で聖書の重い扉がスーッと軽くなるから不思議である。
(種明かしは、本を読んでお確かめください)

阿刀田さんは、キリスト教信者ではないが、若き日に西洋文学に傾倒し、西洋を理解するツールとして聖書を読んだという。
教典としてではなく、欧米の文化、思考、行動原理を理解するための教養として聖書を学ぶには、最高の導き役と言えるのではないか。

・ユダヤ人は、拠るべき国家のない2000年もの年月を、なぜ乗り越えることが出来たのか。
・アダムとイブが口にした禁断の果実とは何だったのか。
・モーゼに預言を与えたという「在って在り続ける者」とは何なのか
・土と石に覆うわれた不毛の大地で生まれた宗教は、如何にして西洋世界を席捲したのか。
・彼らの信ずる全智全能の神とは、いったいどのような存在なのか。
・ユダヤ教、イスラム教、キリスト教は、いつ生まれ、どうやって共存し、如何にして戦ってきたのか。

欧米人のモノの見方・考え方の根底を知るために、聞いてみたい、考えてみたいテーマはいくつもあろうかと思う。

英語社内公用語化もいいけれど、言葉だけでなく背景にある歴史・文化・価値観を理解することも、同じくらい、いやそれ以上に重要だと思うが如何であろうか。

阿刀田高さんと読み解く【旧約・新約聖書とキリスト教】


第25回 1/26(水) 守島基博さん 「職場寒冷化に歯止めを」

今期の最終回 1/26(金)を飾っていただくのは、人材マネジメント論の第一人者 一橋大学大学院教授の守島基博先生です。

守島先生は、夕学は3度目の登壇になります。
2001年、2005年、2010年と、5年ごとに、夕学で、守島先生による日本企業の人材マネジメントの評価・分析をお聞きすることになります。

2001年といえば、成果主義の全盛時代、人材マネジメントの分野では、コンピテンシー論が花盛りでした。人材流動化時代に向けて舵が切られたのだという論調が強くなった時代でした。
2005年は、成果主義への疑問符が叫ばれ始め、軽視されてきた弱い立場の人々の問題が顕在化する一方で、日本企業は終身雇用を守っていくのだというコンセンサスが生まれていました。

そしていま、守島先生は、日本企業にあった「人を育てる地力」のようなものが弱体化しつつあるという問題意識を持っていいます。
人が育つ場であったはずの職場が、あたかも化学肥料を使い過ぎた土壌にように脆くなっているとセンサーを発しているのです。

効果的に人を育て、健全に人を競争させ、働く人の協働を通じて、企業の目的を達成するという、職場が持っていた基本的な機能が弱くなり、タスクアサインと人事管理の効率化のための区分け単位になりつつあると言います。
そんな「職場寒冷化」現象に歯止めをかけるために何をすればよいのか。時あたかも大寒の季節、日増しに強まる寒冷前線の勢力に負けずに、ひとあし早い春の準備に入ります。

第24回 1/25(火) 山下泰裕さん 「人生の金メダルを目指して」

1/25(火)には、日本柔道史上最高・最強のヒーロー 山下泰裕さんが登場します。

さまざまなスポーツがありますが、個人の勝負を決める格闘技の世界で、無敗のまま引退した選手は、歴史上どれほどいるものなのでしょうか。
大鵬、千代の富士は最後の土俵は黒星です。具志堅用高も王座陥落で引退しました。柔道でいえば谷亮子も、北京での銅メダルが最後になりそうです。

山下さんは、203連勝のまま、28才で引退しました。
いまの感覚であれば、間違いなく、もっとやるべきだという世論の大合唱が沸き起こったことと思います。

山下さんの引退以降、長期低迷傾向から抜け出せないでいる男子柔道界ですが、先般の世界選手権は盛り上がりました。4つの金メダルを獲った選手以上に、恐るべき存在感をみせてくれたのが監督の篠原信一さんでした。

そして、篠原さんが世紀の大誤審に泣いたシドニー五輪の監督は、山下泰裕さんだったのです。
「何もしてあげられなくて申し訳ない」
山下監督(当時)は、篠原選手に、そう詫びたと言われています。

史上最強の柔道家山下泰裕も、柔道界のグローバル化の大波の前で、無念の涙を飲んだのかもしれません。
思えば、山下さん引退後の世界の柔道界は、「柔道」から「JUDO」への転換の時期でもありました。採点法の変更、カラー柔道着の導入等、日本柔道の代表として世界柔道連盟に抵抗する立場にあった山下さんにとって、不本意な決定も多かったかもしれません。

