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それで本当に大丈夫か 淡輪敬三さん

淡輪さんに夕学にご登壇いただくのは、今回で2度目になりますが、華麗な経歴とは対称的に気さくなお人柄です。
かつての戦略系コンサルのトップの特徴だった有無を言わせぬ威圧感もなく、スッっと相手の懐近くに入って、同じ目線で議論ができるタイプの方です。
控え室では、そんな人間性に甘えて、最近の人材マネジメントコンサルティングでは、どんなテーマが多いのか聞いてみました。
即座にお答えになったのが「人を育てる仕組みの再構築」でした。
かつての日本企業(大企業)は、次長とか代理の肩書きが付いたベテランや部下を持たない部課長など管理職層が厚いのが組織的な特徴でした。
彼らは、若手社員に対する教育係や鬼軍曹に役割を担い、突発事項の際にはトラブルシューティング役を引き受けたりしていました。
当時は、その肥大化と無駄が強調され、フラットでスリムな組織に変わったわけですが、彼らの役割は「職場において、仕事を通じて人を育てる」という点においては重要な意味がありました。
その機能がなくなった組織で、「人が育たない」という問題が生じはじめ、「人を育てる仕組みの再構築」がテーマになっている、というわけです。

“無駄を削ぎ、筋肉質に変わったゆえに起きるパラドクス”

実は、きょうの講演主題である「多様性の活用」も、同じ問題をはらんだやっかいな問題なのではないか。終始明るいトーンで進んだ淡輪さんの話の裏には、そんなブルーなメッセージも込められているような気がしました。

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世界共通の論理を求めて 鈴木光司さん

鈴木光司さんの講演前日、4月13日に、全国の中学3年生、小学校6年生230万人余りを対象にした「全国学力テスト」が実施されました。実に43年ぶりに全国規模で実施される学力テストです。
“文壇最強の子育てパパ”として、二人のお嬢さんの育児を担ってきた鈴木さんは、教育論にも強い問題意識を持っています。講演は、この「全国学力テスト」を巡るマスコミの報道や一部意見に対する疑問提起からはじまりました。
鈴木さんは、「全国学力テスト」に関わる論議をご覧になって、「あやふやな情報や情緒に流され過ぎる」という日本人の欠点が象徴的に現れているという感想を持ったそうです。
ひとつは、「全国学力テスト」をなぜやるのか、という目的にかかわる議論がほとんどないこと。もうひとつは、「世の中は競争社会である」という暗黙の前提に縛られた強迫観念的危機感が蔓延していることです。
鈴木さんとしては、
まず「全国学力テスト」の目的を論じるべきで、「学力低下の実態データを把握する」「子ども達の指導の役立てる」という目的に照らせば、ひとり一人の学力の相対的な位置を正確に把握するという全国規模のテストは「理」にかなった試みである。
また、「世の中は競争社会である」という認識はある一面だけを強調した誤解であって、むしろ多くの人々の協力によって成り立つ「協力社会」と言ったほうが相応しいはずだ。競争社会を煽るから序列付けを反対するというのは、あまりに情動的な意見ではないだろうか。
という意見です。

鈴木さんのこの姿勢は、ご自身の信念に依拠しています。
世の中のあらゆることを、過去の習慣やあやふやな印象に影響されずに、論理的に突き詰めて考えてみること。
それが、2時間を通して、繰り返し述べられた主張でした。

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金井先生のブログ

昨年の11月の夕学の登壇いただいた金井壽宏先生(神戸大大学院教授)が、今月からブログをはじめられました。
活動の様子や書評を書いていらっしゃいます。
これからどんな情報をアップされるのか大いに期待されるところです。
KIMPSブログ

キャリア、リーダシップ、モチベーションなどに関心がある方は是非お尋ねください。
慶應MCCとのご縁についても書いていただいてます。

「交渉とは問題解決である」 田村次朗さん

田村次朗先生が「交渉学」と出会ったのは、20年前、米国のハーバードロースクールに留学していた時だったそうです。
「法律家になるために必要な知識を学ぶ場」であると思っていたロースクールが、「法律家になったあとに必要な知識を学ぶ場」であったことに驚くと同時に、なったあとに社会で生き残るために必要な能力のひとつに「Negotiation(交渉)」があり、それを体系的に学ぶ授業が、ロースクールの中で一番の人気講座になっていることにアカデミーショックを憶えたと言います。
帰国後、SFCや法学部で教鞭をとる一方で、交渉学が、法律家のみならず、グローバリゼーションの渦中に生きる全てのビジネスパースンに必要な知識であるという想いを強くされました。
そんな問題意識を具現化する場として、慶應MCCが開設した2001年から「交渉学」プログラムを引き受けていただき、以降足かけ7年に渡って多くの実務家に「交渉学」を教えてきました。
開設当時のMCCは、「交渉学」を含めてプログラムが、たった3つしかないという時代でした。
現在、年間70以上プログラムを開催できるまでになった慶應MCCの歴史は、田村先生の「交渉学」普及の道程と重なっており、ある種の感慨を抱きながらお話を聞いておりました。

