「お願いだから時間通りに来て欲しい!」 きょうは、朝からそればかりを祈っておりました。確信犯的な遅刻常習者と言われるリリー・フランキーさんがいつ現れるのか、主催者としては気が気ではありませんでした。6時半過ぎ“想定の範囲内”の遅れでやってきたリリーさんに、正直胸を撫で下ろしながら、講演がはじまりました。
リリーさんは『東京タワー』のプロモーションのために全国30カ所でサイン会を行いました。一カ所100人限定ではありますが、たっぷりと3時間をかけて、ひとり一人(延べ3000人)と触れあったそうです。
その際に分かったことは、『東京タワー』を読んだ人は、本をきっかけに、家族にまつわるさまざまな体験を重ね合わせて、私的『東京タワー』をイメージしてくれるということだったそうです。リリーさん自身も嬉しかったのは、「お母さんに電話をしました」「先週の週末に会いに帰りました」「一緒に住むことにしました」という感想を多くの人達からもらったことだったとか。かく言う私も、昨年末に読んだ後すぐに、故郷の母親に正月休みの帰省予定を告げる電話をかけた記憶があります。
この話を聞きながら、昨日の夕学で李鳳宇さんがおっしゃった「強い映画」という言葉が頭に浮かびました。李鳳宇さんによれば「強い映画」の最大の条件は「人を動かす力」があることだそうです。『東京タワー』は、人を動かす力を持った近年まれにみる「強い本」だったことは間違いありません。