今回の夕学では、不敗のまま引退したスパースター山下泰裕ではなく、グローバリズムの荒波の中で世界と戦った国際人山下泰裕のお話を聞けたらと思います。

第23回 1/21(金) 田渕久美子さん 「力強くたおやかに生きる~篤姫とお江~」

1/21(金)に登壇されるのは、番組スタート直後の大河ドラマ「江 ~姫たちの戦国~」の脚本家・田渕久美子さんです。
宮崎あおいの好演、堺雅人の怪演が話題になった「篤姫」から、わずか二年で、早くも大河脚本に再登板です。これは画期的なことではないでしょうか。

「お江」は、信長の妹で、戦国の権力抗争に翻弄された悲劇の人「お市」の三女です。長女が淀君になります。
ということは、信長を叔父に、浅井長政を父に、柴田勝家を継父に、秀吉を義兄に、家康を義父に、秀忠(二代将軍)を夫に、家光(三代将軍)を息子に、それぞれ持つという、もの凄い血筋に生まれ育ち、生涯を送った女性なのです。

叔父(信長)が父の敵であり、義兄(秀吉)が母を死に追いやり、義父(家康)と夫(秀忠)が姉を滅ぼしたのでした。

お江自身も政略結婚の末に2度の別れ(離別・死別)を余儀なくされ、秀忠は3人目の夫でした。多くの親兄弟、契った人との別れの末、最後に秀忠と添い遂げることで、徳川260年の基盤を固める役割を担った不思議な女性でもあります。

演ずるのは上野樹里さん。あの「のだめ」が、どんな戦国女性を演じてくれるのか。不安でもあり、楽しみでもあり、興味津々です。
これまで、ドラマや映画の脇役でしかなかった女性にスポットをあてたのは、「篤姫」と同じですね。

時代に翻弄され、幾多の悲しみをくぐり抜けながらも、結果として次代の礎を築く役割を担った点も共通します。
田渕さん曰く「力強く、たおやかに生きた」女性達だったとのこと。

トークショー形式で、二人の人間像に迫ることができればと思います。

第22回 1/20(木) 小幡績さん 「新しい社会と新しい経済システム」

1/20(木)の講師は、KBS准教授の小幡績先生です。

東大経済学部首席卒業で大蔵省に入省、ハーバード大学院で博士号を取得して経済学者に転じた小幡先生。そのまま官僚の道を歩めば、将来は財務官や事務次官として、日本の財政・金融政策の中枢を担ったのかもしれな逸材です。

かと思えば、熱烈なるPerfumeファンを自認し、競馬をこよなく愛し、吉野屋に週5日は通い詰めるというファンキーな経済学者です。
スポーツ、特にフィギアスケートには一家言あるようで、トリノ五輪の女子フィギア決勝ラウンドでは、ほぼリアルタイムにブログを発表していました。その心理と戦略・戦術分析の鋭さは驚嘆でした。

ちなみに、小幡先生のブログ「小幡績PhDの行動ファイナンス投資日記」は、私のお気に入りブログのひとつです。
硬軟おり混ぜた話題を独自の視点でシャープに斬ってくれます。

さて本論、そんな小幡先生、最近新聞などでは、「新しい社会、新しい経済政治システムのあり方」に言及されることが多いようです。
「大きな政府」か「小さな政府」かといった既存の経済理論にあてはめた二元論を脱して、極めて特異な経済発展プロセスを経て成熟期を迎えるつある日本ならではの、新しい社会をつくり、新しい経済政治システムを構築し、新しい経済理論が生まれてくるべきではないかという巨視的な見解です。

KBSのライジングスターに、スケールの大きな問題提起をお願いできればと思います。

第21回 1/14(金) 酒井穣さん 「ビジネスパースンの成長を決める、ビジネスマインド」

1/14(金)に登壇するのは、フリービット戦略人事質ジェネラルマネジャーの酒井穣さんです。

商社マンを経て、オランダの精密機器メーカーに転職して同地でMBAを修得、以来10年近くを欧州で過ごしたという酒井さん。
日本に帰国して書いた本がベストセラーの『はじめての課長の教科書』でした。
優秀な経営トップが社員を駒として動かすことで戦略的な意思決定と迅速な行動を可能にする欧州の経営に対して、現場もわかり、トップの意向も忖度できるミドルの働きが鍵を握るのが、日本の経営です。
ところが欧米輸入の経営学テキストには、日本特有のミドルの機能やそこで求められる能力について記述されたものは皆無です。
その問題意識から生まれたのが、『はじめての課長の教科書』でした。

同じように、「マインド、スキル、ナレッジ」の三大要素が謳われるビジネスパースンの能力のうち、ビジネスセミナーなどの話題が、スキルとナレッジに偏っているのではないか、または過度に精神論的すぎる傾向にあるのではないかと問題意識から、設定されたのが、今回の講演テーマだそうです。

