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7/20(火)小倉紀蔵さん 「日中韓はひとつになれるか」

第21回 7/20(火)の講師は、京都大学大学院教授の小倉紀蔵先生です。

東大でドイツ文学を学び、5年間の電通マン生活を経て、ソウル大で東洋哲学の修士、博士を修めたという小倉先生。そのキャリアだけ見ても、実に興味関心をそそられる方ですね。
専門は、韓国思想・文化で、NHKテレビのハングル語講座の講師も務めたことがあるそうです。

鳩山政権の誕生によって、「東アジア共同体」構想の具体的取り組みが進むかという期待もありましたが、内政問題と普天間基地移設対応で、それどころではないという情勢です。
欧米中心の国際秩序に楔を打つべく、文化や生活習慣を共有する日中韓の三国を中心に、「ひとつのアジア」を志向する大きな世界観を描けないかという大構想にはロマンを感じます。
しかし、日中韓の文明・文化史を専門に研究している小倉先生の立場からすると、あまりに歴史的文脈からかけ離れた考え方に映るようです。

曰く、「日中韓はひとつになれない

思えば、日中韓には2000年を越える長い関係史があります。そして、つい150年前まで、その関係構造は、長らく不変でした。
対立、服従、協調、庇護等々、その時々によって風向きは変わりましたが、一貫して変わらなかったのは、中国が圧倒的な存在で、朝鮮が寄り添い、日本は少し離れた位置で適度にあしらわれている。そんな関係構造です。その構造の中で一定の秩序が構成されていたのではないでしょうか。

それが大きく変容したのがこの150年です。
辺境の「みそっかす」であったはずの日本が、他の二国を引っ掻き回してしまった構造です。変化が大きかった分、三国間の摩擦は大きく、感情的な行き違いは、いまも強く残っています。

「東アジア共同体」構想を、この150年の反省論理だけで考えることはできない、むしろその前の2000年の関係史をベースにして捉え直さなければいけない。
小倉先生は、そこから論を繙かれるものと思います。
日中韓の文化・文明論的考察。背筋を伸ばして聞いてみたい講演です。

この講演にご関心をお持ちの方は、下記の講演もお奨めです。
 ・4/22(木)莫 邦富 「中国から見た日本、日本から見た中国」
 ・4/27(火)平田 オリザ 「対話の時代に向けて」
 ・5/19(水)伊丹 敬之 「イノベーションを興す」

7/13(火)柳家喬太郎さん 『「落語」の話』

第20回 7/13(火)の講師は、落語家の柳家喬太郎さんです。
喬太郎師匠は、いまチケットが最も取りにくいと言われている方です。古典から新作落語まで見事に演じる稀有な落語家であり、CDやDVDも多数発売されています。

近年、大名跡の襲名がつづいたこともあり、空前の落語ブームが起きているそうですが、喬太郎師匠は、まさに、その主役のお一人といってよいのかも知れません。
寄席はもちろんのこと、実験的なイベントやテレビ・ラジオまで幅広く活動領域を持っていらっしゃるようです。

「私は噺家なので講演はやりませんが、「落語」一席と、落語にまつわるお話でよろしければ、お引き受けしましょう」

ということで、いつもの夕学とは異なった趣向で行うことになりました。
本物の寄席のようにはいきませんが、高座風のしつらえに座布団を用意し、お囃子付でお迎えする予定です。

柳家喬太郎師匠、夏の一席!  皆さん乞うご期待!!


この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
 ・4/28(水)伊東 乾 「音楽の効用、笑いの効用
              ~脳認知の基礎研究から業務マネジメントまで~」
 ・6/1(火)坂本 光司 「日本でいちばん大切にしたい会社」
 ・6/10(木)中西 進 「やまとごころを問う」

7/8(木)若田部昌澄さん 「危機の経済学」

第19回 7/8(木)の講師は、早稲田大学政治経済学術院教授で、経済学者の若田部昌澄先生です。

4月からMCCのagoraで、『竹中平蔵教授が講義する【問題解決スキルとしての経済古典】』という講座を開催します。
この講座の紹介文の中で、竹中先生は次のようにおっしゃっています。

経済学は本来、「社会の問題を解決するスキル」として、まさに「実学」として発展してきた。

近代経済学が生まれて250年余り。人類は何度も経済的、社会的な危機状態に遭遇してきました。その危機を脱出し、再び同じ問題を起こさないようにするための「問題解決スキル」として発展してきたのが経済学だ、ということです。

若田部先生は、経済学史を専門にされ、まさに危機状態に対して、経済学はどのように生まれ、発展し、貢献してきたのかを研究しています。
世界大恐慌をはじめ、日本が遭遇した70年代のインフレや、90年代の長期低迷など、危機状況に対して、どのような経済政策が取られ、どのような知見が蓄積されたのか。ひいてはどのようにして経済学が生まれていったのかを歴史的に解明することを専門にされています。

若田部先生によれば、「いま、経済学に対しては非難・批判・疑問の声が上がっている」とのことです。米国発の金融危機に端を発する今回の経済危機に対して、経済学があまりに無力ではなかったかという現実を反映した声なのでしょう。

