« 2016年度 | メイン | 2014年度 »

「能は社会的資源である」 能楽師 安田登さん

photo_instructor_803.jpg能は長く続いている。
世阿弥によって完成したとされているのが650年前。能の源流のひとつである神依りの神事にいたっては、文字より古い歴史があるであろう。

能はつまらないと思われている。
それが証拠に、一番良い場面に辿り着く前に、観客の7割は寝てしまう。


つまらないのに、長く続いている。そこに能の本質がある。

いずれも能楽師安田登さんの言葉である。
高校教師をしていた25歳の時に能に出会い、能楽師になった安田登氏は、能の世界に両足を置きつつも、能をよく知らない人々の素朴な疑問を理解できる立場にある。いわば両方の世界を行きつ戻りつする人である。
二つの世界を行き来できる多義性を「あわい」という。
「あわい」は、能の世界観の特徴でもあり、かつての日本人が持っていた精神性・身体性の特性でもあるようだ。安田さんの生き方は、能そのものかもしれない。

能を現代に「役立つもの」として伝える。
明言はしないが、それが安田さんの使命感なのではないだろうか。

「能は社会的資源である」
安田さんの盟友として、共に本日の夕学の舞台に立たれた笛方の槻宅(つきたく)聡氏の言葉である。
例えば、石油という資源は、原油のままでは人間の役に立たない。精製されてガソリン・灯油などの石油製品になってはじめて役に立つ。

同じように、能は、そのままでは役にたたない。しかし、何かの工夫を加えることで、とてつもなく社会に役に立つものになる。

役に立たない(と思われている)能を、現代人にとって役にたつものとして伝える。
安田さんの使命は、このように言い換えることができるかもしれない。

続きを読む "「能は社会的資源である」 能楽師 安田登さん"

三品和広教授に聴く、「高収益事業の創り方」

photo_instructor_799.jpg演題はずばり「高収益事業の創り方」。この言葉は、三品教授が昨年出版した大著『経営戦略の実践1』の副題でもある。執筆の動機、として教授が語った言葉は「そろそろ戦略論を書き換えないといけない」。
ハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・ポーター教授が『Competitive strategy』(邦題:『競争の戦略』)を世に出したのは1980年、弱冠33歳の時であった。爾来35年、経営を取り巻く環境は激変すれど、この本は世界中で「経営戦略論の決定版」の地位に君臨し続けてきた。
一方、三品教授の『経営戦略の実践1』の帯文には「ポーター、ミンツバーグを超える決定版!」の文字が躍る。これまでの豊富な研究実績をもとに、55歳の教授が満を持して世に問うた本。そこに詰め込まれた三品理論のエッセンスが、教授自身の口から、堰を切ったように語りだされた。

続きを読む "三品和広教授に聴く、「高収益事業の創り方」"

木村 幹教授に聴く、日韓の『越えていく』という在り方

photo_instructor_807.jpg日韓国交正常化50周年の記念すべき年も終わろうとしていた2015年12月、日韓両国政府は、長年の懸案であった従軍慰安婦問題で「最終的かつ不可逆的」な合意に達した。
「まさに現在進行形の話」と木村 幹教授自身が言うように、日韓関係が新たなステージを迎えたタイミングでの講演だった。
但し、表層の報道を追うだけでは、この日の演題である『日韓は歴史認識問題を越えられるのか』という問いへの正確な答えは得られない。あるいは、その問いかけが妥当なものかどうか、という疑問への答えも。
そして木村教授は、時計の針を少しだけ戻したところから話を始めた。

続きを読む "木村 幹教授に聴く、日韓の『越えていく』という在り方"

空気を味わう|春風亭一之輔さん

photo_instructor_808.jpg慶應MCCの夕学五十講で落語を聞けるとは思わなかった。
この日の講演テーマは「落語のちから」。講師は春風亭一之輔さん。2012年、21人抜きの大抜擢で真打に昇進された落語家だという。
夕学の会場に入った途端、いつもとはガラリと雰囲気が違う光景が目に飛び込んできた。ステージの上に金屏風。真赤な高座に、紫の座布団。ああ、今日は落語が聞けるんだなと、それを見た途端にワクワクした。

定刻になると講師紹介に続き、出囃子が流れ始めた。トントントン、ピーヒャラピーヒャラ...というあれだ。そして、一之輔さん登場。すーっと姿を見せると座布団に座り、話を始めた。

続きを読む "空気を味わう|春風亭一之輔さん"

外尾悦郎氏に聴く、「ガウディが入ってくる瞬間」

photo_instructor_789.jpg「ガウディの思いを継ぐということ」
そう題を掲げながら しかしその彫刻家は
遥かフィレンツェは ドゥオモの祭壇から
みずからの語りを始めた

その大聖堂に 700年もの間 決して
形作られることのなかった正規の説教壇
その機会が永遠に失われる前に開かれた
七年にも及ぶ激しいコンペティションの末
外尾悦郎氏はそれを作る栄誉を勝ち取った

続きを読む "外尾悦郎氏に聴く、「ガウディが入ってくる瞬間」"

幸せの日本が世界を救う|前野隆司先生

photo_instructor_789.jpg慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授の前野隆司先生の「幸せの日本論」を拝聴した。前野先生は世界共通で現代にはびこる競争社会のストレスに対して、個人がどのようなマインドを持つことで幸福感が増えるのか、また社会でその幸せを増幅させるには日本的価値観を持つことが非常に役立つことを丁寧に解説してくれた。
前野先生いわく、個人の幸せには以下の4つの因子が関連しているとのこと。

続きを読む "幸せの日本が世界を救う|前野隆司先生"

自分も世界も幸せにする4つの質問

photo_instructor_788.jpg講演の前に榎本先生の著作を読み、背の高い大柄な体格の方である印象を持ちました。ご自分がやりたいことのために会社を退職して、今もやるべきことをなさっている、というスケールの大きさを感じたからかもしれません。しかし、壇上に登られたのは、小柄で繊細な感じの外見と、優しそうでまっすぐに前を見つめる活き活きとした瞳を持った方でした。

私は、自分が豊かになることに対して罪悪感を持っています。自分が幸せになるために、エネルギーを消費し、物を手に入れて豊かになることは、地球環境にとってはよくないことではないだろうか。だから、自分が幸せになることや、便利さを享受するのはいけないことではないだろうか、ということを考え続けてきました。

続きを読む "自分も世界も幸せにする4つの質問"

生活を楽しむ

photo_instructor_798.jpg美人について語ることはあっても、美そのものについて語るのは高尚で敷居が高い事だと思われているようだ。その高尚なテーマに集まった聴衆は大変真面目で、「ここ、普通は笑う所ですよ」、白洲信哉講師もいささか戸惑ったようにも見えた。もっとも聴衆も白洲正子の言葉で笑うのは不謹慎だと思ったのかもしれない。

白洲氏の講演の骨子はシンプルである。
「美は感じるものである。特に自分がどう感じるのかが大事」、「美は生活の中に取り入れて使い、味わうものであり、美術館の陳列棚に入れて眺めるものではない」、「日本人の感じる美の特徴」、この三点だ。

続きを読む "生活を楽しむ"

作家・林真理子

photo_instructor_802.jpg作家・林真理子さんは、以下の三つの要素から、自分は作家に向いていると思うのだそうだ。

ひとつめは心身ともに健康であること。
作家の中にはうつ病の人もいるしよく入院する人もいるが、林さんは健康そのもの。よく食べ、そしてよく眠る。本が売れないのは編集者のせいで、売れれば自分のおかげと思える性格はとても作家に向いているんですよ、と言って会場からの笑いを誘った。

ふたつめは意地が悪いところ。
故・渡辺淳一氏は、林さんの小説を「意地が悪くて、読んでいるとイヤになるよ」と言ったとか。林さんは「普段は本当に優しくて、世のため人のためになることをしている。頼まれごとをされると断れないし、よく世話も焼く」と自身のことを評されたが、小説を書くとなぜだか意地の悪さが出てくるという。

続きを読む "作家・林真理子"

世界の法則を掴み、冒険の旅へ出でよ|橘玲さん

photo_instructor_787.jpg「経済的独立」。
「自由」。
「人生のデザイン」。

橘玲氏の言説を貫く信念を象徴する、3つのキーワード。「経済的独立」によって「自由」を手に入れることができれば、「人生が(効率的に)デザイン」できる。とはいえ人生は偶然の積み重ねでしかなく、そのほとんどは運命に左右されているのもまた現実なわけで、だからこそ可能な限り合理的な設計が必要なのです、と氏は静かに語り始めた。

家族、会社、国家――どれに依存していたとしても安泰なものなど何ひとつない。不測の事態が起きた時、共倒れになるのを避けるために欠かせないのが、経済的独立だ。そのために必要な対策として、株式投資などの金融ノウハウは、これまでも惜しみなく開陳してきた氏である。では2015年12月のこの時、氏が持っているテーマとは何なのか。会場が固唾を飲んで見守る中、掲げられたのが、「ベルカーブ」と「べき分布」、そして数学者で経済学者のマンデルブロが説いた「複雑系」の概念図だった。

続きを読む "世界の法則を掴み、冒険の旅へ出でよ|橘玲さん"

都倉武之先生と聴く、元学徒兵・戦後70年目の語り

photo_instructor_806.jpg「慶應義塾と戦争」アーカイブ・プロジェクト。2013年に創始されたこのプロジェクトは、学び舎としての慶應義塾の立場から先の大戦を振り返り、体験の記録を収集し、次世代に継承していく、慶應義塾福澤研究センターが取り組んでいる調査研究活動である。

その具体的内容は、次の四つの柱からなる。

  1. モノ:一次資料(原資料)の収集
  2. 記憶:広範な聞き取りの実施
  3. データ:基礎的な数値の解明
  4. 公開:上記資料および調査研究報告の多様な公開

この、地味だけれどもきわめて重要な、しかも今すぐおこなわなければ間に合わないプロジェクトの中心に立っているのが、弱冠(と敢えて言おう)36歳の都倉武之准教授
今回の夕学は、この都倉先生を聴き手として、元学徒兵の方から往時の話を伺おうというものである。上記の四本柱で言えば、「2.記憶」と「4.公開」を同時におこなうという意欲的な取り組みでもある。

続きを読む "都倉武之先生と聴く、元学徒兵・戦後70年目の語り"

キャリアの緩急

photo_instructor_801.jpg日本は人口減少時代に入り、年金支払い人口約1名に対して年金受給人口1名が支えられる、いびつで働く人びとが希望を抱きにくい国になっているようだ。つまり独身者でも20歳になったとたん、扶養家族が1名もれなくついてくる感じ。そして、年金受給開始年齢が75歳以上からとなる可能性も出てきた。22歳で就職したとしても、そこから実に53年間人は働き続けなくてはならなくなるかもしれない。

不確実性の高まる国際社会において、一年後に自分のポスト、職場が存続している可能性は未知数になってしまった。従業員一人ひとりの力の総和が企業の存続を支え、ひいては社会全体の力となる。野田稔先生はキャリアを個人の成長と定義し、日本社会が抱える人口問題への不安への対策を、個人レベルで楽しくできることにまで身近に落とし込み、軽快に説明してくれた。その中でも印象に残ったのが、個人の就業を通じた成長過程(=キャリア)に緩急をつけることである。社会人生活が現在よりもっと長くなることがわかった今、どこかで一度仕事を離れて自己研鑽したり、他方死に物狂いで仕事する緩急があってよいと私も思う。

続きを読む "キャリアの緩急"

野田稔塾長に聴く、「末広がりのキャリア」の創り方

photo_instructor_801.jpg演題は「組織人材から"社会人材"へ」。

今回が三回目の夕学となる野田稔氏だが、その肩書は登壇のたびに変わっている。
初回は大学教授、二回目はコンサルティング会社の代表、そして今回は「一般社団法人 社会人材学舎」の塾長。
「転職を繰り返すダメなジョブホッパーなのか、それとも自らキャリアを開発してきたモデルケースなのか...」
そう言って自らとぼけてみせた野田塾長だが、もちろん後者に違いない。それも、自らのキャリアだけでなく、ミドルやシニアのキャリア開発を支援する立場でこの社会に有為な人材を多数輩出させている、という意味では、モデルどころかパイロットケースかもしれない。

続きを読む "野田稔塾長に聴く、「末広がりのキャリア」の創り方"

「カモの逆襲」―ウイルスはどうやって生き残っているのか

高田礼人最近の我が家では、インフルエンザの予防接種を受けるか否かがちょっとした議論になっている。0歳の子どもにだけ打たせる、親だけが打つ、両者とも打つ、両者とも打たない、の4択(正確には、父親or母親の打つ/打たないがあるのでバリエーションはもっと多いわけだが)のうち、どの方法がもっとも望ましいかと幾度となく話し合ってきたが、いまだに結論が出ない。

インフルエンザといえばウイルス感染によるもの、というぐらいの知識はある。他にウイルス感染する病気といえば、エイズもそう。食中毒はウイルスではなく菌が原因。風邪も菌だと思うけれど、風疹はどっちだろう?おたふくは?水疱瘡は?
・・・とまあ、私の知識レベルはこんなところ。講演テーマに関しては、まったくの門外漢ということだ。

高田礼人先生は、私と同じようなレベルの聴衆を想定してか、「細菌とウイルスの違い」の説明から始められた。

続きを読む "「カモの逆襲」―ウイルスはどうやって生き残っているのか"

人の心を動かす"テクニック"だけでない大事なこと|佐々木圭一さん

photo_instructor_785.jpeg2013年に発売されて話題となった『伝え方が9割』。コミュニケーションに悩む多くの人々同様、私も発売直後のこの本を手に取り、大いに勉強させてもらった1人だ。
「『ノー』を『イエス』に変える技術」というタイトルの本講演では一体どんなテクニックを授けていただけるのか、受講を申し込んだ数ヶ月前から、この日を楽しみにしていた。

開演時刻に颯爽とあらわれた佐々木圭一さんは、舞台中央までまっすぐ進み、まずは深々とおじぎしてから話を始めた。
夕学五十講を含め、多くの講演会やセミナーに参加しているが、こんなに丁寧なおじぎからはじまる講演には出会ったことがない。さらに、スリムな見た目にキビキビとした身のこなし。佐々木さんの第一印象は「すこぶる感じがいい人」だ。

続きを読む "人の心を動かす"テクニック"だけでない大事なこと|佐々木圭一さん "

習近平で読み解く中国

photo_instructor_797.jpg習近平の中国とは、すなわち共産党の中国、の謂である。共産党と中国人民の関係を知ることこそが、対中理解の鍵である――覚醒後、走り続けてきた獅子が、ついに息を切らせ立ち止まったかのように見える昨今。日中外交の第一線に立ってきた宮本雄二氏の言は、強い説得力をもって響く。

続きを読む "習近平で読み解く中国"

いざ、理念先行型経営

photo_instructor_805.jpg欧州統括本社であるアシックスヨーロッパB.V.での経験を経て、日本を含む全世界のASICSの企業体制の変革と成長を推進してきたASICS尾山基社長。自社の反省すべき点や失敗だった事業・ビジネスモデルについても時間の許す限り包み隠さず紹介してくれた姿勢が、リーダーにふさわしい品格を感じさせ、強い信頼感を抱いた。

尾山さんにとって良い事業の基準のひとつは、企業理念である「健全な身体に、健全な精神があれかし」に即しているかどうかにあるように思う。尾山さんの改革の根底には、一貫してこの企業理念が流れていた。

続きを読む "いざ、理念先行型経営"

清宮克幸監督に聴く、「有言実行」のチーム・マネジメント

photo_instructor_784.jpg2001年からの早稲田大学ラグビー蹴球部、2006年からのサントリーラグビー部、そして2011年からのヤマハ発動機ジュビロ。清宮克幸監督は常に「優勝」を口にし、そして任期内にチームを頂点へと導いてきた。「有言実行」はこの夜の講演タイトルであるとともに、清宮監督の座右の銘、そしてキャッチフレーズとなっている。

