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多数決は民意を反映しているのか 坂井豊貴先生

photo_instructor_872.jpg歴史にイフ(if)をつけてみる。もし、アメリカの大統領選に決戦投票があったなら、イスラム国は誕生しなかったのではないか。

慶應義塾大学経済学部教授で、「決め方」の研究者である坂井豊貴先生は、多数決で決める危険性について説明するために、2000年のアメリカ大統領選を例に挙げた。多数決―アメリカ大統領選―イスラム国。そこにはいかなるロジックがあるのか。

2000年アメリカ大統領選。当初は民主党のゴアが、共和党のブッシュに優勢であった。しかし、そこに「第三の候補」である弁護士で活動家のネーダーが参戦してきた。相対的に政策が同じネーダーはゴアの票を食い、ブッシュが逆転勝利した。もし、アメリカに決選投票があったなら、ゴアが勝利していたであろうと坂井先生は言う。ブッシュが大統領になった翌年2001年9月11日にアメリカ同時多発テロが起こり、2003年にはその報復として、イラク戦争へと突入した。その後、フセイン政権は倒れたが、その残党がイスラム国を設立するに至ったということである。

ここで多数決について考えてみる。遡れば幼少期から人が集まって、複数の意見があれば多数決を使ってきた。そして、多数決はあまりにも身近すぎて、この「決め方」が正しいとか正しくないとか疑う機会がなかった。しかし、多数決とは何であろうか。なぜ、人々は多数決が最善の決め方だと思うのか。

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人口減少と経済成長~希望~ 吉川 洋先生

photo_instructor_882.jpgレビューを書くときはいつもタイトルに悩む。私は夕学の講師の先生が一番伝えたかったことのほかに、私は何を感じ、得られたのかをタイトルに織り込むようにしている。
 今回、吉川先生が伝えたかったことは「人口減少時代における経済成長」の可能性である。そして、先生の講演で私が最も強く感じたのは「希望」だったので、それを副題にしてみた。
 
 先生のメッセージは決して、人口減少を否定したものでも、経済成長をするために簡単な解決策があると楽観視した安直なレトリックでもない。先生のメッセージは、経済成長やその減退は本来人口のみでは説明できないロジックや複数要因によって成し遂げられるものであるというもの。そして、人々は常に革新的かつ高付加価値の製品とサービスに投資し、イノベーションの創造に挑戦することで、人口減少時代においても経済成長に対して希望を抱くことはできるというものである。とにかく、お話を伺って、人口減少の時代を強く生きる希望を持つことができた。
 

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ロンドン、リオ、そして東京へ 水鳥寿思監督

photo_instructor_880.jpg予選結果4位。

「自分たちには世界トップの実力がある」という甘い考えがあった。田中、山室が続けて平行棒で落下。ミスがミスを誘い、内村は鉄棒で背中から落ち、唯一、調子が良かった白井も床でラインオーバーの減点であった。

内村航平はリオオリンピック事前のインタビューでこう応えている。
「予選1位にならなければ、(金メダルのチャンスは)半分以上は消えちゃうと思う」

しかし、翌々日の決勝では日本中が歓喜の声をあげることになる。予選4位からの大逆転。日本体操男子団体は金メダルを獲得した。なぜ、予選から決勝までの短い時間で、選手たちは切り替えることができたのか?水鳥寿思監督はリオオリンピックを振り返る。

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遠藤謙氏に聴く、義足のランナーが健常者を抜き去る日

photo_instructor_871.jpg夕学五十講で取り上げられる幅広いテーマのうち、特に自分が引きつけられてしまうのが「障害」をめぐる話である。視覚障害者と晴眼者のいつもの立場を逆転させるDIALOG IN THE DARKの暗闇を作り出した志村(金井)真介氏、人を環境に合わせるのでなく環境を人に合わせることで障害者の就労支援を行うLITALICOの長谷川敦弥氏。そこには、凝り固まった自分の「常識」を根底から揺さ振り覆す、思いがけない「逆転」がある。

そしてこの日の遠藤 謙氏は、「健常者の最速ランナーを抜き去っていく義足のランナー」というビジョンを描き、近未来に実現しようとしている義足エンジニアであった。

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世界はどう変わるか 佐藤優さん

photo_instructor_870.jpg「さてね。今、半年後の世界を予測できるっていう人がいたら、それは嘘つきです。とにかく、変数が大きすぎますから」

本邦きってのインテリジェンスの使い手、佐藤優氏をもってしても大変に読み解きづらくなっているというこの世界。いわんや、我々をおいてをや。しかし、諦めることなかれ。今日はあなた方にだけ、この皮袋の中から特別に、情報という名の葡萄酒を数滴ふりかけてあげよう......と言った(かのように見えた)その直後から90分。立て板に落ちる水のような流麗さで、目をむくような逸話がリリースされつづけた。そのあまりのスピードに、喘ぎ喘ぎしながら「変数」のピースを拾い上げる。

掛けあわせる定数は、むろん旬の男、ドナルド・トランプだ。

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坂城町の狛犬に聴く、小松美羽という「第三の目」

photo_instructor_883.jpgあれは今から二十年以上も前のことだったな。大和の国の真ん中あたり、信州は坂城町の山道で、ひとりの少女が道に迷っておった。どうするかな、と思っていたら、わしと目が合った。

見えるのか。

いまどき、見える人間がいたとはな。
そう呟きながら先を歩き、麓へ戻る道を教えてやった。

それからわしらは、山道で幾度も出会った。あいつは、後先考えずに山に分け入って、いつも道を見失いそうになっとった。そのたびわしは家へ帰れるように先導してやった。あいつはそれを不思議とも思わず、いつもついて来た。きっとただの山犬だと思っとったんだな。
でも、ある吹雪の晩、あいつは走って追いかけてきた。もちろん追いつくことはできぬ。そして、山犬ならあるはずの足跡が雪の上にないことに気付いて、あ、と言った。

気づいたな。

あいつは十五になっとった。幼子と違い、穢れや業のようなものが澱となって積もり始める年頃だ。もうわしを見ることはできんかな。そう思いながら、宙にくるりと円を描いて、別れの挨拶をして姿を消した、つもりだった。
しかし翌朝、あいつは、神社の前でわしをじっと見てきたな。台座の上から辺りを睥睨し、神域を護る狛犬のわしと、ようやく目線が合う身長になっとったんだ。ぱっちりした二つの目の間にある、見えない「第三の目」を微かに開いて、こっちを見ていた。
それが、小松美羽とかいう絵師との出会いだったな。

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伊賀泰代さんに聴く、「生産性」と「成長」の方程式

photo_instructor_860.jpg半年前に『生産性』という本を出して以来、伊賀泰代さんのところには企業からの講演依頼が引きも切らないという。曰く、「我が社には生産性の意識がない、意識改革のために講演に来てほしい」と。「でも講演というのは、意識改革のためにはもっとも生産性の低い方法で、そのことは本にもきちんと書いておいたんですけど」と微笑む伊賀さんにつられて笑いそうになるが、その自分もこうして講演を聞きに来た満場の聴衆の一人であったことに気付く。

マッキンゼーで長く採用と育成に携わってきた伊賀さんが、独立してまず書いた本がリーダーシップを論じた『採用基準』であったことは驚くにあたらない。驚くべきは、外資系コンサルなんてこんなものだろうという先入観を悉く打ち砕くその内容だった(詳しくは同書で確認してほしい)。欧米に比して日本が劣るただ二つの要素が「リーダーシップ」と「生産性」であり、その両者を身に付ければ日本の将来は開ける、と伊賀さんは断じるが、そこで言う「生産性」は、多くの日本人がイメージするそれとは、おそらく違う。

トヨタをはじめとする日本の製造現場の生産性の高さは誰もが知っている。だが非製造業やホワイトカラーの生産性はアメリカの半分、先進国中最低レベル。それを自覚している日本人がどれだけいるか、と伊賀さんは嘆じる。もちろん米国の店員が日本の2倍テキパキしているとは思えない(むしろ逆)。問題は現場の人ではなくマネジメントである。

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"異色"たりて礼節を知る 朝倉祐介さん

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息つく暇もない転身劇の連続

今回の講師は、「異色の若手経営者」という冠つきで紹介されることの多い、前ミクシィ社長の朝倉祐介氏だ。
白いTシャツとデニムパンツに綿ジャケットを羽織って軽やかなステップで駆け上るように登壇したその姿は、確かに、仕立ての良いスーツに身を包んだベテラン経営者達とはかなり違う。しかし2000年前後からこういう「Tシャツ経営者」はよく見られるようになり、そういうスタイルだけで異色と呼ばれることは今やないだろう。
では、何が異色なのか。
まず分かりやすいところから言えば、その経歴だ。講演は、その異色な経歴の紹介からはじまった。

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瞬間を生きる 川野泰周さん

photo_instructor_861.jpg川野泰周先生の特徴は何といってもそのご経歴にある。精神科医にして禅寺の住職。産業医としても活躍されている。常々私は既存宗教がこの悩み多き現代に人生相談や精神治療などの現場でもっと活躍すべきではないかと思っていたので、待ってましたとばかりに講演会場に向かった。会場はほぼ満席、席を見つけるのが難しいほどの大盛況で関心の高さが窺える。

講演は簡単な説明の後、参加者全員による2分間の瞑想から始まった。難しいことは何も言わず、呼吸の仕方も指導や制約も特になく、ただ瞑想をするだけだ。静かな2分間。瞑想後、瞑想とは生まれた時から人に備わっているもの、瞑想の大切さが今また気づかれているのではないかとお話しされ、本格的な講演が始まった。

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考えるクラシック音楽 仲道郁代さん

仲道郁代「音楽の力」という言葉を、耳にするようになったのはいつからだろうか。おそらく、東日本大震災後ではないかと思う。「音楽には人を励まし、勇気づけ、癒す力がある----」。この言葉に反対する人は多くないはずだ。しかし、「なぜか」を言葉にして伝えられる人もまた多くないであろう。
ピアニストとして30年のキャリアを持つ仲道郁代さんは、この曖昧で朧ろげな「音楽の力」をご自身の感覚、言葉で語ってくださった。それは、決して説明ではなく、ピアノの演奏のように、聴く人の感覚に響くようなお話だった。

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揺らぐ民主主義 神保 謙先生

神保 謙 神保 謙先生と私は同い年である。同い年どころか、大学では同じゼミに所属していた。当時から神保先生はとても優秀で、学内でも有名人だった。
 私が大学に入ったのは1992年。89年にベルリンの壁が崩れ、91年にソビエト連邦が崩壊し、希望に満ちた新たな時代の幕開けのような空気が溢れていた時期だ。
 大学でもどこでも「グローバル」という言葉が多用され、それはとても輝かしい響きを持っていた。ヒト・モノ・カネが国境を超えて自由に行き来する時代が来る、それは明るい未来だ、というようなイメージを多くの人が共有していたように思う。
 25年が経過した今、国境は消えるどころか、再び重要な意味を持つ時代へと突入した。「グローバル」という言葉は、今ではネガティブな響きさえ含んで聞こえる。

