教養としての表現力 鴻上尚史さん 「自己演出のすすめ ~あなたの魅力を演出するヒント」
第三舞台の芝居をはじめて観たのは1986年の冬、池袋サンシャインでの『ハッシャバイ』が最初でした。当時、第三舞台&鴻上尚史さんは一気に全国区に駆け上がっていた時期で、芝居にも凄いエネルギーを感じた記憶があります。病みつきになって、しばらくの間、芝居がかかる度に毎回欠かさず観劇していました。前売りチケットが買えず、当日席を取るために何時間も紀伊国屋ホールの階段に並んだものです。われわれの世代にとって、当時の鴻上さんは時代を語るカリスマ的な存在でした。
同世代のカリスマが“おじさん”になって、何をどのように語るのか、興味津々できょうの夕学を迎えました。
47歳の鴻上さんは、当時とまったく変わらず若々しくて、飾らない雰囲気もそのままです。第三舞台の芝居は、ジャニーズばりの踊りをアクセントに、絶妙の間で繰り出される脱線ギャクで観客をほぐしながら、大詰めに向けて緊張感を高めながら社会性の強いメッセージで締めるのが特徴でしたが、きょうの講演にも随所にその名残があります。受講生の方の反応を読みながら笑いや風刺を散りばめつつ、伝えるべきはきちんと伝える。そんな講演でした。
それにしても、人を動かすパワーは凄いですね。300人の聴衆に大声をださせたり、ドラえもんの声色をさせてしまう人はそうはいません。さすが演出家です。
さて、きょうの講演は「言葉」と「声」に絞って表現力のポイントを解説してくれました。
環境としての状況は同じでも言葉の状況をずらしたり、自由に状況を行き来できる人が、「言葉の教養がある人だ」と鴻上さんはおっしゃいます。
状況を読む、状況に合わせる、状況を変える。いわば文脈を読みとり、それに対応する力が必要なのですね。
「感情を豊かにすれば表現が豊かになるというけれども、その逆もある。普段は使わない新しい表現を身につけることで、自分でも気づかなかった新たな感情を持つことだってできるはずだ」という言葉も印象的でした。
控室では、その例として、鴻上さんがある整体師の先生から聞いたお話を紹介してくれました。足の指を開いて、親指と小指を大地につけ、他の3つの指を浮かす感覚をイメージすると、通常では感じることができない不思議な感覚を知ることが出来るそうです。いわゆる、身体知と言われるものでしょうね。(私もその場でやってみました!)
感情を他者に伝えるための手段であった表現が、実は感情そのものを創造する力も持っている。全身を使って表現を突き詰めてきたプロフェッショナルだからこそ到達できる深いお話でした。
鴻上さんは、演劇的手法を活用した表現力向上のためのワークショップを積極的に展開されているようです。是非、皆さんもお試しください。
>鴻上演劇研究所
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コメント
初めまして
毎回楽しく参加させていただいています。
特に昨日は、時間があっという間に過ぎてしまったという感じでした。
「からだ」についてと、「感情」についてのお話を、是非もう1度、鴻上尚史さんをお招きして企画していただきたいです。
自己演出について、みなさん(第3(笑))もご興味あればですけど・・・。
初コメントとても勇気がいりました~。
Posted by: mayu | 2005年06月08日 10:56