型の文化としての和歌 冷泉貴実子さん
京都御所は、京都のほぼ中央に位置し、今出川通りを挟んで同志社大学キャンパスと隣接しています。私は学生時代を京都で過ごしたので、かつて、よくこの道を通りました。今出川烏丸の交差点から少し東に進むと、古い土塀に囲まれた風情たっぷりのお屋敷があったことを記憶しております。当時は知りませんでしたが、これが1790年に建てられた冷泉家のお屋敷でありました。
冷泉家は、俊成・定家親子を祖に持つ「お公家さん」の家柄です。藤原定家の名は「新古今和歌集」「百人一首」の選者として、誰もが知る歌人ですね。
冷泉家は、代々「歌のいえ」として、800年以上も続くお家柄です。
明治以降、多くの公家が東京に移り住んだにもかかわらず、冷泉家は京都に留まり、今出川通を隔てていたという幸運もあって、ほとんどの公家屋敷が京都御苑として整備され取り壊されてしまった中で、由緒あるお屋敷と数多くの典籍を守り続けてきました。
冷泉貴実子さんも、その伝統を受け継ぎ、俊成・定家の流れをくむ冷泉家の文化継承に力を注いでいます。