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遠いシリア 安田菜津紀さん

photo_instructor_866.jpg 安田菜津紀さんの講演が始まってすぐに「まるでテレビのナレーションを聞いているようだな」と感じた。それは、安田さんの聞きやすくてソフトな声のせいもあるけれど、言いよどみのない、ひとつひとつの言葉に迷いのない、思いのこもった安田さんの喋り方がそう感じさせたのだろうと思う。過不足のない言葉で、会場の人たちの頭に染み込むように、一人ひとりの目を見ながら語り掛けるような調子で安田さんは話し始めた。

最初に語られた場所はカンボジア。かつてポル・ポト政権下の恐怖政治により、全国民の5分の1、あるいは4分の1とも言われる大量の人々が虐殺された国である。
今から十年以上前になるが、私自身もカンボジアを訪れたことがある。その時首都プノンペンにあるキリングフィールド(たくさんの人が殺された刑場跡地)にも行ったのだが、あまりの生々しさに目を覆いたくなるような息苦しさを感じたことは強烈な記憶だ。ある展示室には殺される直前に撮影された人々の顔写真がズラリと掲示されていて、一様にひきつった顔でカメラを見つめていた。血糊がついたままの鉄のベッドや夥しい数の頭蓋骨など、どれも凄まじい光景で、あまりに痛ましかった。

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行動デザインの魅力と魔力を知った夜 國田圭作さん

photo_instructor_862.jpg國田圭作さんの講演の話をする前に、いきなりの自分語りで恐縮だが、私はクライアントのwebサイトを制作することを生業としている。
この仕事をはじめて20年ほど経つが、最初の頃はただただ「作る」ことに夢中だったように思う。しかし、いつの頃からか「自分が提供すべきサービスは、作る行為そのものではない」と考えるようになった。今では、「クライアントのビジネスに貢献できないwebサイトなら(極端な言い方をすれば)作る意味がない」とすら思っている。

もちろん、大抵は「webサイトでできること」なんてたかが知れているのだが、それでも可能なかぎりクライアントの実質的な利益になる仕事をしたいのだ。
ただ、クライアントに「集客できるサイト」「モノが売れるサイト」を提供するには、"マーケティング"という、サイト制作職人にとっては未知の領域に踏みこんでいかざるを得ない。それが、今回の講演を聴講する動機だった。

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未来の脳を脳で考える 池谷裕二先生

photo_instructor_878.jpg「世の中は 夢かうつつか うつつとも 夢とも知らず ありてなければ」

905年に成立した古今和歌集に収録されている歌である。時は流れて現代、「この世は脳の解釈による幻影である」と池谷裕二先生はいう。今、私たちの見ている世界は本物だろうかと問われれば、自信をもって「はい」と答えるのは難しい。

本日の講演テーマは「未来の脳を考える」であった。しかし、その内容は脳のしくみや人工知能について網羅しながらも、「私たちの見ている世界とは何だろう」という一貫した哲学的なテーマがより強かった。そして、先生の話を聞けば聞くほど、現実世界とは何であろうという疑問が増し、迷宮入りしていくような1時間半であった。

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時代に即したビジネスモデルで働き方が変わる 高橋俊介先生

 photo_instructor_877.jpg「若者たちに自分たちのやり方を真似してもらったところで、そもそも顧客との付き合いや気合いで儲かる時代ではなくなったんですから、もうやめましょう。根本的に日本の儲け方を変えないと人材は疲弊し、悪循環に陥ります。」

 慶應義塾大学大学院の高橋俊介先生は働き方とワークライフを経営視点から読み解き、より効率的な稼ぎ方へシフトすることが、結果的に長時間労働を防止する対策につながることをお話くださった。働き方改革というフレーズが一世を風靡しているが、早く帰る日を作ることはできても、本当の意味でどうやったら自分の仕事の時間が短縮でき、働きながらも自律した時間の使い方ができるのか、その手段をよく掴めないでいた。その問いに対して、衝撃的ではあったが、腹落ちのしやすい答えを高橋先生は教えてくれた。

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真のダイバーシティは「自由」にある 山田邦雄さん

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常識破りの三代目

「"売り家"と唐様で書く三代目」という有名な江戸川柳がある。今回の講師である山田邦雄・ロート製薬代表取締役会長兼CEOも、まさにその三代目だ。しかし山田会長は、江戸の大旦那の三代目とは全く違う。
なにしろ、この三代目は社長に就任して以降、新規事業や新たな人事政策への大幅シフトを推進、売上も規模も急成長させたというのだ。そして今やダイバーシティ先進企業としてビジネス界の耳目を集めている。
「"NEVER SAY NEVER"と常識破る三代目」なのだ。

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矛盾を生きる 藤田一照先生

photo_instructor_868.jpgあまりに日常に溶け込んでいるがゆえに仏教は、かえってわからなくなっていることが多いのかもしれない。その溶け込んでいる仏教を藤田一照先生に掘り起こしてもらおうと今回の講演を楽しみにしていた。
以前から関心のあった禅だが、この夕学五十講の田口佳史先生の講演で曹洞宗の開祖、道元とその教えの話を聞いて同宗に強い関心を持つようになっている。藤田先生も同じ宗派とはなんたる偶然か。

藤田先生の経歴で興味深かったのが米国で17年半に渡って禅の指導をされていたことだ。異なる宗教の人に教えるということは概念を一度突き放して整理と解釈を改めてすることになるからか、説明もわかりやすいものだった。同時に講演を聞く私たち聴衆の側も、もはやかつてのように仏教を生活の根本に据えている「日本人」ではないかもしれない。もちろんあらゆる背景に仏教の影響をそれと気づかぬうちに受けているとしても。私たちの中に埋もれてわからなくなってしまっている仏教を、禅を、掘り出して心安らぐ何かを示してくれるのではないか。そんな期待が会場にはあるのか大入りの会場は働き盛りのビジネスマンも多く詰めかけていた。

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サテライト会場からのご質問に安部さんからお返事が届きました

安部修仁さんの講演での質疑応答において、時間の関係で読み上げられなかったサテライト会場からのご質問に、安部さんから当日お返事できなかったことへのお詫びとお返事が届きました。

このリフレクションの場を借りて、サテライト会場からいただいた7件のご質問と、それにたいする安部さんのお返事を掲載いたします。ぜひご覧ください。

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リーダーの「十分条件」 安部修仁さん

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ハードワークは悪!?

間もなく"プレミアムフライデー"の第3回目がやって来る。政府と経済界が一丸となって提唱しているものの、無理筋というものだ。第2回目なんて年度最終日だったし、第3回目は、なんとGW前最後の平日ときている。月次管理をしている企業も多い中、最後の追い込みをかけている月末近くの金曜日に早く帰れとは...。プレミアムフライデーを導入した企業の割合は2.5%とか3.4%とか7%とか、調査によってまちまちだが、おおむねひと桁%の模様。でも、お上の決めた事だから各社必死で推進しなくてはならない。

国会では「働き方改革」で大論争、ネットを覗けば「○○社はブラック企業だ」「いや△△社の方がもっと」などと侃々諤々。ブラック企業大賞なんてものまで選考される始末だ。企業内に目を向ければ、コンプライアンス憲章にがんじがらめの上司たちは、パワハラ認定を恐れて部下におちおち指導もできない日々...。

「勤労の美徳」という言葉も今や死語。「長時間労働や厳しい仕事は悪」というのが時代のコンセンサスだ。

そんな時代にあって、安部修仁・株式会社吉野家ホールディングス会長は意気軒昂に説く。「リーダーを目指す者は、寝る時間以外の全てを費やすようなハードワークをする時期が必要である」と。もはや蛮勇と言ってもよい発言だ。

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第25回 7/27(木) 服部 匡志先生

tadashi_hattori.jpg今期の最終回7/27(木)は、フリーランスの眼科医、服部 匡志先生にご登壇いただきます。

こんなユニークなお医者さんがいらっしゃるのか。服部先生のことを知ったとき、そう思いました。
臨床医は病院や大学、企業などどこかに所属して、勤務するのが一般的ですが、服部先生は勤務せず、開業もせず、フリーで、医療活動をなさっています。

一カ月の半分を、北から南まで約10か所の病院を渡り歩いて。残りの半分を、ベトナムの首都ハノイで、貧しい方に無償で。4000以上の瞳を救った「ベトナムの赤ひげ先生」として知られます。海外の医療機関や緊急事態に赴き活動する医師もいらっしゃいますが、それらとも違って、ユニークだなと思いました。服部先生はどんなきっかけで、どんな思いから、いまの医療活動を始められたのでしょうか。先生にお会いしてみたくなり、お話を伺ってみたくなりました。

ところで、失明や目の重症な病気は、貧困地域に多く、日本もかつてそうであったと聞きます。悪化するまで処置せずにいたり、衛生状態の悪さや間違った処置などが原因です。しかし、現代では、食生活や生活習慣の変化、長寿高齢化、ITの発達普及など現代特有の理由でもまた、新たな目の問題や病気が増えている、と聞いたことがあります。現代的で私たちにも接点あるテーマにも思います。

7/27、皆さんとじっくり服部先生のお話を伺いたいと思います。
今期も、皆さまのお越しをお待ちしています。(湯川)

・服部 匡志
・フリーランスの眼科医
・演題「人間は、人を助けるようにできている」
講師プロフィールはこちら

第24回 7/26(水)佐藤 祐輔さん

yusuke_sato.jpg7/26(水)は新政酒造株式会社 代表取締役社長 佐藤祐輔さんのご登壇です。

新政(あらまさ)酒造は、1852年創業の秋田の老舗蔵元。

その歴史もさることながら、全国で使われている酵母6号の提供とともに、「亜麻猫」「No.6」などの斬新な日本酒を研究し続け発売し、全国から注文が絶えない人気の酒造となっています。

新政酒造の商品コレクション  

佐藤さんは1974年生まれの醸造家であり若手経営者。その経歴は異色でいらっしゃいます。

東京大学を卒業後、フリージャーナリストとして雑誌を中心に執筆活動を開始。

30歳を過ぎたあたりから日本酒の魅力に惹かれ、日本酒について学び、2007年に父親が営む新政酒造に入社します。

しかも、蔵元の息子でありながら、日本酒を初めて口にしたのも30歳を過ぎてからとのことですから、これまた驚きです。

2012年から新政酒造8代目として現職に就き、"新生・新政"として人気酒に押し上げ、新たな市場を開拓し日本酒の世界を盛り上げているだけなく、秋田の素材のみを用いるとして、地元の活性化にも一役担っていらっしゃいます。

佐藤さんの日本酒への思い、新たなことに次々とチャレンジするための原動力は何か。

これからの挑戦、日本酒の未来も含め、たっぷりとお話し頂きます。(保谷)

・佐藤 祐輔
・新政酒造株式会社 代表取締役社長
・演題:「日本酒リノベーション」

プロフィールはこちらです
新政酒造 ホームページ

第23回 7/21(金)佐山展生先生

nobuo_sayama.jpg夕学五十講17前期、開講まで一週間、もうすぐになりました。リフレクションでの講師紹介も残り3講演です。

さて、第23回目の7/21(金)は、佐山展生先生です。

佐山先生は、2015年1月末に、スカイマークの民事再生の申し立てを行い、2016年上半期には早くも成果を出されて、新生スカイマークの再生を見事に成し遂げられました。今回はその企業再生の手腕と方法論をじっくり伺います。

