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中国は国というより世界そのものだ 関満博さん 「中国民営企業の先進性」

台風直撃情報の影響でやむなく欠席された方が多かったために、特別に設定した関先生の連続登壇ですが、きょうも中国のエネルギーを熱く語っていただきました。
関先生は、きょうのテーマである「中国の民営中小企業」を研究テーマと定め、北京、大連、無錫、深せん、広東の5都市をベンチマークし、定点観測をしてきました。それぞれが地域性を生かした独自のモデルを作り上げており、5都市を観ることで中国の全体像がつかめるからという理由からです。各地で30社、計150社の民営企業を訪問調査した集大成が、近々700頁の大著にまとまり出版されるそうです。きょうは、そんな調査から大連、北京、広州の各都市で出会ったエネルギッシュなベンチャー経営者や彼らと密接に関わりながら発展する大学関係者のお話を聞くことができました。

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賢明さと健全さ 黒田由貴子さん 「ファシリテーションの時代」

事前に黒田さんのプロフィールを拝見して「いったい、どんな方なのか」と正直身構えておりました。慶應卒。ソニーで海外マーケティングに従事し、フルブライト奨学生としてハーバードでMBAを取得。外資系コンサルティングフォームで活躍した後に、自ら会社を立ち上げて、いまやファシリテーションの第一人者。これ以上は望めないという圧倒的なキャリアです。ところが控え室でお会いしてみると、意外や意外、気さくで包容力があり、エリート臭を一切感じさせない暖かい雰囲気を持っています。よい意味で肩すかしを食った思いがしましたが、講演後には「これが、ファシリテーションなんだ」と納得しました。

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30日の関先生

30日の関満博先生は、前期に続く登壇です。台風で帰宅命令が出されるなど、予約したにもかかわらず、参加できなかった方が多くいらしたので今期もお願いをしました。
講演資料が届きましたが、この夏の中国現地調査の最新報告も入るようです。「上海は3ヶ月いかないと街が変わる」と言われる程凄まじいスピードで発展していますが、関先生がこの4ヶ月でみた中国の変化は何か。こうご期待です。

内村鑑三とマキャベリ 冨山和彦さん「産業再生2年間の軌跡」

1年半前の夕学で神戸大の三品教授が「戦略不全の論理」という講演をされました。失われた10年というがそれは間違いである。日本企業は70年代以降一貫して営業利益率を低下させてきた。それはひとえに経営戦略の欠如がもたらした結果であり、戦略不全の根元的理由は戦略と意思決定を担うべき経営者の能力の低下にあった。その原因は、長期間にわたる右肩上がり経済環境に適合する「経営者育成システム」が存在していないからだ...という趣旨でした。
きょうの冨山さんの講演も、はからずも同じ問題点を指摘していました。三品先生が学者らしい、実証データと論理を中心とした研究面からのアプローチだったとすれば、冨山さんは、事業再生・経営再建の修羅場で身を持って感じてきた現場からの危機感に根ざしていました。「経営者」の再生が「産業」の再生につながる。それが冨山さんの主張でした。

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食への畏敬の念 小泉武夫さん 「食の冒険家 大いに語る」

夜6時前、丸ビル7Fのエスカレーターをあがったところで福よかな太鼓腹の紳士と出会いました。それが小泉先生でした。「会場の下見をしたかったので早く来ました」と大きな声を響かせながら挨拶をしていただきました。控え室でも、人なつっこい東北なまりで、講演で話す内容や資料を早口で次々と説明してくれます。大学教授の傍ら、世界中を旅して、100冊近い本を書き、各種審議会・協議会の委員を務め、野球部の部長まで務めるという超多忙な毎日とのこと。カバンをガサコソとまさぐって本や写真をだされる際に、キャベジンコーワの瓶に入った薬のような物体が見えました。「やはり胃腸薬を常備しているのですね」などと失礼な質問をしたところ、「これですよ、これ!」といって見せてくれたのが、講演でも紹介された「乾燥納豆」でした。

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人間としての使命感 田坂広志さん 「なぜ、我々は“志”を抱いて生きるのか

きょうの講演にあたって、事前に田坂さんから二つの要望をいただいていました。ひとつは、8時半までの2時間を自由に使わせて欲しいということ。もうひとつは質疑応答をしないで終わりたいということです。前者については「きょうのお話は重い話なので、聴衆によっては集中力が持続出来ない場合がある。会場の状況を確かめながら終了する時間を自分で決めたい」という理由からです。後者については「講演後には、その余韻の中で静かに皆さんに内省をして欲しいから」という説明をなされました。田坂さんにとって、きょうの夕学は、言葉によって何かを伝達するものではなく、同じ時間と雰囲気を共有することを通じて“場の持つ力”を感覚的につかんでいただく、まさに一期一会の出会いだったのかもしれません。進め方に対する注文は、演出やテクニックといった次元のHow-toではなく、真剣勝負の2時間に全責任を持ちたいというプロフェッショナルの矜持だったように感じています。