結果が出る前に言葉を投げかける。この「有言実行」を清宮監督が最初に用いたのは、それまで低迷していた早稲田の監督に就任したときだった。関東大学対抗戦を連破していた慶應との対戦を翌日に控え、記者に放った「あすは30点差をつけて勝ちますよ」という言葉は、敵将・上田昭夫監督の「そんな甘いもんじゃないと思い知らせてやる」という言葉とともに、新聞紙面を飾った。そしてこれが、5年連続の対抗戦全勝優勝へのプロローグとなると同時に、上田氏との公私に渡る熱く濃い交流の始まりでもあった。

続きを読む "清宮克幸監督に聴く、「有言実行」のチーム・マネジメント"

西條剛央先生に聴く、「チームの力を活かす組織論」

photo_instructor_792.jpg現在の肩書は、早稲田大学大学院商学研究科MBAコース客員准教授。そんな西條剛央先生だが、「僕、経営にはあまり興味ないんですよ」と呟く姿に、嘘は感じられない。
「ふんばろう東日本支援プロジェクト元代表」という肩書の方が、まだ、西條先生という人を表わしているかも知れない。大きな成果を収めたそのプロジェクトを、最初の宣言通り自ら閉じた(ので「元」代表)という経緯も含めて。
講演終盤の「僕はファウンダー(創業者)型なんです」という発言には、だから、さらに得心がいった。

現象学や構造主義などに源流を持つ「構造構成主義」を独自に構築し体系化するという、どちらかといえば理論的な仕事が中心だった西條先生。その日常を大きく動かしたのは、2011年3月11日に始まった東日本大震災だった。

続きを読む "西條剛央先生に聴く、「チームの力を活かす組織論」"

平井孝志氏に聴く、「構造」と「因果」の「本質思考」

photo_instructor_790.jpgローランド・ベルガー執行役員として活躍する平井孝志氏の最新刊は、『本質思考』。その副題には「MIT式課題設定&問題解決」とある。

かのローマ・クラブが1972年に発表した『成長の限界』。成長から均衡へ、と四十年以上を経てなお世界に影響を与え続けているその警鐘は、MITに委託実施された研究の成果であった。その研究で分析および未来予測手法として用いられたのがMIT発祥の「システムダイナミクス」である。

従来の科学が、自然科学にしても社会科学にしても要素還元主義であったのに対し、システムダイナミクスはそのアンチテーゼとして「全体としての振る舞い」に着目する。
そのシステムダイナミクスを学ぶのが、二十年前の平井氏にとって、MITスローンスクールでMBAを取得した重要な理由のひとつであった。

続きを読む "平井孝志氏に聴く、「構造」と「因果」の「本質思考」"

SFではない、AIの"今"

photo_instructor_783.jpg今回のレビューは、私にとってかなりの難題だ。
「AIといえば、スピルバーグの映画に出てきた、あのヒューマロイドはけなげで可愛かったなあ」とか「『ターミネーター』のスカイネットは怖かった」とか、その程度の予備知識(いや、知識とは言えないレベル)しか持たず、しかも理数系がからっきしダメな私が小林さんの貴重なお話をどの程度理解できているかはなはだ不安なのだが、恐れず筆を進めてみようと思う。

続きを読む "SFではない、AIの"今""

大竹文雄教授に聴く、「経済学的思考法」のエッセンス

photo_instructor_796.jpg行動経済学者である大竹文雄・大阪大学社会経済研究所教授の講演は、「小学生の算数レベルの」3つのクイズで始まった。

問1「バットとボールが合わせて110円です。バットはボールよりも100円高いです。ボールの値段はいくらですか?」
問2「ある工場では5台の機械が5分間で5個のおもちゃを生産します。100台の機械で100個のおもちゃを生産するのには何分かかりますか?」
問3「ある池に浮き草の塊があります。毎日、浮き草の面積が倍になっていきます。もし、48日で浮き草が池全体を覆ってしまったとすれば、池の半分を覆うのに何日かかったでしょうか?」

順に、10円、100分、24日、というのが「直観に基づく、よくある誤答」だと大竹先生は言う。正解は5円、5分、47日。だが、ハーバードやMITの学生でも全問即正解できるのは1/3程度に過ぎず、しかもその人たちは「神様を信じない傾向がある」らしい。

続きを読む "大竹文雄教授に聴く、「経済学的思考法」のエッセンス"

坂下玄哲准教授に聴く、「消費者行動とブランド・マネジメント」

photo_instructor_800.jpg2007年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授、2013年ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院客員准教授。研究者としてのその肩書きが、既に立派なブランドを形成している坂下玄哲先生は、まず「ブランドとはなにか」というところから当夜の話を始めた。

曰く、「ブランドは消費者の中にある」。

続きを読む "坂下玄哲准教授に聴く、「消費者行動とブランド・マネジメント」"

内省的実践家 為末大さん

「内省的実践家」 Reflective Practitioner

ジャンルは問わず、プロフェッショナル・専門家の育成に携わる人々の多くが口にするコア概念である。
組織心理学者のドナルド・ショーンは、プロフェッショナル・専門家の仕事は、理論・技術に習熟するだけでは不十分で、矛盾や不条理に満ちた実践の場で葛藤や試行錯誤を繰り返しながら、自分なりの解決策を見い出していかなければならない、と喝破した。
それが出来る人を「内省的実践家」と呼んだのである。

photo_instructor_795.jpg為末大氏の話を聞きながら、内省的実践が出来る人の実例を見る思いがした。
為末さんには、25年の陸上選手生活を通して、いや引退して3年経つ今もなお、ひょっとしたら一生を通じて、追究し続けるかもしれない知的な営みがある。
それは、自分のやったこと、歩いてきた道を振り返り、そこに意味を見いだし、概念化する行為である。

3年前、引退して間もない時期に夕学に来ていただいた時の講演と比較してみた。テーマは大きくは変わっていない。しかしその内容には、スポーツを越えた普遍性が増していることが分かる。
圧倒的な身体能力の違い、マスコミや周囲の喧噪、天候、コース順等々、努力ではいかんともしがたい矛盾や不条理に満ちた世界で、悩み・苦しみ・失敗し、それを乗り越えて身につけてきた「自分なりの解決策」を、他の世界にも通用する方法で語ることが出来るようになったのではないだろうか。

為末さんは、プロ・専門家の成長には6段階のプロセスがあるという。

続きを読む "内省的実践家 為末大さん"

丹念な取材から生まれる"作品の魅力"と"人への愛"

photo_instructor_794.jpg「華」のある方。
舞台にあがった中園さんの第一印象はこれだ。

ワンピースにジャケットという女性らしい出で立ち。うつくしくセットされたヘアスタイルも上品なメイクも手抜かりなし。それにもかかわらず「今日は徹夜明けなんです」と話を切り出した中園さんを見て「いくつもの大ヒット作を手がけた美人脚本家ともなるとスキが無いものだなあ」と思ったのだが、次の一言で急に親しみがわいた。

「私は仕事のあとはお酒を飲むことしか考えていないので、アフターファイブにお勉強しようとお集まりのみなさんの前で、どんなお話ができるのか不安です」
"パーフェクトな美人脚本家"改め"「なまけもの」で「酒飲み」の美人脚本家"がどんな講演を聴かせてくれるのか、ますます期待が高まってきた。

続きを読む "丹念な取材から生まれる"作品の魅力"と"人への愛""

川村隆元会長に聴く、日立再生と「ラストマン」の生き方

photo_instructor_793.jpg連結の最終損益は787,337,000,000円の赤字。
製造業史上最悪、いまだ破られない不名誉な日本記録を日立製作所が計上したのは、リーマンショックが世界を直撃した2008年度のことだった。
沈みゆく巨艦は、危機に立ち向かうトップを必要としていた。
「社長として、戻ってきてくれないか」
子会社の会長に転出していた川村隆氏に白羽の矢が立ったのは2009年3月。日立本体で副社長まで務め上げ、既に引退も意識し始めていた氏は、思いもかけない形で日立再生の陣頭指揮を執ることになった。
69歳のことだ。

続きを読む "川村隆元会長に聴く、日立再生と「ラストマン」の生き方"

第25回 1/29(金) 安田 登さん

noboru_yasuda.jpg2015年度後期の最終講演としてご登壇いただくのは、能楽師の安田登さんです。

能楽師が80-90歳になっても颯爽と舞っていられるのは、表層の筋肉だけに頼らない能における独特の所作によるものだと、安田さんはおっしゃいます。

基本の姿勢からはじまり、すり足、発声、呼吸・・・と、能楽師の立ち居振る舞いすべてが、現代を生きる私たちの身体能力を高めるのに大いに役に立つというのです。

安田さんは能楽師でありながら、日本では数少ない公認ロルファーでもいらっしゃいます。

ロルファーとは、米国のボディーワーク ロルフィング専門家のこと。

ロルフィングは、1950年代にアメリカに生まれ、スポーツ選手やダンサー、俳優などに愛好されている、体の使い方を意識しながらバランスを整えることを目的とした技法です。

安田さんはこのロルフィングを学ぶことによって、驚異とも言える能楽師の身体の秘密を知る糸口が見えたのだそうです。

能を舞い、謡うことは、江戸時代の武士にとって身体能力を高め、精神修養の場として素養であったと言われています。現代の武士とも言うべき、私たちビジネスパーソンにとっても、能における身体の使い方はたくさんのヒントがあること間違いありません。

小学生から大人まで幅広い対象に向けて、身体能力を高めるワークショップにも熱心に取り組んでいらっしゃる安田さんのお話し、能の身体技法を通して、自らの身体と向き合い対話する機会にしたいと思います。
(保谷)

安田 登さん
 ・能楽師(ワキ方、下掛宝生流)、公認ロルファー
 ・演題「能に学ぶ日本人の身体」
 ・講師紹介ページ

第24回1/26(火) 三品 和広先生

kazuhiro_mishina.jpg第24回1/26(火)は、神戸大学大学院経営学研究科 三品和広教授にご登壇いただきます。
『夕学五十講』には、2004年度前期、2007年度後期に続く、今回3回目のご登壇です。

2004年の演題は、「戦略のできる経営者を育てる」でした。90年代以降、日本企業の国際競争力が相対的に低下してきた一番の要因は、長期的戦略視点の欠如である、とおっしゃっていました。

2007年の演題は、「成長の方程式はあるか」。「戦略は、人に宿る」とすぱっと言い切り、ていねいに解説いただいたのを覚えています。

今回の演題は、「高収益事業の創り方」です。
「経営をDirectionできる人材を供給しない限り、実は何も始まりません。」と三品先生はおっしゃいます。では、経営をDirectionできる人材とは。Directionに必要な能力や知識は。どうしたらそうした経営人材を育てられるのか。

三品先生は、これまで一貫して、日本企業の経営戦略と経営者の関係を研究してこられました。
そんな三品先生はいま経営幹部候補のための"教科書"を5年越しで仕込んでいらっしゃるそうです。問題を指摘し分析するだけでなく、その問題から脱するガイダンスを、と考えられる三品先生らしいお取り組みです。
三品先生の「高収益事業の創り方」。ビジネス経営に携わるビジネスパーソン皆さんにおすすめの講義です。(湯川)

三品 和広先生
・神戸大学大学院経営学研究科 教授
・演題:「高収益事業の創り方」
講師紹介ページ

第23回1/21(木) 木村 幹先生

kan_kimura.jpg第23回1/21(木)は、神戸大学大学院国際協力研究科 木村幹教授にご登壇いただきます。

木村幹先生は、比較政治学、朝鮮半島地域研究をご専門とされ、日韓の歴史的変遷、歴史認識問題、政治過程の背景などをテーマに多数、著書や記事を執筆されています。

日本と韓国。隣国であり、経済においても、文化においても、交流はさかんで結びつきも強く、ともに民主主義でもあります。
韓国からの観光客の方々がたくさんいらしていますし、丸の内では雑誌の撮影や写真撮影もたびたび見かけます。日本から週末に、気軽な感覚で韓国旅行を楽しむ人も多くいますし、私の友人のなかにはドラマをきっかけに興味関心をもち韓国語を始めた人、韓国の伝統楽器ヘグムを習う人もいます。

このように親しみを感じる一方で、歴史認識問題では対立し続けています。政治的にも2012年の竹島問題以降、首脳会談すら開催できない状況が続いています。日韓関係の問題が報道や議論されるとたびたび、もしかしたらどこまでも解り合えないのではないか、という漠とした不安さえもちます。

木村先生は、この一見矛盾している日韓間の状況はどのようにもたらされたのだろうか、と問いかけられています。日韓関係の背後にどのような構造的問題があるのか。日韓は歴史認識問題を超えられるのか。今回は木村先生とご一緒に、対立し続ける関係の背景から、じっくり考えてみたいと思います。(湯川)

木村幹先生
・神戸大学大学院国際協力研究科 教授
・演題:「日韓は歴史認識問題を越えられるのか」
講師紹介ページ
Kan Kimura's Homepage

第22回 1/14(木) 春風亭 一之輔さん

ichinosuke_syunpuutei.jpg1/14(木)は落語家 春風亭 一之輔さんにご登壇いただきます。

"いま大注目の若手落語家"、"最も注目されている新進気鋭の噺家"、"期待の真打"等々
・・・一之輔さんを彩る言葉は数知れず。

大学卒業後、春風亭一朝に入門し、2004年には二ツ目昇進。

2012年にはなんと21人抜きの大抜擢で真打に昇進と、数々の演芸大賞も受賞し、これからの落語会を担う実力ある若手噺家のホープでいらっしゃいます。

一之輔さんが落語に出会ったのは高校時代。ラグビー部を辞め、フラリと入った浅草演芸ホールで寄席を観たのが落語にハマッたきっかけだそうです。

生の落語に触れ、高校の「落語研究部」を再建するなど、一之輔さんの人生は大きく変化しました。

今では、アーティストのミュージックビデオに出演されたり、テレビコマーシャルに起用されたりと、その活動の幅も拡げています。

今回は、一之輔さんが考え経験されている「落語の力」を一席交えお話し頂きますので、私達もその魅力を身体ごと体感し愉しみましょう。
(保谷)


春風亭 一之輔さん
 ・落語家
 ・演題「落語のちから」
 ・講師紹介ページ
  写真:キッチンミノル

第21回 1/7(木) 外尾 悦郎さん

etsurou_sotoo.jpg2016年新年第一弾1/7(木)にご登壇いただくのは彫刻家 外尾悦郎さんです。

スペイン バルセロナにあるサグラダ・ファミリア聖堂の専任彫刻家として日本を離れ活躍されるとともに、数年前にはコーヒーのCMにも出演していらっしゃいましたので、ご存知の方も多いことでしょう。

サグラダ・ファミリアは1883年より建築家アントニ・ガウディが手がけた世界を代表する歴史的巨大建造物。

ガウディは40年以上にもわたりサグラダ・ファミリアの建築を主導しましたが、彼の死後いまもなお、その建築は続けられているというから驚きです。

外尾さんは、大学卒業後、中学・高校の非常勤講師として勤務したのち1978年単独でバルセロナへと渡りました。ガウディの建造物に魅せられ、当初は何のつてもなく、サグラダ・ファミリアの彫刻家として一歩ずつ信頼を築き、今では主要な彫刻家の一人として活躍していらっしゃいます。

ガウディの死去は1926年。

サグラダ・ファミリアは彼の死後もどのように意図を受け継ぎ建築が進められているのでしょうか。会ったことも、話したこともないガウディのどんな思いを継ぎ、世代と国を超え彫刻を続け、美を生み出していらっしゃるのでしょうか。

普段は当然のことながらバルセロナ在住の外尾さん。
私どもの数年にわたる念願かなってのご登壇。日本にて待望のご講演楽しみです。(保谷)