若田部先生は、「経済学は役に立たない」という短絡的な指摘を排し、危機状態には、どのような経済運営がさなれるべきかを、現在の経済学を理解することを通して解説したいとのことです。
演題は、「危機の経済学」
興味深い講演になりそうです。


この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
 ・4/12(月)内田 和成 「異業種競争戦略
                ~事業連鎖で読み解く新しいタイプの競争-昨日の友は今日の敵-~」
 ・6/1(火)坂本 光司 「日本でいちばん大切にしたい会社」
 ・7/29(木)佐藤 賢一 「『フランス革命』に何が学べるか」

6/30(水)宮田亮平さん「ときめきを伝えるとき~自作を通して~」

第18回 6/30(水)の講師は、東京芸大学長の宮田亮平先生です。

新潟は佐渡の「蝋型鋳金」という伝統工芸の鋳型作家三代目として生まれた宮田先生。東京駅の待ち合わせスポットとしてあまりに有名な「銀の鈴」(現在は4代目だそうです)の制作者でもあります。
5年前からは、東京芸大の学長として、映画学科の教授として北野武氏を招くなど、大学改革のリーダーとしても活躍をしていらっしゃいます。

芸術の嚆矢は、ラスコーやアルタミラの洞窟に描かれた壁画だと言われていますが、いずれも光の入らない暗闇の中に描かれており、他者に鑑賞してもらうことを意図したものではなく、「神との交信」として営まれた精神活動だったと言われています。

神と繋がりたいという願いは、忠実な写実ではなく、自分のこころに映る感性や想念を自由に描くことで表出されました。自分が感じること、ときめくものを目に見える形に変換する表現活動が芸術の始まりだったのかもしれません。
恐らく、そこには論理などなく、何か大きな力に導かれるようにして筆が動く、トランス状態が発生したに違いありません。

さて、翻って現代、過剰とも言える意味追究社会への不適合が、こころの病として現出していると指摘する社会学者もいます。
何事にも、論理や意味、言語化・数値化できる価値が求められる時代にあって、芸術とはいったい何なのか。
宮田先生に、自作の紹介を通して語っていただけることを期待しています。


この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
 ・4/27(火)平田 オリザ 「対話の時代に向けて」
 ・7/13(火)柳家 喬太郎 「「落語」の噺」
 ・7/23(金)種田 陽平 「映画の中で生きる芸術」

6/29(火)遠山正道さん「世の中の体温をあげる」

第17回 6/29(火)の講師は、(株)スマイルズ代表取締役社長の遠山正道社長です。
スマイルズといってもすぐに思い浮かばない方も、「Soup Stock Tokyo」の開発・運営をする会社と言えばお分かりでしょう。
丸の内には、三菱商事の本社があるので、「Soup Stock Tokyo」の牙城のようなところでもあり、いたるところに黒字に白抜きのロゴマークを見ることができます。

1990年代から、多くの大企業で社内ベンチャー、企業内ベンチャーが試行されました。
硬直化した大組織ではやりにくいニッチビジネスの開拓や、筋はいいけれども、どうなるかわからない新技術の適用可能性を探索することを目的としたものでした。
早いうちから経営者としての経験を積むことで次世代の経営幹部を育成するという裏の目的もあったように思います。
残念ながら、ほとんど上手くいったという事例を聞かない社内ベンチャーで、稀有な成功例とされるのが、三菱商事の社内ベンチャーとして、遠山さんが起ち上げた「Soup Stock Tokyo」です。
今では、都内を中心に50以上の店舗網を持ち、冷凍スープの通販事業も行っています。遠山さんは、MBOをして独立し、ネクタイ専門店やリサイクルビジネスなど、遠山さんの感性を活かした新規事業も積極的に展開しています。
コンランショップのパッケージデザインやイデーの家具デザインなどを手がけ、ニューヨークや青山などで個展も開くなど、普通の起業家とはちょっと異なるアーティスティックなこだわりも感じる方ですね。
「Soup Stock Tokyo」成功の理由もそのあたりにありそうです。

スマイルズという社名には、ビジネスを通じて人を明るくしたい、元気にしたい、笑顔にしたいという遠山さんのスピリットが込められています。

「世の中の体温をあげる」

そう宣言する遠山さんのビジネス論、経営論をお聞きします。


この講演に関心をお寄せの方は、下記の講演もお奨めです。
 ・4/27(火)平田 オリザ 「対話の時代に向けて」
 ・5/18(火)佐々木 常夫 「仕事も家族もあきらめない」
 ・6/16(水)小池 龍之介 「自己洗脳の罠の外しかた」

6/21(月)野口吉昭さん 「コンサルタントの仕事術」

第16回 6/21(月)の講師は、HRインスティチュートを設立代表取締役でコンサルタントの野口吉昭さんです。
野口さんは1993年にコンサルタントとして独立し、同社を設立、いまでは10人以上のコンサルタントを擁するまでの組織に育て上げました。

慶應MCCで『コンサルタント養成講座』の主任講師を務めている伊藤良二さん(元ベイン日本代表)は、コンサルタントに必要な才能をひとつだけあげるとすればという問い掛けに対して、次のように答えました。

「頭がおかしくなるまで考え抜くことができること」

クライアントの大小を問わず、企業参謀として、当該企業の経営課題の抽出やソリューション提案をする時に、必要になるのは、考えて、考えて、考え抜くという泥臭い行為を、徹底的にやり抜くことだそうです。