田坂さんに前回お越しいただいた際には、知的プロフェッショナルの思考力をテーマにしたお話でした。3年後の今回のテーマは「生きるうえでの志」です。テーマは抽象的になりましたが、その分田坂さんの思いはより鮮明・先鋭に研ぎ澄まされてきたような気がします。紹介の際にもお話しましたが、私は田坂さんのメッセージメール「風の便り」を3年近く欠かさずに読んでいます。このメールから、田坂さんの関心領域と活動が経営やマネジメントから発展して人生観や仕事観といった深淵な世界に少しずつ移っているという印象を持っていました。きょうの講演を聴きながら、なぜそうなっていったのか、少しだけわかったような気がします。
皆さんもお感じになったように、田坂さんは自らに問いを立て、自ら答えを紡ぎだし、その答えから新たな問いを立てるという思考のサイクルを回しているようです。それはソクラテスの問答法やヘーゲルの弁証法あるいは、「そもさん」「せっぱ」の禅問答のような崇高な真理に向かう終わりのない旅路なのでしょう。いかに産業を起こすか、いかに組織を運営するか、いかに部下をマネジメントするかという問題を突き詰めて考えれば考えるほど、「いかに生きるべきか」「何のために生きるのか」という根元的な問いにつながるのかもしれません、それを「哲学的」「宗教っぽい」という薄っぺらなレッテルを貼って理解してしまうのではなく、137億年の旅路の先端を歩く存在として、世代を越えて継承しようという「人間としての使命感」をしっかり受け止めなければいけないと強く思いました。

講師紹介ページはこちら

「風の便り」はこちらから申し込むことができます。
http://hiroshitasaka.jp/

心のコップをたてる 原田隆史さん 「カリスマ教師が語る人材開発論」

きょうの原田先生の分かりやすいお話と対極にあるような理屈っぽい始まりで申し訳ないのですが、私の好きなコンセプトに「Reflective Practitioner(反省的実践家)」というのがあります。様々な領域の優れた実践者がどのように行動の中でその知識を発揮しているのかを説明する概念ですが、読んで字のごとく「優れた実践家は、ある行動の結果を自分自身で内省して、意味づけや再整理を行い、次の行動にあたっては新たな知識に再結晶することができる」という含意です。原田先生の講義を聴きながら「こういう人のことをReflective Practitioner(反省的実践家)と言うのだろうなあ」と考えていました。

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追加講演(東大藤本教授)が決まりました。

2/22に藤本隆宏東大教授の講演を開催することになりました。すでに25回の開催が決まっていますので、今期は特別に一回増えることになります。
藤本先生は、日本の製造業復権を目指した政策的プロジェクトとして藤本先生を代表に設立された、ものづくり経営研究センターの所長として、日本の製造業の競争力の源泉を研究してる方です。「日本の製造現場の強みは、“摺り合わせ”型のものづくり思想にある」という、たいへん有名な理論を提唱されています。
実は、藤本先生には当初から依頼をしておりました。しかしながら、とても多忙な方で、正式返答は11月になるとの返事をいただいておりました。そこで、25回をひと通り決めたうえで、もしOKをいただけたら追加開催しようと考えていたものです。
全回予約の方は、発行済みの受講券がそのまま使えます。急な予定変更で受講予定が決まっていない方も是非ご利用ください。もちろん、追加購入大歓迎です。

情熱と冷静 宮本亜門さん 「亜門流コーチング」

感動的な舞台やコンサートを見た夜、ベッドに入った後も軽い興奮が冷めずに、心地よい疲れとハイテンションが続くことがあります。いま、亜門さんの夕学講演を終えて、よく似た感覚に浸っている自分を感じています。パッションに包まれて自分自身も熱くなった後に、そんな自分の状態を客観的に分析しているもう一人の自分がいる。そんな感じでしょうか。「情熱と冷静」。何年か前によく似たタイトルの映画がヒットしましたが、亜門さんはこの二つの世界を自由に行き来している人なんだということを強く思いました。

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一人に対して百回同じことを言って、はじめてわかってもらえる 大橋洋治さん 「アジアNo1を目指して」

昨日、多くの新聞に日本航空の決算下方修正の記事が掲載されました。その対比で全日空の業績についても触れていたのをご覧になった方も多かったと思います。米国の航空会社が次々と破綻していることからもわかるように、世界の航空業界を取り巻く環境は、けっして安泰ではありません。日本航空でも原油高の影響を受けて、燃料費が前年比450億円増に上昇してしまったことが収益に大きく影響をしたとのこと。同時に全日空が燃料費をわずか90億円増に抑制できたことが業績の違いの要因になったとの解説がありました。
全日空は国内線や近距離国際線がメインなので、長距離国際線中心の日本航空とは前提条件が異なるものの、そこまでの燃料費抑制ができたKSFは何だったのでしょうか。きょうの講演は、その理由の一端を知ることができたような気がします。

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秋元さんの受講者レポート

第一回目の秋元康さんの受講者レポートがアップされました。
http://www.sekigaku.net/index.htm
講演の様子がよくわかる内容ですので、ぜひご覧ください。

次回はくらたまなぶさんの受講者レポートをアップする予定です。

今期のサテライトは15拠点

好評をいただいている夕学サテライトですが、今期は新たなに仙台、新潟、松山、鹿児島、那覇の4拠点が加わり15拠点です。「北は北海道から南は沖縄まで...」という常套文句が、ようやく使えるようになりました。
次回(11/8)の全日空大橋会長の講演は、各地で評判になっているようです。大橋会長が地元で講演されると勘違いして、「是非ご挨拶を...」と全日空さんに連絡をされる方もいらっしゃるとか。
話題になることは嬉しいことですが、全日空さんにはご迷惑をおかけしました。申し訳ありません。

企画とは「記憶の複合」 おちまさとさん 「企画脳の作り方」

「イノベーションとは、“新しい組み合わせ”である」何年か前にイノベーション研究の第一人者といわれる経営学者に聞いた言葉です。きょうの、おちまさとさんの話を聞きながら、この時の記憶が想起されました。
10才の時、映画『ジョーズ』を観て、将来の仕事は、スクリーンの向こう側(制作者側)に立つことだと決断したという早熟の天才企画マンおちまさとさんの話が、お堅い職業の代表である大学教授の講義とつながる一瞬でした。
そして、はからずもこれがきょうの主題「企画脳」の本質にかかわる現象でもありました。

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