外尾 悦郎さん
 ・サグラダ・ファミリア彫刻家
 ・演題「ガウディの思いを継ぐということ」
 ・講師紹介ページ

第20回12/17(木) 前野 隆司先生

takashi_maeno.jpg第20回12/17(木)の講演は、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授 前野 隆司先生です。

前野先生には2012年より3年ぶりにご登壇いただきます。前回のテーマは、研究のご専門領域である「システムデザイン思考」をわかりやすくご紹介いただきました。そのときの楽屋ブログ(リフレクション)はこちら

「自分を磨く、人とつながる、ポジティブに考える、他者に惑わされない。これが、幸福になるための条件である。」

講演のなかで、後半で添えられたこのメッセージに、私ははっとしました。「問題をシステムとして俯瞰的にとらえ、全体として整合性のある解を導く」システムデザイン思考、かたそうな、むずかしそうな思考の事例が、「幸せ」であることに、感動もしました。意外に思われるかもしれませんが、実は「幸せ論」も前野先生のご専門。

今回はじっくり私たち日本人の、日本の、「幸せ論」を伺うことになりました。
日本は、日本の個人と企業は、どうしたら幸せになれるのでしょうか。幸せとは何でしょうか。感情論や理想論ではなく、システムデザインの方法論から考える骨のある幸せ論です。前回の自分がそうであったように、今回のご講演でもきっと、たくさんの方にはっとするような学びや気づきを得ていただけるのではと、再登壇いただけることを嬉しく思っています。(湯川)

前野 隆司先生
・慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科 教授 
・演題:「幸せの日本論-日本の個人と企業はいかにあるべきか」
講師紹介ページ

第19回12/15(火) 榎本 英剛さん

hidetake_enomoto.jpg第19回12/15(火)は、よく生きる研究所 代表、榎本 英剛さんにご講演いただきます。

よく生きる研究所。2012年に、榎本さんがこれまでの活動を統合すべく、設立された研究所です。設立当時、なんて素直で素敵な名前なんだろう!と思ったのを覚えています。

榎本さんはおっしゃいます。今、大変な世界、大変な時代である。「にもかかわらず、多くの人は日々の暮らしに忙しく、それどころではないといった状況です。」と。
「そうなんです」と思わず、声に出して答えてしまいまいそうなこの投げかけに、榎本さんは具体的な考え方や方法論でアドバイスし、リードしてくださっている方だと思います。それが、「アクティブ・ホープ(Active Hope)」。

「アクティブ」とは、積極的な、能動的なの意味。「ホープ」は希望です。希望とは、状況や条件によって自然と湧いてくるものだと考えられがちですが、実はそうではなく、「自分が選ぶことのできるものだ」というのが、このアクティブ・ホープの考え方だといいます。興味がわきます。楽しみながらじっくり受講して、しっかりエッセンスを持ち帰りたいと思います。(湯川)

・榎本 英剛さん
・よく生きる研究所 代表
・演題:「自分も世界も幸せにする生き方」
講師プロフィールはこちら

第18回12/11(金) 白洲信哉さん

shinya_shirasu.jpg第18回12/11(金)は、白洲信哉さんをお迎えします。

父方の祖父母に、白洲次郎・正子、母方の祖父に、文芸評論家の小林秀雄をもつ白洲信哉さん。

さぞ素晴らしい古美術たちに触れてお育ちになられたのだろうと誰もが想像しますが、その期待に応えるように白洲さんはご活躍でいらっしゃいます。現在、古美術骨董専門誌 月刊目の眼編集長をつとめられ、執筆活動のほかさまざまな文化イベントの企画、プロデュース、デザインなどをてがけていらっしゃいます。

私は特に月刊誌 『婦人画報』 の白洲さんの連載、「古窯に盛る」のファンです。
美しい古美術の器に、料理が美しく盛られた、美しい写真とともに、白洲さんのこれまた美しい文章が、綴られています。"使う"こと、"使ってこそ"であることが日本の美の特徴と言われますが、この連載を拝見しているとつくづくそれを感じます。皆さんもぜひいちどご覧になってみてください。

そして、白洲さんの文章には、髄まで染み込んだ美の感性や愛情も感じます。そんな白洲さんの直のお話をお伺いできる貴重な機会。感性をとぎすませてじっくり伺いたい、楽しみに思っています。(湯川)

白洲信哉さん
・古美術骨董専門誌 月刊『目の眼』編集長
・演題:「美を求める心」
 (本講演は講演60分、質疑応答30分で20:00終了です)
講師紹介ページ

第17回12/9(水) 林 真理子さん

mariko_hayashi.jpg12/9(水)は作家 林 真理子さんにご登壇いただきます。

林 真理子さんと言えば、直木賞受賞作家であるとともに、現在は直木賞をはじめ数々の文学賞選考委員を務め、現在の日本文壇を代表する作家のお一人です。

1982年のエッセイ出版以来、毎年上梓し続け、その数はなんと200冊以上。

林さんの小説には、その時代を謳歌し力強さを備えながらも、どこか切なく応援したくなる主人公ばかり。
読み進めていくうちに、自然と主人公に共感し、自らと重ね、物語へ入り込んでいることに気づきます。

小説を書く際に、作家はどのようにテーマを見つけ、ゼロから物事を動かしているのでしょうか。

数々のエッセイからも感じる通り、欲望を知的好奇心へと昇華させ、エネルギッシュな日々を過ごし作品へと投影される林さんから、今回は小説を書く意義と意味について、お話しいただきます。(保谷)

林 真理子さん
・作家
・演題「小説を書く時間」
講師紹介ページ

第16回12/4(金) 橘 玲さん

akira_tachibana.jpg12/4(金)は作家 橘玲さんにご登壇いただきます。
橘さんと言えば、国際金融小説『マネーロンダリング』で作家デビュー、特に投資や経済に関するフィクション、ノンフィクション数々の著書があります。
「夕学五十講」ご登壇は2回目。前回に引き続き、似顔絵ヴァージョンにての講師紹介です。

1回目のご登壇は2013年4月、第2次安倍内閣発足より約4ヶ月の頃でした。当時、橘さんは市場でどんなことが起こり得るのか、将来のシナリオは下記いずれかに限定できる、とおっしゃっていました。

1.楽観シナリオ アベノミクスが成功し、経済成長がはじまる。
2.悲観シナリオ デフレ不況がまだまだ続く
3.破滅シナリオ 日本国の財政が破綻する

折しも、ここ最近の市場といえば世界的に株価乱高下の日々。中国経済の失速によるマネー動乱とも言われています。

近著では、実際に歩き見聞した生の情報から、交流した現地の中国人の様子、歴史、社会システムについて橘さんならではの感性と考察により綴られています。

世界を歩き、投資、経済、社会構造、はたまた人生論まで記していく橘さんの世界。
2015年12月ご登壇の際には、世界そして日本の経済、社会はどうなっているのでしょうか。橘さんはそこをどう論じるのでしょうか。

「いろいろな質問大歓迎」「可能な限りお答えします」とおっしゃって下さる橘さん。
私達も、橘さんの投資世界見聞録 で世界をともに歩き見聞深めながら、12/4を楽しみにお待ちしたいと思います。(保谷)

橘 玲さん
 ・作家
 ・演題「世の中の仕組みと人生のデザイン」
 ・講師紹介ページ

第15回12/3(木) 都倉 武之先生

takeyuki_tokura.jpg第15回12/3(木)は、慶應義塾福澤研究センター 准教授 都倉 武之先生にご登壇いただきます。

戦後70年。改めて戦争について考える企画がさまざま展開されています。新たな発見があり、現代の技術でできる分析や再現があり、70年経ったことで語れることもある一方で、戦争経験者の方々から生の声を聴く機会はますます限られていきます。戦後70年、いまだからこそ取り組むべきこと、取り組んでおきたいことがあります。

慶應義塾では、戦争の時代の記録と記憶を保存するプロジェクトに取り組んでいます。この「慶應義塾と戦争 アーカイブ・プロジェクト」を担当されているのが、都倉先生でいらっしゃいます。都倉先生は、近代日本政治史・政治思想史、メディア史がご専門でいらっしゃいます。

今年の6-8月、プロジェクト主催で「慶應義塾の昭和二十年」展 が開催されていました。慶應義塾関係の戦歿者は2200名以上、全国の大学中で最大の空襲被害を受けた大学であったことを、私は今回の展示ではじめて知りました。
また、ひとつの視点の軸があることで、昭和 20 年終戦前後の時代のこと、戦争と教育のことを具体的かつ多面的に知る機会となりました。

今回の講演では、当日、戦前日本の高等教育を受け、軍隊を経験された方々もお迎えし、お話をお伺いする予定です。都倉先生とそして戦争経験者の方々とご一緒に、皆さんと「戦争と学生」について考えてみたいと思います。(湯川)

 ・都倉 武之先生
 ・慶應義塾福澤研究センター 准教授
 ・演題:「戦後70年、『学生と戦争』を考える」
講師プロフィールはこちら
「慶應義塾と戦争」アーカイブ・プロジェクト

第14回11/26(木) 野田 稔先生

minoru_noda.jpg第14回11/26(木)は、野田 稔先生です。

野田先生は、組織・人材領域を中心に幅広いテーマで、コンサルティングや人材育成に携られています。2013年9月には(一社)社会人材学舎 を設立。塾長として、"人々がいきいきと働く社会づくり"に取り組まれています。

『夕学五十講』へは、03前期、08前期に続く、3度目のご登壇です。
慶應MCCではメインキャンパスでも、オープン当初より『組織・人材プロフェッショナル養成講座』はじめとする講座にご登壇いただいてきました。私も以前、それも比較的長く、講座を担当させていただいていたので、野田先生のご講義を数多く聞かせていただいてきました。そこからの実感は、野田先生のすごさは、

野田先生のお話は、いつ聴いても、何度聴いても、面白い!

こと。野田先生は常に、新しい活動、新しい発信をされていますが、実は同じテーマの講演であっても、いつ、何度、聴いても、お話が面白く、刺激があり、新たな学びがある。新たな自分の気づきや変化が起こるのが、すごいところだと思います。

個人、企業、社会の成長と幸せ。"社会人材"づくりムーブメントは、野田先生のメッセージと、方法論、元気の相乗。野田先生の人々を元気にする力は、皆さんを元気にしたい、社会を元気にしたい、との先生の願いと情熱があってこそに違いありません。今回の講演は、野田先生の最新の活動とメッセージをじっくり伺うことができる機会で、私自身とても楽しみに思っています。(湯川)

 ・野田 稔先生
 ・一般社団法人 社会人材学舎 塾長、明治大学大学院グローバル・ビジネス研究科 教授
 ・演題:「組織人材から"社会人材"へ」
講師プロフィールはこちら

第13回11/18(水) 高田 礼人先生

ayato_takada.jpg11/18(水)は北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター 教授 高田礼人先生の
ご登壇です。

インフルエンザにエボラ出血熱など・・・、近年、世界各地で新しいウイルス感染症の発生が相次いでいます。
これらのほとんどは、ウイルスが動物からヒトに伝播して感染症を起こす「人獣共通感染症」です。

人獣共通感染症を引き起こすウイルスの多くは、野生動物に感染し自然界に存在しているのですが、いったんヒトに伝播すると、致死率は高く猛威をふるうとされています。

高田先生は"ウイルスハンター"としての異名を持ち、世界で初めてエボラウィルスの感染メカニズムを解明した世界的第一人者でいらっしゃいます。

世界中を飛び回り、ウイルスの存続メカニズム解明に挑む高田先生のウイルスそして生態との向き合い方とはどのようなものなのでしょうか。

ウイルス学における先生のご研究について、さらにはウイルスの生き様について、高田先生とともにに考えてみたいと思います。(保谷)


高田 礼人先生
・北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター 教授
・演題「ウイルスはどうやって生き残っているのか」
講師紹介ページ

第12回11/17(火) 佐々木 圭一さん

keiichi_sasaki.jpeg第12回11/17(火)は、コピーライターで作詞家、(株)ウゴカス代表、佐々木 圭一さんにご登壇いただきます。佐々木さんは上智大学で非常勤講師として教鞭もとっていらっしゃいます。そんな佐々木さんが、コピーのコピーライターとしての経験や講義での反応などを踏まえまとめられたのが

伝え方が9割 画像.bmpのサムネイル画像
伝え方が9割
伝え方が9割(2)

です。2冊あわせてシリーズで、77万部を突破しているそうです。皆さんのなかにもお読みになられた方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。そして、ランキング1位、ビジネス書大賞受賞、64万部突破! 77万部突破!ヒットし、話題となるとまたさらに読みたくなるもの。

おかげさまで、『夕学五十講』の佐々木さんご講演回も受付開始から早々に、満席となりました。

「伝え方にはシンプルな技術がある」
「「ノー」を「イエス」に変える」
「強い言葉」

佐々木さんの目次やコメントには、思わず「知りたい!」と声に出してしまうような、"伝わってくる"メッセージがたくさんあります。シリーズがヒットし続けている理由も、伝え方の技術に違いありません。ライブ講義編『夕学五十講』でじっくり学べるのが楽しみです。(湯川)

 ・佐々木圭一さん
 ・コピーライター、作詞家、上智大学非常勤講師、株式会社ウゴカス代表
 ・演題:「「ノー」を「イエス」に変える技術 ―『伝え方が9割』から」
講師プロフィールはこちら

第11回11/11(水) 尾山 基さん

motoi_oyama.jpg11/11(水)は株式会社アシックス
代表取締役社長CEO 尾山基さんにご登壇頂きます。

アシックスは2000年からの15年間で海外売上高比率が約2倍となり、現在は70%以上に達している言わずと知れたグローバル企業。

戦後まもない1949年 鬼塚喜八郎氏により創業。オニツカ・タイガーブランドで人気を博し、合併後も創業者のDNAを受け継いだダントツの技術力、マーケット力でグローバル企業へと成長してきました。

世界を代表する競合の多いスポーツメーカー業界のなか、日本を代表する企業として日の丸メーカーアシックスは世界各国で支持され、愛され続けています。

尾山さんは大学卒業後、総合商社を経て1982年にアシックスへ入社。

国内営業を経験された後、アメリカ、一度日本に戻り、さらにはヨーロッパ社社長と海外ビジネス経験も豊富でいらっしゃいます。

今回はアシックスがいかに海外市場を開拓してきたのか、尾山さんのヨーロッパ駐在時に実践された事業変革事例を中心に解説いただきながら、海外ビジネス展開のヒントをあますところなくお話しいただきます。

東京五輪ゴールドパートナーとして更なる飛躍をめざすアシックスの戦略はどう描かれているのか、尾山さんのご経験に基づくお話し、楽しみです。(保谷)

尾山基さん
 ・株式会社アシックス 代表取締役社長CEO
 ・演題「アシックスのグローバル戦略」
 ・講師紹介ページ

第10回11/10(火) 宮本 雄二さん

yuji_miyamoto.jpg第10回11/10(火)は、宮本雄二さんにご登壇いただきます。

宮本さんは、元駐中国特命全権大使で、現在、宮本アジア研究所代表、日中友好会館副会長、日本日中関係学会会長も務められていらっしゃいます。

宮本さんは2006年から2010年の間、駐中国特命全権大使を務められていました。この時期、2008年北京オリンピック、2010年上海万博、GDP年10%レベルの高度成長などがありました。また、日中関係が非常に難しく、緊迫した時期であったことも皆さん、ご記憶と思います。2006年といえば、中国での大規模な反日デモを受け翌年の調査で、中国と日本で双方に対するマイナスイメージが急上昇したことが大きく報道された年、2010年は尖閣諸島中国漁船衝突事件でした。

宮本さんは、「引っ越しできない、隣国の大国同士である日中は、平和共存するしかない」と説かれます。隣国ゆえに対立もしやすく、争いが起こりやすい一方、隣国ゆえに平和共存するしかない、願いでもあり事実でもあるとおっしゃっていると思います。

現在、中国では、習近平総書記が2012年の就任以来、猛烈なスピードで改革を進めています。本講演のタイトルでもある近著『習近平の中国』の帯にあるように、宮本さんは

"習近平を最もよく知る元大使"

と評されます。中国はこれからどのように変わっていくのでしょうか。日中の関係をこれからどう考えていけばよいのでしょうか。隣国の大国である中国を見続け、全権大使を務められ、習近平を最もよく知る元大使でいらっしゃる宮本さんよりじっくりお伺いしたいと思います。(湯川)

・宮本 雄二さん
・宮本アジア研究所 代表、元駐中国特命全権大使
・演題:「習近平の中国」
講師プロフィールはこちら

第9回11/2(月) 清宮 克幸 監督

katsuyuki_kiyomiya.jpg第9回11/2(月)は、ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機ジュビロ 清宮克幸 監督にご登壇いただきます。

「有言実行」

清宮監督の言葉、となると、力強くて、説得力があります!