そんなコンサルタント生活を20年近く経験してきた野口さんは、近年「コンサルタントの仕事術」シリーズという著書を著し、いずれもベストセラーになりました。
勉強法にせよ、思考法にせよ、コミュニケーション法にせよ、考えて、考えて、考え抜いた末に紡ぎ出されたメソッドには、普遍的な真理が表出されているのかもしれません。

いわば、仕事のプロとしてのノウハウ&ドゥハウをお話いただきます。

この講演にご関心をお持ちの方は、下記の講演もお奨めです。
 ・4/20(火)村上 憲郎 「世界で戦う仕事術」
 ・5/6(木)松尾 貴史 「オカルト懐疑派の論理」
 ・6/29(火)遠山 正道 「世の中の体温をあげる」

6/18(金) 清水浩さん 「未来のクルマから現実のクルマへ」

第15回 6/18(金)の講師は、慶應義塾大学教授の清水浩先生です。
清水先生は、電気自動車ひと筋に、30年近くも研究・開発に取り組んで来ました。

思えば、電気自動車なるものが、われわれ一般人レベルにも知るところとなってから数十年が経ちます。にもかかわらず実用化の壁は厚いものがありました。
「いつまで経っても“未来のクルマ”」
それが長年の電気自動車イメージでした。
それが2000年以降、環境問題、エネルギー問題、近年では自動車メーカの生き残り戦略という追い風を受けて、一気に実用段階に突入してきました。

清水先生が、“未来のクルマ”として開発した「Eliica」は、ベンツ並みの車体に八輪タイヤという独特の形状で、時速400キロ近い高速走行を可能にしたことで大いに話題になりました。モーターをタイヤに組み込むという高度な開発技術もありました。

清水先生の研究は、“未来のクルマ”開発から、電気自動車の大量普及を想定した事業展開へと発展しています。
昨年には、ベネッセの福武会長やガリバーの羽鳥会長等の出資を得て、普及型の電気自動車の開発と展開を目指す、産学ベンチャー「SIM-Drive」を起ち上げ、社長に就任。
“現実のクルマ”としての電気自動車の研究・開発・事業展開に取り組み始めました。

電気自動車普及の鍵を握るリチウムイオン電池の開発競争も熾烈を極める中、電気自動車に人生を賭けてきた清水先生が語る「電気自動車のいまとこれから」です。


この講演にご関心をお持ちの方は、下記の講演もお奨めです。

 ・4/12(月)内田 和成 「異業種競争戦略~事業連鎖で読み解く新しいタイプの競争
                -昨日の友は今日の敵-~」
 ・5/12(水)三谷 宏治 「発想の考動力~座って悩むな、ハカって考えよ~」
 ・7/30(金)中村 桂子 「生命を基本に現代文明を見直す」

第14回 6/16(水)小池龍之介さん 「自己洗脳の罠の外しかた」

6/16(水)の講師は月読寺住職、正現寺副住職の小池龍之介さんです。
山口の浄土真宗 正現寺に生まれ、東大では西洋哲学を専攻したという小池さん。既成仏教の枠にとらわれずに、本来の仏教が志向していた、この世を楽に生きる方法をわかりやすく伝えようと尽力されている若き住職です。
お寺とカフェの機能を兼ね備えた「iede cafe」を展開。それ以後、「月読寺」(東京・世田谷)に住まいながら、自身の修行と、一般向けに坐禅指導をしていらっしゃいます。

「生きる意味の不況に陥っている」
と現代社会を喝破したのは東大の上田紀行先生でした。
「悩める人に寄り添うことが、本来の仏教の役割である
ともおっしゃいました。

「仏教とは、苦悩に耐える力をもたらすものである」
そう語ったのは、南直哉師でした。

「寄り添う」「耐える力をもたらす」「楽に生きる方法を伝える」
表現は少しずつ異なるものの、おっしゃる主旨が共通していることはよくわかります。
解決することが出来ない問題に対して、私達がどう向かい、生きていくべきかを教え導くもの。それが仏教の本質でしょう。

小池さんが取り組んでいる「iede cafe」は、かつてのお寺がそうであったように、悩める若者がが気軽に訪れたり、逃げ込んだりすることができる敷居の低い場を作ろうという思いを込めたものだそうです。

「この世の善と悪をどう識別するのか」
「お金への執着をどう捨て去るのか」
「自分の価値観からどう脱却するのか」

小池さんが書いている最近の著書のテーマは、現代の真面目な若者達が直面し、内面に抱え込んでいる「けっして解決することが出来ない問題」の典型ではないでしょうか。

弱冠31歳の若い仏教者が説く仏道のレッスン。どこで開催してもすぐに満席になるという小池さんのお話には、興味津々です。

6/10(木) 中西進さん 「やまとごころを問う」

第13回 6/10(木)の講師は、奈良万葉文化館館長の中西進先生です。
「万葉集」の研究と普及に取り組んできた中西先生。80歳を越えた今も、朝日新聞に「万葉こども塾」という連載を持っています。
子ども向けに万葉集を分かり易く解説するという企画ですが、なかなかどうして、むしろ大人にお奨めしたいコーナーです。私も必ず目を通しています。