「精神論をロジカルに語る」
そんなユニークな切り口の講演になるものと期待をしています。

第20回 12/22(水)山崎将志さん 「正しい努力の方向性」

2010年の大トリ12/22(木)は、ベストセラー『残念な人の思考法』の著者で、コンサルタントの山崎将志さんです。

秀逸なネーミングもヒットの理由だとされる山崎さんの前掲書ですが、山崎さんの言う「残念な人」とは、いわゆる「困った人」「扱いかねる人」という意味ではありません。

一生懸命頑張っているのに、空回りする人、無駄が多い人、努力が報われない人の総称です。そう考えると、わたし達の誰もが「残念な人」になる危険性があります。
ムダ骨、遠回り、報われない努力、そういうことを一度もしたことがないという人がいたら会ってみたい位です。

かつては、効率的であった方法が、いつの間にか非効率になっていたり、意味のあるやり方だったものが、意味をなさなくなってしまうことは意外と多いものです。また、人間というのは、意識しないとその変化に気づかないものです。
つまり、わたし達は、残念なことに「残念な人」になりがちなのです。

重要なのは、その都度「考える」ということではないでしょうか。

思考のスペシャリストである山崎さんのお話を通して、自分を見つめる機会を作りたいと思います。

第19回 鎌田東二さん 「日本の聖なるもの、神なるもの」

12/16(木)は、京大こころの未来研究センター教授の鎌田東二先生が登壇します。

幼少期からしばしば「鬼」を見たという鎌田先生。10歳の時に出会った『古事記』の中に、自分がみた「鬼」の世界があることを確信して以来、こころの世界に関わる思索を深めていったといいます。
「神道ソングライター」を自称し、宗教・歴史・民俗・心理学の交差領域を自由に行き来するユニークな研究と実践を展開されています。

日本列島の宗教文化の大きな特徴は「習合性」にある。鎌田先生はそう指摘されます。
わたし達日本人は、あらゆる神、さまざまな仏、多様な思想を柔軟に取り込み、日本の風土と社会習慣に適合させてきました。
7月の夕学で、中西進先生が「進取の気性」と表現された日本人の豊かな感受性と相通ずるものがあるのでしょう。
鎌田先生には、「習合性」を支える日本人の思考原理を説き明かしていただけるものと期待しています。

第18回 12/9(木) 河合薫さん 「生きる力を高めるリーダー術」

12/9(木)には、健康社会学者の河合薫さんが登壇します。
ANAの国際線客室乗務員から気象予報士へ、更には東大大学院で保険学を学び、博士号を取得した河合先生。
キャリアだけを見れば、華麗なる転身、あらゆる夢を叶えた女性といったステレオタイプのイメージを持ってしまいがちですが、専門はストレスマネジメントです。
華やかな仕事ほどストレスも高いもの。誰もが羨むキャリアの裏面では、想像を絶する精神的重圧と戦う日々があり、それが研究の道を選ぶきっかけになったのかもしれません。

講演概要には、「人間にはストレスを成長の糧にできる力(=Sense of Coherence-SOC)がある」とあります。ストレスとは、避けるべきもの、解消すべきものと思いがちですが、一方で、人を成長させるエネルギーでもあるようです。
過剰なストレスを与えて、部下を潰す上司は時折散見されますが、古今東西のよきリーダーは、強烈なストレスを与えながらも人を育てる極意を身につけていました。
要は、ストレスは扱い方にあるのかもしれません。

多くの人に聴いて欲しい講演です。

大人の選句教室

正岡子規は、「近代俳句の革新者」と言われている。
限られた風流人がプロトコルに則って、知性と技術を競い合う「芸」として扱われてきた俳句を、誰もが自由な感性にまかせて思うままにうたうことができる「芸術」へと認識転換を促したことが、革新者たる所以だとされている。
つまり、俳句は、自分が「感じたまま」「見えたまま」を自由にうたうものなのだ。
話題になっている「俳句甲子園」も、感受性の鋭い高校生のみずみずしい感性がほとばしるからこそ、詠み人を夢中にさせ、聴衆に感動を呼ぶもののだろう。

さて、問題は大人である。リンボウ先生に言わせれば、とりわけ男性諸氏である。
どうやら女性陣は、年齢に関係なく、すぐに自由になれるのだという。

私も含めて、世の男性諸氏は、知らず知らずのうちに、裃や鎧を幾重にもまとっており、自分が「感じたまま」「見えたまま」を屈託なく表現することを大の苦手としている。何かといえば、知識、理屈、意味といった調味料をたっぷりと塗してしてしまい、「感じたままま」「見えたまま」が見えなくなる。
自戒を込めて言えば、調味料のつけ過ぎで味覚麻痺がおきているのかもしれない。
自己弁護をすれば、長年に渡って、如何にして調味料を探すか、つけるかという勝負を余儀なくされてきたのだから、いまさら「素」を味わえと言われてもなぁ、と避けて通りたくなる気持ちもなくはない。