茨田高校、早稲田大学、サントリー。主力選手として、主将として、活躍された選手時代。早稲田大学ラグビー蹴球部は就任後5年連続で関東大学対抗戦全勝優勝、サントリーでは初のトップリーグチャンピオンに導いた監督時代。清宮監督のご活躍を当時、試合やメディアでご覧になられていた方々はもちろん、語り継がれる名選手、名監督としてご存じの方々も、約1年の休みをへて、監督としてラグビーに帰ってきてくださったときには、「待っていました!」と思われたことでしょう。

そして、今年の2月。秩父宮ラグビー場が湧きました。創部から32年、リーマンショックにより廃部宣言さえされたチームの悲願の全国制覇。清宮監督、就任5年目の新たなる快挙。「さすがです!」清宮監督。
さらにこの夏は、早稲田実業1年生野球部員、あの清宮幸太郎選手のお父さん、としても注目されました。清宮監督のマネジメント、選手育成、チームの育成、リーダーシップの成果だと選手とともに父をたたえる注目でもありました。

「誰もがそんなことが出来るわけないと。でも、言葉にしないものは実現しない」それが清宮監督の「有言実行」。力強いです。清宮監督が、直に、生の言葉で、語ってくださいます。楽しみです。(湯川)

 ・清宮 克幸 さん
 ・ラグビートップリーグ・ヤマハ発動機ジュビロ監督
 ・演題:「有言実行」
講師プロフィールはこちら
ヤマハ発動機ジュビロ

第8回10/30(金)西條 剛央先生

takeo_saijou.jpg10/30(金)は早稲田大学大学院 商学研究科 MBAコース 客員准教授 西條剛央先生にご登壇いただきます。

「ふんばろう東日本支援プロジェクト」

日本最大の総合支援組織となったこの支援プロジェクト、名前や活動をご存じの方は多いことと思います。
西條先生は、このプロジェクトを設立・運営してこられた方、でもいらっしゃいます。そして、震災から3年後の昨年11月、プロジェクトは、「一定の役割を果たしたと考え、発展的に解散」されました。このことにも西條先生のメッセージがこめられているように思います。

「不平等になるので支援物質が配れない。」
震災後の支援活動のなかで、そんなコメントや現状が報道され、批判されたことがありました。きっとこれはほんの一例。思いで寄り添いたいと思いながらも距離のある一視聴者として、批判に同調することはやさしくとも、活動の真ん中でそうした場面に日々直面し、感情や対立を乗り越え、その先をめざそうと活動されてこられた方々は、どれほど苦労されたことでしょう。西條先生は、"組織災"だ、とおっしゃっています。

人が集まれば、力が総和になるわけではありません。多様な人がたくさん集まれば、それだけに衝突も起こります。形ばかりでチームが機能を果たさないことや、成果を出せない、それどころかマイナスになることもあります。その通り。これまた同調することはやさしくとも、日々の仕事で自分を振り返ると思い当たり、それこそが仕事の難しいところだ、とさえ思います。多様化のすすむ社会、多様性を生かしてこそとの流れ、組織開発の注目、と同時にこれらが言うは易し実践は難し、であることを私たちは実感しています。

学際と実践に基づく、西條先生のチームと組織の最新理論。「構造構成主義」に基づくチーム力。しっかりご講演で学びたいと思います。(湯川)

西條 剛央先生
・早稲田大学大学院 商学研究科 MBAコース 客員准教授 
・演題「チームの力を活かす組織論 ~良い組織作りのための実践的視座~」
講師紹介ページ
本質行動学アカデメイア「いいチームを作りましょうプロジェクト」

第7回10/28(水) 平井孝志さん

takashi_hirai.jpg10/28(水)はローランド・ベルガー
シニアパートナーの平井孝志さんにご登壇頂きます。

平井さんと言えば、多くの本屋で平積みになり、ビジネス書ランキングでも好評な著書『本質思考』で一段と注目されている戦略コンサルタントのお一人。

米国マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院MBA、博士を取得されているとともに、コンサルファーム、スターバックスコーヒージャパン、ネットベンチャーなどの事業会社にての豊富なご経験もお持ちです。
現在は、幅広い業界、クライアントにおいて、戦略の立案、ターンアラウンド、組織変革と数多く手がけていらっしゃいます。

平井さんは、複雑で込み入った問題に日々直面するビジネスパーソンにとって、労力や真剣さ以上にものごとの構造と原因の相互関係に着目することが重要とし、MITで学ばれたシステムダイナミクスの考え方をもとに解説されています。

今回は、私たちの「思考のクセ」に着目しながら、本質を捉えスジの良い答えに至るまでのヒントを紹介いただきます。

じっくりと腰を据えて、自らの問題について取り組み、真にインパクトがある解を導き出す思考法「本質思考」とは何か考えていきましょう。(保谷)

平井 孝志さん
・株式会社ローランド・ベルガー 執行役員 シニアパートナー
  慶應義塾大学 特別招聘教授
・演題「スジが良い答えを導く本質思考」
講師紹介ページ

第6回10/22(木)小林 雅一先生

masakazu_kobayashi.jpg第6回10/22(木)は、KDDI総研 リサーチフェロー 小林雅一先生にご講演いただきます。

小林先生は、世界的に関心を集めている、AI(人工知能)研究の日本における第一人者のお一人でいらっしゃいます。

AIと聞くと私は映画 『A.I』 を思い出します。当時、少年型ロボットDavidの可愛さ、ひたむきさ、切なさにいちばん心打たれましたが、さまざまな意味で共感し考えさせられもした、程よい近未来感の作品だったと思います。故スタンリー・キューブリック監督の思いを引き継ぎ、スティーヴン・スピルバーグ監督が制作したことでも話題となりました。2001年の制作から15年。可愛いAI搭載ロボットの姿に"近づいていること"を感じます。

AIやAIを搭載した次世代ロボットが次々登場し、ますます注目を高めています。小林先生は、AIに対する日本の社会や一般企業の反応は、2012年にはまだ鈍かったのがここ数年、短期間のうちに急激に盛り上がってきた、と指摘されています。過剰期待ともいえる状況に、AIについて正しく理解すること、がまず大事だとおっしゃっています。今回の講演テーマでもある『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』ご執筆の意図ではないでしょうか。

AIが私たちにとって本当は何を意味するのか。小林先生からAIをめぐる実態、最先端の研究、そして先生のお考えをじっくりお伺いし、皆さんと考えたいと思います。(湯川)

小林 雅一
・演題「AIの衝撃 人工知能は人類の敵か」
講師紹介ページ

推薦図書『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』『クラウドからAIへ アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場


第5回10/21(水) 大竹 文雄先生

humio_otake.jpg10/21(水)は大阪大学社会経済研究所
教授 大竹文雄先生のご登壇です。

先生のご専門は労働経済学、行動経済学。

所得格差の実態、法人税の減税、男女差における行動特性、さらには「もし宝くじに当たったら」という論文・・・と、政策における問題から私たちの身近に起こっている事柄まで、経済学の視点より幅広く研究、論じていらっしゃいます。

"経済学の考え方"を知ることで、普段の私たちの行動が経済合理性からどれだけズレているか知ることができると、先生はおっしゃいます。

豊富な研究例とわかりやすい解説から、経済学へのセンスを磨き、経済学的思考法を身につけ、私たち誰もが持っている直感的判断が正しいか確認をしていきたいと思います。(保谷)

大竹 文雄先生
 ・大阪大学社会経済研究所 教授
 ・演題「経済学的思考法」
 ・講師紹介ページ

大竹文雄のホームページ

第4回10/16(金)坂下 玄哲先生

mototaka_sakashita.jpg10/16(金)には、慶應義塾大学ビジネススクール准教授 坂下 玄哲先生にご登壇いただきます。

坂下先生は、消費者行動論がご専門。いま注目され、これからますます活躍が期待されている、若き研究者でいらっしゃいます。

今回のテーマは「消費者行動とブランド・マネジメント」。つまりは、どうすればもっと売れるだろうか。どうすればよりたくさんの人に気に入ってもらい、選んでもらえるだろうか。どうすれば成長し続ける企業になれるだろうか。普遍的ともいえる問いに答えるべく続けられている研究でしょう。

一方で、選ぶ側買う側のニーズや行動は、ますます多様化し、広がるばかり。生活者をとりまく環境も、ビジネス環境も、どんどん変化がはげしくなるばかり。では、どうしたらよいのでしょうか。

坂下先生の論文やインタビュー記事を拝見すると、ユニークで現代的な視点をもって新しい研究に取り組まれていることがわかります。たとえば、オピニオンリーダーとオピニオンシーカー。たとえば、フランスと日本の母と娘の関係性の違い、その買い物へのインパクト。そこにヒントがあるのではないか、と期待しています。

消費者行動理論とブランド・マネジメント理論、坂下先生ご自身の最新のご研究とそこからの分析で、皆さんとじっくり、いま、では、どうしたらよいのか、を学びたいと思います。(湯川)

坂下 玄哲先生
・演題「消費者行動とブランド・マネジメント」
講師紹介ページ

第3回10/14(水) 為末 大さん

dai_tamesue.jpg
10/14(水)にご登壇いただくのは
為末大さんです。

陸上トラック種目の世界大会で日本人として初のメダル獲得、男子400メートルハードルの日本記録保持者(2014年10月現在)として、日本を代表するアスリート。

2012年現役引退後、現在は、一般社団法人アスリート・ソサエティ為末大学 ランニング部Xiborg などを通じて、スポーツより社会、教育、研究に関する活動を行い、大人から子どもまで幅広く、動く喜び、学び続ける喜びを伝えていらっしゃいます。

今回のテーマは「禅とハードル」について。

25年間の競技人生を通して培った、行為に没頭すること、集中することの心地よさについて、禅を体験することによっての改めての気づきが多いとおっしゃいます。

なぜ、走るのか。
なぜ、生きるのか。

現役時代より禅の世界に高い親和性を感じていたという為末さん。
さまざまな情報とすぐにアクセスでき、つながり、果てしなく選択肢を拡げることのできる時代だからこそ、絞り込むこと、没頭することの重要性についてご経験をもとにしたお話、楽しみです。

2015年度後期は本日8/26(水)より受付開始しております。(保谷)

為末 大さん
・演題「禅とハードル」
講師紹介ページ

為末大・侍オフィシャルサイト

第2回10/6 (火) 中園 ミホさん 

こんにちは。慶應MCC保谷です。
『夕学五十講』2015後期もどうぞよろしくお願いいたします。

miho_nakazono.jpg

第2回10/6(火)にご登壇いただくのは
脚本家 中園ミホさんです。

「やまとなでしこ」(2000年)、「ハケンの品格」(2007年)、最近では「ドクターX〜外科医・大門未知子」(2012~14年)、「花子とアン」(2014年)、「Dr.倫太郎」(2015年)等々・・・、中園さんによる脚本のドラマはどれもがその時代を切り取り、話題になっているものばかり。

高視聴率を生み出す脚本の裏には、ドラマの舞台となる各現場を訪れ、登場人物となりそうな人々に可能な限り出会い話す「取材の中園ミホ」と呼ばれるほどの取材を重ねていらっしゃるとのこと。だからこそ、どの登場人物達も私たちの実生活に存在するかのように思え、台詞一つ一つもリアルで、各現場の本音が埋め込まれている所以なのでしょう。

広告代理店、占い師、コピーライター、そして脚本家とご自身も数々の職業を経験し、子育てに仕事にと多彩なご経験をされている中園さんより、「脚本家の視点」から"いま"を切り取りお話しいただきます。

2015年度後期は8/26(水)10:00より受付け開始です。
(保谷)

中園ミホさん
・脚本家
・演題「脚本家の視点から」
講師紹介ページ

15後期が始まります。第1回 10/2(金) 川村隆さん。

takashi_kawamura.jpg皆さん、こんにちは。慶應MCCの湯川です。

いつも『夕学五十講』にご関心をお寄せいただき、お越しいただき、ありがとうございます。
お待たせしました。次期「15後期」の予約を今週8/ 26(水)受付開始です。どうぞご期待ください。

本日より、恒例の講師講演紹介も始めたいと思います。いつもはレビュアーがリレーで講演をレポートしているこの「夕学リフレクション」のコーナーですが、講演が始まるまでの間、私たち進行役の湯川と保谷が各回をご紹介していきます。

第1回 10/2(金)にご登壇いただきますのは、(株)日立製作所 相談役 川村隆さんです。

会長兼社長として、抜本的改革をおこない、どん底から過去最高益の日立へ、そして世界に躍進する日立へと"復活"させた、川村さん。それを実現したのは、「最終責任者=ラストマン」の覚悟であり、ビジネスパーソン一人ひとりが持つべき意識だと、力強く語ります。

ラストマンとは。ラストマンの生き方とは。企業の使命とは。川村さんより直接に、じっくりと、お伺いしたいと思います。(湯川)

・川村隆さん
・(株)日立製作所 相談役
・演題「ラストマンの生き方」
講師紹介ページ
 ※講演60分、質疑応答60分の構成です。

・著書『ザ・ラストマン 日立グループのV字回復を導いた「やり抜く力」』『異端児たちの決断 日立製作所 川村改革の2000日

自身の歪みに気が付いた「『昭和天皇実録』から何を読み解くか」 保阪正康さん

masayasu_hosaka.jpg

私は個人的な関心から、ここ数年ほど戦争の歴史を調べてきた。具体的に言うと、1931年の満洲事変から1945年までの終戦までの間に何が起きていたのかを知るために、様々な資料を読んだり、各地の記念館を訪ねたりしてきた。

ゆえに、昭和天皇がどのような状況の中でどんな決断を下してきたかということについて多少の知識がある。これまで得た知識からは、昭和天皇は平和主義的な人であるとの印象を強く抱いてきたし、それが一般的な見方だと思ってきた。

しかし、保阪さんは講演の中で違う見方を示した。
「昭和天皇は好戦的でもなければ平和主義者でもない」。

続きを読む "自身の歪みに気が付いた「『昭和天皇実録』から何を読み解くか」 保阪正康さん"

冨山和彦CEOに聴く、「ローカル経済から甦る日本」

kazuhiko_toyama.jpg地方のリアルをどれだけ知っているか。

例えば路線バス。20代から60代まで幅広い年齢の運転士がいる中で、事故を起こす率がもっとも低いのはどの世代か?と冨山氏は会場に問うた。
正解は60代。では理由は?
地方の路線バスの場合、「事故」といっても対人・対物は少ない。圧倒的に多いのは車内での老人の転倒事故だ。発車直後、着座前によろめく。停車直前に立ち上がり、ブレーキにバランスを失い倒れる。なぜそれくらいで転ぶのか、若い運転士にはわからない。
でも高齢の運転士は、そういった老人の身体特性を肌身で感じられる。それによって優しく安全な運転ができる。
「私たちの会社では彼らがエースです。」冨山和彦氏はそう言ってほほ笑んだ。

続きを読む "冨山和彦CEOに聴く、「ローカル経済から甦る日本」"

