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前期が終了しました。

昨日の小菅正夫さん(旭山動物園園長)の講演をもって、2007年前期25回が全て終了しました。
今期も多くの皆さんにお越しいただきありがとうございました。
4月17日に丹羽宇一郎さんから始まって、あっという間の3ヶ月半でした。
今期は、質疑応答に時間を長く取るバージョンなど、新しい試みにもチャレンジしましたが、如何でしたでしょうか。

夕学も累計開催数が350回を越えました。
三度目の登壇になる伊丹先生からは「よく続けていらっしゃいますね」と言っていただきました。
もちろん、これからも続けます。
来期の講師依頼もいよいよ佳境に入ってまいりました。

来期は、10月17日安藤忠雄さん(建築家)さんの講演から始まります。
申込受付開始は、9月3日(月)からの予定です。
是非、ご期待ください。

それでは。

「人間性回復の場」としての動物園 小菅正夫さん

学生時代は柔道三昧の日々を送ったという小菅園長。
首は太く、胸板は厚く、肩も腰回りもがっちりとした堂々たる体躯です。
一方で、長年の日焼けが皺にしっかりと刻まれた、人なつっこい顔は庶民性が一杯です。
話が興に乗ってくると、もう止まらなくなります。動物のこと、動物園のことなら丸一日話し続けても足りないほどに、次から次へと話したいことが沸き起こって来るようです。
話はユーモアタップリ、情熱がビンビンと伝わってくるうえに、論旨明快で分かりやすく、「情と理」の両方を兼ね備えた希有の人だということがよく分かります。

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「選挙のありよう」 浅野史郎さん

「“義をみてせざるは、勇なきなり” 別の言い方で“おっちぃこちょい”と言うのです」
浅野先生は、4ヶ月前の都知事選をサバサバとした表情でそう総括します。
宮城では吹いた風が、東京では吹かなかった。ただ、それだけのこと。それを読めなかった自分が悪い。
浅野さんの中では、出馬を後悔することも、誰を恨むこともなく、目の前の状況に真摯に向き合い、自分のこころに誠実の向き合った結果として割り切れているようです。
きょうの講演でも、直裁でユーモアたっぷりの浅野節を披露していただけました。

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「儲けの構造」を競い合う時代 山田英夫さん

「企業の目的は顧客の獲得と維持である」

かつてドラッカーはそう喝破しました。
いまなら株主至上主義を主張する論者もいるでしょうし、企業の社会的責任を声高に訴える人々もいるかもしれません。
しかしながら、今も昔も、企業の活動目的のド真ん中に「どうやって儲けるのか」という課題が存在することは間違いありません。
山田先生は、そのド真ん中の課題に真っ向から切り込み、シャープで切れ味の鋭い解説を加えてくれました。

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「言葉にこだわる」 伊丹敬之さん

伊丹先生の魅力は、講演中の何気ないひと言や質問者とのやりとりの中で自分自身と会話するように紡ぎ出される言葉に隠されているのではないか。
私は、いつもそう思います。

もちろん講演内容は、主催者のオーダーを尊重しつつ、聴衆の期待を感じ取りながら、平明かつ論理的に構成されている素晴らしいものです。
ただ、その言わんとするところをより深く理解するうえでは、伊丹先生が、ふっと口にする言葉をきっかけにするのが重要だと思うからです。

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「溢れ出るエネルギー」 徳岡邦夫さん

「仕事柄、和服を着ることも多いのですが、正蔵師匠と間違えられることもあって...」
といきなり会場の笑いを誘った徳岡さん。
ご自身でおっしゃる通り、全体的な印象と人懐っこい笑顔は、林家正蔵師匠とよく似ています。
ただ、近くで拝見すると、いわゆる「目力」を感じる人です。眼鏡の奥の目はキラっと光っていて、好奇心やパッションに満ちている気がします。

お聴きしたところでは、徳岡さんは破天荒な少年・青年時代を送ったようです。高校中退、再入学、僧侶生活、独立しての起業等々。
面白おかしく、若い頃を語る徳岡さんのお話からは、溢れ出るエネルギーを制御出来ずに、暴れ馬のように生きていた若き日の姿が想起できました。
思うにその頃から、既成秩序の枠にはまらない、自由かつ挑戦的な性質を生来の価値観として持っていたと思われます。

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「知性で聴く音楽」 茂木大輔さん

クラシック音楽は「敷居」が高い。 「敷居」を低くすれば、より多くの人がファンになってくれるだろう。 モギよ、おまえが「敷居」を低くしろ。

「どうやら、世の中には、クラシック音楽、および私に対する誤解が広がっているような気がします」

冒頭から、聴衆の期待をサラリとかわしてみせながら、茂木さんは話しはじめました。

クラシック音楽は、そもそも敷居が高いもの。 
敷居を低くしたらクラシックではなくなってしまう。

「クラシックは心で聴け」というのも大間違い。
心で聴いてわかる世界は、ほんのさわりにすぎない。
音楽が生まれた時代や社会背景の理解、創作された経緯、表現しようとした世界観、それらを理解しなければ本質はわからない。

「ベートーベンの交響曲7番第四楽章」だけを聴くというスタイルが本当にいいのか。
交響曲は、各楽章毎の変化と非連続な連結の中に表現したい要素が込められている。

茂木さんは、クラシックに対する通念をひとつひとつひっくり返していきます。
「クラシックなんて、つまんないでしょ」と聴衆を煙りに巻きつつ、溢れ出てくるような博識を機関銃にように繰り出す姿は、立川談志を彷彿させるものがあります。

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「日本サッカーを語る」 金子達仁さん・戸塚啓さん

金子達仁さんと戸塚啓さんは、法政二高サッカー部の先輩・後輩の間柄です。
学年は三つ違うので、高校では重なる時期はなかったそうですが、金子さんが法政大学時代、法政二高サッカー部出身者で作るサッカーチームの助っ人に、当時高校三年で部活を引退していた戸塚さんを引き入れて以来20年近い付き合いになるとのこと。
高校、大学、サッカー専門誌記者、フリーのスポーツライターと奇しくも同じ道を歩き、いまは「二人だけの会社」の社長と専務の関係です。

相手が、何を見て、どう考えているのかを熟知している二人の対談は、プロ同士の着眼点と思考の発展を競い合うように、不思議なリズムで進んでいきました。
戸塚さんの投げかける質問に対して、金子さんは、あえて予定調和的な返答をせずに、まったく逆の視点を提示する。
戸塚さんは、予期せぬ返しに戸惑いつつも、自分なりの視点を加えて、話を発展させていく。
日本サッカーへの疑問と期待の間を入ったり来たりしながら、少しずつ本質に迫っていく。
そんな対談だったと思います。

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