しかし、どうやら世の中の風向きは変わってきたらしい。
なぜなら、心豊かに生きるためには、「素」を楽しむことが....。
危ない危ない、また調味料を使うところであった。
理屈はどうでもよい。格好悪くて何が悪い。
自分が「感じたまま」「見えたまま」を自由に表現する。そういう体験を味わうことに挑戦してみるのも一興ではないだろうか。

そこで企画したのが
夕学プレミアムagora 林望先生とワークショップ【大人の選句教室】である。

「どんな言葉がより鮮明に風景を伝えうるのか、どんな場面を切り取れば美しいと感じるのか、どんなリズムが琴線に触れるのか。
闇雲に自分の内面を探るのではなく、鏡に姿を映すように、あなたが選びとる句を通してあなた自身を発見する、大人のためのワークショップです。」

リンボウ先生は、そう誘っている。
俳句を作る前に、すこし敷居の低い「俳句を選ぶ」という行為からはじめるようだ。
対象となっている、夏目漱石、北原白秋、久保田万太郎、永井荷風は、近代を代表する文人・芸術家ではあるけれど、俳句の専門家ではない。いわば素人である。
リンボウ先生の配慮を感じる人選である。

大人の選句教室。
そのこころは、俳句そのものを楽しむことではない。俳句を通して、自分の感性・価値観を再確認する楽しみである。
感性のみずみずしさでは負けるけれど、高校生には見えないもの、聞こえない声、感じられない質感を理解できる感性を、われわれ大人は持っている。

夕学プレミアムagora 林望先生とワークショップ【大人の選句教室】

「論語」に興味があれば「大学」から

「論語」がブームだと言われている
アマゾンで「論語」をキーワードにして検索すると、なんと1339冊がヒットした。その中で、岩波文庫の『論語』(金谷治著)や渋沢栄一の『論語と算盤』といったロングセラーや、渡邊美樹氏(ワタミ社長)や斎藤孝(明治大教授)などのビッグネームの書いた論語本を抑えて、売れ行きNo1に座るのが田口佳史先生の『論語の一言』である。(2010年9/17現在)

何度かこのブログでもご紹介したが、昨年秋MCCで開催した田口先生の講義を書籍化したのが、この本である。
夕学プレミアムagora 田口佳史さんに問う【論語に学ぶ人間力】

今春は、田口先生に「老子・荘子」を講義していただき、こちらも書籍化が進んでいるが、第三弾の今秋は、『大学』を取り上げる。

夕学プレミアムagora 田口佳史さんに問う中国古典【大学の道】

「大学」と聞いてお分かりになる方は、教養人といってよい。論語や孔子、孟子の名前はほとんどの方がご存じだろうが、「大学」を知っている方は多くはいない。私も2年前までは知らなかった。
『論語』を含む「四書五経」と呼ばれるものが、儒家思想の基本教典である。かの有名な科挙の試験も、「四書五経」から出題された(四書全部と五経から一つを選択)。
『大学』は、四書のうちの入門編とされ、その後論語、中庸、孟子と進んでいくのが通常だったという。
入門編とはいえ、簡単というわけではなく、他の書に比して短いだけある。言わば、儒家思想のエッセンスを凝縮したモルトウィスキーのようなものだ。

田口先生によれば、『大学』の魅力は、その汎用性にあるとのこと。
いくつになっても、誰が読んでも深く学ぶことができる。
江戸期の人々は、町の寺子屋に入ったばかりの七歳の童も読めば、昌平坂学問所(幕府直轄の教学機関、その系譜は東京大学文学部へ連なる)に学ぶ当時の知的エリート集団の教材でもあった。その総長を務めた佐藤一斎(江戸期を代表する儒学者)も座右の書として繰り返し読んだと聞く。
現代でいえば、小学校一年生から東大総長までもが読む、恐るべき教典であった。

普遍の原理というのは、誰が、いつ読んでも、その人が直面する問題に応じた示唆や気づきを与えてくれる力強さがある。
『大学』は、その最たるものといえるだろう。
「論語」や「孔子・荘子」は、長文ゆえに、6回の講座では、その抜粋を学ぶことしかできなかったが、『大学』は、6回で一冊丸ごと学ぶことができる。

『論語の一言』がヒットしている所以も、田口先生の恐るべき汎用的対応力にあると思う。
大企業の社長にも、シリコンバレーのIT技術者(外国人)にも、教師を目指す若者にも、政治家にも、小学生にも、どんな人の、どんな質問・疑問に対しても、中国古典の教えを繙きながら、相手の状況に応じた言葉と文脈で語り説くことが出来る。
田口さん自身が、中国古典における『大学』的存在と言えるのかもしれない。

