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申込・予約方法が変わります

3月2日(火)から2010年前期の受講券購入申込・講演予約を開始いたしますが、お気づきのように今期からwebページを変更しました。

デザイン変更とともに、予約の方法が変わりましたのでお伝えしておきます。

これまでは、「受講券を購入する」→「講演を予約する」という順番でした。
これからは、「講演を予約する」→「受講券を購入する」という順番になります。

従来の方法ですと、行きたい講演に空席が出ても、受講券購入手続きをしている間に他の人にゲットされて、満席になってしまうということがありえました。
実際に、そのようなクレームをいただいたこともあります。

今後は、まず行きたい講演に予約を入れて、そのあとで、しっくりと受講券を購入することが可能です。これだと安心ですね。

もちろん、予約だけして権利を保持しつつ、ギリギリまで購入をせずに、土壇場でキャンセルするという行為が増えると、結果的に皆様に迷惑がかかりますので、予約後、1時間以内に購入手続きをしないと、自動的に予約が消滅することになっています。
予約の後は、購入をお忘れなく!!

従来のように、まず受講券を購入して、そのあとに予約を入れていくという方法もできますので、どちらかお好きな方をお選びください。

「自分を知る」「自分を表現する」「誰かと繋がる」

山田ズーニーさんとワークショップ【伝わる・揺さぶる!文章を書く】http://www.sekigaku-agora.net/course/yamada_zoonie.html

昨秋開講以来、大人気の講座です。
すぐに満席になり、急遽追加開催を行いましたが、それも満席。
大好評にお応えして、春にも開催することになりました。お陰様でこちらも、たくさんのお申込をいただいており、またまた満席御礼の見込が濃厚となっております。

この講座には「卒業課題」がありまして、論文でも、エッセイでも、小説でもなんでもいいので、読み手の心を打ち、揺さぶる作品を書き、皆でシェアをするというものです。
私も、課題集を見せていただきましたが、原稿用紙にすれば50枚を越えそうな短編小説を書いた方も何人かいらして、圧巻でした。

自分の根本思想にフォーカスし、それを言葉や文章に置き換える作業というのは、極めて個人的な内的な営みですが、かといって、それを誰かに伝えたいという欲求も、自然なものではないでしょうか。
自分としっかりと向き合い、それでいて独りよがりにならずに、読み手の心を揺さぶる文章に仕立てるという行為を通して、

「自分を知る」「自分を表現する」「誰かと繋がる」

といった人間の知的・社会的欲求を満たしていくことができると思います。

ズーニーさんは、いたって気さくなお人柄で、終了後も毎回のように受講者とご飯を食べにいかれているとのこと。

そんなアットホームは雰囲気も、講座の魅力のひとつです。

「心に届く言葉」を探して

昨年の夕学で、谷川俊太郎さんにご登壇をお願いした時のことです。

「ボクが最も信頼する若い仲間で、覚和歌子さんがいるんだけど、彼女と一緒ならお受けしましょう」

谷川さんは、そうおっしゃって、覚さんを強く推薦されました。
当日、覚さんが開拓されたという「朗読するための物語詩」をお聴きして、衝撃を受けました。
「言葉の力」をまざまざと感じさせてくれたからです。
覚さんから発せられる言葉は、三百人の聴衆を一気に惹きつけ、物語の情景や登場人物の息づかいまでをも、実感させてくれました。
かつて「言霊」を信じ、言葉を通して神と繋がることが出来ると考えた古代人の神性な気持ちが理解できるような気がしました。

今回のagoraでは、覚さんと谷川さんにお願いして、詩の講座を企画しました。

覚 和歌子さん・谷川俊太郎さん【詩の教室】

覚さんは、自作詩の朗読ステージを全国各地で展開する一方で、『千と千尋の神隠し』の主題歌『いつも何度でも』の作詞や、平原綾香、Smapへの歌詞の提供など、幅広く活躍しています。
詩の創作や朗読を通してこだわっているのが、「心に届く言葉」を創り、伝えることだそうです。