ところで、佐山先生に夕学五十講にご登壇いただくのは、今回で4回目です。2004年後期、2006年度後期、2011年度後期とこれまでご登壇いただきました。立場・役割を変え、チャレンジを変えて、さまざま企業のM&Aや企業再生に携わってこられました。

前回の講演の印象が強く残っていて、夕学リフレクションを読み直してみました。

「昔から、佐山さんの講演・講義資料には、必ず「結び」が付いていた。佐藤一齋ではないけれど、言わば佐山版「言志録」のようなものである。」

とあります。

「「ど真ん中の直球はストライクと判定されているか」
「知らないうちに富士山の山頂に登った人はいない」
「ジャンプする前は精一杯しゃがみ込む」
といった名言は当時から入っていたが、いまから思えば実にシンプルである。
7年振りになる今回の「結び」は118個。 増えた100個は、この間の佐山さんの「キャリアの軌跡」でもあろう。」

その内容はもちろん、講演のたび、増えていくことも興味深いのだとくくられていました。さて、今回はどんな佐山語録が加わるのでしょうか。そちらも楽しみです。(湯川)

・佐山 展生
・インテグラル(株) 代表取締役パートナー、スカイマーク(株) 代表取締役会長、一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授
・演題「新生スカイマークと企業再生」
講師プロフィールはこちら

第22回 7/19(水)守島基博先生

motohiro_morishima.jpg7/19(水)は、守島基博先生に再登壇いただきます。

守島先生は戦略人事、人材マネジメント研究の第一人者のお一人でいらっしゃいます。夕学五十講には第一期目から、ご登壇いただいてきました。

2001年前期「戦略人事のなかの成果主義」
2005年前期「組織能力としての人材マネジメント」
2010年後期「職場寒冷化に歯止めを!~人が育つ場としての職場を取り戻そう~」

演題からも日本の人事の変遷が振り返れます。かつ守島先生は、始まりつつある環境の変化や課題を鋭くとらえ提言してこられました。成果主義と人材の流動化。能力評価、コンピテンシーと人材マネジメント。
そして6年前にすでに、ここ1-2年大変注目されている組織開発の必要性と重要性を説いていらっしゃいました。そのときの夕学リフレクションがこちらです。

夕学リフレクション「いまこそ新しい組織開発を

今回もまた、まさにいまの時代のテーマです。働き方改革やワークライフバランスが叫ばれ、人の幸せや社会への貢献、企業の強さなどこれまでとは異なる指標も問われます。喫緊の経営人事のテーマながらあせるばかりで捉えきれていないのが現状ではないでしょうか。何がどう変わるのか、どう変わらなければならないのか。守島先生の最新の研究と知見を伺い、じっくり考えたいと思います。(湯川)

・守島 基博
・学習院大学経済学部経営学科 教授
・演題「人視点からの人材マネジメント~働く人を幸せにする企業が強くなる~」
講師プロフィールはこちら

第21回 7/14(金)壬生 篤さん

atsushi_mibu.jpg7/14(金)は作家・編集者 壬生篤さんのご登壇です。

寿司に天ぷら、鰻・・・など、現代でも和食として食べられている料理の数々は、江戸時代にその原形ができあがっていたというのは広く知られているところです。

江戸は二百年前からロンドン、パリ以上の人口を抱える世界最大級の都市であり、絵画や文学などの水準の高さに加え、人々は豊かな食文化を楽しんでいたと、壬生さんはおっしゃいます。

壬生さんは、江戸から明治の文化に精通し、特に食文化については、豊富な知識とともに数々の著書もお書きになっています。

原作を務めた漫画『文豪の食彩』はテレビドラマ化もされ、日本を代表する文豪達が何を食していたのか、日本の豊かな食文化、それらは現代につながっていることに興味深くご覧になった方も多いことでしょう。

今回は、鎖国によって近代化が遅れている・・・という誤った私たちの認識を覆してくれるような、世界にも誇る高い文化水準の"江戸時代の食"をテーマにお話しいただきます。

食べているものをみればその人がわかる・・・と言われます。

いまも昔も、食文化からは、その時代を生きている人の息づかいや躍動感が感じられるのでしょう。

当日のお話では、江戸時代にタイムスリップするような、江戸の生活を垣間見ることに今からワクワクしています。(保谷)


・壬生 篤
・作家・編集者
・演題:「探索!"江戸の食"~それが今、教えてくれるもの~」

プロフィールはこちらです

第20回 7/4(火)阿川 佐和子さん

sawako_agawa.jpg7/4(火)は作家・エッセイスト 阿川佐和子さんにご登壇いただきます。

以前、『夕学五十講』にお越しいただいたのは2013年。

著書『聞く力』が2012年 年間ベストセラー第一位(発行部数100万部)になられた直後のご登壇でした。

2013年6/18登壇「相手がしゃべりたくなる対象になれるかどうか 阿川佐和子さん

その際には、まさに"聞く力"のコアエッセンスを、ご自身のテレビ・雑誌のエピソード、失敗談を交えながらウィットに溢れ楽しくお話しいただきました。

今回のテーマは父について。

阿川さんのお父様は山本五十六、米内光政など大日本海軍の提督達を描いた文豪 阿川弘之氏。94歳で大往生されたのは一昨年のこと。

いまや絶滅寸前とも言える、怖くて強い父親ぶりは、佐和子さんの著書『強父論』に親父語録とともに、62年間をふりかえり描かれています。

今回は、お父様との壮絶なエピソードの中に見え隠れする家族と親子の愛、著書でも描ききれなかった事柄も含め、あますところなくお話しいただきます。

佐和子さんの軽妙なトーク術が存分に披露されますこと、楽しみです。(保谷)

・阿川 佐和子
・作家・エッセイスト
・演題:「父という名の生き物」

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第19回 6/29(木)石黒浩教授

hiroshi_ishiguro.jpg6/29(木)、石黒 浩 大阪大学大学院基礎工学研究科教授にご登壇いただきます。

「マツコが等身大アンドロイドに」
「文豪・夏目漱石のアンドロイドが完成」

話題となりましたね。外見が似ているだけでなく、その技術の高さ、完成度、さらにデジタルタレント事業の発表や文学研究への寄与といった可能性の高さからも驚かれ注目を集めました。これらアンドロイドを開発したのが、石黒浩先生とその研究室、知能ロボット学研究室。

子供の頃、未来社会というと、ロボットがいて、アンドロイドがいて、車が空を飛び交う、そんなイメージでした。当時は100年後の未来だと思っていたことがすでに実現していたり、当時想像さえできなかった新しいことが生まれていたり、そんな現代、ロボットやアンドロイドは、未来を実現しつつある代表的でかつ人間に近い存在だと思います。

では、アンドロイドやロボットは何を目指し、どんな可能性をもっているのでしょうか。

石黒先生は、ロボット研究を通じて「人間」を追求し、未来の人間社会を支える知的システムを研究している、とおっしゃっています。最先端の研究をしながら現実の社会への実用や接点を常に同時に実現していらっしゃる石黒先生に、ロボットやアンドロイドの可能性や、現代と未来について、じっくり伺いたいと思います。(湯川)

・石黒 浩
・大阪大学大学院基礎工学研究科 教授
・演題「アンドロイドと近未来社会」
講師プロフィールはこちら
知能ロボット研究室(石黒研究室)
Hiroshi Ishiguro Laboratoreies

第18回 6/23(金)坂井 豊貴先生

toyotaka_sakai.jpg6/23(金)にご登壇いただくのは、慶應義塾大学経済学部 教授 坂井豊貴先生です。

「多数決ではない決め方」「多数決の正しい使い方」。
タイトルにあるこの2つの問いかけ。どなたも、思い当たる経験や実感をお持ちではないでしょうか。

皆で決めたものの予想外の結果だった。多数決で選んだにも関わらず反発ばかり。英国のEU離脱、米国のトランプ大統領選出、大きな国際ニュースとなったこの2つもそうですし、仕事でも家庭でも友だちの間でも、日常的に身近にあることです。

多数決はもっとも民主的、公平だとも思う。多様な意見や利害関係がある中で多数決以外によい方法がないので仕方がない。私たちはそう思ってはいないでしょうか。でも果たしてそうでしょうか。坂井先生はこれらに、数理分析にもとづいて、じっくり答えてくださいます。

数理分析というと、難しそうだな、私でも理解できるかな、と若干不安を感じるのですが、でもそれ以上に、とても身近な方法論でありメカニズムである、多数決がテーマとあってわくわくします。(湯川)

・坂井 豊貴
・慶應義塾大学経済学部 教授
・演題「多数決ではない決め方と、多数決の正しい使い方」
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第17回 6/21(水)吉川 洋先生

hiroshi_yoshikawa.jpg6/21(水)は立正大学経済学部 教授、東京大学名誉教授の吉川洋先生にご登壇いただきます。

4人に1人が65歳以上の高齢者と言われ久しい日本。少子高齢化、それに伴う人口減少は21世紀日本の経済社会が直面する最大の問題ともされています。

社会保障の将来不安、財政赤字、市町村の消滅・・・等々、人口減少に伴うネガティブな社会変化の予測は枚挙に暇ありません。

そして、これらは、2050年以降には世界全体が少子高齢化に直面すると言われており、世界に先駆けての社会的課題にもなっています。

長年にわたり、マクロ経済学より日本経済について研究されていらっしゃる吉川先生。

人口減少に伴う日本の衰退は必然か?の問いに、経済学の答えは「NO」。

経済成長の鍵を握るのはイノベーションであり、世界有数の長寿国である日本にはそのためのビジネスチャンスがたくさん転がっていると、先生は力強くおっしゃいます。

「人口減少=経済衰退」という私たちの思い込みに対し、人口と経済の問題に長く格闘していらした吉川先生ならではの見解をお話しいただきます。

ご著書同様に、やわらかい語り口で示してくださる吉川先生の解説は、素人にもわかりやすいと好評です。推薦図書『人口と日本経済-長寿、イノベーション、経済成長』もあわせてご参考ください。(保谷)

・吉川 洋
・立正大学経済学部 教授、東京大学名誉教授
・演題:「人口減少とビジネスチャンス」

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第16回 6/14(水)水鳥 寿思さん

hisashi_mizutori.jpg
昨夏のリオ五輪。体操男子の金メダル。すごいです!見事でした!おおいに沸きましたね。思い出しても興奮します。

6/14(水)はそんな、日本体操男子を率いる若き指導者、水鳥寿思監督です。
水鳥監督は、弱冠32歳で、体操日本代表の監督・強化本部長を任されました。そしてご自身、アテネ五輪金メダリスト。経験者だからこそわかることもあれば、選手と監督の大きな違いもあることでしょう。

ところで、体操はふしぎなスポーツだなと以前から思っていたところがあります。
一瞬一瞬が勝負。スポーツは何でもそうでしょうが、なかでも体操は一瞬の緊張感の極度に高い競技といえます。競技にもよりますが、多くは、個人の技術と集中力、究極の個人競技ともいえると思うのです。それを"団体で競う"とは。団体で魅せるとは。どういうことなのだろう、以前、思ったことがあります。今回の金メダルでも、団体で力を発揮できるのが日本、というコメントが見聞きされました。

