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世界の地図を変える国 榊原英資さん 「インドを読み解く」

榊原先生がインドに関心を持ったのは最近のことだそうです。詳しく調べようと思い、書籍を探したところ、日本にあるインドの専門書は哲学や宗教学ばかりで、経済について、特に現代インド経済を解説する本はほとんど存在しなかったそうです。中国に関する本が有象無象含めて氾濫しているのと対照的だとのこと。
恥ずかしながら、私もインドについての知識は実に浅はかなものです。「ゼロの概念が生まれた国で数字に強い」「シリコンバレーはインド人だらけ」「カースト制はいまだに深刻な問題らしい」といった程度の知識はありましたが、首相の名前がモンマハン・シンだということさえ知りませんでした。
そんな私にとって、きょうの講演は「現代インド入門」とでも呼べるようなたいへん分かりやすいものでした。

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品格ある教養人たれ 村上陽一郎さん 「現代における教養とは」

「かつて、働くとことは“神の呪い”であった」 そんな刺激的なメッセージではじまる本があります。(『仕事の裏切り』ジョアン・キウーラ)
古代ギリシャにおいて、仕事は奴隷の役割でした。農地を耕すことも、工具を作ることも、火事、育児、全ての労働は神の呪いを受けた奴隷に課せられた宿命だと考えられていました。一方で市民(貴族)は詩を詠み、音楽を奏で、哲学を論じることに生き甲斐と精力を傾けていました。そのために必要な素養がLiberal Artsつまり「奴隷の責務である仕事から解放されるための技」だったわけです。逆に言えば、“神と繋がる”ための素養として必要なのが「教養」だったのです。
村上先生の講演は、そんな背景を受けて、12世紀に生まれた「大学」という社会システムの役割とそこで求められた「教養」についての話から始まりました。

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ブログお休みのお詫び

昨日の藤原正彦さんの回はちょっとした事情があって、司会を上司にお願い致しました。
講演の様子については聞いておりますが、皆様のご感想は如何でしたでしょうか。

そういうわけで、聴講できなかったものでブログを書けませんでしたが、ひらにご容赦ください。
受講者レポートはありますので、後日アップできると思います。

きょうの村上陽一郎さんは、いつものようにご挨拶いたします。
よろしくお願い致します。

ライブドア事件に思う

周知のようにライブドアの堀江さんが逮捕されてしまいました。夕学には昨年の5月24日に登壇していただいた縁があります。容疑が事実だとすればたいへん残念で遺憾なことと言わざるをえません。堀江さんの回は告知開始1日半で満席マークが灯り、夕学はじまって以来の大反響でした。3月に開催したM&Aのフォーラムも会場に入りきれない程の受講生が集まりました。
「時代の寵児」ともて囃したマスコミや一部有識者が悪いというコメントが多くのニュースやワイドショーで取り上げられていましたが、私たちもお囃子に踊り、踊らされた一員かもしれません。

堀江さんの回のブログをでは、『「100人に聞いて、皆がやめた方がいい、無理だということこそやるべきだ。だって一人占めできるのですよ」堀江さんは何度かそう強調されていました。』と書いています。既成概念や古い常識への果敢な挑戦意欲と受け止めていたこの言葉が、今回の事件の遠因を示唆していたことに改めて気づいた次第です。

来期の講師依頼開始

年明けから来期の講師依頼をはじめています。
本日時点で約1/3の講師が決まりました。誰かは後のお楽しみでもう少し待っていただきますが、今期の負けず劣らずの話題の人・ビッグネーム・新進気鋭が揃ってきました。
お楽しみに!!

議論の本意を定る事 平山洋さん 真実の福澤諭吉を求めて

私は慶應の出身ではありませんし、恥ずかしながら、慶應MCCの立ち上げに参画するまで福澤諭吉については「一万円札の顔写真」と「天は人の上に人を作らず…」程度の知識と興味しかありませんでした。何年か前に、少しは福澤諭吉の勉強もしなければと『文明論之概略』(岩波文庫)を購入し、テキスト代わりに丸山真男の『「文明論之概略」を読む』(岩波新書)をセットで揃えたのが初めての福澤体験です。後から聞けば、最初は『学問のすすめ』を読むべきだそうで、確かに『文明論之概略』は格調高い漢文体で書かれているので、丸山氏の解説がないと理解するのが難しかったことを思い出します。(解説もかなり難解でしたが…)そんなわけで、読んだというより、パラパラとめくったというのが正しい表現かもしれませんが、第一章が「議論の本意を定る事」という章題で始まっていることを印象深く憶えています。いま風に言えば「ロジカルシンキングの重要性」とでも言えばいいのでしょうか。
このブログを書きながら『「文明論之概略」を読む』を今一度開いてみたところ、丸山真男は、最初に「議論の本意を定る事」ではじまる理由を、『文明論之概略』が書かれた明治初期の混沌とした時代背景と結びつけて、既存の価値観や物事の見方・考え方が大きく変わろうとしている時には、なによりもまず「思考と議論の方法論」を持つことが重要だという福澤の思想の表出であると論じています。福澤には他にも有名な「多事争論」という言葉もありますが、没後100年を経て、今またロジカルシンキングの必要性が声高に叫ばれている事実に、時代を超えた福澤思想の普遍性を感じざるを得ません。
きょうの講演で、平山先生が繰り返し主張されていたのは、福澤研究について、そんな論理的な議論をもっとやりたいという強い問題意識だったような気がします。

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新たな統合のあり方を目指す 姜尚中さん 「東北アジア共同体に向けて」

今朝、Googleで「姜尚中」と検索したところ、とあるブログのタイトルが目にとまりました。曰く「男も惚れる姜尚中という男」。つまり、女性が惚れるのは当然として、もてる男をやっかみたくなるのが本性の男でさえ「この人は凄い」と思わせる魅力があるとのこと。
控え室に現れた姜先生は、スラリとした長身に、ハイネックのホワイトボタンダウンシャツ、黒のイタリアンスーツをノータイで着こなし、ヒルズ族ベンチャー社長顔負けのダンディーな装いでした。しかも森本レオを彷彿させるハスキーな低音を響かせながら、ソフトに気配り豊かに話を進めます。
いざ講演がはじまると、頭脳明晰、論理明快、複雑に絡まった糸を丁寧に解きほぐすようにわかりやすく説明をしてくれます。確かに凄い人でした。

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