ちなみ本日(3/19)の連載では、春をテーマにした歌が紹介されています。

うちのぼる 佐保の川原(かわら)の 青柳は 今は春べと なりにけるかも
                               (大伴坂上郎女)

雪解け水が流れ、まだ肌寒い川辺にあって、凜とした存在感とともに春を告げるネコヤナギの情景を思い浮かべることが出来る子どもが、いったいどれ位いるのか。ちょっと不安になりますが、信州の田舎で育った私には、春を実感できる歌だと思いました。

さて、今回の演題は「やまとごころを問う」でお願いしました。

しきしまのやまと心を人とはば、朝日ににほふやまざくらばな
                           (本居宣長)
万葉集ではありませんが、あまりに有名なこの歌をモチーフにしてお願いをしたものです。

中西先生は講演主旨について、次のように書いています。

つきつめたところ、日本人の心には3つの特徴がある。
(1)バランス感覚 (2)センスのよさ (3)進取の気性
また、アジア文化の中における日本の文化力は感傷力だといえる。
これは、インドの想像力、中国の論理力に対応するものであり、アジア文化の完成だといえる。

アジア文化の中で日本の位相を明らかにすることで、日本らしさが浮かび上がってくるということでしょうか。
日本とは何か、日本文化とは何かを考えたい人には、是非聴いていただきたい講演です。

この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
 ・4/22(木)莫 邦富 「中国から見た日本、日本から見た中国」
 ・6/1(火)坂本 光司 「日本でいちばん大切にしたい会社」
 ・7/13(火)柳家 喬太郎 「「落語」の噺」

6/1(火)坂本光司さん 「日本でいちばん大切にしたい会社」

第12回 6/1(火)の講師は、法政大学大学院教授の坂本光司先生です。

いま、書店のビジネス書コーナーで、ド~ンと平積みされている本が、坂本先生の『日本でいちばん大切にしたい会社』二部作です。

地方の疲弊、空洞化が叫ばれて久しくなりますが、丹念に地方を見て回ると、数は多くないものの、卓越した技術や組織能力を武器に高業績を続けている企業があります。
坂本先生によれば、そういった優良企業には共通点があるそうです。
独自の経営理念を持っている。
短期の営利を追求しない。
企業を公器と考えている。
地域社会の中で果たすべき役割を認識している.
といったことです。

それらは、グローバル競争を志向している大企業が忘れてきた「日本的な経営」の美点ともいうべき特徴でした。
そういった企業を「日本でいちばん大切にしたい会社」と命名した所以がここにあります。
地域開発・中小企業を研究テーマにして、長年地方経済の現場を歩いてきた坂本先生ならではの慧眼と言えるでしょう。

企業の社会的責任やガバナンスについて盛んに議論が交わされていますが、私たちの周りには、正しい企業経営を行っている企業が数多く存在しているそうです。
その事例を紹介していただきながら「会社は何のために、また誰のためにあるのか…」について考える時間になればと思います。


この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
 ・5/18(火)佐々木 常夫 「仕事も家族もあきらめない」
 ・5/19(水)伊丹 敬之 「イノベーションを興す」
 ・6/10(木)中西 進 「やまとごころを問う」

5/25(火) 上野千鶴子さん 「男おひとりさまの生きる道」

第11回 5/25(火)の講師は、東大大学院教授の上野千鶴子先生です。
日本における女性学、ジェンダー研究のパイオニア・第一人者として、論壇で知られた上野先生。
かつては、パネルディスカッションの壇上で上野先生から舌鋒鋭く攻め込まれ、逆上あるいはシドロモドロ状態に追い込まれた男性研究者も少なくなかったと聞いております。
私の書棚には『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』なんていう本もあります。かつては戦闘的なイメージの方でありました。

三年ほど前に、久しぶりの書き下ろしとして発表されたのが『おひとりさまの老後』という本でした。

結婚していようがいまいが、世界一長生きの日本女性は、最後は「おひとりさま」になる(確率が高い)。そこで、元気なうちに、セーフティネットを準備し、予備知識を得ておこう!

という狙いで書かれたこの本は、発売一年少々で80万部を記録する大ベストセラーになったそうです。
「どうせ最後はひとりになるのだから、楽しく安心して暮らせるように、今から準備しときましょうよ」という上野先生のメッセージでした。女性の生命力を感じさせる文章です。

続編として出されたのが、今回の講演テーマでもある『男おひとりさま道』です。こちらも売れ行き好調と聞いております。

離婚・死別・非婚...理由はどうあれシングルシニアが増えていることは事実のようです。男の場合、女性の「おひとりさま」が直面する問題に加えて、「孤独」というやっかいな問題を抱えることになるとのこと。どうやら男の「おひとりさま」の方が道は厳しいようです。
だからこそ、女性を見習って、男も「おひとりさま」に向けた準備を元気なうちから考える。
そんな機会になればと思います。

この講演にご関心をお持ちの方は、下記の講演もお奨めです。
 ・4/12(月)内田 和成 「異業種競争戦略~事業連鎖で読み解く新しいタイプの競争
                -昨日の友は今日の敵-~」
 ・4/20(火)村上 憲郎 「世界で戦う仕事術」
 ・5/18(火)佐々木 常夫 「仕事も家族もあきらめない」