オリンピック選手と私たちビジネスパーソン。大きく隔たりがあって関係のないかのようにも感じますが、(そしてもちろん、応援したい!という気持ちがいっぱいですが) 個人競技で団体戦を競う、選手を育て、伸ばし、活かす、私たち企業組織におけるマネジメントや仕事にもヒントがあると思います。そんな視点ももって伺いたいなと思っています。(湯川)

・水鳥 寿思
・リオ五輪体操男子日本代表監督・慶應義塾大学総合政策学部 専任講師
・演題「体操ニッポンを率いて」
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第15回 6/13(火)遠藤 謙さん 

Ken_Endo.jpg6/13(火)は義足エンジニア、株式会社Xiborg 代表取締役 遠藤謙さんのご登壇です。

昨年のリオ・パラリンピック陸上男子400mリレーでは、日本記録を更新し、同種目で初となる銅メダルを獲得したのは記憶に新しいところ。(その時の映像はこちら

障がいを持っていることを微塵とも感じさせない選手達の俊足な走りに魅了された方も多いことでしょう。

その時の日本チーム第2走者として活躍した 佐藤圭太選手の走りを支えたのが、今回ご登壇いただく遠藤さんらが開発した義足「Xiborg Genesis(サイボーグ ジェネシス)」です。

Xiborg Genesis(サイボーグ ジェネシス)はアスリート、エンジニア、コーチ、義肢装具士など、さまざまなプロフェッショナルたちが集い、英知を集結して生まれたトップアスリート向け競技用義足として開発、2016年より販売開始されました。

受動的な要素で構成されたこれまでの義足に比べ、ロボット技術が駆使されていることで、能動的に動き、ユーザーのより自然な動きを可能にしているのが大きな魅力です。

そこには、技術研究者 遠藤さんの「技術によって障害という言葉をなくす」という熱い想いがあります。

いま、私たちがファッションとしても身につけている"眼鏡"は、たった数十年前には視力の弱い方があたかも障がい者のように扱われ、眼鏡をかけることがコンプレックスに感じられることがあったと言います。
眼鏡と同様に、技術が進化し、それが一般にも広く普及することによって、現在は障害として扱われる身体能力が、そうではなくなる時代がくるかもしれないのです。

遠藤さんが目指しているのは、身体を再定義するような技術開発。

私たちの身体が技術によって今後どのような進化をしていくのか、Xiborgの義足技術を中心に、近い将来に起こりうる夢と展望をお話しいただきます。(保谷)


・遠藤 謙
・義足エンジニア、株式会社Xiborg 代表取締役
・演題:「技術で障害という言葉をなくす」

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第14回 6/9(金)佐藤 優さん

masaru_sato.jpg6/9(金)は作家・元外交官の佐藤優さんにご登壇いただきます。

作家としての創作とともに、外交・安全保障、インテリジェンス、思想、勉強法、情報活用などなど・・・、佐藤さんの活動分野は広く、これまでのキャリア、ご経験をもとにどの分野でも精力的な評論活動を展開されています。

なかでも、外務省で培った国際情勢への鋭い分析力は佐藤さんならではの視点も多く、これまでの『夕学五十講』にご登壇頂いた際にも圧倒的な説得力に会場が沸きました。

「異能の人 佐藤優さん」 2011年11/24登壇
「「偶然」と「誤解」の安倍外交 佐藤優さん」 2013/10/2登壇

トランプ、プーチン、習近平・・・と、大国の指導者達の自国優先を憚らない様子が毎日のようにニュースとなり、世界はいま、偏狭なナショナリズムに陥っているとさえ言われています。

国際政治の力学構造が変化しているなか、世界はどう変わり、日本はいかにあるべきなのか。

今回も佐藤さんの分析力により国際情勢を鋭く語っていただきます。(保谷)

・佐藤 優
・作家・元外交官
・演題:「世界はどう変わるか」

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第13回 6/6(火)小松美羽さん

miwa_komatsu.jpg6/6(火)は現代アーティスト 小松美羽さんにご登壇いただきます。

小松美羽さんは、いま日本で最も勢いのある、そして日本が世界に誇る、新進気鋭の現代アーティストのお一人。

小松美羽さんというと、まずその美貌で話題となりましたね。「美しすぎる銅版画家」としてメディアで紹介され、注目を浴びました。と同時に、大英博物館・日本館の収蔵作、NYの高層ビルでの常設絵画など、海外でも高く評価されたことでも話題となりました。
メディアやニュースで小松さんの名前を聞いたことがある、という方は、多いかもしれません。

そして小松さんの作品。色づかい、うねり、迫力、魂や死生観といったテーマ、私は人間の奥底から"湧き出る"すごい力を感じました。
小松さんに興味をもって作品を見ると、外見と作品とのギャップに驚きます。それは多くの方がそうだと思います。小松さんは子供時代、それによって苦しんだこともあったそうでした。しかし、こうしていま、世界で活躍し評価される小松さんを見ていると、ギャップがあるからこそ人間であり、小松美羽さんなのではないかと思います。

ところでいま、国立新美術館で「草間彌生展」が大規模に開催されています。世代とスタイルのまったく異なるお2人のアーティストが、ともに信州で生まれ育ち、信州の自然が原点にあるとおっしゃるのは、偶然ではないように思います。

大和力とは。魂とは。日本の原風景とは。表現するとは。アートとは。そして、小松美羽さんとはどんな方なのかしら。お話が伺えることに、お会いできることに、今からとてもわくわくしています。(湯川)

・小松 美羽(こまつ みわ)
・現代アーティスト
・演題:「大和力を世界へ」

講師プロフィールはこちら
小松美羽 公式サイト http://miwa-komatsu.jp/

第12回 6/2(金)伊賀 泰代さん

yasuyo_iga.jpg6/2(金)ご登壇いただくのはキャリア形成コンサルタント 伊賀泰代さん。

マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社の人材育成マネジャーとして、数千人と面談し、採用・育成を担当してきた伊賀さん。

「成長するとは、生産性が上がること」と組織のアウトプット向上にむけた確固たる持論をお持ちです。

"働き方改革"において、最も重視されるべきは生産性。

かつての日本企業は生産現場での高い生産性を誇っていましたが、ホワイトカラーの生産性は世界のなかでも圧倒的に低く、取り残されているとさえ言われています。

ホワイトカラー組織に生産性の意識を根付かせるためにはどうすればいいのか。

多くの日本企業において喫緊の課題となっている"働き方改革"を考えるうえでのヒントをお話し頂きます。

当日までに最新著書『生産性-マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの』をお読みいただけると、さらに理解深まるとのことですので、ぜひご一読おすすめいたします。(保谷)

・伊賀泰代
・キャリア形成コンサルタント
・演題:「人と組織に求められる生産性」

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第11回 6/1(木)朝倉祐介さん

yusuke_asakura.jpg6/1(木)ご登壇いただくのは、朝倉祐介さんです。

ミクシィ代表取締役として、朝倉さんの活躍やお名前をご存じの方が多いでしょうか。上場からおよそ7年、海外勢のSNSに押され、低迷に悩んでいた同社を1年で業績回復し、復活させました。
そして華麗に退任、2月からは政策研究大学院大学 客員研究員に着任されました。

ミクシィ前の朝倉さんの経歴、キャリア、生き方もたびたび注目されています。
東大卒、マッキンゼー出身の若き経営者。IT時代の起業家。さらにさかのぼると、競馬騎手を目指しながら2度の大きな挫折を経て、大学卒業資格を得て東京大学へ入学することにした10代。

インタビューやブログなどで朝倉さんのメッセージに触れると、それは、朝倉さんの生き方、考え方、意思決定の表れで、それが経営手腕にもつながっている、とわかります。

すごい方だな、と圧倒される同時に、すごいなと惹きつけられる、そんな方だと感じます。今回は私たち、ビジネスパーソンに向けてご講演いただきます。"朝倉さん"だからこそのメッセージをじっくり伺いたいと思います。(湯川)

・朝倉 祐介(あさくら ゆうすけ)
・政策研究大学院大学 客員研究員(前ミクシィ代表取締役)
・演題:「市場経済における会社と個人のあるべき姿」

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第10回 5/25(木)川野 泰周さん

taisyu_kawano.jpg5/25(木)は臨済宗建長寺派 林香寺住職 精神科医の川野泰周さんのご登壇です。

川野さんは医学部卒業後、精神科医として診療に従事しながら、建長寺専門道場にて禅修行をされ禅僧になったという異色のキャリアの持ち主です。

現在は、横浜にある林香寺の住職として坐禅修行を実践するとともに、精神科医としても活動し、薬物療法をはじめ現代人のこころのケアや診療に邁進されています。

川野さんの治療において特徴的なのは、最新の心理療法である「マインドフルネス」を取り入れ、瞑想や禅の要素を治療の1つとして積極的に活用し、現代人のこころのケアに取り組んでいらっしゃる点でしょう。

マインドフルネスという概念は、禅から発祥した精神修養法の一つであり、欧米より始まり、企業経営者や有名人も盛んに体験していることもあって、今は日本でも逆輸入のような形で広がりつつあります。

今回は、わかっているようで曖昧な「マインドフルネス」の全貌をわかりやすく解説頂くとともに、会場内でも実際に体験できるそうなので、自らの心に向き合い整える機会として楽しみにしたいと思います。(保谷)


・川野泰周
・臨済宗建長寺派 林香寺住職
・演題:「禅とマインドフルネス~現代に求められる自己への気づき~」

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第9回 5/23(火) 仲道郁代さん

ikuyo_nakamichi.jpg5/23(火)、ピアニスト 仲道郁代さんにご登壇いただきます。

仲道郁代さん。ピアニストとして、お名前やお顔をまた音色を、ご存じの方はたくさんいらっしゃることと思いますが、トーク、講演もとっても素晴らしくてそちらでのファンもとても多い方なんです。

作曲家や演奏曲の解説をそえたコンサート、感性ワークショップ、子供向けの音楽プログラム、各地の学校を訪問するアウトリーチ活動などの幅広い活動に取り組まれています。

なかでも、ショパン。好んで演奏し名手としても知られますが、ショパンが作曲をした当時のピアノ「プレイエル」を入手・所有し、演奏活動や現代楽器との弾き比べなどもされています。楽器まで研究することで、その魅力をとことん知り、引き出すことができる。仲道さんの姿勢や思いが感じられる一面です。

ところで、慶應MCCでは2015年にagoraにご登壇いただきました。仲道さんの初のエッセイ、『ピアニストはおもしろい』を読み、これがとっても面白くて、あまりにも面白くて、そして、そこに綴られている情熱や思いをもっと伺いたくてご依頼しました。

デビュー30周年を迎え、ますます精力的にご活躍の仲道さんに、音楽の魅力、ピアノという楽器の素晴らしさ、おもしろさ、をじっくりと伺いたいと思います。(湯川)

・仲道 郁代
・ピアニスト
・演題:「ピアノの魅力、音楽の力、芸術の力」

講師プロフィールはこちら
仲道郁代オフィシャル・ホームページ http://www.ikuyo-nakamichi.com

第8回 5/22(月)神保 謙先生

ken_jinbo.jpg5/22(月)は慶應義塾大学総合政策学部 准教授 神保 謙先生のご登壇です。

神保先生の研究分野は

 ・国際安全保障論
 ・アジア太平洋の安全保障
 ・日本の外交・安全保障
 ・東アジア地域主義

いずれにおいても、現在の日本にとって喫緊の課題が立ちはだかっているものばかり。

欧米を中心にリードしてきた国際秩序は大きく変わり、中国やロシアなどの新興国との競争、対立に晒され、安全保障環境は厳しさを増しています。

さらには、新興国の経済力も高まるにつれ、安全保障に占める軍事的要素の比重が急速に低下し、代わって経済的要素が重視される「地経学」という新しい概念も登場してきました。

