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パラダイムイノベーターに聞く

6つ目のテーマは「パラダイムイノベーターに聞く」です。

このテーマも前期からの継続テーマです。会場で「パラダイムイノベーターってどういう意味なんですか」と質問されたことがありますが、あくまでも造語です。辞書でパラダイムを調べると「ある一時代の人々のものの見方・考え方を根本的に規定している概念的枠組み」とあります。パラダイムを革新するという意味では、「パラダイムシフト」「パラダイムチェンジ」という言葉がよく使われますね。でもなんとかくシフトやチェンジというと既に世の中に存在しているものの中での変化のようなニュアンスを感じませんか?
このテーマで取り上げたいのは、まったく新しいものをはじめた人達が持っているイノベーティブな精神や発想・ものの見方・考え方なのです。あえて「パラダイムイノベーター」という造語を使った理由がそこにあります。

さて今期は
・自ら校長として学校現場に乗り込んで公教育を変えようとしている 藤原和博さん
・日本のコンサルタントの草分けの一人 堀紘一さん
・福澤諭吉論に一石を投じた 平山洋さん
・20代に起業した佐藤さん、家本さん、そしてベンチャーインキュベーションに取り組む牧さん
・四国に独立リーグを立ち上げ新たな野球人を育てようとする石毛宏典さんとスポーツジャーナリストの二宮清純さん
の5組にご登壇いただきます。

藤原さんは2年前、校長就任直後にお越しいただきました。この2年の改革報告がお聞きできます。二宮さんは前期に続いての連続登場になりました。
パネルや対談セッションもあって変化に富んだテーマになりました。


これで、6つのテーマの紹介が終わりました。
10月19日のスタートまであと一ヶ月。これからは個別の講師の紹介を順次していきたいと思います。

実践 仕事の方法論

テーマの3つめは「実践 仕事の方法論」です。

このテーマはもう何回つづけているでしょうか。すっかり定番テーマになりました。
仕事ができる人は、必ず「上手くやるコツ」や「仕事の勘どころ」を知っています。
それはHow toや手法といった表層的なものではなく、もっと深くて、本質的なもので、業種・業界・年齢・役職を越えて普遍的な方法論のようなものではないかと思います。
そんな仕事の達人の技に触れてみようというシリーズです。

今期は
・リクルートで「創刊男」の異名をとった くらたまなぶさん
・TV界のヒットメーカー おちまさとさん
・ファシリテーションの第一人者 黒田由貴子さん
・感性と論理のバランスを重視する数学者の藤原正彦さん
の4人の方にお越しいただきます。

早くも満席講演も出ています。乞うご期待!!

Form follows emotions 中村史郎さん 日産ブランド&デザイン戦略

4月15日に高橋俊介先生の講演ではじまった今期の夕学もきょうが最終回。おおとりを飾るに相応しく、会場は約300人の受講者で熱気に満ちていました。登壇いただいたのは中村史郎さん、躍進を続ける日産自動車のデザイン戦略の責任者です。
日産自動車には世界14カ国に1000人近いデザインスタッフがいます。中村さんによれば、デザイナーを組織内に抱える人数が一番多いのは自動車産業であろうとのこと。グローバルレベルの合従連衡が急速に進む自動車業界では、例えば米国のメーカーが、ドイツの資本を使って、イギリスブランドの車を作ることが当たり前のように行われています。資本だけでなくブランドが国境を越える時代が到来しているわけです。中村さんが学ばれたアートセンターバウハウスといった世界的なデザイナー養成機関が存在する米国や欧州には多くのカーデザイナーがいましたが、いまや彼らは、活躍のフィールドを求めて世界のいたるところに散りはじめたそうです。当然のことながらブランドのボーダレス化はデザインのそれを誘因します。そもそも、その国や地域の歴史と文化に根ざした独自性を持つはずのデザインがボーダレス化する時代。そこに帰因するデザインの危機と可能性、それが中村さんのデザイン観の中軸をなす問題意識でした。

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行動する経済学者 関満博さん 「世界の工場 中国の本質」

「行動する経済学者」関先生はそう称されています。年間の三ヶ月を海外調査、三ヶ月を国内の地域調査、残り六ヶ月を大学での活動で過ごし、365日24時間ONを宣言する行動派です。迫力ある風貌とドスの効いた声とあいまって、まさに異色の研究者といった観があります。聞けば、中国 大連生まれとのこと。関満博という名前の“満”の字は満州にちなんでつけられたそうです。中国の産業研究は天職なのかもしれません。