女性がいきいきと働く社会は、明るい未来を連れてくる

photo_instructor_779.jpg「夕学五十講」を何度か聴講しているが、この日の開演前に配布された資料の厚さにまず驚いた。全22ページ。1ページあたりスライド2枚が掲載されている。
今回は、村木さんの解説を聴きながら、さまざまなデータやグラフが掲載されている資料を読み進めていくスタイルだ。

続きを読む "女性がいきいきと働く社会は、明るい未来を連れてくる"

長谷川敦弥社長に聴く、「障害のない社会」のつくりかた

atumi_hasegawa.jpg失明している、という意味で「目が悪い」人はこの社会において少数派である。
しかし、視力が低い、という意味で「目が悪い」人は世の中にごまんといる。
もしこの世に、眼鏡やコンタクトレンズを作る会社がなかったら、今よりもずっと多くの人が「視覚障害者」に分類されていたはずだ。
眼鏡やコンタクトレンズをつくる人がいてくれるおかげで、私たちの多くは、障害者となることを免れている。
ならば、今なんらかの形で「障害者」に分類されている人も、社会の側が適切なサポートを施すことで「障害者」ではなくなるのではないか。
「『障害は、人ではなく、社会の側にある』と言うのは、つまり、そういうことです」
この簡易な比喩で、会場の聴衆は、長谷川敦弥社長の「世界観」を知るとともに、そのビジョンを一瞬のうちに共有することとなった。

続きを読む "長谷川敦弥社長に聴く、「障害のない社会」のつくりかた"

伊藤元重教授に聴く、「国際経済と日本の課題」

motoshige_itou.jpg講演の前日(2015年7月6日)、ギリシャではEU等が提案した財政緊縮策への国民投票が行われ、接戦になるとの予想に反し反対票が6割を占めた。ギリシャがユーロ圏を離脱する可能性が刻々と高まる中、伊藤教授の講義は、前回(2010~2012年)のギリシャ経済危機と今回の違いに関する解説から始まった。

続きを読む "伊藤元重教授に聴く、「国際経済と日本の課題」"

敗け続ける日本に未来はない

satoshi_shirai3.jpg戦後70年、いまだ日本は敗け続けている――大義も勝利の可能性もなかった戦争を始めたことの責任を誰も取らず、反省もしない、つまり敗けたことを認めていないがために、延々と敗け続けているのだ――。この「敗戦の否認」のロジックから戦後日本社会を紐解いた白井聡氏の『永続敗戦論』は、2013年3月に出版されるや、政治哲学や社会思想の枠を超えたエポックな一冊として大きな話題を呼び、版を重ねている。

「その後の『永続敗戦論』」と銘打って登壇した白井氏の開口一番が、新安保法制を巡る昨今の騒動であったことは、まず必定であろう。いかに憲法学者が違憲と判断しようとも、世論が反対的であろうとも、アメリカとの約束がともかくもゼッタイであり、憲法さえも凌駕する。この安倍晋三首相の信念(妄執ともいう)こそが、「永続敗戦」国日本政府のひとつの到達といえるだからだ。

続きを読む "敗け続ける日本に未来はない"

「ライブ講演」でジャズの魅力を堪能

yosuke_yamashita.jpgジャズの楽しさは即興演奏にある

この日の講演テーマは「ジャズとは何か」。
「ジャズとは何か、と言われても困っちゃうんですよねえ」と話しはじめた山下さん。お酒との組み合わせで求められることもあれば、高尚な芸術のように扱われることもある。幅の広い音楽なので、ひとことで言い切るのは難しい、と。

山下さんご自身は、「その音楽のなかに、即興で演奏される部分があるかどうか」をひとつの判断基準にしているそうだ。「同じミュージシャンが演奏しても、今日と明日で全く違う音を聴けるのがジャズの楽しさ」と語る。

続きを読む "「ライブ講演」でジャズの魅力を堪能"

医療のポテンシャルを引き出す

yuji_yamamoto.jpg「あの頃、どうやって健康を守ってたっけ?」
と皆が思える社会を創ることが、山本雄士先生のめざすゴールである。

かつての医療の世界は、患者を死なせないことに最も価値を置いてきた。
その後医療技術は進歩し、次は病気を治すこと、現在では病気にさせないことが人々の求める医者の価値になりつつある。そして、健康を維持することに、人々の価値観もシフトしている。

続きを読む "医療のポテンシャルを引き出す"

遠藤功教授に聴く、『現場力の鍛え方』

isao_endo.jpg山形県鶴岡市。庄内空港から海岸沿いを車で20分ほど下ったところに加茂水族館はある。
「日本でいちばん小さく、いちばん古く、いちばん貧しかった」と遠藤教授が評するこの水族館の年間来館者は、1996年には10万人を割るほどに落ち込んでいた。

水族館とて黙ってその日を迎えたわけではない。限られた予算の中、他の水族館を真似て様々な企画展示にも取り組んだ。しかし人真似ではお客さんを振り向かせることはできなかった。翌1997年、来館者は9万2千人にまで減った。

サンゴの展示も、そんなありふれた人真似企画のひとつだった。そのサンゴから白い泡のようなものが湧き出ているのに飼育員が気づいたのは、ただの偶然だったかも知れない。しかし、それが泡でないと飼育員が見抜いた時、そこには偶然以上の何かがあった。

続きを読む "遠藤功教授に聴く、『現場力の鍛え方』"

日本型人事と欧米型人事 海老原嗣生さん

日本人の働き方、日本企業の雇用システムは特殊だ、と言われることがある。

特殊であることは間違いないが、特殊性の理解の仕方が間違っている。
雇用ジャーナリスト海老原嗣生さんの講演を聴いて、そう思った。

photo_instructor_771.jpg欧米の雇用システムについては、(経営側にとって)都合のよい事ばかり語られている。
逆に、日本の雇用システムについては、(経営側にとって)都合の悪い事しか語られていない。
海老原さんは、そう言う。
カッコ内の経営側を労働側にすり替えれば、よいと悪いの組み合わせも変わるであろう。
つまり、いずれにしろ一面だけを見て良し悪しを語っている。

日本企業は解雇が容易に出来ないが、欧米企業は簡単である。
欧米では、業績が悪くなれば解雇ができる。なぜなら人材流動化社会だから。

そんな言説が当たり前のように流布されている。

そんなことはない、と海老原さんは言う。
実は欧米企業、特に欧州の人事管理はそれほど簡単ではない。制度は精緻で、解雇へのプロセスは入念であり、必ず本人の同意を得なければならない。
実際に、多くの日本の外資系企業はその精緻な仕組みを運用できずに苦労する。

その誤解はどこから生まれるのか。

日本と欧米では、雇用のメカニズムと働き方の原理が違う。
メカニズムと原理を変えずに、真似しようとしても上手くいくはずがない。
海老原さんの主張はそういうことだ。

続きを読む "日本型人事と欧米型人事 海老原嗣生さん"

ものづくりは人間の本能である 田中浩也さん

「水の三態」

誰もが、理科で習ったことがあるはずだ。水には、液体・固体・気体の三つの状態がある。
しかし、私達は、現実にはそれぞれの中間帯があることを知っている。
水でもあり氷でもある。水に見える(感じる)人もいれば、氷に見える(感じる)人もいる。渾沌=カオスと呼ばれる状態である。

新たな技術が登場し、それが社会を変えていくプロセスもよく似ているようだ。
そこには必ず、渾沌=カオスの状態(時期)がある。

photo_instructor_781.jpg慶應SFCの田中浩也先生によれば、現在の3Dプリンターを取り巻く状況は、80年代初頭パソコンが登場した頃に似ている、という。まだマイコンと呼ばれていた時代である。
パソコン(マイコン)を見て、「すごいものが生まれた!」と叫んだ人と「こんなものを、いったい何に使うんだ」と冷笑した人がいた。
それは、未来の可能性を見通した人と、いまの実利しか見えなかった人の違いでもあった。

田中先生は1975年生まれ。 ITが社会を変えるプロセスを、最も多感な時期にリアルタイムで体験した世代である。もちろん、未来の可能性を信じるタイプである。

続きを読む "ものづくりは人間の本能である 田中浩也さん"

郷愁と美について|千住 博さん

hiroshi_senju.jpg実は、美術館が好きではない。
混んでいると、おばちゃんの鞄が早く進めよと言わんばかりに押してくるし、反対にガラガラだと、「教えたいおじさん」に捕まってしまうからだ。
なので、藝術には縁遠い暮らしをしている。
本日の千住博先生の講演『日本の美、世界の美』は、旧石器時代の洞窟壁画の話にはじまり、平和の話にまで広がった。
藝術とは特別なものではなく、身近にあるもの。
それを、美術や藝術に疎い私にでも感じさせてくれる内容であった。
特に「日本の美」と「美しさと綺麗の違い」の話が印象的だったので、その部分を書いていく。

続きを読む "郷愁と美について|千住 博さん"

水野和夫教授に聴く、『資本主義の終焉と歴史の危機』

kazuo_mizuno.jpg「マクロくん、水野先生の講演、どうだった?」
「あ、ミクロちゃん。いやあ、とっても刺激的だったよ。レジュメ、見る?」

「ありがと。ええと、タイトルは『資本主義の終焉と歴史の危機』か。何だかフランシス・フクヤマの『歴史の終わり』を連想させるわね」

「ソ連の崩壊前後に書かれた、民主主義の最終的勝利を唱えた本だね。でも政治制度としての民主主義と違って、経済の仕組みとしての資本主義はもう終わる、というのが水野先生の説なんだ」

「資本主義が終わる?じゃあ世界はどうなるの?」

続きを読む "水野和夫教授に聴く、『資本主義の終焉と歴史の危機』"

冨田勝所長に聴く、鶴岡がインキュベートする夢

masaru_tomita.jpg"If you build it, he will come." 
どこからともなく聞こえてくる、そんな「声」を耳にした主人公は、トウモロコシ畑の真ん中に野球場を作りはじめる。
やがて伝説の大リーガーがそこに現れる...。
ご存じ、映画「フィールド・オブ・ドリームス」の一場面である。

当時の鶴岡市長・富塚陽一氏が、そんな「声」を聞いたかどうかはわからない。
ともかく市長は、この風光明媚だがゆっくりと衰退しつつある、つまり典型的な地方都市である鶴岡に、慶應義塾大学の新しいキャンパスを誘致するべく行動した。
1990年代のことだ。

そして2001年、慶應義塾大学先端生命科学研究所(IAB)は、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)環境情報学部教授の冨田勝氏を所長に迎えて始動する。
ただし映画と違い、そこに集ってきたのは「伝説の」野球選手ではない。
冨田所長が呼び寄せた、「これから伝説を創る」研究者たちだ。

続きを読む "冨田勝所長に聴く、鶴岡がインキュベートする夢"

作家の頭の中をPublishする!

youhei_sadoshima.jpgコルクとは一風変わった会社名である。
「上質なワインを世界中に運びだし、後世に残すためには上質なコルクが必要」と、名前の由来を佐渡島庸平さんは講演の冒頭に説明してくれた。
上質なワインは作品。コルクはエージェントである。
隣の隣ですごい熱心に頷きながら聞いていた人が、質疑応答の時も「コルクの由来を教えてください」と質問したので、二回も由来を聞くことができ、頭に刻み込まれた。

講演タイトルは『クリエイターと同じ舟に乗る』。
エージェントとして作家(クリエイター)と出版社を結ぶだけでなく、
作家がより活躍するために様々な取組みを、出し惜しみすることなく話してくれた。
その中でも、特に出版社にはない、エージェントならではの発想が印象的だった2つのことをここで紹介する。
詳しくは、実際に講演に足を運んで聞くのをお勧めする。

続きを読む "作家の頭の中をPublishする!"

企画における「違和感」と「集合的無意識」

genki_kawamura.jpg川村元気さんの作品は映画『モテキ』と、小説『世界から猫が消えたなら』は読んだ。

『モテキ』は、先に観た友人から「長澤まさみちゃんのノーブラシーンがある」と聞き、すぐ映画館に行った。
しかし、実際はノーブラではなくて、そういう設定なだけだった。
明らかにノーブラではない。
落胆のあまり、映画の内容は覚えていない。

『世界から猫が消えたなら』は10歳年下のT君に勧めてもらって読んだ。
「すごく素敵なお話です。読んだら感想聞かせてもらえませんか?」と、文末が「?」のメールに喜び勇んで本屋へ買いに行った。
早く返信しようと、急いで読んだ。長くなるから感想は書かない。

続きを読む "企画における「違和感」と「集合的無意識」"

松本晃会長兼CEOに聴く、カルビーはどうやって変わったのか

akira_matsumoto.jpgこのレビューは2000字が目安、と事務局から言われている。しかし面白い講演だとつい字数が増える。前回の私の原稿は2500字だった。
カルビーではこれは許されない。計画が100%なら実績は100から101%に収めなくてはいけない。90%はもちろん、110%も「90%と同じだけ悪い」。
能書きが長いとそれだけで松本会長に怒られそうだ。本題に入る。
 
長らく創業者一族が経営してきたカルビー。松本氏は6年前、請われて会長兼CEOに就任。以来、売上は年平均9%、利益は同21%伸び、6期連続で最高益を更新。
http://www.calbee.co.jp/ir/finance.php
東日本大震災の日に上場した株価は、4年間で9倍に上昇。
http://www.calbee.co.jp/ir/chart.php
松本会長はカルビーをどう変えたか。一言でいえば「古い仕組みと悪しき文化を変えた」。

続きを読む "松本晃会長兼CEOに聴く、カルビーはどうやって変わったのか"

日本とハリウッドの架け橋 奈良橋陽子先生

yoko_narahashi.jpg講演の途中、講師の奈良橋陽子先生が言葉を詰まらせる場面があった。
話が今井雅之さんに触れた瞬間だ。
癌で闘病中の今井さんに託されて、現在『The winds of god』の演出を手掛けている。
"sorry"と涙を堪える姿を見て、胸が詰まるような気持ちになったのは、私だけではないと思う。

奈良橋先生は、今井さんをはじめ数々の俳優を輩出するキャスティング・ディレクターとして世界で活躍されている。
記憶に新しいのは、朝ドラ『マッサン』エリー役のシャーロットさん。NHKのプロデューサーの「初の外国人ヒロインでドラマを作りたい」という情熱に打たれて、喜んでキャスティングを引き受けたと逸話を聴かせてくれた。
数多くのオーディション映像の中、シャーロットさんを一目見て「彼女だ」と思ったそうだ。問題は日本語が全くできないということ。ただ、スカイプやメールで対話をしてみると、精神的な強さを感じ、彼女なら絶対にエリー役を務められると思ったそうだ。

続きを読む "日本とハリウッドの架け橋 奈良橋陽子先生"

涙と笑い 五木寛之先生

photo_instructor_765.jpg私の個人的な感想だが、日本人は映画館でよく笑うようになったと思う。
しかし、その笑い声からは、どうしても笑いが抑えられなくて、笑ってしまったという感じがしない。
どちらかと言うと、「笑う場面がきたら欧米人並に笑おう」と準備されてある笑いに感じるのだ。

なぜ、こんなことを考えたのかというと、本日の講演「涙と笑い」の中で、五木寛之先生
「日本人は笑うことだけを善とし、泣くことを悪としていないか」と提起されたからだ。
涙を放棄した人がたてる笑い声は、虚しさだけが響いているという。
好々爺のように優しく、ユーモアを交えて話をして下さったが、「人間の生」を見る作家の目はやはり鋭い。
そして、先生がされた「人間の生」についての問いかけに、私はここで考えてみたいと思う。

続きを読む "涙と笑い 五木寛之先生"