こうした世界動向のなかで、日本の外交・安全保障の方向性はどうあるべきなのでしょうか。いま、そしてそう遠くない将来を視野に入れ、外交・安全保障の専門家 神保先生とともに考えてみましょう。(保谷)

・神保 謙
・慶應義塾大学総合政策学部 准教授
・演題:「激動する世界と日本の外交・安全保障」

講師プロフィールはこちらです。

第7回 5/18(木)安田菜津紀さん

natsuki_yasuda(クレジット:©Rie-Nagata).jpg第7回 5/18(木)は、フォトジャーナリスト 安田 菜津紀さんにご登壇いただきます。

安田さんは1987年生まれ。今年30歳となる若きフォトジャーナリストです。16歳の時、NPO「国境なき子供たち」の友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされている子供達を取材したことをきっかけに、この道を志向されたそうです。

ジャーナリストの仕事とは、「問題を問題にすること」と安田さんはおっしゃいます。
「夕学五十講」には3年前、2013後期にご登壇いただき、フォトジャーナリストとなったきっかけ、活動のきっかけとなった経験や出来事、思いなどを語っていただきました。そのときの夕学リフレクションはこちらです。

問題を問題にするために 安田菜津紀さん

「問題を問題にするために、多くの人に知ってもらう」とそのときのお話を締めくくられました。
これからの活動への期待、応援したい気持ち、思いを会場の皆さんと私たちスタッフと皆が共有しました。
「こんな素晴らしい方がいらっしゃるとは。」
夕学五十講で安田さんのことを知り、講演を聞いて感動したという受講生の方から、「出会わせてくれてありがとう」とお礼のメールもいただいたほどの講演でした。
そして迎える今回です。紛争の"爪痕"が、安田さんが、そして安田さんとともに私たちが、今回向き合う問題です。(湯川)

・安田 菜津紀
・フォトジャーナリスト
・演題:「紛争の爪痕と向き合う カンボジア、イラク、シリア」

講師プロフィールはこちらです。
安田菜津紀オフィシャルサイト| いつも心にお陽さまを。 http://www.yasudanatsuki.com/

第6回 5/10(水)國田 圭作さん

keisaku_kunita.jpg5/10(水)は株式会社博報堂行動デザイン研究所 所長 國田 圭作さんです。

「若者のクルマ離れ」に代表されるように、日本に限らず世界中の多くの市場で、様々な行動が停滞していると言われています。

背景には環境、経済など複数の要因が絡み簡単ではありませんが、こうした行動の停滞を揺り醒まし、人を動かす「行動デザイン」が世界中で求められていると、國田さんは著書『行動デザインの教科書』で強く唱えていらっしゃいます。

"モノ余り"の時代のなかで、過去のマーケティングの「教科書」が通用しなくなっているいま、新しいマーケティングの発想に切り替えることが求められているのです。

どうやって人を新しい行動へと誘因することができるのか。どんな動機づけで新たな行動に踏み出すことができるのか。

"モノ余り"時代をブレークスルーするための新潮流「行動デザイン」より、顧客を獲得するための新しいマーケティングについて考えてみましょう。(保谷)


・國田 圭作
・株式会社博報堂行動デザイン研究所 所長
・演題:「行動デザイン~人を動かすマーケティングの新潮流~」

講師プロフィールはこちらです。

第5回 4/27(木)池谷 裕二先生

yuji_ikegaya.jpg 第5回 4/27(木)は、東京大学大学院薬学系研究科教授 池谷 裕二(いけがや ゆうじ)先生にご登壇いただきます。

講演タイトルは「未来の脳を考える」。
タイトルからして、わくわくしませんか。

池谷先生には前回、2006年にご登壇いただきました。

「脳を知ることは、我々の「無意識」を知ることに他ならない」

と池谷先生はおっしゃっていました。
脳はなんて面白いんだろう、すごいんだろうと思ったこと。若干36歳の科学者の姿に未来も感じながら、会場全体で皆さんとわくわくに沸いたこと。覚えています。そのときのリフレクションはこちらです。

「意識」が脳を活性化する 池谷裕二さん

池谷先生は講演を「無意識の世界に意識を注入することで脳を成長させることができる」としめくくられていました。この10年で脳について新しいことがどんどんわかってきています。わかるほどに神秘であり、未知でもあるのが人間の脳。今回は前回のお話の続きであり、さらに進んだ研究の成果であり、未来に向かうお話が伺えそうです。(湯川)

・池谷 裕二
・東京大学大学院薬学系研究科教授
・演題:「未来の脳を考える」

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第4回 4/25(火)高橋 俊介先生

syunsuke_takahashi.jpg4/25(火)は慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授 高橋 俊介先生のご登壇です。

新聞やビジネス誌などで目にしない日はないほど、いま日本では「働き方改革」の議論は盛んであり、各企業の喫緊の課題ともなっています。

政府が進める働き方改革では、長時間労働の是正など働き方に制約を加える方向が見えやすいのですが、働き方の本質を変えるためには、経営層や労働者自身の意識の変化が求められています。

職場の安全配慮義務、働きやすさといった一億総活躍の視点に加え、いかにビジネスモデルの変化への対応という経営の視点、さらに働く人の仕事観・人生観の変化といった労働者の視点へと掘り下げて考えることができるかが、真の働き方改革へと繋がっていくのでしょう。

今回も高橋先生のテンポ良い明瞭な解説にて、働き方改革の本質へと迫って頂きます。
(保谷)

・高橋 俊介
・慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
・演題:「働き方改革とワークライフ」

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第3回 4/19(水)山田 邦雄さん

kunio_yamada.jpg4/19(水)はロート製薬株式会社 代表取締役会長兼CEO 山田 邦雄さんにご登壇頂きます。

ロート製薬のホームページには、
"「ロート製薬といえば、目薬とハト」の印象が強い方も多くおられるかもしれません。しかし、私たちの姿は、もはや売上高の6割以上がスキンケア関連品、また4割近くを海外売上が占めています。"
と、記されています。

「Obagi(オバジ)」に「肌ラボ」は2000年以降、ロート製薬を代表するビューティ関連商品。テレビCMや雑誌広告、ドラッグストア等にて目にする機会も多く、愛用していらっしゃる方も多いことでしょう。

この他にも2013年からはアグリ事業、レストラン等の食ビジネス、さらには再生医療など新規事業の開拓も盛んに行い、「健康と美に関する、あらゆるソリューションを提供する会社」を標榜し進化し続けています。

そこには、チャレンジ精神旺盛な先達からのDNAを受け継いできたのもさることながら、社員の副業、社内兼業を解禁など、多様化する働き方を見据え、他社に先んじたさまざまな取り組みが企業革新へと繋がっているようです。

いかに常識を超えるようなユニークで新しい商品やサービスを生み出しているのか。
その土台となっている真のダイバーシティ経営について山田会長より伺います。(保谷)

・山田 邦雄
・ロート製薬株式会社 代表取締役会長兼CEO
・演題:「真のダイバーシティに向けて」

講師プロフィールはこちらです。

第2回 4/18(火)藤田一照老師

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第2回 4/18(火)は、曹洞宗国際センター 所長 藤田 一照(ふじた いっしょう)老師にご登壇戴きます。

藤田老師は、長らく海外で禅を教え、禅を世界に紹介してこられた方でいらっしゃいます。
禅、ZEN、これほどに米国の経営者やトップリーダーはじめ、世界に禅が伝わり広がりましたのも、藤田老師のような指導者が、禅堂を構え、じっくり腰を据え、人々と向き合って指導に携わってこられたからこそと感じます。

今回の演題は「よく調えられし自己こそ真のよりどころである」というブッダの言葉に基づきます。
調身・調息・調心、禅の心そのものでもあり、知識の獲得や能力の向上以前に大事であるとおっしゃいます。藤田老師は、日本の文化や風土、民族といった背景や雰囲気を前提としない方々に向けて、禅を語り指導してこられた方。だからこそ、私たちビジネスパーソンにもしていただける指導があると思います。私自身も不安があり、迷いがあり、よりどころを探している一人です。皆さんとご一緒にじっくり藤田老師に学びたいと思います。
(今期も保谷とともに司会進行役を担当いたします。皆様、会場でお待ちしております。今期もよろしくお願いいたします。湯川)

・藤田一照老師
・曹洞宗国際センター 所長
・演題:「よく調えられた自己として生きること」

講師プロフィールはこちらです。
講師ホームページ http://fujitaissho.info/

2017年度前期スタート 第1回 4/12(水)安部修仁さん

慶應MCC『夕学五十講』2017年度前期もどうぞよろしくお願いいたします。
司会を担当いたします湯川、保谷が本日より各回の講師紹介をいたします。

幅広い分野から第一線の方々を迎えてお送りします『夕学五十講』。
講師紹介からも、多彩な顔ぶれ、それぞれの方の背景、エピソードをどうぞお楽しみください。

『夕学五十講』2017年度前期4/12スタート  
ただいま申込み受付中です

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syuji_abe.jpg4/12(水)トップバッターでご登壇いただくのは、株式会社吉野家ホールディングス
会長 安部修仁さん。

「ミスター牛丼」と自他ともに認める安部さんは吉野家の歴史とともに歩んでいらっしゃいます。

吉野家でのキャリアが始まったのは、高校卒業後、ミュージシャンをめざし福岡より上京しアルバイトで働き始めてから。
アルバイトからの叩き上げ社長として、辣腕経営者として、これまでに、いく度もの危機・試練を乗り越え、22年間もの間、社長を務め業界を牽引してきました。

経営者の最大の仕事とも言われる「後継者選び」。
昨年、吉野家は次の社長として、アルバイトから子会社の経営者へと育った若手を抜擢されました。
安部さんは後継者を選ぶ、育てるには「10年、10人、10億かかる」とおっしゃっています。
次の吉野家を担う後継者選びを終え、安部さんはいま何を思っていらっしゃるのか。

何を変え、何を守り抜いたのか、吉野家の歴史より学びます。(保谷)


・安部修仁
・株式会社吉野家ホールディングス 会長
・演題:「吉野家の歴史から学ぶ~変える勇気と守り抜く意思~」

講師プロフィールはこちらです。

日本人の祖先はチャレンジャーであった 海部陽介先生

photo_instructor_853.jpg海部陽介先生は柳田国男の『海上の道』に対して懐疑的である。つまり、日本人のルーツは黒潮に乗ってやってきたという説は信じがたいと考えている。なぜなら、黒潮にのることは目的地を意識しない漂流であり、これは世界地図を知っている現代人の発想であるというのだ。私たちの祖先はそんなギャンブラーではなく、日本を目指してやってきたはずだ。だが、その方法がわからない。頭を真白にして三万年前に生きていた私たちの祖先と同じように考える。そこがスタート地点だ。