一般に暮らしとはかけ離れたところで語られがちな詩ですが、日常のコミュニケーション言語について、人の心に届く言葉について考えたとき、詩人はそれを語るに最もふさわしい存在かもしれません。

覚 和歌子さん・谷川俊太郎さんという稀代の詩人お二人のナビゲーによって、詩作と朗読に挑戦するこの講座。

大切にしている「モノ」への思いを込めて、
自分の中に潜む「子どもの心」を取り出してみて、
絵画を言葉で表現する試みを通して、
等々、いくつかの課題を通して、詩作に取り組み、「心に届く言葉」を探していただきます。

詩をつくることを通して、自分自身を見つめ、味合う。そんな講座になると思います。

覚 和歌子さん・谷川俊太郎さん【詩の教室】
http://www.sekigaku-agora.net/course/kaku_wakako.html


心を震え動かす「強い映画」

李鳳宇さんと語らう【強い映画】

この講座に関心を寄せられた方は、すでにご存じかと思いますが、講師をお願いしている李鳳宇さんが設立され、社長を務めてきた株式会社シネカノンが、先月末に民事再生法の申請をしました。
映画ビジネスの難しさは、誰もが知っていることではありますが、「パッチギ!」「フラガール」など数々の名作を世に送り出し、独立系でありながら、制作・配給から劇場経営までを手がける稀有な存在として知られていたシネカノンが経営危機に陥ったことは残念でなりません。

申請後に李さんからいただいたメールには、再生への道が茨の道であることを認識しつつも、「私たちが植えた木が決して枯れることのないように、これからもあらゆる方法で“映画をやっていこう”と考えています」
とありました。

立場は変わったとしても、映画ビジネスにかける情熱はいささかも衰えることなく、シネカノンの再生や、映画プロデュース事業に全力を尽くそうとする強い決意を感じました。
この講座についても、昨年同様に、責任をもって担当していただくことになっております。


苦境の中で、過ごした年末年始に、李さんが観たのが、ジョン・フォードの名作『静かなる男』だったそうです。
失意を抱えて、両親の故郷アイルランドにやってきたアイルランド系アメリカ人の主人公(ジョン・フォード)が、故郷の人々の荒っぽい、それでいて素朴で温かい人間性と愛情に触れて、魂の再生を果たしていく物語です、
クライマックスは、町中の人々が喝采を送る中、男二人の激しい殴り合いが延々と続き、拳を通して互いを理解しあった二人が、ビールを酌み交わします。

『パッチギ!』のラストで、日本の高校生と朝鮮高校生が、鴨川の河原で繰り広げた集団決闘のシーンを彷彿させる場面です。

李さんは、人生の節目節目で『静かなる男』を、何度も観てきたといいます。
それは、この映画が、李さんの心を震え動かす力を内包する「強い映画」であるからに他なりません。


李さんは、ご自身が『静かなる男』に勇気づけられてきたように、自分の作る・紹介する映画を通して、人々の心を震え動かすべく、映画の道を歩んできました。

この講座は、そんな映画人 李凰宇さんが選りすぐった「強い映画」を鑑賞し、各自が「映画ノート」を書き、それをもとに、李さんを交えて議論をするという講座です。

かつて李さんは、フランス留学中に500本以上の作品を「映画ノート」に書き留め、感想や創作のアイデアをつづりました。この「映画ノート」にならい、一人ひとりがオリジナルのノートを作成し、映画を観おわった後に湧く、喜・怒・哀・楽・愛・勇気といったさまざまな想いや感想をつづります。

「映画ノート」は批評や優劣をつけるのではなく、自分を見つめ直すとともに、それぞれの味わい方を認め、感動や気づきを共有するきっかけとなり、自分自身も気づいていなかった価値観に出会うことができます。