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わからないことから逃げない 玄田有史さん 「私の仕事道」

玄田先生に夕学で話していただいたのは2回目です。前回(2003年前期)の講演では、フリーター問題の解決法について「私にはわかりません」という一言から解説がはじまったことが印象に残っていました。控室でそのお話をしたところ、「きょうもそれでいきましょうか」と悪戯っぽい笑顔を残して会場に向かわれました。
冒頭で、「私にはわかりません」のお話を紹介されたうえで、テレビに出ない理由として、テレビは「わかりません」という言葉を許容しないからだとたたみかけます。更には、学生の進路相談にあたってのポリシーとして、「迷っている奴はトコトン迷わす」と断言します。一見、投げやりで、奇をてらったかに見えるこの対応が、実はきょうの講演を貫く玄田先生の強いメッセージでした。

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使命を持って生きること 大谷由里子 元気をつくる「大谷流」コーチング

大谷由里子さんの仕事人生は、吉本興業で横山やすしのマネージャーからはじまったそうです。「世の中に、彼ほど“自分に甘く、他人に厳しい”人はいません。横山やすしのお陰で、私の人間許容のキャパシティは目一杯広がりました」大谷さんが、良く通る元気な声と底抜けの笑顔でそう話すと会場にはどっと笑いが広がりました。実は控室で、「丸の内の方は最初は裃をきていらっしゃるのでほぐれるのに時間がかかります」などど、笑いのプロを相手に余計な事を言ってしまいましたが、まったくの杞憂でした。つかみはOKというところでしょうか。

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アーキテクチャで読み解く中国製造業 新宅純二郎さん 「中国企業との分業と協業」

新宅先生に夕学の依頼をしたきっかけは、昨秋東大ものづくり経営研究センターが主催する「ものづくり寄席」を聴講したことに遡ります。ものづくり経営研究センターは、トヨタ式生産方式や全社品質管理(TQC)に代表され、日本製造業の強みとも言われる「統合型ものづくりシステム」を組織的に研究するためにつくられた研究機関です。
「ものづくり寄席」は、その研究構想と内容を実務家向けに紹介することを兼ねたセミナーでした。ものづくり経営研究センターは藤本隆宏先生がセンター長に座り、高橋伸夫先生もいらして、夕学にも縁がある所です。そこで藤本・高橋先生に並ぶ主要メンバーである新宅先生にも是非お越しいただきたいと思い、本日の講演となりました。

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分析ツールを使いこなす力 水越豊さん 「BCG戦略コンセプト」

水越さんの名刺には名古屋事務所の住所が一番上に記載されています。聞けばBCG名古屋事務所開設の責任者でもあったそうです。水越さんによると、コンサルティングファームは顔のわかる人数が理想とのこと。社歴やポジションに関係なく率直な意見交換が出来ることが組織の必須要件なのに、規模大きくなるとどうしてもヒエラルキー意識が発生してしまい、フランクな組織風土が硬直化してしまいます。その弊害を避けるためにブランチを増やして事務所の絶対人数を調整したのだそうです。「コラボレイティブな組織は顔の分かる範囲が限度」という基準は、難しくはないけれど経験に基づいた説得力のあるルールですよね。きょうの主題である「ツールやフレームワークを使いこなす」ということもまったく同じで、実践に裏付けられた経験知が重要だということでしょうか。

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デザインの98%は日常である 喜多俊之さん 「デザインの力」

きょうの夕学は工業デザイナーの喜多俊之さんでした。ご存じない方も「シャープのアクオスのデザインを手がけた方」と言えば、なるほどと思うでしょう。大阪生まれの喜多さんは、品の良い柔らかな関西弁と笑顔が印象的な方です。講演の冒頭はそんなソフトな語り口ではありながら、日本のデザインを取り巻く環境についての危機意識から始まりました。
「中国ではデザインを“新産業”と位置づけています。工業デザインの高度専門教育を担う大学が500以上もできているのです。」喜多さんはそうおっしゃいます。
中国のみならず、韓国もシンガポールも国家政策としてデザイン振興が掲げられており、国を挙げての取り組みがなされているそうです。翻って我が国の現状はどうでしょうか。喜多さんをはじめ一握りの才能に頼るばかりで、政策論としてデザインが語られることはほとんどありません。今こそ、ITやバイオ産業の育成と同じくらい、デザインの振興が必要だというのが、喜多さんのきょうのメインメッセージでした。