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人生は噛みしめるように生きる 田口佳史先生

photo_instructor_856.jpgかなりドラマチックな転機を迎えた田口佳史先生。25歳の時、ドキュメンタリー映画の撮影のため訪れたバンコク郊外で2頭の水牛に角で刺されてしまう。日本人の青年が入院していることを聞いた在泰邦人からの差し入れられた老子と論語、なかでも老子は田口青年の中にどんどん入っていく。

出でて行き
曰ち逝き
逝けば曰ち遠ざかり
遠ざかれば曰ち返る
入りて死す

「死ぬことはすなわち故郷に帰ること」、そう恐れることではない、その思いが強力な安堵感へとなり、ようやく眠ることができた。そしてこの経験から儒教、仏教、道教、禅仏教、神道を専門として、はや50年も古典を研究する日々を送っている。田口先生はこれらの分野に対して(その転機を考えれば当然かもしれない)、「生きる」というテーマで読む。

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自分自身に、自分が一番期待しろ! 梅原大吾さん

photo_instructor_852.jpg梅原大吾さんは、日本人初のプロゲーマーだ。
講師略歴には「15歳で日本を制し、17歳で世界チャンピオンのタイトルを獲得。以来格闘ゲーム界のカリスマとして、18年間にわたり世界の頂点に立ち続けている」とある。
続く紹介文の中では「世界のゲーム界でウメハラの名を知らぬものはいない」とも書かれているが、残念ながらゲーム界とは無関係のところで生きてきた私は、その梅原さんを知らなかった。ついでにいうと、格闘ゲームをやったこともない。
だから会場に着いた途端、聴衆の多さにまず驚いた。あれ?今日の講師ってそんなに人気のある人なんだ、と。会場に着くまでの私は、今回はマニアックな話題だろうと高をくくっていたのだった。

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回る大捜査線

photo_instructor_851.jpg何の商売をしていても集客、とりわけ購買者を得るのは大変だ。日本語ではひと口に「客」というが英語ではこの辺りの区分けが厳しく、「visitor」(訪問者)、「customer」(購入者)と分けて呼んでいる。アメリカのとある店の店内放送で「Good morning, ***(店名) customers!」と流れてきた時には「アメリカではvisitorは挨拶されないの?」と仰天した。日本でなら新聞のコラム欄辺りに何か書かれてしまいそうである。そんなvisitorをcustomerにするためにはどうしたら良いのかのマーケティング提案が今回の清水聰先生の講演「新たな顧客マネジメント~循環型マーケティングの提案~」であった。

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日産はいかにしてV字回復したか  志賀俊之さん

photo_instructor_848.jpg1986年プラザ合意。急激な円高によって、それまで順調だった日産自動車は赤字に転じた。その危機的状況から、いかにしてV字回復を遂げたか。一言で表すなら「レジリエンス(Resilience)」であると、志賀俊之さんは冒頭で力強く述べた。現日産自動車副会長であり、倒産危機に陥ってから復活するまでカルロス・ゴーンのもとでその手腕を発揮してきた。レジリエンスとは「はねかえす力」であり、演題も「変革を支えるレジリエントオーガニゼーション」である。日本語で言うなら「危機的状況をはね返す力のある組織」といったところであろうか。

1990年代のマーケットシェアの恒常的低下、積み上がった負債から、いかにして今の状況まで回復できたのか。志賀さんにはレジリエントの6つの要素を自問自答形式でお話しして頂いたが、ここではその中でも組織だけでなく個人レベルでも重要だと思える3点に焦点をあてて論じてみたいと思う。

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IoTが連れてくる、人間味あふれる世界

photo_instructor_847.jpgアメリカで過ごした中学時代からプログラマーとしてのキャリアをスタートし、大学在学中に起業して生体認証の新技術を開発し成功をおさめた齋藤ウィリアム浩幸さん。この経歴を聞いただけで、間違いなく「天才」 だということがわかる。
現在は日本でアントレプレナーへの支援活動をおこなう傍ら内閣府本府参与としての顔も持つ超エリートだが、壇上では第一声からフレンドリーな雰囲気をかもしだし、自己紹介にはご自分の失敗談も盛り込んで見事にアイスブレイクされていた。

「ムーアの法則」がもたらすIoT

今回の講演の軸のひとつとなっていたのは、「Moore's Law=ムーアの法則」だ。これはインテル社の創業者のひとりであるゴードン・ムーア氏が提示したもので、「半導体、ストレージ、センサーは、2年ごとにパフォーマンスが2倍になる。もしくは値段が半分になる」というもの。
齋藤さんは、「ムーアの法則に従ってトランジスタ、コミュニケーション、ストレージ、センサーの4つの要素が利用しやすくなったおかげで、IoT(Internet of Things)が実現可能になりました」と説明した。

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人生は感謝を見つける旅である

空前の落語ブームだと言われる。夏にはビジネス誌が落語特集を編むほどである。現在、落語家の人数は800人。過去最大の規模だという。
日本の伝統芸能は世襲制が中心なので、落語界も二世、三世が多いのかと思っていたが、柳家花緑師匠によれば、世襲落語家はせいぜい30人程度。実は実力主義の世界のようだ。
確かに、これまで夕学に登壇いただいた落語家(柳家喬太郎金原亭馬生春風亭一之輔)は世襲落語家ではなかった。

photo_instructor_840.jpgそんな中で、花緑師匠は、落語界初の人間国宝 五代目柳家小さんのお孫さんにあたる。飛びっ切りの血筋である。しかも入門からわずか7年、戦後最年少の22歳で真打ちに昇進したという超実力派でもある。
45歳にして芸歴30年。古典から新作までなんでもこなし、落語界を背負って立つ存在の一人といえるだろう。

講演のタイトルは「笑いと感謝」。それが、花緑師匠がいま思うことだという。
「笑い」というのは落語の効能と言っていいだろう。夕学にも登壇された筑波大名誉教授の村上和雄先生の研究を引き合いにだして話してくれた。
村上先生が吉本興業との共同研究で明らかにした「お笑いを聞くと糖尿病患者の血糖値が改善する」というユニークな研究結果である。
「笑い(落語)は身体に良い」のである。

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雑学が世界に彩りを与える―科学で斬るベースボール 矢内利政さん

photo_instructor_855.jpg私は野球にうとい。野球好きの主人から「カーブ」「シュート」「スライダー」の違いを何度聞いたかわからないが、いまだに覚えられない。

ではなぜ今回、野球をテーマにした矢内利政先生の講演を聞こうと思ったかといえば、過去にこの夕学五十講に出席してきた経験からすると、自分の関心領域から離れている講演は面白い、という実感があるからだ。野球、それも「スポーツ科学」という自分から遠く離れた分野の講演は、「わからなくて当然。発見があればラッキー」とでもいうような安心感があり、私は肩に力を入れることなく丸ビルに足を運んだ。

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好きなことと役立つことを両立する 向谷実さん

photo_instructor_846.jpg 今回は、ジャズフュージョン・バンド「カシオペア」のキーボーディストである向谷実さんのお話を伺った。「好きなことをビジネスに変える」というお話であったが、向谷さんのお話を聞いて思ったのは、その好きなことがきちんと他人の幸せに繋がっているということ。好きなことを追求する姿勢の中にも、自分と社会との繋がりを欠かしていないことに向谷さんの信念が伺えたような気がする。だからこそ、そのビジネスに対価を支払ってくれる人がいるという当たり前の話なのだけれど、この感覚をすべての経営者が持ち合わせているのかと言われると、そうでもない気がする。

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異次元緩和と財政ファイナンス 池尾和人さん

photo_instructor_845.jpg「マネタリーベース(ベースマネー)という言葉は、本来、大学の経済学部で金融論の授業を取った人にしかわからない専門的用語のはずだ。それが、金融・財政政策の焦点として一般的に論じられるようになった・・・」

金融論の第一人者 池尾和人教授はそう言う。まさにその通り。だからこそ12年振りに夕学に登壇いただいた。

今年の6月7日、8日の日経新聞「経済教室」に、「ヘリコプターマネーの是非」と題して、日銀のマネタリーベース(ベースマネー)をテーマにした特集が組まれた。紙面上で、否定的な立場で登場した専門家が池尾先生であった。

マネタリーベース(ベースマネー)とは、日銀の現金と貯金準備高を意味する。これを裏付けに財政出動がなされることを「財政ファイナンス」と呼ぶ。
「財政ファイナンス」は、国債発行による財政出動に限界が見えてきた日本の財政政策の次の一手として、このところ急浮上してきた言葉である。
2013年以来政府・日銀の異次元金融緩和は、「財政ファイナンス」の領域に入っているのではないかという指摘もある。
たしかに「日銀が、輪転機をぐるぐる回して紙幣を発行すればよい(市場にお金が流れ、経済活動が活発になる)」という発言を総理就任前後の安倍首相もしていた。
すでに、日銀は、年80兆円のペースで市場から既発国債を買い上げており、その保有残高は400兆円を越えたといわれている。

今年9月の「総括的な検証」を転換点として、日銀は異次元緩和政策の誤りをはっきりと認めないままに静かに表舞台からフェードアウトした、との池尾先生の弁でもわかるように、6月時点とは金融政策への関心が少し様変わりしているが、基本的な状況は何ひとつ変わっていないであろう。

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ザ・ストーリー・オブ・ムネハル・オザキ

photo_instructor_858.jpg貧しい生活だった。
1億円の借金をして、食肉用の牧場をはじめた親父は借金まみれであった。 
56歳になった尾崎宗春は子どもの頃の記憶を甦らせる。
牛は飼育しているが、高級品である牛肉なんて食べたことがなかった。
情けない。子ども心に「親父のようにはなりたくない」と思い、自分は安定した公務員になるんだと心に誓った。

高校は宮崎ではなく、大阪にあるPL学園に通った。1970年代半ばのことである。これが宗春にとっての転機となった。
大阪の街には、疲れ切った顔で会社に向かうサラリーマンであふれていた。
ふと、故郷の親父の顔が脳裏に浮かんだ。
中卒で借金まみれだが、生き生きと牧場で働く親父の顔が懐かしくなった。
目を閉じて考えた。親父のようになりたいと思った。
目を開けると公務員になる夢は消えていた。
高校卒業後、4年間は親父のもとで畜産の基礎を学んだ。
しかし、それだけでは何かが足りないと感じた。
もっと上を目指したい。自分は世界一になりたい。
「そうだアメリカで勉強しよう」と宗春は思った。

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その極意とは 前田鎌利さん

photo_instructor_839.jpg満員の聴衆の顔触れは様々、しかしやはりビジネスの現場で奮闘する20代から40代が多いのが「日本文化」がテーマの講演では珍しく思った。通常、文化をテーマとした講演だと参加者の大半は女性かあるいは年配の人だからだ。かつては書道や詩歌、茶道を嗜んでおくことが男性でも教養であったはずなのに、いつからか日本男性は文化から遠ざかっている。奇妙な話だ。オペラや美術館に積極的に繰り出す女性との会話のずれもやむなし。「男女の会話のずれはなぜ生じるか」夕学の講演で取り上げて欲しい。

話を前田鎌利氏の講演に戻す。それだけ参加者が詰めかけたのもプレゼンへの関心が高いためで書籍や研修テーマとしても大変人気がある分野だ。前田氏は「書家」、「起業家、プレゼンテーション・クリエーター」、「夫・父」の3分野を挙げ、気持ちの上では7割が書家だという。

5歳の時から書の世界に入り、教職に向け勉強するが故郷ではそのポストの空きがなかった。そんな時に阪神・淡路大震災が起き、「繋がる」ことの重要性を感じて光通信に就職、飛び込み営業を始める。そして携帯電話が固定電話より多くなった2000年にJ-Phoneへの転職からソフトバンクで働くようになった。孫正義氏と柳井正氏の対談の企画(もちろんプレゼンテーション資料作成も)や、ソフトバンク、JAXA、JINSなど多数企業やイベントのロゴやメッセージを揮毫。さらには全国に書道塾15校500人の生徒を持ち、プレゼンテーション・スクールを展開するなど多彩な活動を行っている。

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前田鎌利さんの書「念」を公開!