上質のシングルモルトをじっくりと味わうように、噛みしめながら中国古典を読み、考えてみたい方に、是非お奨めしたい。

夕学プレミアムagora 田口佳史さんに問う中国古典【大学の道】

第17回 12/7(火) 杉山愛さん 「世界で戦うということ」

12/7(火)には、プロテニスプレイヤーの杉山愛さんが登壇、シンクロ五輪メダリストで、メンタルトレーナーの田中・ウルヴェ・京さんとの対談です。

杉山愛さんは、17歳でプロに転向し、昨年引退されるまで、17年間トッププロの地位を守り続けました。グランドスラムでは、ダブルスで3度の優勝(全仏、全米、ウインブルドン)を果たす一方で、五輪出場4回、グランドスラムシングルス連続出場62回の世界記録を樹立するなど、鉄人プレイヤーとしてその名を轟かせました。

杉山さんが長きに渡って第一線で活躍しつづけられた理由のひとつとして、母芙沙子との「母子鷹」があげられます。
芙沙子さんは、茅ヶ崎でパーム・インターナショナル・テニス・アカデミーを主宰し、心理学の専門知識を活用したプロコーチとして、愛さんのサポートをしてきました。
欧米の女子テニス界では、これまでも十代で世界を極める天才少女が登場したことがありましたが、いずれも彗星のように現れ、消えていきました。技術面は、もって生まれた才能で凌駕できますが、メンタルな強さを継続的に維持するには、周囲のサポートも重要なのかもしれません。

対談相手の田中・ウルヴェ・京さんは今年の1月に夕学に登壇いただきました。
ソウル五輪で銅メダルを獲得し、栄冠に包まれて歩み始めたセカンドステージで遭遇したトランジッション体験をバネに、米国でカウンセリング心理学を修めて、いまではメンタルトレーナーとして大活躍しています。

スポーツ、栄冠、心理学という共通項を持つ二人が語り合う「世界での戦い方」は、メンタルスキルという目に見えない技術をどう身につけ、活用するのかがテーマになりそうです。

第16回 12/3(金) 竹中平蔵さん 「問題解決スキルとしての経済古典」

第16回12/3(金)はお待ちかね、慶應SFC教授の竹中平蔵先生の登場です。

今回は、4月から7月まで5回シリーズで開催し、大好評のうちに終了した夕学プレミアムagora「問題解決スキルとしての経済古典」の総集編になります。
この講座では、竹中先生にアダムスミス、ケインズ、シュンペーター等々経済古典をたっぷりと解説していただきました。卓越した説明能力を持つ竹中先生が、今の日本が直面する課題と関連づけながら解説する経済古典講義でした。

講義の概要は、このブログにもアップしましたのでご覧になってください(こちら

竹中先生によれば、ケインズもシュンペーターも、象牙の塔に籠もる理論家ではなく、いまここで起きている現実の問題をどう解決するのかを議論した実践家であったそうです。そして多くの論敵と激しい議論を戦わせる情熱の人でもあったそうです。
それは、数多くの批判を受けながらも、自身の道を貫いて、日本経済の構造改革に邁進した竹中先生の5年半の政治家時代を彷彿させてくれる逸話でもあります。

竹中先生が語る経済古典講義。これは必聴です。

第15回 12/2(木) 清水勝彦さん 「原点回帰の経営戦略」

第15回 12/2(木)に登壇いただくのは、慶應義塾大学経営管理研究科教授の清水勝彦先生です。

長らく米国のMBAで教鞭を取ってきた清水先生は、今春からKBSの教壇に立っています。
経営戦略の立案から実行、それに伴う意思決定や戦略評価システム、戦略を組織能力として取り込むための組織学習論までをカバーする「戦略と組織」の専門家です。

価格破壊競争に突き進み、社員も消費者も疲弊し尽くしている感のある多くの日本企業に対するアンチテーゼとして、「戦略の原点」は何かを語っていただければと思います。

第14回 11/26(金) 菊地成孔さん 「ポピュラーミュージックの歴史を、音楽理論で辿る」

第14回 11/26(金)の講師は、音楽家の菊地成孔さんです。

横須賀米軍基地のジャズマンとして音楽の道に入ったという菊地さんは、音楽を感性で理解し、伝えるという従来型の音楽家のイメージを大きく覆しました。

精神分析学から服飾文化史、音楽理論史など、膨大な知識を縦横無尽に駆使して、音楽理論、特にジャズ・ポピュラー理論の歴史を音楽史と照合する講義を続けています。
東大をはじめ、東京芸大、国立音大、慶應義塾の教壇に立ち、文化論・芸術論としてジャズやポピュラーミュージックの歴史を講義しているそうです。