5/19(水) 伊丹敬之さん 「イノベーションを興す」

第10回 5/19(水)の講師は、東京理科大学 専門職大学院 総合科学技術経営研究科長・教授の伊丹敬之先生です。
伊丹先生は、夕学4度目の登壇です。私は、二年から三年経つと、伊丹先生の話が聞きたくなります。しかも、毎回直近の著書や研究テーマをモチーフにした新しいお話をしていただけるのが伊丹先生のすごいところです。

今回は2年前に東京理科大に移籍されてから取り組んでこられた「イノベーション」に関わるお話になります。
伊丹先生の魅力のひとつに「言葉にこだわる」ことがあります。(詳細はこちら
耳障りのよい経営学用語を使うことで、私達実務家が、「わかったつもりになる」「説明したつもりになる」ことを排し、自社の問題、自分自身の問題として状況に関わり、自分の頭で考え、自分の言葉で語ること、しかも説得力を持ったロジックとして持論を構築することを教戒しているように思えます。

イノベーションにおいても、
「筋のいい技術を育てる」「市場への出口を作る」「社会を動かす」という言葉を使っています。
そこには、イノベーションを興す「主体者」たらんとする人々に向けた力強いメッセージを感じます。
今回の講演でも、技術開発論ではなく、人間力学としてイノベーションを語っていただけるとのこと。 たいへん楽しみです。


この講演にご関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
・6/1(火)坂本 光司 「日本でいちばん大切にしたい会社」
・7/20(火)小倉 紀蔵 「日中韓はひとつになれるか・・・文化・文明論的観点から」
・7/27(火)松本 健一 「日本の青春時代とは、何か~『坂の上の雲』にふれて~」

5/18(火)佐々木常夫さん 「仕事も家族もあきらめない」

第9回 5/18(火)の講師は、東レ経営研究所代表取締役の佐々木常夫さんです。

自閉症の長男に続き年子の次男、年子の長女が誕生。 しばしば問題を起こす自閉症の長男の世話、加えて肝臓病を患った妻がうつ病にも罹り20年の間に43回もの入院、3回の自殺未遂を起こす。 まだ子供が小さいときは、朝5時半に起き3人の子供の朝食と弁当を作り、夕方は会社を6時に出なくてはならない日々を過ごす。 育児、家事、介護に追いかけられる状況の中でも仕事への情熱を捨てず、大阪、東京と6度の転勤をしながら破綻会社の再建やさまざまな事業改革に全力で取り組み、同期のトップで取締役就任する。

これが、プロフィールに紹介されている佐々木さんのビジネスマン人生です。
「もし、あなたが同じ境遇であったとしたら、佐々木さんのように頑張れますか?」
と聞かれて、即答できる人が何人いるでしょうか。
「ワークライフバランス」という美しい言葉を使うことを躊躇してしまうほど、凄まじい人生です。

精神も、肉体も、ギリギリまでストレッチして生きてきた佐々木さんが語る「仕事・家族・人生」。
 自らの非力を嘆く前に、小さな不幸を愚痴る前に、他者の環境を羨む前に、背筋をピンと伸ばして聞きたい講演です。


この講演に関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
・5/25(火)上野 千鶴子 「男おひとりさまの生きる道」
・6/1(火)坂本 光司 「日本でいちばん大切にしたい会社」
・6/16(水)小池 龍之介 「自己洗脳の罠の外しかた」

5/14(金) 小林弘人さん

第8回 5/14(金)の講師は、インフォバーン代表取締役CEOの小林弘人さんです。

小林さんは、インターネット登場以前からコンテンツ製作に携わり、雑誌「ワイアード日本版」「サイゾー」を創刊、眞鍋かをり等,有名人ブログをプロデュースしてきたITメディア界の影の仕掛け人と言われています。
昨年著した『新世紀メディア論─新聞・雑誌が死ぬ前に』、解説・監修を手がけた『FREE(フリー)』は、いずれも業界人を中心に、たいへんな話題になりました。

ウィンドウズの登場以降、IT革命の衝撃は、私達の生活・ビジネス・働き方を大きく変えてきましたが、この3年~4年で、最も大きく変わるかもしれない(きっと変わるに違いない)と言われているのが、新聞・雑誌・書籍といった紙メディアの世界だと言われています。
新聞広告の出稿金額は大幅減が続き、昨年ついにインターネットに抜かれました。新聞の購読者数、書籍の販売数も長期低落傾向に歯止めがかからず、かつて花形とされた出版・新聞業界は、構造不況業種になったという声も聞きます。
そんな中に、アマゾンのキンドルやアップルのiPadといった電子書籍リーダーが米国で発売され、紙メディアの終焉が取り沙汰されています。
もちろん紙メディアが、全てネットに置き換わることはないでしょうが、グーテンベルクの活版印刷技術の登場以降500年に渡って、情報・知識伝達メディアの主役を張っていた看板役者が、脇役に回る日も近いことは間違いないでしょう。

小林さんは、ITメディアの仕掛け人と言われていますが、京都の同朋舎出版という老舗出版社の編集者としてキャリアをスタートさせた方です。根っからのIT人というよりは、紙メディアへの愛着もたっぷりと持ち、またその限界や閉鎖性も十分に認識している方ではないでしょうか。