昨日、ご講演いただいた前田鎌利さんが講演のなかで書かれた"念"の一文字。いつも気にしている強い思いという意味で、"おもい"と読まれていました。ご本人の了解をいただきましたので、アップいたします。

前田鎌利氏の「念」夕学五十講にて.JPG

鎌利さんのFacebookでも公開してくださいました。
https://www.facebook.com/kamarimaeda


田中角栄は「天才」なのか―金権政治と人間的魅力―

photo_instructor_844.jpg日本列島改造論、日中共同声明、ロッキード事件。田中角栄といえば、功績と罪過を残した人物である。しかし、早野透教授が過去の文脈で角栄を語ることはない。現代の政治にIfを付け「もし角栄だったら」という視点で、独自の「田中角栄論」を語る。

元朝日新聞記者で角栄のバンキシャ、そして現在では桜美林大学名誉教授。今回の講演は「体制と政策を考える」というクラスターに分類される。しかし、視点は「人間田中角栄」であった。つまり、金権政治と非難された角栄像だけではなく、人間としての魅力を存分に語って頂いた。それは人間関係を築くにあたって、または強いリーダーシップを発揮するにあたって非常に役立つ内容であったと感じる。また、質疑応答では、石原慎太郎が言うような「天才」だったのかについても言及して頂いた。

とはいっても、何から書いていいのやら...キーボードを打ちながらもまだ悩んでいる。講師には様々な内容を盛りだくさんに話す先生もいる。しかし、早野教授のお話はいくつかのトピックがありながらも「かくして田中角栄という人物は魅力的なのだ」という結論に落ち着いてしまうのだ。つまりは角栄の魅力に抗えない一人なのである。

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小川和久氏に聴く、「国際水準から見た日本の危機管理」

photo_instructor_843.jpg「外交・安全保障・危機管理、この三つは日本の数少ない苦手分野。四方を海に囲まれ、海に守られてきたこの国は、危機に遭遇した経験に乏しい。なのに、その自覚すら不足しているため、ともすれば国内でのみ通用するレベルの危機管理で自己満足しがちである。私が演題にわざわざ『国際水準』と謳ったのは、国際水準をクリアしていなければ、それは危機管理とは言えないからだ」

そう喝破して、小川和久氏は、目覚めの冷水を会場に浴びせながら90分間のマシンガン・トークの口火を切った。

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マネージャーになる・育てる・幸せになる! 松尾睦先生

松尾睦経済規模がなかなか思うように大きくならず、AIのように自分で経験を積み人間の仕事を代替する機械まで現れた。私たちは、昨日していた自分の仕事は明日なくなるかもしれないという不安が多くの人の心の片隅に常に陣取っているような時代で仕事をしている。諸先輩方に至っては、自分がエースだったころの仕事の仕方なんぞは通用せず、どうにかしてこの時代を切り拓く後世を育てたいという熱い思いのやり場を、探しているように見える。会場は、そんな諸先輩方が多く詰め掛け、私のように背伸びをして「マネージャーの育て方・なり方」の講演にお邪魔する若輩者は少数派であった。

だが、北海道大学大学院経済学研究科教授の松尾睦先生のお話はそんな部下の育て方やマネージャー予備軍である自分がどのように道を歩むべきかを教えてくれた。

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個人でもチームでも最大限の力を発揮する方法 井原慶子さん

photo_instructor_838.jpg2014年、バーレーン。サーキットへと向かう井原慶子さん。これで最後のレースにしようと思った。有終の美を飾るために負けられない戦い。しかし、リーダーが連れてきたメカニックは、今日が初めての新人キャサリンである。女性だから力が弱く、シートベルトをつけてもらうのに8秒かかった。男のボブがやれば1秒である。負けると感じた―――。そこに、リーダーがやってきた。

「ケイコ、新人のキャサリンはどう?」
「もう最悪よ」
「そうだろ。でも、キャサリンが来てくれたおかげで、ベルトの締め方から、器具の効率的な並べ方まで、多くの改善点が見つかったじゃないか」

結果、このレースでは初のアジア人女性として表彰台に上がれた。同じ女性なのに、新人の女性メカニックでは勝てないと感じたことを恥じた。レース後のリーダーの言葉が胸に響いた。

「新人は本番で育てる。その決断が出来なければリーダーじゃない」

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宇宙生命は存在する、たぶん 渡部潤一さん

photo_instructor_837.jpg夕学五十講は10回以上聴講しているが、講演の数日前からワクワクしたのは初めてだ。
ワクワクの理由はなんといっても「宇宙生命は存在するか」という本講演のテーマ。
テレビ番組の「宇宙人」特集に親しみ、友達のUFO目撃証言に興味津々な子供時代を過ごした私にとって、地球外生命は長いあいだ畏怖の対象であり、友達であり、フィクションでありノンフィクションだった。いるのか、いないのかーーいよいよその答えが出るかもしれないのだ。ワクワクしないわけにはいかない。

分からないからおもしろい

講演は、2013年にロシアのチェリャビンスク州に隕石が落下したときの、緊迫感ある映像からはじまった。空を切り裂く隕石、落下の衝撃波で割れるガラスの様子など、いま見ても恐ろしい光景だが、この隕石落下事故は世界中の天文学者の誰も予測しない出来事だった。

その一方で、この事故の翌日に小惑星が地球に接近することは予測されていた。
講師の渡部潤一さんは、この小惑星接近に関して事前にニュース番組の取材を受けていた。ところがロシアの隕石落下事故が起こったため、そちらについても急きょインタビューが組まれた。緊急事態ゆえ、カメラに映る渡部さんは普段着姿だ。実際のテレビ画面をスクリーンに映しつつ、「30分のニュース番組に同じ人物が2度、それも衣装を変えて出演したのは相当めずらしいことだそうです」と話して会場をドッとわかせた。

そう。テーマもさることながら、渡部さんのお話は大層おもしろい。映像を交えたりちょっと自虐的なネタを挟んだりして、客席を飽きさせないのだ。講演がはじまって20分ほどで、会場全体が渡部さんのペースに心地良く巻き込まれていくのが分かる。

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廣瀬キャプテンに聴く、「傍に立つ者」の覚悟

廣瀬俊朗2015年9月19日、イングランド・ブライトン。ラグビー日本代表のワールドカップ本大会初戦の相手は世界ランク3位の強豪・南アフリカだった。賭け屋の倍率は日本の34倍に対し南アフリカは1倍というのだから、そもそも賭けにもならない。なにしろ日本がワールドカップの舞台で勝利を収めたのは24年前の一度きり。下馬評はそれほどあからさまだったが、グラウンドに立った代表選手たちの胸には秘めた思いがあった。
そしてその戦列に、グラウンドに立つことを誰よりも熱望していた男の姿はなかった。

元日本代表キャプテン、廣瀬俊朗氏。
高校日本代表、慶應義塾大学、東芝、そして日本代表。その錚々たるキャリアの、いずれのチームでもキャプテンを務めてきた、文字通り「日本ラグビーの牽引者」のひとりだ。
2012年、日本代表の再建を託されたエディー・ジョーンズ氏がヘッドコーチに就いた時、勤勉なハードワーカーとして知られる名匠が「自らの理念を理解しチームへ浸透させる力」を基準に選んだキャプテンが、廣瀬氏だった。

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トランプ躍進の陰に「反知性主義」あり 森本あんり先生

photo_instructor_836.jpgもしトランプが大統領になったら、アメリカはどうなるのか。日本は、世界は――。来る11月8日の米大統領選挙を控え、世界が固唾を呑んで見守っている。10月末の現時点ではヒラリーの圧倒的優勢が見込まれているものの、まさかのどんでん返しがあるのでは、という一抹の不安は消えない。実際、これまでもトランプは思いがけず"いい勝負"をしてきたのだ。
移民の脅威やオバマへの失望、ヒラリー嫌悪の高まりといったトランプ人気の理由をいくつ挙げられても、あそこまで極端な人物を支持するメンタリティはやはり理解し難い。その不可解を、森本あんり氏が少なからず氷塊してくれた。

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細胞からその先は 上田泰己先生

photo_instructor_842.jpg専門外の人に専門性の高い話をするのは大変だ。説明できてもどれだけ理解しているか、全体や詳細を、はたまたその趣旨を本当に理解しているかなどは話し手には本当のところ理解しようがない。研究の必要性や有用性のみを話しても研究する喜びやワクワクする気持ちは伝わらず、それが伝わらなければ「何も伝わらない」。

上田泰己先生の講演は、研究の説明とワクワク感が上手く調和し、表現されたものだった。始まりはジョルジュ・スーラの有名な点描画を紹介し、点のように単純な「要素」によって絵が構成されているように私たちの体も同様ではないかと美しい例えからである。

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坐禅で"型"から解放される 平井正修さん

平井正修平井正修さんが住職をつとめる全生庵は、安倍晋三首相がたびたび訪れたり、中曽根康弘元首相が現職時代に週1ペースで通っていた寺として知られている。

安倍さんや中曽根さんが全生庵に足を向ける目的は、坐禅だ。
坐禅――例のポーズや、お坊さんにうしろからペチンと叩かれるシーンはテレビで見たことがあるが、いったい何のためにやるのか、やるとどうなるのか。
坐禅について知りたいことは多々あるが、平井さんのお話は全生庵を建立した山岡鉄舟の生涯をふりかえるところから始まった。

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リーダーになるのはそれほど難しいことじゃない 日向野幹也さん

日向野幹也あなたの周りでリーダーシップのある人といって思い浮かべるのは誰だろう。同じ会社の直属の上司を挙げる人もいるだろうし、憧れの経営者に思いを馳せる人もいると思う。
早稲田大学大学総合研究センター教授の日向野幹也先生のお話を聞いて、内向的な同僚や影からのサポーター的存在であった先輩だって職場でリーダーシップを発揮していたのだということに気づかされた。 日向野先生が提唱するリーダーシップ像を知った後は、私と同じように隣の席のあの人や、もしかしてあたしだってリーダーであったということに気づいてもらえると思う。

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作られたイメージ 井上章一さん

井上章一講演タイトルからして京都への屈折した思いが語られるのかと思いきや、京都の話はほとんど無かった。講演中、私は心の中で何度も呟いた。「関西の人の話って本当にサービス精神旺盛だ」それほど井上章一氏の講演はたくさんの興味深い話題と笑いで満ちていた。