行動せよ、自分の頭で考えよ、試行錯誤せよ 三谷宏治さん

人間の思考は知識をベースにして作動する。
新たな情報に触れた時、脳内に蓄積してきた知識のストックの中から、ある知識を瞬時に選び出し、フレームとして当てはめることで「それは何か」「何でありそうか」を識別する。
この高度な類推能力が、人類を生物圏から人間圏へと昇格させる原動力であった。
しかし、時にして知識が思考を妨げることがある。
類推がはずれることもあるからだ。悲しいかなアダムとイブの昔から人間は間違える生き物でもある。
誰もが知っている知識ほど、大きな間違いを誘発しやすい。
「常識や慣習に縛られて革新できない」というのは、そういう現象である。

photo_instructor_760.jpg「座って悩むな、行動せよ」
「自分の頭で考えよ」
「失敗を恐れずに、繰り返し試してみろ」

三谷宏治氏の講演は、イノベーションとビジネスモデルをテーマにした内容であったが、伝えたかったメッセージがこれに尽きるであろう。

例えば、講演の事例で取り上げた越後屋で考えてみよう。

photo_5.jpg

続きを読む "行動せよ、自分の頭で考えよ、試行錯誤せよ 三谷宏治さん"

イスラム国とは何か

photo_instructor_782.jpg「わかっているのか、わかっていないのか、よくわからない」
イスラム国についての率直な感想である。
さらに、中東諸国とアメリカやイギリスの国々。エネルギー資源の思惑など考えると、より複雑になる。

今回の山内昌之教授の話は、私には難解であった。
テレビや本よりもはるかに少ない人数に向けた講演という形式だからこそ、より高度なレベルになるのは当然と言えば当然だ。
大勢の人に向けて話すのとは訳が違うだろう。

講演の主題は『イスラム国とは何か』。
しかし、自らを"中東屋"と称する山内教授は副題の『日本と中東の新未来』に重きを置いて話をされた。
文字どおり、『イスラム国とは何か』を聴きに来た人は、いささか面食らっただろうが、あまり話されなかったということが、イスラム国を知る上では重要なのではないかと理解し、考えてみた。

続きを読む "イスラム国とは何か"

棲み分け・共生の戦略論  山田英夫さん

120813_1621~01.jpg『競争しない競争戦略』

実に新奇性に富んだコピーである。
書店に並び始めたばかりの同名著書は、早くも増刷がかかったというから、山田先生が「このタイトルでないと出さない!」とこだわったコピーは成功したようだ。

「競争戦略」というと、勝つか負けるかの格闘技的なイメージを想起する。実際に戦略論の教科書には、勝つため要因確保に向けたハードアプローチが多い。
しかし山田先生によれば、競争戦略は、そもそも相手とガチンコで戦うことなく、サラリと身をかわす合気道的なものだったとのこと。

競争戦略論の第一人者マイケル・ポーターのそれは、競争しない状態を作りだすためにどうすべきかを論じている。
近年話題になったブルーオーシャン戦略は、競争のない市場を拓くこと、競争を無意味化する市場を作ることを謳っている。
東洋の戦略書「孫子」は、戦わずして勝つことを最善とした非戦・非攻の論である。

さて、山田先生の「競争しない競争戦略」のキーワードは、棲み分け共生である。
相手と競争せずに棲み分けるためのニッチ戦略不協和戦略
相手と競争せずに共生するための協調戦略
きょうの夕学では、この三つの分類軸に沿ったいくつかのパターンと事例を紹介していただいた。

この拙文ですべての戦略パターンと事例を紹介するのは遠慮しよう。ぜひ『競争しない競争戦略』を読んでいただくことをお願いしたい。「へぇ~こんな会社があるんだ」と感心すること請け合いのユニーク事例がてんこ盛りに紹介されている。
ここではニッチ戦略、不協和戦略、協調戦力についてそれぞれ二つの事例を紹介するにとどめたい。

続きを読む "棲み分け・共生の戦略論  山田英夫さん"

辺境(偏狭)のない生き方

photo_instructor_778.jpg私は『テルマエ・ロマエ』を読んでいない。映画も観ていない。
ヤマザキマリさんについては、なんの知識もないままで今回の講演を聴いた。
イタリア在住。テレビでもコメンテーターとしてご活躍中というので、もっと近寄りがたい感じの人かと思っていたが、壇上に現れたヤマザキさんは普段着だった。
一目で好感が持て、その講演内容も期待を裏切らない素晴らしいものであった。

本日の講演の主題は「辺境のない生き方」である。
シリア、イタリア、ポルトガル、アメリカなど様々な国で暮らしてきたヤマザキさんが語った内容の前半は「辺境のない=ボーダーレス」、後半は「偏狭のない=(世間の目という)狭苦しさのない」という意味で私は受け止めた。

ヤマザキさんの生い立ちや、『テルマエ・ロマエ』の話も非常に興味深く、楽しく聴かせてもらったが、それは他の場所にも書いてあるので、ここは後半の「偏狭のなさ」について自分が考えたことを交えながら書いていこうと思う。

続きを読む "辺境(偏狭)のない生き方"

わたしは「気」の存在を信じます。  唐池恒二さん

今夜の夕学はこの歌&映像から始まった。

https://www.youtube.com/watch?v=FB8dJjBUlyo

2013年にJR九州が運行を開始したクルーズトレイン「ななつ星in九州」のテーマ曲である。
七つの県をまたがって走る七両編成の列車。当初は七人のサービス添乗員を乗せようと企てたことから命名された名称である。「ななつ星」は北斗七星の和名だという。

この列車の産みの親が、きょうの講演者 JR九州会長の唐池恒二氏である。
photo_instructor_764.jpgアルミニウム合金の車体はピカピカに磨き上げられ、青空がくっきりと映り込むほど輝いている。
内装には福岡の伝統工芸大川組子の建具が使われ、洗面鉢として十四代酒井田柿右衛門の遺作が据えられている。
ラウンジカーでは常に生演奏が奏でられ、乗客が最初に楽しむ食事の際は博多の寿司割烹「やま中」の大将がその場で鮨を握る。
いずれも唐池氏が企画に参画し、場合によっては自ら口説き落として実現したドリームである。

ダウンロード.jpg

lounge_car_4s.jpg

203.jpg

20131210yamana3.png

「ななつ星in九州」は発表と同時に世界の富裕層から申し込みが殺到しているが、公正抽選にこだわって、一切のコネ・ツテを排しているという。
世界の王貞治直々の依頼さえ、断腸の思いで断った。

続きを読む "わたしは「気」の存在を信じます。  唐池恒二さん"

田村次朗教授に聴く、「三方よし」の対話力~交渉学入門

photo_instructor_763.jpg 果たして「交渉」が「学」として成立するのだろうか。
 そんな疑問を抱きながらも、若き日の田村教授は、留学先のハーバード・ロー・スクールで「Negotiation」と題された科目に強い関心を持ち、聴講を決めた。
 講師のロジャー・フィッシャー教授は学生たちにペアを組ませ、交渉のロールプレイをさせるところから始めた。だがどのペアも容易には合意に至れない。何しろ受講者はいずれも、世界最高峰を自認するハーバードの俊英たちである。実力に裏打ちされた自信の塊のような彼らが、互いに易々と説き伏せられるはずがない。勢い、それぞれの立場を主張する激しいやりとりの後、交渉は決裂に終わる。

続きを読む "田村次朗教授に聴く、「三方よし」の対話力~交渉学入門"

第25回7/30(木) 保阪 正康さん

masayasu_hosaka.jpg第25回7/30(木)15前期の最終回です。ノンフィクション作家で評論家の保阪正康さんにご登壇いただきます。

保阪さんはご専門である日本近代史、特に昭和史について研究を重ねてこられ、昭和の事象、事件、人物について多数のノンフィクション、評論、評伝などを発表されてこられました。『昭和陸軍の研究』、『あの戦争は何だったのか』などこれまでにも皆さんもお読みの作品が多数あるかと思います。また、東條英機、瀬島龍三、田中角栄など人物に鋭く迫った作品も話題となってきました。
今回の講演テーマでもある新刊も同様で、発売前から注目され期待されていた一冊です。

「昭和天皇実録」の謎を解く

半藤一利さん、保阪さん、御厨貴さん、磯田道史さん、日本を代表する歴史専門家4人が、御誕生から崩御にいたるまでの、そして1万2000ページにおよぶ、「昭和天皇実録」。この史料を読み解く、というのですから当然のことといえましょう。書店で手に取ったばかり、これから読むところという方も多数いらっしゃるのではないでしょうか。

「昭和天皇実録」は、宮内庁において24年間の歳月をかけて編修され、昨年8月、本文60巻が天皇皇后両陛下に奉呈されました。本文18冊と索引1冊にまとめられ、全19冊、東京書籍より公刊本『昭和天皇実録』として刊行されました。
この膨大な資料や証言から、一体どんなことがわかり、史実と重ねてどうであるのか、これまで書かれてこなかったことこの史料でわかることはどういったことなのか、長年昭和史と天皇の研究を重ねてこられた保阪さんに、じっくりとお伺いしたいと思います。(湯川)

 ・保阪 正康さん
 ・ノンフィクション作家、評論家
 ・演題:「『昭和天皇実録』から何を読み解くか」

 講師プロフィールはこちらです。

第24回 7/22(水) 冨山和彦さん

kazuhiko_toyama.jpg第24回7/22(水)は株式会社経営共創基盤 代表取締役CEO 冨山和彦さんです。

冨山さんに前回ご登壇いただいたのは2005年。
産業再生機構の最高責任者として、事業再生・経営再建にむけて数多くの案件に奔走していらっしゃる時でした。20世紀型の経営モデルは終焉を迎え、「経営者」の再生こそが産業の再生につながること。数々の再生の修羅場を身をもって経験していらっしゃるからこその力強い主張でした。

あれから10年。いま、日本社会と経済は大きなパラダイムシフトにあると、冨山さんはおっしゃいます。

それは、グローバル(G)な経済圏とローカル(L)な経済圏の違いが際立っているということ。日本経済全体において7割のGDPと8割の雇用を占めるローカル経済が復活してこそ、日本経済は真に成長軌道へ乗ることができるというのです。

企業再生のスペシャリストは、現在の日本をいかに分析し、これからの日本と日本企業が進むべき道をどう描いていらっしゃるのでしょうか。日本経済の切り札となるGとLの理解から深めていきたいと思います。(保谷)


 ・冨山和彦さん
 ・株式会社経営共創基盤 代表取締役CEO
 ・演題:「日本はローカル経済で甦る」


 講師プロフィールはこちらです。

第23回 7/16(木) 村木厚子さん

photo_instructor_779.jpg第23回 7/16(木)厚生労働事務次官 村木厚子さんです。
東大卒の男性キャリアが闊歩する霞ヶ関中央官庁にあって、地方国立大卒(高知大学)、女性が、官僚トップの事務次官まで登り詰めただけでも画期的なことですが、村木さんの場合は、えん罪事件に巻き込まれ逮捕勾留されるという、とてつもない苦難の経験を経ている点で特筆すべきことでしょう。
その体験は、ベストセラーになった『あきらめない』という本に綴られています。

現在、村木事務次官は、女性がいきいきと働く社会の実現に向けて陣頭指揮をとっていらっしゃいます。
キャリア官僚の激務をこなしながら、二人のお子さんを育てあげたご自身の経験を踏まえつつ、女性が長く働き続けるための社会のあり方、企業の姿勢、そしてご本人の心構えについてお話いただければと思います。(城取)

・村木厚子さん
・厚生労働事務次官
・演題:「女性がいきいきと働く社会」

講師紹介ページはこちらです。

第22回7/14(火) 長谷川 敦弥さん

atumi_hasegawa.jpg
第22回7/14(火)は、株式会社LITALICO代表取締役 長谷川 敦弥さんにご登壇いただきます。

長谷川さんは、24歳の若さで、150名を超えるソーシャルベンチャーの経営者になられた、若き経営者。そして株式会社として社会課題解決に取り組んでいくソーシャルアントレプレナーでいらっしゃいます。

「障害のない社会をつくる」 
LITALICOのビジョンです。障害者の失業率は85%、福祉施設で働く障害者の月給は1万2000円、という 社会問題を解決すべく、革新的なサービスを業界に次々と投入し、改革を実行されています。

ソーシャルベンチャーや障害者と聞いても身近に感じられない方のほうが多いと思いますが、障害は人ではなく社会の側にあるのであり、それをなくすことで、

「多様な人が幸せになれる、人が中心の社会をつくる」

のだと聞くと皆さんメッセージに共感されるのではないでしょうか。企業としして社会課題解決に取り組む、経済に関わることで世界や未来を考える、私たち誰もにとって実はとても関わりの深いテーマなのではないでしょうか。

長谷川さんは、大学2年のときに休学して、ITベンチャーにインターンシップ。数千万円という営業成績をおさめ、大学卒業後もベンチャーを選択、障害者分野の変革を目指す、株式会社ウイングル(現ITALICO)に入社して2年目、24歳の若さで同社代表取締役社長に立候補、就任されたとうい経歴をおもちです。働くということ、社会のしくみ、生きていくということ、長谷川さんご自身も悩み考えながら行動されたことを感じます。社会とは、障害とは、働くとは、生きるとは。長谷川さんとご一緒だからこそ考えられること、考えてみたいこと、だと思っています。(湯川)

・長谷川 敦弥さん
・株式会社LITALICO 代表取締役 
・演題:「障害のない社会をつくる」

講師プロフィールはこちら

第21回7/7(火) 伊藤元重先生

motoshige_itou.jpg第21回7/7(火)は、東京大学大学院経済学研究科 伊藤元重教授にご登壇いただきます。

伊藤元重先生のことは皆さんすでによくご存じでいらっしゃると思います。
日本を代表する経済学者のお一人で、ご著書も多く、メディアでもたいへんご活躍されている伊藤先生。生きた経済を理論的観点をふまえ分析する、「ウォーキング・エコノミスト」 として、知られます。
そして、平易な語り口での、鋭い分析や深い解説は、その "わかりやすさ" の点からもたいへん定評と人気があります。伊藤先生のコメントをメディアで見聞きされた方、著書を読まれた方、多くの方が頷かれていることでしょう。

『夕学五十講』には、開講して間もない2001年度後期に、ご登壇いただきました。それ以来、なんと14年ぶりのご登壇です。
当時から日本、日本経済、および日本をとりまく国際社会、経済は大きく変化してきました。
伊藤元重先生が解く、いまの国際経済、そのなかの日本、日本経済、そして課題、じっくり伺い、勉強したい、と思います。(湯川)

 ・伊藤元重先生
 ・東京大学大学院経済学研究科 教授
 ・演題:「国際経済と日本の課題」

講師プロフィールはこちら

第20回 7月3日(金) 白井聡さん

photo_instructor_761.jpg第20回 7月3日(金)は、若き政治学者白井聡先生にお越しいただきます。この春から京都精華大学の教壇に立つご予定と伺っています。

白井聡という名前は、2013年に上梓された『永続敗戦論――戦後日本の核心』とともに世に知れ渡りました。
白井先生は、この本の中で、日本は戦後70年「敗北を否認」してきたのではないか、と喝破しています。八・一五を「終戦の日」と呼び慣わすことに象徴されるように、「敗戦」を「終戦」と呼んで敗北の事実を曖昧化する。負けたことを曖昧にすることで、敗戦をもたらしたかつての構造をそのまま継承する。それが戦後日本社会の本質ではなかったかという指摘です。

この本は、日本人の無自覚的「敗北否認」意識を核にして、今日の社会的・政治的危機を見事に説明してみせたことから大きな話題となり、いくつもの賞を受賞されました。二年越しのベストセラーとなり、社会科学系の本としては異例の数十万部のセールスを更新し続けていると聞きます。

この本は、民主党政権の迷走と3.11原発事故をきっかけに執筆したと白井先生はブログにお書きになっていますが、上梓後に登場した安倍政権による安全保障政策の転換、日中・日韓関係の更なる悪化などをみると、ある意味で社会予言の書でもあったような気がします。

