それで本当に大丈夫か 淡輪敬三さん
淡輪さんに夕学にご登壇いただくのは、今回で2度目になりますが、華麗な経歴とは対称的に気さくなお人柄です。
かつての戦略系コンサルのトップの特徴だった有無を言わせぬ威圧感もなく、スッっと相手の懐近くに入って、同じ目線で議論ができるタイプの方です。
控え室では、そんな人間性に甘えて、最近の人材マネジメントコンサルティングでは、どんなテーマが多いのか聞いてみました。
即座にお答えになったのが「人を育てる仕組みの再構築」でした。
かつての日本企業(大企業)は、次長とか代理の肩書きが付いたベテランや部下を持たない部課長など管理職層が厚いのが組織的な特徴でした。
彼らは、若手社員に対する教育係や鬼軍曹に役割を担い、突発事項の際にはトラブルシューティング役を引き受けたりしていました。
当時は、その肥大化と無駄が強調され、フラットでスリムな組織に変わったわけですが、彼らの役割は「職場において、仕事を通じて人を育てる」という点においては重要な意味がありました。
その機能がなくなった組織で、「人が育たない」という問題が生じはじめ、「人を育てる仕組みの再構築」がテーマになっている、というわけです。
“無駄を削ぎ、筋肉質に変わったゆえに起きるパラドクス”
実は、きょうの講演主題である「多様性の活用」も、同じ問題をはらんだやっかいな問題なのではないか。終始明るいトーンで進んだ淡輪さんの話の裏には、そんなブルーなメッセージも込められているような気がしました。