そんな小林さんが説く、「新世紀メディア論」。出版・広告・IT業界の方々はもちろん、ITが変える新しい世界に関心のある全ての方に聴いていただきたい講演です。


この講演に関心のある方は、下記の講演もお奨めです。
・4/12(月)内田 和成 「異業種競争戦略~事業連鎖で読み解く新しいタイプの競争-昨日の友は今日の敵-~」
・4/20(火)村上 憲郎 「世界で戦う仕事術」
・5/6(木)松尾 貴史 「オカルト懐疑派の論理」

5/12(水) 三谷宏治さん

第7回 5/12(水)の講師は、KIT虎ノ門大学院主任教授の三谷宏治先生です。
三谷さんは、ボスコン、アクセンチュアで20年近いコンサルタントのキャリアを積んだ後に、「四十にして学に志す」とばかりに教育の世界に身を転じられたそうです。
現在は、子ども、親、学生、ビジネスパースンと幅広い方々を対象に、思考法、発想法を教えていらっしゃいます。

子どもから大人まで、三谷さんが注力している育成課題は3つ。「発想する力」「決める力」「生きる力」だそうです。夕学で、人気テーマとして追いかけてきた【仕事と人生の方法論】と、なにやら似ている感じですね。

今回は、特に「発想力」についてのお話です。
「創造力開発」をテーマにした研修・セミナーや書籍は数多くあります。それらの多くは、「発散(拡散)」と「収束」を繰り返す。という普遍的なメソッドに依拠しているものではないでしょうか。
三谷さんは、「発散(拡散)」と「収束」に加えて、「比べる」「ハカる」という考動力を提唱していらっしゃいます。
三谷さんのホームページを拝見すると、三谷流「発想の考動力を使うことで、「白目はなぜ白いのか」「冬はなぜ寒いのか」「空気はなぜ透明か」といった問いに対する「解」を導き出すとのこと。
なにやら面白そうだと思いませんか?

さて、当日は、「ハカって考える」実践として、全員でハサミをつかったワークが用意されているそうです。
ユニークなアイデアが出ないと悩む全ての方にお奨めの講演です。


この講演に関心をお持ちの方は、下記の講演もお奨めです。
・4/12(月)内田 和成
 「異業種競争戦略~事業連鎖で読み解く新しいタイプの競争
                -昨日の友は今日の敵-~」
・4/28(水)伊東 乾
 「音楽の効用、笑いの効用~脳認知の基礎研究から業務マネジメントまで~」<
・5/14(金)小林 弘人
 「新世紀メディア論~オープン出版宣言、21世紀の出版と新しいメディアビジネス~」

5/6(木) 松尾貴史さん

第6回 5/6(木)の講師は、放送タレントの松尾貴史さんです。

TV、ラジオ、映画、舞台、イベント、エッセイ、イラスト、折り紙までマルチな活躍をされている松尾さん。我々の世代では、「キッチュ」という芸名で、不思議な顔マネ芸を披露していた時代が懐かしいですね。
現在は、京都造形芸術大学映画学科准教授として、演技の指導なども担当しているそうです。

今回の講演は、松尾さんの多彩な専門領域のひとつ?である。超常現象の批判的愛好家として登壇されます。

人間には、太古の昔、自然現象に神性を見た古代人の精神世界が残っているようで、神秘的なもの、不可思議なものに心惹かれる習性があります。
なにもオカルトだけでなく、実は、日常生活やビジネスでも、根拠のない迷信や習慣を深く考えず続けてしまうことがあります。

今回は、日常生活で、つい陥りがちな錯覚、迷信、思い込み、ミスリードなど、ともすれば様々な害悪を産み出すきっかけにもなりうる非合理的な情報を、ほんのちょっと立ち止まって健全な懐疑精神で見つめ直すことの重要性をお話していただきます。
専門的な科学の知識などなくても、ベーシックな論理的思考によって、騙されない癖をつける事のすすめを楽しく話してくれるとのこと。

ロジカルシンキングの習慣を、セミナーや仕事の場だけでなく、日常の私達の生活の中で楽しむのも一興かと思います。


この講演に関心をお寄せいただいた方は、下記の講演もお奨めです。
・5/12(水)三谷 宏治さん ユニークな発想は論理的な思考から生まれます。
・5/14(金)小林 弘人さん 今、過去の呪縛から抜け出せないでいる業界の話です。
・6/16(水)小池 龍之介さん 心の悩みも、実は同じ陥穽から発生します。

4/28(水) 伊東乾さん

第5回 4/28(水)の講師は、東大大学院情報学環准教授の伊東乾先生です。

「どのような肩書きで掲示しましょうか」という私どもの問い掛けに対して、伊東先生は、東大准教授ではなく、「作曲家、指揮者、ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム藝術監督」と返答されました。
更に言うと、東大物理学科時代の同級生でありオウムのサリン散布実行犯となった豊田亨の入信や死刑求刑にいたる過程を克明に描いた『さよなら、サイレント・ネイビー』(集英社)で、第4回開高健ノンフィクション賞を受賞した作家でもあります。
最近では、テレビにも時折出演されて、コメンテーターとして鋭い論評を披露されています。