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人事経済学のすすめ 樋口美雄 「インセンティブ社会の再設計」

「人事経済学」というのは、1990年代に生まれた新しい研究分野だそうです。「人間は利己的な存在である」ことを前提に利潤最大化・効用極大化といった経済合理性を追求する経済学の立場とナイーブでエモーショナルな現実社会(人と組織にかかわる)の融合を目指した野心的な学問です。そしてわが国においてこの分野を切り拓いてきた代表的な研究者がきょうの講師である樋口美雄先生です。

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つぶやきをかたちにする 世古一穂さん 「参加協働型社会へのパラダイムシフト」

「NPOとNGOの違いはご存じですか?」「NPOとボランティアは何が違うかお分かりですか?」 世古さんの講演はこの投げかけからはじまりました。
曰く、厳密に言えば、NGOとは国連憲章第71条に依拠する組織を意味するそうですが、広義で捉えれば、強調したい性格が「非営利」なのか「非政府」なのかの違いであって、両者はほぼ同様の活動組織と理解してよいそうです。世古さん自身、国内ではご自分の組織をNPOと称しますが、海外にいくとNGOと名乗るとのこと。
またボランティアとNPOの違いは、前者が、個人が主体、無報酬、自己実現重視、マネジメント不要であるのに対して、NPOは、組織が活動主体で、収益を伴い、目的達成度合いを重視し、マネジメントが不可欠と整理できるそうです。
シャープで分かりやすい整理ですね、私もはじめて知りました。

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ファンダメンタルを鍛える 船川淳志さん 「プロフェッショナルの思考力と対人力」

千住博さん(日本画家)、梅津光弘さん(慶應大助教授)、守島基博さん(一橋大教授)、そして船川淳志さん。今期の夕学にご登壇いただいた4人の方には共通点がありました。何かお分かりでしょうか。皆さん慶應の同期生で、この春に卒業25周年を迎えられたのだそうです。きょうの控室でも、その話が話題になりました。慶應では卒業25周年を迎えられた方々を卒業式に招待をする企画があり、船川さんも出席されたとのこと。安西塾長の祝辞の中で、期待をこめて語った人材像が、ご自身が常日頃主張されているそれと同一であったことを嬉しそうにお話になりました。

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リゾート運営の達人 星野佳路さん

「IT導入の経営へのインパクトが最も高いのは、ITから一番遠いところにある業界である」 きょうの星野さんのお話を聴きながら、3年前に夕学に来ていただいた成毛眞さんのお言葉を思い出しました。
星野さんは、コーネル大学大学院でホテル経営学を学び、外資系企業や金融機関でリゾート開発や投資ビジネスに携わったキャリアがあります。理論ベースの科学的アプローチに習熟したプロフェッショナルと言えるでしょう。一方で、日本のリゾート開発や温泉旅館の経営は、そういった科学的経営とは少し距離をおいた世界にあった産業です。だからこそ星野さんの新しいリゾート経営のモデルが花開いたのではないでしょうか。時代と産業が星野さんの登場を待ち望んでいたように思いました。

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背中を押せる人になる 「営業のテクニックはいらない」 和田裕美さん

300回近い「夕学五十講」の実績の中で、営業をテーマにした講演は、きょうが初めてだったと思います。だからでしょうか、早々に満席マークが灯り、皆さんの期待の高さが伺えました。和田裕美さんは、ブリタニカで英語教材の営業として記録的なセールス実績を残した方です。フルコミッションの成果報酬で、20代前半で3,800万円の年収があったというから驚きです。

和田さんのお話は“空気をつくる”ことからはじまりました。和田さんが歩んできた営業の世界は「話せばいい人なんだよね」という甘えが許されません。第一印象でマイナスイメージを与えたら、次回は会ってもらうことすらできません。だからこそ、まず目の前の相手から好かれる人になるための“空気をつくる”ことが重要なのだそうです。
「場の空気を作るのは、私一人ではないのです。皆さんとの相互作用が必要です。皆さんも、明日は営業として取引先の方と商談するかもしれませんよね