課題映画は、『静かなる男』を含めて、下記の5本
『アクトレス』(仮題(2009年韓国)
・『静かなる男』(1952年アメリカ)
『This is it』(2009年アメリカ)
『西鶴一代女』(1952年日本)
『ミルコのひかり』(2005年イタリア)

古典から未公開(現時点)の新作まで、いずれ劣らぬ名作が揃います。

一本の映画が、新しい扉を開いてくれる。
一本の映画が、気づかずにいたあなたの力を引き出してくれる。

そんな素敵な知的感動を、是非ほ体験ください。

李鳳宇さんと語らう【強い映画
http://www.sekigaku-agora.net/course/lee_bong_ou.html

老荘思想を学ぶ

孔子・孟子に代表される「儒家思想」と老子・荘子の「道家思想」。
約ニ千五百年前に生まれた古代中国の二大思想です。

社会の中で社会を考え、社会秩序のより良い形成を願う「儒家思想」と、社会の外から社会を考え、社会そのものの、より良いあり方を謳う「道家思想」は、同じ山をまったく異なる方法で登ろうとすることに似ているのかもしれません。

40年以上に渡って、中国古典研究と普及に従事してきた田口佳史さんは、この二つの思想を自由に使い分ける思想の多様性こそが、東洋的な視点であるといいます。
尋常一様でない現実に向かい合い、融通無碍に思想を乗り換えながら、複雑な現実に対応していくこと。いわば“思想を楽しみながら”、直面する問題を受け止めていくことが必要なのでしょう。

昨年のagoraでは、二回に渡って「論語」を取り上げてきました。

・佐久 協先生と読み解く【現代に活かす『論語』と『孟子』】

・田口佳史さんに問う【論語に学ぶ人間力】

今春は、満を持して、老荘思想に向き合うことにしました。

・田口佳史さんに問う中国古典【老荘思想】

「老荘思想」は、茫洋とした物事の全体性をそのまま受け止め、身体や経験で吸収することを重視します。
「見えないものを見る」、「骨の髄で学ぶ」と評されます。
わかったようでわからない、なんとも怪しげな思想であります。
しかし、「全体性」や「包括性」といった概念は、量子物理学や生命科学でしきりに議論されているトピックでもあります。

対象を要素分解し、原因-結果の因果律で理解しようとする分析型のアプローチや、全てを二元論的なフレームワークで分かり易く分類してしまう考え方では解決できない複雑な問題に直面する時、人間だけが持ち得るという「包括的な視点による直観」が求められるのかもしれません。

あなたも「老子」「荘子」の深淵な宇宙世界を旅してみませんか。

今だからこそ「経済古典」 竹中平蔵さん

“我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか”

ゴーギャンの最高傑作と言われるこの作品は、禁断の木の実を食べてしまった人間がその代償として引き受けなければならない永遠の桎梏を表現をしていると言います。

ゴーギャンの問い掛けは、混迷の時代に生きる私達に、そのままあてはまるのではないでしょうか。
近代資本主義が登場して二百年余、私達は、資本主義がもたらしてくれた「豊かさ」に骨の髄まで染まってしまいました。物質的な「豊かさ」が、精神的な「豊かさ」と同義ではないことを理解しつつも、私達は、その呪縛から逃れることは出来ません。

不完全で、脆弱な存在ではあっても、上手に付き合い続けていかねばならない。
それが、私達が選択した資本主義というシステムかもしれません。

そうだとすれば、私達は、原点に立ち帰って、資本主義経済システムの原理を、しっかりと理解する必要があります。
幸いにして私達には、アダム・スミス以来の経済学古典という素晴らしい知的資産があります。
それを、いま一度学び直したいと思います。

竹中平蔵教授が講義する 【問題解決スキルとしての経済古典】

講師は、竹中平蔵先生にお願いしました。
政治の現場からアカデミックな世界に戻って以降、竹中先生は「Policy watch & warning」をスローガンに、政府の経済政策に対する見解表明をされています。
・慶應義塾大学グローバル・セキュリティ研究所
・ポリシーウォッチ