音楽、脳科学、生命情報学、身体運動科学等々、人間の右脳が司る感性的な活動を網羅する学際的な研究を専門にされています。

人間の脳や遺伝子については、その構造はほぼ解明されているものの、その機能・働きについては、まだよくわかっていないことが多いと言われています。
夕学でも、池谷裕二さん村上和雄さんが、そのあたりを詳しくお話いただきました。

糖尿病患者に、「大学教授の講義」と「吉本の漫才」を交互に聴いてもらい、前後の血糖値の上昇具合を比較すると、お笑いが血糖値を下げるという効果があることが実証できたそうですから、音楽や笑いといった感性的な快楽が、人間の脳や遺伝子のどこかプラス効果として働いていることは間違いないでしょう。
伊東先生は、そんな芸術の効用を、基礎研究から環境設計・業務マネジメントまで、理論と実践の両方で追究している方です。

はたして、どんな「音楽の効用、笑いの効用」を紹介していただけるのか。楽しみな講演です。


この講演に関心をお寄せの方には、下記の講演もおすすめです。
・4/28 平田オリザさん 「芸術の効用」を違った切り口で紹介いただきます。
・7/13 柳家喬太郎さん 笑いの効用を理解したうえで、本物の落語を聴くのも一興
・7/23 種田陽平さん 映画美術にも、単なる状況設定を超えた効用があります。
・7/30 中村佳子さん 生命科学の知見を専門家から伺えます。

4/27(火) 平田オリザさん

第4回 4/27(火)は、劇作家の平田オリザさんが、夕学2度目のご登壇となります。

「オリザ」という名前は本名だそうです。オリザ少年は、16歳の時、高校を中退して、自転車による世界一周旅行を敢行しました。
シナリオライターの父親、心理カウンセラーの母親、映画監督の叔父という自由で文化色の濃い環境で育ったオリザ少年は、当時から、既成の枠にはまらないスケールの大きな生き方を志向する人だったようです。

演劇人というと、60年代の唐十郎、70年代の野田秀樹、80年代の鴻上尚二という名前が思い浮かびます。いずれも時々の時代を象徴する個性的で主張性の強い人達でした。
90年代を代表するオリザさんは、先達とは対称的に、物静かで内省的な雰囲気を漂わせる人です。しかし、その内面に抱える情熱は相当なもので、演劇を通じて社会の問題に関わろうとする強い意思を感じさせます。

地域や自治体、企業などと連携して、若い演劇人を、継続的に育てるシステムを整えた「こまばアゴラ劇場」
演劇を通した表現力の向上、ダイバーシティマネジメントを志向する「演劇ワークショップ」
大阪大学大学院での、研究者志望の学生を対象とした「コミュニケーショントレーニング」
など、演劇人の枠を越えた活動を精力的に実践しています。

昨年は、長年の友人であった鳩山総理に請われて、内閣官房参与に就任されました。
鳩山さんの国会での施政方針演説、市民との対話集会などには、オリザさんの演出やアドバイスが反映されていたことは、よく知られたところです。
海外の演劇教育や文化行政にも精通しているオリザさんは、かねてから日本人の「異文化理解能力」の向上を訴えてきました。今後は、文化政策立案にも関わっていくことになります。

今回の講演では、コミュニケーション教育に演劇を取り入れる取り組みの紹介を通じて、
「対話の時代」に向けた私達へのメッセージを語ってくれるそうです。


この講演に関心をお持ちの方は、下記の講演もおすすめです。
・6/29 遠山正道さん 社員との対話を重視する企業経営者です。
・7/13 柳家喬太郎さん 日本を代表する文化といえば「落語」ですね。
・7/23 種田陽平さん 映画美術を芸術に高めたと言われる話題の人です。
・7/30 中村佳子さん 生命科学の視点から人間の諸活動を語ってくれます。

4/22(木) 莫邦富さん

第3回 4/22(木)の講師は、作家、ジャーナリストの莫邦富さんです。

莫さんは、日本在住の知日派経済ジャーナリストという独自の地位を確立、「新華僑」「蛇頭」といった新語を日本に定着させ、社会問題から政治、経済、日中関係論まで幅広いテーマで、旺盛な執筆活動を繰り広げています。
かつてはNHKテレビの「中国語講座」にもしばしば登場していたと聞いています。

莫さんは、1953年生まれ。いわゆる文革世代です。
10代半ばから20代前半の青春時代のど真ん中が、文革大革命と重なっていることになります。
政治、文化、思想の改革運動としてはじまった文革は、復権を企む毛沢東の思惑も絡んで、国民を巻き込んだ大粛清運動に発展しました。
中でも悲惨だったのは、若者達でした。「ペンを捨て、農民に学べ」というスローガンのもと、多くの青年が貧しい農村地帯に下放され、飢えと寒さに耐えながら悲惨な青春時代を送ったと言います。
あるシンポジウムで聴いたところでは、莫さんも下放された少年のひとりで、粗末な土塀小屋で暮らし、監視の目を盗んでランプに灯りを頼りに本を読んだそうです。