そこで今回は『永続敗戦論』が出た後の二年間を白井先生はどう見てきたのかを解説していただくことを含めて、戦後日本社会の本質についてお話いただくことにします。

・白井聡先生
・演題:その後の『永続敗戦論』

講師紹介ページはこちらです。

第19回7/1(水) 山下洋輔さん

yosuke_yamashita.jpg第19回7/1(水)はジャズ・ピアニスト、国立音楽大学招聘教授 山下洋輔さんです。

山下洋輔さんと言えば日本を代表するジャズ演奏家のお一人。
ひじで鍵盤を鳴らす独自の奏法でも知られるほど、パワフルな演奏で有名です。

早くも中学生の頃からお兄さんのジャズバンドに参加し、高校に入ると自らジャズバンドを結成していたという生粋のジャズマン。そんな山下さんも、音楽大学ではクラシックの作曲理論をしっかりと身につけたことが、その後の多彩な演奏技法、活動にもつながっているそうです。

音楽のみならずエッセイストや小説家としても名高く、幅広い交友関係からも、山下さんの知的好奇心の旺盛さとともに、魅力的なお人柄をも表しています。あのタモリさんを「発掘」したお一人が山下さんというのも有名ですね。

今回は、「ジャズとは何か」からわかりやすく解説いただくとともに、実際にピアノ演奏をまじえながら、ジャズの魅力を存分にお話しいただきます。

丸ビルホールが一夜限りの熱いライブハウスになることは間違いありません。(保谷)


 ・山下洋輔さん
 ・ジャズ・ピアニスト、国立音楽大学招聘教授
 ・演題:「魂の音楽 ジャズの魅力」

講師プロフィールはこちらです。

第18回6/22(月) 山本雄士さん

yuji_yamamoto.jpg第18回6/22(月)は、株式会社ミナケア代表取締役 山本 雄士さんにご登壇いただきます。

山本さんは、東京大学医学部卒の医師であり、Harvard Business SchoolのMBAホルダーの起業家です。

東大、医学部、HarvardのMBA、そして起業家。すごい方がいらっしゃるんだなあ、と山本さんのことを知ったとき驚きました。そして山本さんのインタビューやコメントを拝見するほどに、メッセージには理論理屈とパッションがあって力強く、柔和で自然体な雰囲気もあって、すごい方だなあ、社会を変えていくのはこういう方なのか!と感動します。そんな思いから、『夕学五十講』にもご登壇いただきたいとご依頼しました。

山本さんは東京大学卒業後、医療に従事したのちHarvard Business Schoolに留学、帰国し2011年に、「ずっと元気で、の思いをカタチに」することを理念に、株式会社ミナケアを創業されました。2014年には日本起業家賞を授賞、また、厚生労働省の委員、政策提言、講演活動などもされ幅広くご活躍です。

「もっと、人と社会を元気にできる」
「医療からヘルスケアへ」

山本さんの公式ウェブサイトを拝見すると、山本さんのメッセージが伝わってきます。今回は、「投資型医療という社会イノベーションへ」と題してお話いただきます。健康・医療の問題、社会の問題、日本の問題、私たち一人ひとりの問題、山本さんだからこそこれらをつなげ、わかりやすくお話くださること期待しています。(湯川)

・山本 雄士さん
・株式会社ミナケア 代表取締役
・演題:「投資型医療という社会イノベーション」

講師プロフィールはこちらです。

第17回6/17(水) 遠藤功先生

isao_endo.jpg第17回6/17(水)にご登壇いただくのは、早稲田大学ビジネススクール 教授 遠藤功先生です。

遠藤先生には『夕学五十講』にこれまで二度ご登壇いただいています。

2011年にご登壇いただいた際には、折しも原発不安に揺らいでいた時期。一貫して日本の製造業に軸足を置き、強さの原点は「現場力」にあることを説いていらっしゃる先生は、このとき、特に人間同士を「つなぐ」ことの大切さを強調していらっしゃいました。

あれから4年。日本では"二極化"が起きていると先生はおっしゃいます。

同じ現場であっても、現場力のある「非凡な現場」と現場力のない「平凡な現場」。

その違いはどこにあり、どうすれば「非凡な現場」として強くなることができるのでしょうか。

数々の現場を実際に調査し、生の現場の声に日々触れている遠藤先生より、さまざまな企業事例とともにお話しいただきます。遠藤先生の最新の現場論、楽しみです。(保谷)


・遠藤功 先生
・早稲田大学ビジネススクール 教授
 株式会社ローランド・ベルガー 会長
・演題:「現場力を鍛える~「非凡な現場」をつくるために~」

講師プロフィールはこちらです。

第16回6/16(火)海老原嗣生さん

tsuguo_ebihara.jpg6/16(火)は雇用ジャーナリストの海老原 嗣生さんです。

海老原さんは、大手メーカー、リクルートエージェントをへて、リクルートワークス研究所で雑誌『Works』の編集長を勤められたのち、HRコンサルティング会社 株式会社ニッチモを設立、雇用ジャーナリストとしてご活躍です。

モーニングに連載され、ドラマ化もされ話題となった漫画 『エンゼルバンク』。主人公の転職代理人、海老沢康生のモデルでもいらっしゃいます。この漫画同様に、海老原さんの著書は、『なぜ7割のエントリーシートは、読まずに捨てられるのか』 『いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる 』 など、いずれも突いたタイトルでたびたび話題となってきました。

いま日本では、働き方や働くということが、誰もが自分事として考えるテーマとなりました。
働くことをめぐる問題と思い、その両方が顕在化してきた、とも言えましょう。環境要因、企業側の問題、個人の思い、さまざま要因がありましょうが、そんな"いまの日本"だからこそ、日本の雇用や働き方の特徴と特殊性とをしっかりとらえ、私たち自身で考えてみよう、というのが海老原さんの提案であり提言であると思います。
「日本人の働き方」、この機会に皆さんとじっくり考えてみたいと思います。(湯川)

・海老原 嗣生さん
株式会社ニッチモ 代表取締役、雇用ジャーナリスト
・演題:「日本人の働き方を考える」

講師紹介ページはこちら

第15回6/11(木) 田中浩也先生

hiroya_tanaka.jpg6/11(木)は、慶應義塾大学環境情報学部 準教授 田中浩也先生にご登壇いただきます。

ファブ社会。
まだ聞き慣れない言葉かと思いますが、ファブラボ、3Dプリンタ、文化芸術創造都市(クリエイティブ・シティ)はいかがでしょう。すこしメディアで見聞きされたことがあるのではないでしょうか。

「ファブ」には、「Fabrication」(ものづくり)と「Fabulous」(楽しい・愉快な)という2つの単語がかけられています「ファブラボ」は、ファブの「laboratory」。
3Dプリンタやカッティングマシンなどの工作機械を共有スペースに設置し、市民が自由に利用できるようにする、それによって個々人が自身のアイデアや技術、感性でものづくりができる場でありワークショップ、それがファブラボです。田中先生は、日本におけるファブラボの発起人で、2011年には鎌倉に「ファブラボ鎌倉」も開設されました。

ファブ社会とは、さらにそれが"社会"へと広がったもの。田中先生は、「新しいものづくりの世界的ネットワーク」とおっしゃっています。

「ものづくりは、"何かのため"という以前に、生活の基盤に当たり前に組み込まれているものだ」と田中先生はおっしゃいます。ものづくりだけでなく、社会も、経済も、遊びも仕事も、生活もすべてが一体となっている社会のあり方
。ファブ社会は、これから近未来に予測される社会、可能性をもつ社会のあり方、として世界で注目が高まっています。先端的・実験的取り組みも始まっています。近未来をみすえた新しいものづくりとは、新しい社会、新しい生き方の提言でもあるのではないでしょうか。ものづくり、製造業、アートなどに携わっている方はもちろん、私たちが働き方や生き方について広く考えるヒントになりそうです。田中先生の最先端のお話を皆さんとじっくり伺えればと思います。(湯川)

・田中浩也先生
・慶應義塾大学環境情報学部 準教授
・演題:「ウェブ社会からファブ社会へ」

講師紹介ページはこちら

第14回6/9(火) 千住 博さん

hiroshi_senju.jpg第14回6/9(火)は、画家で、京都造形芸術大学教授の、千住博さんにご登壇いただきます。

千住さんは皆さんご存じのとおり、現代の日本を代表する画家のお一人でいらっしゃいます。NYと京都を主な拠点としてご活躍されています。特に1995年、ヴェネツィア・ビエンナーレで東洋人として初の名誉賞を受賞したことは、千住博の名だけなく日本画と日本の美を世界に知らしめ、そして評価を得たとたいへん話題になりました。また、2011年に開館した軽井沢千住博美術館も、作品はもちろん建築や空間も美しい、とたいへん話題です。

さて、千住さんにはこれまで 『夕学五十講』 には2度、2005年と2011年にご登壇いただき、毎回素晴らしいお話を伺いましたが、今回ははじめて、「日本の美、世界の美」 というテーマでご講演いただくことになりました。

いま、日本の美術やデザイン、文化が世界で改めて、注目されています。クールジャパン。マンガ。浮世絵。富士山。禅や建築、デザインなども。それらは私たちにとっては身近であって新しい、懐かしくもあるもの。同時に、世界に認められ影響を与えた、ジャポニズムのことも、誇らしく、懐かしく感じます。
印象派に影響を与えた、と言われる浮世絵。印象派の作品に題材としても描かれています。日本画にこだわって作品を生み続け、世界で制作・発表し、そして評価されている、千住博さんとご一緒に日本の美を見つめ考えてみたい、と思います。(湯川)

・千住博さん
・画家・京都造形芸術大学教授
・演題:「日本の美、世界の美」

講師プロフィールはこちら

第13回6/4(木) 水野和夫先生 

第13回6/4(木)は日本大学 国際関係学部 教授 水野和夫先生にご登壇いただきます。

kazuo_mizuno.jpg経済関連の新書で昨年最も売れたのが、水野先生の著書『資本主義の終焉と歴史の危機』です。
一般のみならず、経済学者、エコノミストからも高い評価を得て名著となっています。

長いゼロ金利が示すのは、資本を投資しても利潤を生み出さない資本主義の「死」の状態。他の先進国のなかでも日本はいちはやく資本主義の終焉を迎えていると、先生は警鐘を鳴らしています。

トマ・ピケティの『21世紀の資本論』が世界中で注目を浴びているように、私たちの多くが、これまでの資本主義の限界を感じていることは言うまでもありません。

歴史的にも大転換期にいるいま、私たちはどこに向かっていくのでしょうか。

水野先生の穏やかな語り口にて、これまでの歴史を紐解き、長い時間軸のなかで"いま"を分析するとともに、"これから"の新たなシステムについて鋭く解説いただきます。(保谷)

 ・水野和夫 先生
 ・日本大学国際関係学部 教授
 ・演題:「資本主義の終焉と歴史の危機」

 講師プロフィールはこちらです。

第12回6/2(火) 冨田勝先生

masaru_tomita.jpg第12回6/2(火)は、慶應義塾大学の冨田 勝先生にご登壇いただきます。

冨田先生は、山形県鶴岡市にある先端生命科学研究所所長で、湘南藤沢キャンパス(SFC)の環境情報学部 教授でいらっしゃいます。

ところで、皆さん、アサヒスーパードライのCMをご記憶でしょうか?
冨田先生は、1990年カーネギーメロン大学にいらしたころ、このシリーズCMに出演されていました。かっこいいんです!

私の先生との出会いはCMの数年後、SFC入学間もない頃でした。冨田先生は、名門カーネギーメロン大学の博士号、創立されたばかりのSFCに着任された、若手先鋭の研究者でいらっしゃいました。
いつも目をキラキラさせて、面白くて仕方ない、というふうに情熱的にお話される姿は、「すごい日本人がいるんだなあ!かっこいいなあ!」と思った、スーパードライの姿そのまま。講義の内容は先生には申し訳ありませんが難しくてよく解らなかったのですが、先生から受けた刺激は、いまも鮮明に覚えています。

冨田先生が工学、医学を学ばれたのはその後。工学博士(京都大学)、医学博士(慶應義塾)を取得し、2001年当研究所設立とともに着任。世界中で非常に注目されている、世界最先端の生命科学の研究所まで育てられ、さらには、研究・教育拠点としてだけではなく、ベンチャー創出拠点としても、国内外で注目、評価されています。
今回の講演は、医薬や科学に関係や関心のある方だけでなく、ぜひ聴いてみていただきたい、ぜひいいちどお会いいただきたい、冨田先生です。(湯川)

・ 冨田 勝
・ 慶應義塾大学先端生命科学研究所所長 環境情報学部教授
・ 日本を支える革新的ベンチャーの創出
・ 講師紹介ページはこちら

第11回5/28(木) 佐渡島庸平さん

youhei_sadoshima.jpg第11回5/28(木)は、(株)コルク 代表取締役社長の佐渡島 庸平さんです。

佐渡島さんが代表をつとめるコルクのコンセプトをはじめて聞いたとき、なるほど、新しい、と思いました。同じ船に乗ってクリエイターをサポートする。新しい才能を発掘・育成していく。創造の発信先は全世界。クリエイターが正当に評価されるための環境。ありそうでなかった新しいプロフェッショナル。

佐渡島さんは、講談社に入社、週刊モーニング編集部に所属。『ドラゴン桜』(三田紀房)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)、『16歳の教科書』など担当された作品のなかにはたくさんのヒット作があります。10年間の講談社勤務ののち、クリエイターのエージェント会社、コルクを設立します。
10年間、編集という、クリエイティブの最前線でクリエイティブの作品・場面・作者と関わってこられたからこそのプロフェッショナルとしての、クリエイターのサポーターエージェントです。

クリエイティブであれ。クリエイターになれ。すっかり身近な言葉となりました。クリエイトしたものは一時にして世界に伝わり広がる時代となりました。しかしだからといってそれだけ、クリエイトすることが、簡単で当たり前でうまく実現できる、時代であり環境があるというわけではありません。
クリエイターと同じ舟に乗る。とはどういうことなのでしょう。クリエイティブな発想を、創造を、協働をと求められる、私たち現代ビジネスパーソン。私たちにとってのヒントも、皆さんと一緒に見つけられたらと思います。
めったに見聞きすることのできない、クリエイターの方々のライブな現場のお話も伺えそうで楽しみです。
(湯川)

・ 佐渡島 庸平
・ (株)コルク 代表取締役社長
・ クリエイターと同じ舟に乗る
・ 講師紹介ページはこちら

第10回5/26(火) 川村元気さん

第10回5/26(火)は 映画プロデューサー・小説家 川村元気さんのご登壇です。

genki_kawamura.jpg2005年、26歳の若さで企画・プロデュースした『電車男』を皮切りに、『デトロイト・メタル・シティ』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『寄生獣』・・・と、近年大ヒットになったこれらの映画すべて、川村さんプロデュースによるものです。

さらには、ご自身が書いた小説『世界から猫が消えたなら』『億男』もベストセラーとなり、小説家としてもヒット作品を次々と生み出していらっしゃるから驚きです。

国内外問わず、幅広い世代の人々の心を動かす川村さんの作品は、社会で起こっていることをこれまでとは違う角度で切り取り伝えることで、映画業界にある種の革新をもたらしてきました。

ヒットの背景には、川村さんのどんな企画術、そして思考プロセスがあるのでしょう。

川村さんの企画の立て方、考え方、実際に作品が生まれるまで、実例をご紹介いただきながらのお話しより、たくさんの刺激を頂くことを楽しみにしています。(保谷)


 ・川村元気さん
 ・映画プロデューサー・小説家
 ・演題:「企画における"発見"と"発明"」

 講師プロフィールはこちらです。

第9回5/22(金) 松本晃さん 

第9回5/22(金)にご登壇いただくのは、カルビー株式会社 代表取締役会長兼CEO 松本晃さんです。

akira_matsumoto.jpg1949年の創業以来、お馴染みの「かっぱえびせん」から、グラノーラ市場拡大の先見の明ある「フルグラ」まで、数々のヒット商品を生み出し続けている国内最大規模のスナック菓子メーカーであるカルビー。