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「人は仕事で磨かれる」 丹羽宇一郎さん

2007年前期第一回目の『夕学五十講』には伊藤忠商事の丹羽宇一郎会長が登壇されました。
経済財政諮問会議の民間議員をはじめ、数多くの公職に就く丹羽さん。「時に自分を見失いそうなになる」ほどの多忙な毎日を送っているそうです。
本日の開講時間も、政府の会議の影響を受けて、1時間遅れのスタートでした。
今朝の新聞を見たところ、17日午後は、地方分権改革推進委員会経済財政諮問会議の二つの会議に出席されていました。前者では、消費税、法人2税の地方への配分比率の見直しについて、後者の会議では、金融市場の規制緩和や国立大学への補助金の配分方法の見直しについて、それぞれ激しい議論が展開されたようです。
会議を終えて、総理官邸を出たという連絡が入ったのは19時過ぎ。丸ビルに到着するなり、走ってエレベーターに飛び乗り、演台の横の控え席に着席された時には、既に司会の開会挨拶がはじまっていました。

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第25回(7/26)小菅正夫さん

最終回、第25回(7/26)は、旭山動物園園長の小菅正夫さんです。
はるか遠くの柵や檻の中で、退屈そうに寝そべって動かない動物達...。もはや社会的使命を終えたかにさえ見えた動物園というエンタテイメント産業に、「行動展示」という画期的なシステムを取り入れて、見事復活させた小菅園長。いまや北海道旭川の旭山動物園には、全国から見学者が訪れるそうです。
実は、これまで何度も依頼を繰り返して、やっと実現した夕学登壇です。
ビジネスの世界でも、きっとヒントになるお話が聞けると確信しています。

第24回(7/19) 浅野史郎さん

第24回(7/19)は、慶應SFC教授で前宮城県知事の浅野史郎先生です。
改革派知事のお一人として、情報公開制度の充実や福祉行政への取り組みで大きな成果を残されました。昨年春から、慶應SFCの教授として地方自治論を教える先生として教壇に立っています。
実は、浅野さんに、夕学を依頼したのは1月中旬。その時には、噂に過ぎなかった都知事選でしたが、紆余曲折をへて突如の出馬、残念ながら次点...という嵐のような3ヶ月でした。
夕学登壇の予定は7月。その時には、今回の結果も踏まえつつ、地方自治改革に情熱をかける当事者として、熱いお話をいただければと思います。

第23回(7/18) 山田英夫さん

第23回(7/18) 早稲田ビジネススクールの山田英夫先生です。
山田先生は、ディファクトスタンダード論の第一人者として、2000年代の経営戦略論に大きな影響を与えてきました。また、豊富なコンサルタント経験に立脚して、実務家に立場で使える戦略論を語ることにも秀でた研究者です。
慶應MCC「ビジネスプロフェッショナルの経営戦略」の講師としてお世話になっております。
今回は、昨年秋に慶應ビジネススクールの山根先生にお話いただいた夕学とセットの企画です。お二人が共著で出され、ベストセラーになった「何故、あの会社は儲かるのか」をモチーフに、山田先生の専門の立場から戦略からみた日本企業の成功事例分析をお話いただきます。

第22回(7/13) 伊丹敬之さん

第22回(7/13) は、一橋大の伊丹敬之教授です。
伊丹先生は、日本を代表する経営学者として、「人本主義」「場の理論」など独自の理論を数多く発表してきました。
夕学にも過去2度登壇いただき、その都度、日本の経営に対する鋭い問題提起をお聞きしてきました。
3年振りの登壇になる今回は、新著『よき経営者の姿』にちなんだ講演です。
数十年にわたり、日本企業を研究し、多くの経営者に会ってきた伊丹先生が集大成として語る「経営者論」。
そこでは、時の流行や表層的意見に流されることのない、普遍的な原理が語られるに違いありません。