10年近く続いた暗い時代を乗り越え、上海外国語大学で、当時マイナーであった日本語を学んだことが、今日の成功に繋がりました。

中国を知りたい、中国人を理解したい。そう願う日本人。
日本人から学びたい、日本で事業を展開したい。そう願う中国人
両者を橋渡しする架け橋として、さまざまな領域で活躍をしています。

アジア二強時代と言えば聞こえはいいものの、規模と成長力の点では、日本は中国の前になすすべもありません。一方で、急成長する中国が抱える多くの問題(環境問題、都市への集中、格差、経済偏重主義等々)は、日本がかつて経験してきた問題でもあります。

中国から見た日本、日本から見た中国。
両者の視点が重なり合う部分が増えることは、アジアの発展、世界の繁栄に繋がっていくことを信じて、莫さんのお話に耳を傾けたいと思います。


なお、この講演に関心のある方は、下記の講演もぜひどうぞ。
・6/10 中西進先生 他国のことを知ることは、自国を知ることでもあります。
・7/20 小倉紀蔵先生 日中に韓国を加えた東アジアを文化・文明論的観点から語ります。

4/20(火)村上憲郎さん

第2回 4/20(火)の講師は、グーグル名誉会長の村上憲郎さんです。

日本大手企業のコンピュータエンジニアとしてキャリアをスタートさせた村上さんは、DEC社に転じて以降、外資系IT企業の経営者として、キャリアを積んでいらっしゃいました。
かつて、同じような経歴を持つ平松康三さん(前ライブドア社長)が夕学に登壇されましたが、平松さんによれば、外資系企業の日本法人トップが成功するか否かは、「いかにして、本社とケンカするか」にかかっているとのこと。
自国の商品・サービス、マーケティングをそのまま展開しようとする本社と日本市場に適合するための独自な展開方法を主張する日本法人トップ。両者は常に緊張関係にあります。
かといって、ケンカをしさえすればよいのではなく、「日本市場の開拓には、この人間が必要だ」と本社にその実力を認識させることも必須です。
異質な人々を説得しつつ、win-winの関係を築くという、日本人が最も苦手な能力が求められることになります。
村上さんが、グーグル日本代表として、そのキャリアを花開かせることが出来たのも、長年に渡る経験が礎になっていることは間違いないでしょう。

退任後に、村上式メソッドによる「英語勉強法」「仕事術」の本を著され、いずれもベストセラーになりました。今期の夕学でも、最も早くに満席マークが灯ることは必定でしょう。

今回は、更に一歩進んで、「世界で戦う仕事術」をお願いしました。
当日は、生産性をあげるために『村上式シンプル仕事術-厳しい時代を生き抜く14の原理原則』を事前講読しておくことをお願いしたいという指示を受けております。
これも「世界で戦う仕事術」のひとつと捉えて、準備万端で望んでいただければと思います。


なお、村上さんの講演に関心をお持ちの方には、下記の講演もお奨めです。
・4/22  莫 邦富氏 グーグルと中国、こちらも緊張感一杯です。
・5/25 上野千鶴子先生 セカンドステージつながりで。
・6/16 小池龍之介さん Web上でお寺を開設するというユニークな試みです。

4/12(月) 内田和成さん

本日から「夕学五十講」2010年前期の申込・予約受付が始まりました。
開始早々に、サーバーが混み合ってしまい、ご迷惑をお掛けいたしました。申し訳ありません。
現在は、問題なく動いていますのでご安心ください。
夕学五十講申込サイト

さて、きょうから、恒例の講師紹介を行っていきます。
トップバッターは、早稲田大商学学術院教授の内田和成先生です。
かつては、ボストンコンサルティンググループの日本代表も務めた内田先生。いまや早稲田ビジネススクールを代表する教授のお一人です。

今回は近著の『異業種競争戦略』にちなんでお話いただきます。
成熟市場に衝撃的な技術革新が起きると業界構造が大きく変わってしまうことがあります。
例えば、カメラ業界といえば、10年前まで典型的な成熟市場で、キャノン、ニコン、ペンタックス、コニカ、ミノルタ、オリンパス、と限られたカメラメーカーが、市場秩序を形成していました。
いま、キャノン、ニコン以外のカメラメーカーは、カメラ事業から撤退し、代わってソニー、カシオ、パナソニックなどのエレクトロニクス企業がメインプレイヤーになっています。
カメラが精密機器からデジタル機器に変わったことで起きた業界変動でした。

同じことが様々な領域で起き始めています。電気自動車の登場で、日本のものづくり産業の雄「自動車産業」に同じ変化が発生するのではないかとも言われています。

昨日まで取引先や補完関係にあった友軍が、突如敵軍に転じる時代が到来したわけです。
内田先生は、こうした新しいタイプの競争を「異業種格闘技戦」と呼びます。

今回は、その実例のいくつかをご紹介いただきながら、異業種格闘技における戦いの特徴は何か、どうやって戦えばよいのかをお話いただきます。


なお、内田先生の講演に関心のある方は、下記の講演もお奨めです。
・5/12三谷宏治先生 同じコンサル畑(アクセンチュア)出身です。
・5/14小林弘人氏 出版、雑誌業界も異業種格闘技戦に突入しそうです。
・5/25上野千鶴子先生 仕事だけでなく、時には人生も考えたいものです。
・6/18清水浩先生 電気自動車研究・普及の大家です。