日本を代表する老舗企業も、近年は少子化による国内市場の縮小やライバル企業の台頭などにより、業績が伸び悩んでいました。

そのような折、創業家に招聘され、2009年に代表取締役会長兼CEOに就任されたのが松本さんです。就任後は、業績も増収増益が続き、グローバル化を進めるなど、新たな成長戦略を描いていらっしゃいます。

松本さんはこれまでの経営経験より、
「世のため、人のため」という必要条件と、それを実現するための「儲けることは当たり前」という十分条件を満たさなければ、企業の存在意義を達成できないという信念をお持ちだときっぱりとおっしゃいます。

カルビーの快進撃の裏にある松本さんの経営手腕とはいかなるものか。

松本さんのプロ経営者としての取り組みとともに、世界と互して戦う企業をつくりあげるためのエッセンスをお話しいただきます。(保谷)

 ・松本晃さん
 ・カルビー株式会社 代表取締役会長兼CEO
 ・演題:「カルビーはどうやって変わったのか」

 講師プロフィールはこちらです。

第8回5/19(火) 奈良橋陽子さん

yoko_narahashi.jpg第8回5/19(火)は、キャスティングディレクターで演出家の 奈良橋 陽子さんにご登壇いただきます。

今日のハリウッドにおける最も重要な日本人、と言えば奈良橋さんの名前があがると言われます。お名前とキャスティングディレクターという職業、ビジネスパーソンの皆さんにはあまり親しみがないかもしれませんが、ハリウッドでは欠かせない存在でいらっしゃいます。

皆さん、日本が登場するハリウッド映画、と聞かれたらどの作品を思い浮かべますか。
『ヒマラヤ杉に降る雪』、『ラストサムライ』、『SAYURI』、『バベル』、『終戦のエンペラー』など。
奈良橋さんはこれらヒット作のキャスティングを手がけられるとともに、何十人にも及ぶ日本人俳優たちのキャリアをつくり上げてこられました。

奈良橋さんははじめ、演劇に情熱をもつ英語教師、でした。
NYで演劇を学んで帰国、演出家・作詞家として活躍するとともに、ドラマをつかったユニークなメソッドでの英語教育に取り組むうち、キャスティングを手がけるように。企画制作会社ユナイテッド・パフォーマーズ・スタジオを創立、現在では国際的に活躍できる俳優の育成をめざされています。

俳優たちの演技指導をしていたとき、たまたま『太陽の帝国』で、スティーブン・スピルバーグ監督の横に座ってキャスティングの補助をする機会を得た、ことがきっかけであったと、あるインタビュー記事で読みました。"たまたま"から得た転機、叶えてきた夢、そして架けてきた橋。インタビューや昨秋出されたご著書『ハリウッドと日本をつなぐ』からは、いつも前向きで、大きく空を見上げながら、地をしっかり踏みしめ歩んできた、奈良橋さんの"生き方論"を感じました。

ハリウッドというだけでワクワクするほど、ふだんなかなか聴くことのできないお話ですし、きっと私たちビジネスパーソンにも、私たちそれぞれの何かへの架け橋のヒントがありそう、だと思います。(湯川)

・ 奈良橋陽子さん
・ (株)ユナイテッド・パフォーマーズ・スタジオ 代表取締役社長 キャスティングディレクター、演出家
・ 演題:日本とハリウッドの架け橋
・ 講師紹介ページはこちら

第7回5/12(火) 五木寛之さん 

hiroyuki_itsuki.jpg第7回5/12(火)は、作家 五木寛之さんにご登壇いただきます。

『夕学五十講』には二度目のご登壇です。前回2008年にご登壇いただいてから、たくさんの再登壇のご要望をいただきました。このたび実現しまして、皆さん楽しみにしてくださっていることと思います。私もその一人です。

五木さんの代表作は、『風の王国』 『大河の一滴』 など数多くあります。そして五木さんは、一時休筆されて、京都の龍谷大学で仏教史を学ばれました。その後、1985年より執筆を再開。親鸞や蓮如などの本を多数著され、その完結篇が最新作でもある、長編小説 『親鸞』 は、たいへん話題となりました。

エッセイも、数多く著され、こちらもまた話題となってきました。皆さんのなかにはエッセイの読者、ファンの方も多いことと思います。ご自身の生き方や経験、そして仏教の教えをふまえて、わかりやすくやさしく、私たちに"語りかけてくださっている"、そんな印象を受けます。

今回は『涙と笑い』と題してご講演いただきます。五木寛之さんに語っていただく、涙と笑い、生き方、人生、皆さんとじっくりお伺いできればと思います。(湯川)

・ 五木寛之さん
・ 作家
・ 演題:涙と笑い
・ 講師紹介ページはこちら

第6回 4/22(水) 三谷宏治先生

4/22(水)第6回にてご登壇いただくのは、K.I.T.虎ノ門大学院 教授
三谷宏治先生です。

kouji_mitani.jpg三谷先生は、コンサルタントファームで20年近くも戦略コンサルタントとして経験を積まれた後、40歳を過ぎて教育(共育)の世界へ入られたキャリアの持ち主。

「すべての人に、みずから考え行動する力を」をテーマに、子ども、大人と関わらず
幅広い対象者に向けて、教育活動、講演を続けているとともに、著書も多く、書店に並んでいてどれもが眼をひくものばかりです。

これまで、発想力、意思決定力に関する著作が多かった三谷先生ですが、一昨年あたりから戦略史に関する書籍が続けて2冊誕生しました。

経営戦略全史』と『ビジネスモデル全史

どちらも400ページ以上にわたる大作であるものの、ビジネス書大賞を受賞されるなど、多くの方に読まれている話題の書籍です。
現在にいたるまでの経営論の流れを、単なる情報の羅列ではなく「ストーリー」にし、時間軸の流れに沿って、背景とつながりで経営戦略を語るという方針が、これまでの戦略論本にはない魅力となっています。

そこには三谷先生の「楽しくなければ学びはない」という真に学びを提供するための哲学があるそうです。

今回は、三谷先生ならではのストーリーにて、経営論のこれまでの流れを紐解きながら、多くの企業の最大テーマとなる「イノベーション」はどう起こすのか、「持続的競争優位」へいかにつなげるのか についてお話しいただきます。

ビジネスに立ち向かう私たちひとりひとりにとって命題ともなるこの問いを、"楽しく"学び考えましょう。(保谷)

 ・三谷宏治 先生
 ・K.I.T.虎ノ門大学院 教授
 ・演題:
 「イノベーションとビジネスモデルの本質~個人に求められるもの~」
 
講師プロフィールはこちらです。

第5 回4/21(火) 山内昌之先生

masayuki_yamauchi.jpg第5 回4/21(火)は東京大学名誉教授 山内昌之先生にご登壇いただきます。

イスラム国とは何か。
いま、世界においてもっとも真剣で深刻な情勢のひとつであり、私たち多くにとっての関心事のひとつといえましょう。

過激派組織によるテロや過激的行為は世界各国で続き、2014年6月にはイスラム国家樹立宣言がなされました。世界は揺れ、またイスラム国をめぐり連携も強まります。そして、私たち日本人にとっても、それまでどこか遠い異国異文化で起きている出来事に感じられていたこれらが、日本人人質の殺害のニュース、若者たちがイスラム国をめざす現象によって関わりある現実の出来事として、緊迫感をもってきました。

イスラム国とは何か。
しかし依然、疑問、解らないこと、解らない感覚がつきまとうテーマでもあるのではないでしょうか。そこで今期は、中東・イスラーム地域研究、国際関係史研究の大家でいらっしゃる、山内昌之先生に「イスラム国とは何か」、ご講義いただきます。

山内先生は、「経済も政治もこれからの世界情勢のカギを握るのはイスラムである」として、これまでにも数多くの書籍を著されています。『夕学五十講』にもこれまで二度、ご登壇いただいてきました。「歴史から考える日本と欧米とイスラーム」(2003年)、「国はなぜ滅んだか ~嫉妬の世界史に学ぶ」(2007年)。ともにとても興味深い講演でした。ご関心ある方は前回の楽屋ブログをご覧ください。

2014年、2015年の現在。世界の情勢、イスラム国の存在やそれをめぐる世界の関係、世界地図は大きく変わってきました。イスラム国とは何か。いまだからこそ、山内先生にじっくり学びます。そして皆さんと、日本と中東の、世界の、近未来について考えたいと思います。(湯川)

・ 山内昌之 先生
・ 東京大学名誉教授
・ 演題:イスラム国とは何か―日本と中東の新未来
・ 講師紹介ページはこちら

第4回4/17(金) 山田英夫先生

第4回4/17(金)は早稲田大学ビジネススクール教授 山田英夫先生にご登壇いただきます。

山田先生はディファクトスタンダードの経営hideo_yamada.jpg
戦略論にて日本を代表する研究者のお一人。
コンサルタント経験も豊富で、お話しいただく度に、数多くの企業事例とともにわかりやすく戦略論そしてビジネスモデルを解説いただきます。

慶應MCCでは『経営戦略―ビジネスモデルから構想力を学ぶ』でお世話になっているとともに、前回の『夕学五十講』でも私たちに身近な企業事例をたくさんご紹介いただきながら、儲かる会社の仕組みについてお話いただきました。

今回のテーマは競争しない競争戦略
この二律背反するタイトルは、先生の新著から頂いています。

ライバル企業が追随できない状態をつくり、効率的に稼ぎ高い利益率を上げるためにはどうすれば良いのか。

競争することが当然となっているビジネスのなかで「競争しない競争戦略」なんて存在するのか、そこにはどんな秘訣が組み込まれているのか・・・と、不思議なことだらけですが、今回も数多くの企業事例とともに実践的な経営戦略論をわかりやすく解説いただきます。(保谷)

 ・山田英夫先生
 ・早稲田大学ビジネススクール 教授
 ・演題:「競争しない競争戦略」

 講師プロフィールはこちらです。

第3回4/14(火) ヤマザキマリさん

第3回 4/14(火)には、漫画家 ヤマザキマリさんをお迎えします。ヤマザキマリさんといえば、『テロマエ・ロマエ』。

mari_yamazaki.jpg

古代ローマの浴場設計技師ルシウスが、現代日本にタイムスリップ。そこでの経験や交流から得たアイデアを、ローマで生かし活躍していくコメディ。「これは面白い!」と原作の漫画がたいへん話題となって、阿部寛主演で映画化、これがまたまた大ヒットとなり、二作目も制作されました。皆さんの多くもご存じ、また、楽しまれたことでしょう。

発想が面白い、設定がいい、キャラクターがいい、親しみがもてるなどなど、大ヒットにつながった理由はさまざま思いつきますし実際に読んで見てみると、「面白い!」んですね。 そしてとても元気がでます。これら面白さや元気の根底には、作者のヤマザキマリさんがいらっしゃるに違いない、と思います。

17歳で美術を学びにイタリアへ渡って30年。イタリア人研究者との結婚を機に、欧州、中東、米国をへて、現在イタリア在住。そんなヤマザキマリさんが著書のなかで、「近くて遠い、心地好さと拒絶が一体化した祖国、日本。日本という複雑さと面白さは、長く遠く離れて暮らすからこそよくわかる。」と書いていらしたのが印象的でした。それは「どこでもアウェイでいる感覚」にもつながります。そしてそれが「世界の多様な人類の生き方の客観的な理解に役立ってくれている」。今回はそんなヤマザキマリさんの生き方論を伺います。
ヤマザキマリさんの生き方、発想、感性には私たちにも思わぬヒントがありそうで、お話も面白くて元気がでそうで、私もとても楽しみです。(湯川)

・ ヤマザキマリさん
・ 漫画家
・ 辺境のない生き方
・講師紹介ページはちらです。

第2回4/10(金) 唐池 恒二さん

こんにちは、慶應MCC保谷です。今期もよろしくお願いします。

第2回、4/10(金)は JR九州 会長 唐池 恒二さんにご登壇頂きます。

kouji_karaike.jpg九州新幹線の全線開通、国内最大級の商業ビル"JR博多シティ"オープン、そして豪華寝台列車 "ななつ星in九州"の運行・・・と、ここ数年、明るい話題が次々と生まれている
JR九州。

企業としてさらなる成長を描いているとともに、国内外問わず多くの人を九州に呼び込む吸引力にもなっています。

今でこそ魅力的なプロジェクト、ニュ―スの多いJR九州ですが、以前は不採算路線が多く、鉄道以外の事業をいかに伸ばし生き残るか、難しい局面に立たされていたという過去もありました。

そのようななか、唐池さんは営業本部時代よりアイデアマンにて、ユニークな企画を連発し、魅力的な事業展開を進めていらっしゃいました。

唐池さんの斬新なアイデアとともに、実現するためのスピードと行動力、そして何よりも元気な会社へと導くために「夢見る力」「氣」を大切にする考え方、生き方、働き方にヒントがあるそうです。

わくわくするような夢を与え、気を満ちあふれさせ、人を巻き込んで問題を解決してこられたJR九州の経営改革とともに、多くのお客様を喜ばす経営哲学をお話しいただきます。

ユニークな発想の裏には、どんな姿勢があるのか、"唐池流発想法"からたくさんの刺激を受けたいと思います。(保谷)

・唐池恒二さん
・九州旅客鉄道株式会社 代表取締役会長
・演題:「夢みる力が「氣」をつくる」

講師プロフィールはこちらです。

第1回 4/7(火) 田村次朗先生

jiro_tamura2.jpg

2015年度前期『夕学五十講』、第1回の4/7(火)に登壇いただきますのは、慶應義塾大学法学部の田村次朗先生です。

田村先生は、世界経済フォーラム(ダボス会議)の「交渉と紛争解決」委員会委員や、ハーバード大学国際交渉学プログラムでもアカデミックアドバイザーも務められており、 "世界"の交渉学の最前線でもご活躍されていらっしゃいます。

と同時に、法学や政治経済にとどまらず、ビジネスや私たちの日常生活にも、交渉学の考え方や方法論を紹介してくださった方、でもあります。

慶應MCCでは、田村先生に、『戦略的交渉力』というビジネスプログラムをお願いしています。慶應MCCオープン当初から15年、いまでも毎日程が満席になる人気プログラムです。

田村先生ご自身が、ハーバード・ロー・スクールで学び、実感されてきた、交渉学がスタートでした。それを、日本で教育を受け、ビジネス経験を積んできた、私たち日本人が実践できるように、"つなぐ" エッセンスを加えて、つくっていただいたのがこのプログラムの前身でした。

さて今回は、そんな、世界と世界の中の日本、政治経済と学術の最前線を常に見て研究されてこられた、田村先生に、私たちビジネスパーソンのヒントにもなる、「交渉学」を語っていただきます。
4/7の初回、楽しみです。(湯川)

・田村 次朗 先生
・慶應義塾大学法学部教授 ハーバード大学国際交渉学プログラム・インターナショナル・アカデミック・アドバイザー
・演題:「三方よし」の対話力~問題解決のための戦略的交渉学入門~

講師紹介ページはこちらです。

今回の講演内容に関連した著書
交渉学入門 ハーバードX慶應流
戦略的交渉入門

2015前期が始まります。講師・講演紹介を始めます。

夕学ヨコシャドウあり.gif皆さん、こんにちは。慶應MCCの湯川です。
昨日2月25日(水)より、2015年前期の『夕学五十講』、申込・予約の受付を開始しました。
早々に満席講演が出たり、"楽しみにしていますよ""いついつ参加しますよ" のお声が届いたり。今期も、たくさんの方にご関心をお寄せいただき、とてもうれしいです。今期も皆さんのお越しをお待ちしています。

本日より、恒例の講師・講演のご紹介をしていきたいと思います。
いつもはレビュアーがリレーで講演をレポートしている「夕学リフレクション」ですが、講演が始まるまでの間、私たち司会を担当します、湯川・保谷・城取がリレーでご紹介していきます。