「スポーツを鑑賞する観客のように、技術体系を知り、選手に移入し、試合をスロー再生して分析、批評する。ということを、大衆音楽の鑑賞者はいつ始めるのだろうか? ポップ・アナライズの可能性を可否双方から考察しながら、20世紀大衆消費文化の姿に迫る。」

という講演概要を寄せてくれています。
クラシックやオペラの好事家のように、感性だけでなく、知識で理解する音楽。そんな音楽鑑賞の近未来像を語っていただければと思います。

第13回 11/24(水) 佐藤優さん 「民主党の外交はなぜ国益を体現できていないのか」

第13回11/24(水)に登壇いただくのは、元外交官で作家の佐藤優さんです。

「ロシアの専門家」として、外務省でも比類なき存在であったという佐藤さん。その異能さゆえに、足下をすくわれたとも言われています。
現在は、国際外交のインテリジェンスを熟知した数少ない知識人として、旺盛な執筆活動を展開していらっしゃいます。

今回の演題は「民主党の外交はなぜ国益を体現できていないのか」です。
時あたかも代表選挙のまっただ中ではありますが、佐藤さんはきっと「管か、小沢か」という表層的な議論ではなく、民主党政権が取り組まねばならない外交問題の本質を、日本の政治・行政システムの機能不全と関連づけてお話しいただけると思います。

受付初日に早くも「満席」マークが灯った超人気講演ですが、まだあきらめないでください。通常、予約者の顔ぶれはかなり入れ替わります。空席が出た時にはtwitterでお知らせしますので、是非フォローをしていただければと思います。

「夕学twitter」
http://twitter.com/sekigaku

第12回 11/18(木) 甲野善紀さん 「身体から起こす革命」

第12回 11/18(木)の講師は、武術研究者の甲野善紀さんです。

日本古来の武術・武道の実践的研究者として、40年以上のキャリアを持つ甲野さん。「ナンバ走り」をはじめとしたスポーツトレーニングの応用や、介護、教育、人間工学などの他分野での活躍も増えていらっしゃいます。
内田樹氏をはじめとして、知識人・文化人にも、多くの信望者がいるようです。

武術・武道に伝承されてきた身体知には、近代科学の枠組みでは説明しきれない重要な知のあり方が隠されているのかもしれません。

座学方式だけでなく、受講者の代表に相手役として舞台に上がっていただいて、甲野さんの技の一端をご披露していただく予定です。

第11回 11/16(火) 多川俊英さん 「興福寺1300年 祈りとこころ」

第11回 11/16(火)のお話は、興福寺の多川俊英貫首です。

興福寺は今年で創建1300年を迎えたそうです。藤原氏の氏寺として生まれた興福寺が藤原不比等の手で現在の地に移転した年をもって、創建とするとか。
創建時の興福寺は、東大寺や薬師寺といった大寺院とともに、天平文化の中核拠点として偉容を誇ったといわれます。
それから1300年。興福寺の歴史は、戦乱による焼失と再建の歴史でもありました。

20年前に41歳の若さで貫首に就任した多川氏は「天平の文化空間の再構成」をテーマにして大規模な境内整備事業に着手しています。
昨年、観客動員60万人を越え、空前の仏像ブームを引き起こした「阿修羅展」の企画を推進したのも、その大計画の一環だそうです。

興福寺1300年の栄枯盛衰・紆余曲折の歩みを概観し、そこで何が祈られ、どんな教えが学ばれたのか。そして、受け継がれた天平の名宝の真善美とは何か。

多川貫首が、1300年の祈りとこころを語ります。

第10回 11/11(木) リシャール・コラスさん 「グローバルワールドにおける日本~鎖国か開国か~」

第10回 11/11(木)の講師は、シャネル日本法人代表のリシャール・コラスさんです。

フランス生まれのモロッコ育ち、大学卒業と同時に来日して35年、文字通りグローバルな環境で生きてきたコラスさん。欧州と日本の間にあって、日本の魅力と欠点の両方に精通した知日派です。

中国、インドを代表とする新しいプレイヤーの台頭で、世界の政治・経済・文化の力学変動が起きている時代に、ややスタートに出遅れた観のある両地域(欧州、日本)は、どのように立ち居振る舞っていけばよいかという点について、強い問題意識を持っています。
残念ながら、両者とも精神的には内向きで、ともすれば保護貿易主義に振れそうな恐れ、なきにしもあらず。
日欧の架け橋を自認する立場から、変化に立ち向かうパートナーとしての日欧関係について、持論をお聞きできればと思います。