第21回(7/10) 徳岡邦夫さん

第21回(7/10) は、京都吉兆総料理長の徳岡邦夫さんです。
「吉兆」と言えば、言わずと知れた日本料理の老舗。昭和5年に大阪で創業以来、全国にグループ会社と店舗を構え、和食の頂点に君臨する存在です。
徳岡さんは、吉兆創業者の孫として生まれ、曲折を経て、京都吉兆の専務であり、嵐山本店の総料理長を務める若き料理人です。
ワインメーカーとのコラボレーションや食に関するバーチャルコミュニティーの設立、IT化による求人体質の改善等、伝統を守りつつも、時代に則した食への柔軟なアプローチにも精力的に挑戦しています。
近年は、日本におけるスローフードの担い手として海外でも高い評価を得ているとのこと。
今回の講演は、伝統と革新の融合をめざす徳岡さんの思考と行動の変遷をお聞きしながら、日本料理の新たな可能性を考えます。

第20回(7/4) 茂木大輔さん

第20回(7/4) はN響オーボエ奏者の茂木大輔さんです。
NHK交響楽団の主席オーボエ奏者を務める茂木大輔さん。一方で個人の活動として、伝統の枠にはまらない幅広い活躍をされています。
昨年の大ヒットドラマ「のだめカンタービレ」では、クラシック音楽監修を勤めるなど、クラシックの魅力を広く伝えることに意欲的です。
とかく敷居の高いクラシックですが、ほんの少しの知識を知っているだけで、その楽しみ方は100倍に広がるとか。
知って楽しむクラシック鑑賞法です。

第19回(7/3)金子達仁さん&戸塚啓さん

第19回(7/3)は、スポーツライターの金子達仁さんと戸塚啓さんのサッカー対談です。
金子さんが、アトランタオリンピックの日本対ブラジル戦を描いた「28年目のハーフタイム」はサッカージャーナリズムの金字塔でした。以来サッカーを中心に、数多くのルポルタージュや対談を発表してきました。ジーコジャパンには一環して辛口の論評を続けてきたことでも知られています。

今回の登壇は、奥様の八塩圭子さんにご仲介いただきました。
昨年、八塩さんが夕学に登壇された際に、二宮清純さんのお名前を見つけて、「うちのダンナもいますよ」と強く推薦?していただいたことがきっかけです。もちろんその前からお願いしようと思っていましたが...

今回は、戸塚啓さんとご一緒に対談形式で、オシムジャパンへの期待と問題点、そして北京オリンピック、南アワールドカップへの展望を語っていただきます。

第18回(6/29) 池上彰さん

第18回(6/29) は、ジャーナリストの池上彰さんです。
NHK時代に「週刊こどもニュース」のお父さん役としてブラウン管でおなじみだった池上さん。いまは、民放各局で、お顔を拝見する機会が増えました。実は退社後には、慶應MCCのプログラムに受講生として参加されたこともある勉強家でもあります。
「難しく思われがちな社会の出来事を、なるべくわかりやすく噛み砕く」をモットーのさる一方で、「国際問題は地図を見れば分かる」という自論をお持ちとのこと。
今回は、「地図を使ったニュースの読み解き方」を勉強したいと思います。

第17回(6/26) 亀渕昭信さん

第17回(6/26)は、ニッポン放送相談役の亀渕昭信さんです。
60年代~70年代に青春を過ごした若者にとって「オールナイトニッポン」"カメ”さんの名前と声は忘れられない思い出かと思います。
二年前のライブドアの買収騒動に際に、ニッポン放送社長として我々の前に登場した亀渕さんの姿を見て、ある種の感慨を憶えた方も多かったことでしょう。
そんな亀渕さんが、社長を退いて、昨年「35年目のリクエスト」という本を出しました。それは、かつてリクエストを寄せてくれたリスナーを訪ねる旅を通して、ラジオの魅力を再発見する旅でもあったようです。
ラジオに生き、ラジオ文化をつくってきた亀渕さんが語るラジオの話。そこには、ケータイやネットにはないコミュニケーションの形があるのかもしれません。

第16回(6/18) 竹内薫さん

第16回(6/18)の講師はサイエンスライターの竹内薫さんです。
物理学の解説書や科学評論を中心に50冊あまりの著作物を著してきた竹内さん。知る人ぞ知る存在でしたが、昨年、「99.9%は仮説~思い込みで判断しないための考え方」(光文社新書)を出版し、30万部を越えるベストセラーとなったことで広く一般の方々にも知られるようになりました。最近はテレビでお顔を拝見する機会も増えました。
聞くところによると、茂木健一郎さんとは付き合いの古い友人同士だそうです。
今回の講演は、「仮説思考」がテーマです。「科学」の知見に秘められた仮説思考の発想力は、ビジネスのフィールドでも十分に有効で、コチコチ頭をやわらか頭に変えてくれるそうです。