その活動を通して感じることは「経済システムや政策の意義を深く理解すること」の必要性だと言います。

政局の動きや表層的な事象を追いかけるマスコミの論調に惑わされることなく、「本質は何か」を冷静に、論理的に理解する「経済リテラシー」を持った市民が増えることが、なによりも求められるはずです。


今回の講座では、経済古典を再発見しながら味わう、いわば「問題解決のスキル」としてのケインズやシュンペーター等を探索する知的冒険を行います。
スミス、ケインズ、シュンペーターなど古典と謳われた経済理論を取り上げ、狭義の学問としての古典学習ではなく、経済の本質を見る目と、困難な問題を解決する基本力を高めることに焦点をあてて、講義を行っていただきます。

竹中先生によれば、経済学は本来「社会の問題を解決するスキル」として、まさに「実学」として発展してきたそうです。
そうだとすれば、社会的問題解決の当事者でもある私達こそが、経済学を学ぶ意義があるはずです。

講座では、こうした観点から、「思想が生まれた時代的背景」「人物像」「基本文献に示されていること」「今日的意義」について、講義をしていただきます。

平易な語り口と分かり易い解説で世に知られ、卓越した説明力を持つ竹中先生です。
難解で分かりにくいと評される「経済古典」を、現代の経済や政策のあり方に結びつけて、どこまで分かり易く講義してくれるのか。

見逃せない講座です!!


春からのagora

今期の「夕学五十講」も終わり、ホッとしているうちに、1週間経ってしましました。
来期の案内を開始するのは3月2日になるので、それまでの間は、恒例の夕学プレミアム「agora」の話題を中心に、ブログを書いていきたいと思います。

昨年春から始まった「agora」は、“人間力を磨く”ことを目的に、文学、歴史、芸術、身体論、社会、サイエンスなど、多彩なテーマを掲げ、少人数でじっくりと学ぶ連続講座です。

これまで10講座を開講してきましたが、従来のビジネス・経営系のプログラムとの違いは、「受講される方の90%が、個人での自費参加である」ことです。
もちろん、従来から個人の方はたくさんいらっしゃいましたが、比率でいうと30%程度でした。
それゆえに顔ぶれも多彩です。
企業にお勤めの方を中心にしつつも、お医者さん、弁護士さん、主婦、学校の先生、セカンドステージを勉強に燃える方等々多士済々です。
バックボーンのまったく異なる方々が、同じ土俵で、学び・議論し、新たな気づきを提供し合えるのも「agora」ならではないでしょうか。
私も、立場を越えて(?)、いくつかの講座には、受講生として参加させていただきました。
お陰様で、交流の幅も、ずいぶんと広くなりました。

このブログでもご紹介したことがありますが、私は「weak taies 」という理論が大好きです。
人生を大きく変えるきっかけになるような、劇的な気づきや発見は、職場や家族、親しい友人といった同質化集団からもたれされるのではなく、交流範囲の辺境に位置する異質な人々から得られる「弱い繋がり」の中から得られる、という考え方です。

「agora」が、あなたの、新しい「weak taies 」を繋げる機会になるかもしれません。


来期は下記の5講座を開講します。

竹中平蔵教授が講義する【問題解決スキルとしての経済古典】
  4月17日(土)開講・全5回

田口佳史さんに問う【論語に学ぶ人間力】
  4月20日(火)開講・全6回

李 鳳宇さんと語らう【強い映画】
  4月24日(土)開講・全6回

覚 和歌子さん・谷川俊太郎さん【詩の教室】
  5月15日(土)開講・全6回
  
山田ズーニーさんとワークショップ【伝わる・揺さぶる!文章を書く】
  4月17日(土)開講・全6回


これからは、それぞれの講座について、ご紹介していきたいと思います。