第9回 11/9(火) 川口淳一郎さん 「はやぶさと日本の宇宙開発」

第9回 11/9(火)に登場いただくのは、JAXAの「はやぶさ」開発プロジェクトマネジャーの川口淳一郎先生です。

「はやぶさ」帰還のニュースは、日本の宇宙開発の底力をわたし達に示してくれました。丸の内のJAXAで開催された「はやぶさ」カプセル展示イベントには、連日多くの方が見学に訪れたと聞いています。

川口先生は、1955年生まれ、少年時代に見たアポロの月探査やバイキングの火星探査の偉業に感銘を受けて、宇宙工学研究の道を志したそうです。
「はやぶさ」開発ではプロジェクトマネジャーとして活躍をされました。
聞くところによれば、「はやぶさ」は7年間のプロジェクト期間の間に、絶体絶命の危機に何度も遭遇したとか。
ミッション成功の陰に隠されたご苦労と、今後の宇宙開発の展望を聞きたいと思います。


ドラッカー「再発見」の旅

慶應商学部の菊澤研宗先生が、ブログでドラッカーについて再三言及されている。
菊澤研宗のブログ ダブルKのブログ

実は、秋の夕学プレミアムagoraで、菊澤先生にドラッカーを講義してもらう。
菊澤研宗教授による【ドラッカー再発見】

ドイツ経営学の出身で、経営哲学学会の会長も務める菊澤先生が、なぜ「マネジメントの発明者」ドラッカーなのか、しかも「再発見」と銘打っている。
そこがこの講座の“キモ”である。

昨今のドラッカーブームは、凄まじいものがある。
「もしドラ」は100万部以上を売り上げたというし、ビジネス街の大書店には、ドラッカーコーナーが設置され、ずらりと著作が並んでいる。その中には、「なんちゃってドラッカー」とでも言うべき怪しげな本も混じっている。
茂木ブーム、勝間ブーム、池上ブームと続いた一連の「一本かぶり」現象が、ドラッカーブーム行きついた感がある。
ドラッカーがこの世を去って5年。いまが「神様」化の旬の季節なのかもしれない。

ブームの意図をあえて要約すれば次のようになるだろう。
「混迷の時期にこそ、マネジメントの発明者ドラッカーが説く原理原則を再確認しよう」
というものだ。
アマゾンでドラッカー本(本人著以外も含む)の売れ行きランキングをみると、
1位:「もしドラ」、2位:「マネジメント 基本と原則」、3位「ドラッカー365の金言」
という順番になっていた。さもありなんという印象である。

この講座は、上記のようなイメージに彩られたドラッカー像の「再発見」を企図するものである。
経営の原理原則を説くコンサルタントとしてのドラッカーではなく、経済社会のあり方と個の自律を謳い上げた思想家・哲学家としてドラッカーを読み解いていく。

ドラッカー29歳の処女作『経済人の終わり』(1939年)は、ヒットラー全盛期のドイツで暮らしていた若き日のドラッカーが抱いた、ファシズムへの強烈な危機感から生まれた。
「絶望した大衆が選び取った“魔法の杖”、不可能を可能にしてくれる劇薬、それがファシズムであり、その行く先には蜃気楼しかない」
ドラッカーは強い口調で、全体主義を攻撃しつつ、絶望した大衆に提示するべき「代替思想」を必死になって模索した。

彼が、何冊かの著作を通して創出した代替思想が、自由な経済社会であり、その主役としての企業であり、企業の論理と個の自律を統合するツールとしてのマネジメントであった。

「ドラッカーを読んだら、企業の社会的責任ついて書いてあって、ちょっとビックリ」という感想をよく聞くし、私もそう思ったが、よく調べてみると当たり前である。
彼は、よりよい社会はどうあるべきかを考え抜いた末に、その主役が企業経営であるべきだという結論に行き着いた。
ドラッカーの考えるマネジメントとは、経営のノウハウではなく、組織を通して社会をより良くするためのノウハウなのだ。企業に社会的責任があることは自明の理であろう。

ドラッカーブームの多くは、ドラッカーが辿り着いた結論だけを見ている。
この講座では、むしろ結論に行く着くまでの思想の変遷と熟成に目を向ける。
その思索の旅のガイドには、カント、ウェーバー、ポパーに精通し、哲学・経済学・経営学が交差する関連領域を専門とする菊澤先生が最適任に違いない。

ちなみに、この講座で取り上げるドラッカーの著作は次の三作である。
『経済人の終わり』 『産業人の未来』 『現代の経営』
先述の売上ランキングは、それぞれ52位、64位、12位となっている。
『現代の経営』は別としても、その他の二作品を読んだことがある読者は、ドラッカーファンの中でも少ないのではないだろうか。

ドラッカーは読んだことがないけれど、資本主義とは何か、自由とは何かを青臭く考え直してみたい人。
ドラッカーは大好きだけれど、昨今のブームには違和感を感じるという人。
もちろん「もしドラ」で、はじめてドラッカーを知ったという人も(上記をご承知という前提で)。

ドラッカー再発見の旅にご一緒しましょう!!

