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プロ倫を通して資本主義を考える

前期の夕学では、「資本主義はどこへ行く」というテーマで6回の講演を行いました。

中谷巌さん
佐高信さん
今北純一さん
竹森俊平さん
原丈人さん
上村達男さん

お陰様で、このテーマは多くの皆様からタイムリーな企画であると評価をいただきました。
これからの世界経済、そして日本の行く末に、皆様の関心が高いことを再認識した次第です。

6回の講演を終えて、あらためて必要だと感じているのは、本質的な議論をより深く掘り下げてみることの必要性です。

私達は、数十年間に渡って「自由と資本主義」を標榜してきました。
そしていま、それが内包する矛盾や脆弱性にも気づきはじめています。
とはいえ、たとえ不完全ではあっても、代わりがない以上、上手に付き合っていかなければならないことも事実です。
だからこそ、「自由と資本主義」とは何かを真っ正面から考えてみたいと思い、agoraで下記の講座を企画しました。

古典を通して考える【自由と資本主義】

コーディネイターは、慶應商学部の菊澤研宗先生にお願いしました。
経営哲学学会会長を務め、組織や戦略を考える際にもそれを支える思想や哲学が重要だと考える先生です。
菊澤先生も、この講座をたいへん楽しみにされ、力が入っています。

「自由と資本主義」を考えるにあたって、よいテキストはないものか。いろいろ考えた末に、行き着いたのがマックス・ヴェーバーの名著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(通称『プロ倫』)でした。

ヴェーバーはこの本で、英米の資本主義発展を支えたエートス(精神)としてプロテスタンティズムを指摘しました。
そしてエートスを失った時に起きるであろう、資本主義の暴走を暗示したとも言われています。

同じキリスト教社会でありながら、大航海時代の先進国であったスペインやポルトガルでは、産業革命以降の近代的な資本主義が発展せず、英国やドイツ、そして米国が資本主義の主役に躍り出たのはなぜなのか。
その理由を、ヴェーバーはプロテスタンティズムに求め、神と直接繋がろうとした彼らの仕事観・労働観が資本主義の発展を支えたと論じています。
資本主義とは何かを考えるうえで有用な古典として、あまりにも有名な本ですが、私もふくめて、実務家の皆さんで、この本をじっくりと読んだことにある方は多くはないのではないでしょうか。
 
ヴェーバーがこの本を書いたのは約100年前です。
20世紀の米国の著しい発展、英国病とサーチャー革命、更には新自由主義の興隆と今回の金融危機まで、一連の流れを考えながら読んでみると、なるほどと思える点、疑問に思える点、いろいろと出てきそうです。

今回の講座では、前半3回はプロ倫を読み解き、後半はプロ倫を離れて、ハイエクや東洋思想、そして近代日本の資本主義思想として、渋沢栄一と福澤諭吉へと、範囲を広げて考えていきます。

学生時代に戻って、骨のある古典に取り組み、自分のビジネス経験に照らし合わせながら、議論を楽しんでみる。
そんな講座にできればと思います。

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