第8回 11/1(月) 金井真介さん 「社会を変えていくプラットフォーム ダイアログ・イン・ザ・ダーク」

第8回 11/1(月)の講師は、ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン代表の金井真介さんです。

「暗闇体験」という新しい体感型エンタテイメント&教育「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を日本に紹介した金井真介さん。いま注目のソーシャルアントレプレナーです。

「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」をご存じない方は、まずこちらのサイトをご覧になってください。DIALOG IN THE DARK http://www.dialoginthedark.com/

そして、出来れば神宮前に行って、一度体験をされることをお奨めします。
私も、7月に体験してきました。言葉で説明し難い、なんとも言えぬ感動的な体験でした。案内をしてくれる「アテンド(視覚障害者)」の方の、的確な導きに感心をしました。

老荘思想(中国古典)の真髄は、「見えないものを見ること」にあると言いますが、何も見えないからこそ、研ぎ澄まされる感覚機能があることを身をもって確認できたという気がします。

ドイツで生まれた「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」にいち早く着目し、使命感をもって日本で普及に尽力する金井さんから、もうひとつのコミュニケーション論をお聞きしたいと思います。

第7回 10/25(月) 松尾睦さん 「経験から学ぶ力」

第7回 10/25(月)は、神戸大大学院教授の松尾睦先生です。
マーケティングと組織論の境界領域を、「学習」という切り口で研究しているという松尾先生。
凄腕営業マンは、どうやって成長していくのかという「営業熟達化」研究や、人は仕事現場での経験からどのように学んでいくのかといった「経験学習」研究など、質の高い実証研究を重ねていらっしゃいます。
企業の人材育成担当者、営業教育の企画立案者には、是非とも聞いてほしい講演です。

MCCでは、東大の中原淳先生が担当する「ラーニングイノベーション論」のゲスト講師としても登壇いただいており、私もよく存じ上げていますが、温厚かつシャープな先生です。

営業や職場での経験学習は、我々実務家からすると、きわめて身近な問題なのですが、実は日本では専門に研究している人が少ない分野です。松尾先生は、若くしてすでに、この領域の権威といってよいのではないでしょうか。

「研修なんて、いくらやっても無駄、実践教育が一番だよ」と断言する方は多くいらっしゃいますが、それでは、実践の場で、人はどのように育っていくのか? 仕事で育つ人間、育てる職場・上司とそうでない人間、職場・上司との違いな何なのか?といった問いにピッっと答えていただける例は多くはありません。

「人は仕事で磨かれる」というのが丹羽宇一郎さんの名言ですが、そこには必ずメカニズムがあるはずです。仕事で育つ人間には、仕事経験を通じて学ぶ力を備えているに違いありません。

松尾先生の豊富な実証研究事例を題材に皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

大久保恒夫さん 「小売業経営のプロに聞く」 10/21(木)

第6回 10/21(木)の講師は、株式会社成城石井代表相談役の大久保恒夫さんです。

大久保さんは、日本で数少ない小売業経営のプロだと言われています。
イトーヨカドーで小売業を学び、独立後は、ユニクロや良品計画の経営改革、再建に力を発揮してきました。
2007年には、苦境に陥った高級スーパー成城石井の社長に就任し、見事経営再建を果たされ、9/1付で相談役になっていらっしゃいます。

カルフールやウォルマートなど世界の巨人も苦戦を続けている日本での小売業ビジネス。世界で最も厳しい評価眼をもった日本の消費者の支持を得て、勝ち残るのは容易なことではないようです。
GMSからファッション、ドラック、食品まで幅広い業種で小売業の経営に携わってきた大久保さんに、脱デフレの戦略を伺います。

上田泰己さん 「体内時計が示すもの」 10/20(水) 

第5回 10/20(水)に登壇していただくのは、理化学研究所の上田泰己先生です。
上田先生は、システム生物学、機能ゲノミクスを専門にする弱冠34歳の新進気鋭の生物学者です。
東大医学部時代から、その才能は周囲の注目を集め、将来を嘱望されるライジングスターだそうです。バイオサイエンスの世界では日本が世界の先頭グループを走っていると聞きますから、将来のノーベル賞も夢ではないかもしれません。

上田先生が研究しているのは、脳の中心部で刻まれるという「体内時計」です。その狂いは病気の原因になるとされ、その解明は新薬や治療法の開発に繋がると期待されているそうです。
世界で初めて体内時計のずれを簡単に測定する方法を開発し、更なる研究を進めている上田先生に、生命科学の最前線をお聞きします。