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日本人よ、変わることを恐れるな 夏野剛さん

夏野剛今から20年前と現在、私たちの生活はどう変化しただろうか。

「例えば、人との待ち合わせを考えてみて欲しい」と夏野剛さんは言った。「渋谷のハチ公前で17時」と電話で約束しなければ待ち合わせができない時代だった。しかし、現在では場所すら決めずに、LINEで「今どこ?」と連絡を取り合い、待ち合わせ場所を決める。友達の電話番号すら知らなくても連絡がとれる。読んだら既読が付く。私たちの生活は劇的に便利になった。

では、この20年日本のGDPはどれだけ成長しただろうか。

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よい理論ほど実践的である  金井壽宏先生

There is nothing as practical as a good theory
よい理論ほど実践的である

社会心理学者クルト・レヴィンのこの言葉を初めて聴いたのは20年近く前のことだ。
経営行動科学学会の設立最初の学会で、設立呼び掛け人の一人として壇上に立った金井壽宏先生の口から発せられた言葉であった。

金井先生photo_instructor_849.jpgは、当時四十代前半、少壮気鋭の経営学者であった。学会会場の南山大学キャンパスを、何人かの学生を引き連れて、颯爽と歩いている姿を眩しく眺めていたことを憶えている。

四年ぶり六回目の夕学登壇になった今夜も、金井先生は、クルト・レヴィンの言葉から始めた。


There is nothing as practical as a good theory
よい理論ほど実践的である

この言葉は、「持論アプローチ」という金井先生の研究&教育&実践アプローチ姿勢と通底する。
例えばリーダーシップ論でいえば、すぐれたリーダーシップの実績がある達人には、自らの経験から導き出した薫陶を整理し、言語化して「持論」として他者に語ることが出来る人がいる。それは実務家が、リーダーシップを実践し、部下や社員を育てるうえで、極めて有効な実践的なアプローチ方法である。
一方で、実務家の「持論」が、研究者が実証研究の積みあげの結果として構築してきた「理論」に負けないほど豊かであれば、研究者にとっての研究対象にもなりうる。
リーダーシップに限らず、モチベーションでも、キャリアでも金井先生は、いつも「持論アプローチ」の重要性を指摘してきた。いわば、領域を貫く一貫したアプローチテーマと言えるだろう。
研究者、教育者、実践家の3つの顔をひとつに統合する紐帯のようなものかもしれない。

「持論アプローチ」には、いくつかの留意点がある。
・ひとりよがりの我見にならぬように、できれば理論の裏付けを得たものが望ましい。
・一度作ってそれで終わりにするのではなく、何度でも書き換えて、練り上げる方がよい。
・持論を語ることで人を育て、育った人間が新たな持論を生み出す、「持論カスケード」形成されるようになると組織にとっても意味がある。 
等々。


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第25回 1/27(金) 海部陽介先生

yousuke_kaihu.jpg2016年度後期を締めくくって頂くのは1/27(金)ご登壇 国立科学博物館人類研究部 海部陽介先生です。

『日本人はどこから来たのか?』

先生の最新著書は日本人であれば誰しもが考えるこの古くて新しい問いに、最新の研究結果より紐解いています。

遺跡調査は日本の国内で閉じているかぎり本当のことはわからない、と本著のなかで先生は記していらっしゃいます。

人骨の形態学・遺伝学・考古学・年代学などの 進展と知見統合、海外の遺跡との比較、DNA研究・・・といった重層的なこの10年間の研究によって、私たち日本人の来歴と、祖先たちの知られざるチャレンジがどのようなものであったか浮かび上がってきているのです。

その解明の陰には、海部先生をはじめとする各分野の第一線の専門家、研究者皆さんのたゆまぬ研究努力と知見の統合という、まさに現代のチャレンジであること他なりません。

アジアにおける過去200万年間の人類総史の解明に貢献することが目標という海部先生より、人類がこの日本に到達するまでの新たな仮説をお伺いします。

事前に上述の参考図書を一読いただきご参加されると、より理解が深まるとのこと。
新年より人類の大きな謎を皆さんと共に解いていきたいと思います。

・海部 陽介先生
・国立科学博物館人類研究部 人類史研究グループ長
・演題:「日本人4万年の旅を再現する」

講師プロフィールはこちらです。

第24回 1/24(火)田口佳史さん

yoshihumi_taguchi.jpg第24回1/24(火)、東洋思想研究家の田口佳史先生にご登壇いただきます。

田口佳史先生には、慶應MCCのメインキャンパスで、文化教養講座agoraの講師もお願いしています。各回テーマに基づいて、中国古典の文章、解釈、そこからの学びをご講義いただいたのち、問答形式で、田口先生に問い考える方法をとっています。私たちのどんな問いも真摯に受け止め、答えてくださる、田口先生。徳のある方、人格者とは、こういう方のことを言うのだな、と思ってきました。

孔子、『論語』、皆さんご存じのことと思います。
世界四大聖人にも数えられる、儒家思想の始祖です。2,000年以上語り継がれ、読み継がれてきた孔子は、どれほど偉大で清い聖人だろうかと思っていました。agoraで学んでみると、意外に、とても人間味のある人物像がうかびあがってきました。迷ったり、腹を立てたり、苦労したりもしていたのだとわかりました。そして、だからこそ言葉に説得力があり、真実があるのだとわかりました。

学ぶなかで、「この言葉はいまの自分のためにあったのではないか」と驚くことが、たびたび、ありました。自分が悩むほど、傷ついたときほど、より言葉が沁みることも実感しました。私はいまでも似たようなことに悩んだり迷ったりしていて、成長はゆっくりなのですがそれも含めて、古典に学ぶ意味とはそういうことなんだなと振り返っています。

田口佳史先生は、49年にわたり、ご自身挑戦、迷い、失敗、数々の経験をしながら、さまざまな中国古典をひたすら読み続け、研究と探求をし続けてこられました。孔子の言葉がそうであるように、私たちに、沁み入る言葉や考え方を紹介し前に進むきっかけをくださる田口先生。お一人でも多くの方に、ぜひいちど、出会っていただきたい。ぜひいちど、先生のもとで学んでいただきたい。そう心から思う先生です。(湯川)

・講演日 2017/01/24 (火)
・田口 佳史(たぐち よしふみ)
・東洋思想研究家、株式会社イメージプラン 代表取締役社長
・演題:「人生は噛みしめるように生きる」

講師プロフィールはこちら

第23回 1/19(木)梅原 大吾さん

daigo_umehara.jpg第23回 1/19(木)は、プロゲーマー、梅原大吾さんにご登壇いただきます。

Daigo Umehara is the most dominant fighting game champion in the world. He is best known for his aggressive play and nearly psychic ability to predict and counter his opponent's next move.

梅原さんの公式サイトにアクセスすると、スタイリッシュな写真とともに、英語で、このように紹介がはじまっています。世界でもっとも強い格闘ゲームのチャンピオン、梅原さんの闘いのフィールドが、"世界"であることもわかります。

アグレッシブな攻撃、敵の次の動きをよむ力は超能力と思えるほど。"The Beast"とも呼ばれる世界のゲーム界で知らぬ者はいない王者。世界のカリスマとして18年間にわたり世界の頂点に立ち続け、さらに「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロゲーマー」としてギネス認定もされています。

すごいプロフェッショナルです。そしてこの圧倒的な勝利にあるのが、タイトルにある「一日ひとつだけ強くなる」。
「一度きりの「勝ち」が欲しいのなら運や要領で実現できますが、何度でも勝ち続ける「強さ」を手に入れるには、やはりそれなりのやり方が必要になります。」と梅原さんはおっしゃいます。ゲームと聞くと、運、勢い、経験、技術などを思いますが、梅原さんの言葉から、勝ち続けるための「独自の哲学と努力」があることが伝わってきます。なかなか伺えないザ・プロフェッショナルのお話。わくわくします。じっくり伺いたいと思います。(湯川)

・講演日 2017/01/19 (木)
・梅原 大吾(うめはら だいご)
・プロゲーマー
・演題:「一日ひとつだけ強くなる」

講師プロフィールはこちら
公式ウェブサイト http://www.daigothebeast.com/

第22回 1/17(火) 清水聰先生

akira_shimizu.jpg1/17(火)は慶應義塾大学 商学部教授 清水 聰先生にご登壇頂きます。

先生のご専門は、消費者に関する理論をマーケティング戦略に応用する、実践的なマーケティングの研究。

具体的には、コミュニケーション戦略やブランド戦略、新製品評価、会話型探索エンジンの開発などに消費者の理論を導入、多変量解析、データマイニング、テキストマイニング等の手法で解析し、日本発のマーケティング理論構築を目指していらっしゃいます。

SNSの登場、さらにはスマートフォンが普及して以来、企業側からの情報だけでなく、消費者間でなされるクチコミ情報など、消費者の意思決定に大きな影響を与えるマーケティングのあり方が大きく変化しています。

これまでの既存のメディアに、いま大きな流れとなっている新しいメディアを加えた 新たな購買意思決定プロセスは、海外にはない、日本独自の視点でのアプローチが特徴的であると、先生はおっしゃいます。

さまざまな企業と検証を重ねられている実例とともに、日本発の新たな顧客マネジメントのあり方「循環型マーケティング」について解説いただきます。(保谷)

・清水 聰先生
・慶應義塾大学 商学部教授
・演題:「新たな顧客マネジメント~循環型マーケティングの提案~」

講師プロフィールはこちらです。

第21回 1/12(木) 志賀俊之さん

toshiyuki_shiga.jpg新年明けて1/12(木)は日産自動車株式会社 取締役副会長 志賀 俊之さんにご登壇頂きます。

1976年に日産自動車に入社され、最初の配属先は本業の自動車関連ではなく、主にボートの製造を行うマリーン事業部。
その後、海外営業部での経営経験も積まれ、1999年ルノーとの提携に伴い着任したカルロス・ゴーンCEOによる日産リバイバルプランでは、現場とのパイプ役として、立案・実行に邁進され、大きな成果を上げられました。

経営危機に陥った状況下でのカルロス・ゴーン氏との出会い、ルノーとの提携によるグローバル化、リバイバルプランで果たした大きな役割・・・等。

これまでの様々なご経験にもとづくリーダーシップの発揮と柔軟性ある組織づくりとともに、事業環境の変化がより複雑かつスピードを増し、短期予測さえも困難になっている業界のなか、ゆるぎない企業の変革と成長とは何か、経営第一線のお話しを楽しみにしたいと思います。(保谷)


・志賀 俊之さん
日産自動車株式会社 取締役副会長
・演題:「日産:変革を支えるレジリエントオーガニゼーション」

講師プロフィールはこちらです。

第20回 12/16(金) 齋藤 ウィリアム 浩幸さん

whilliamu_hiroyuki_saito.jpg12/16(金)は齋藤 ウィリアム 浩幸さんにご登壇いただきます。

1971年 米カリフォルニアで生まれ、アメリカ育ちの日系2世でいらっしゃる齋藤さん。

小学生の時より、当時出始めたばかりのパソコンに関心を持ち、解体し一日で復元したという逸話とともに、10代で商用プログラミングをはじめ、16歳の飛び級で大学合格。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部卒業する傍ら、IT技術者として暗号や生体認証の分野における研究開発を行い、事実上の世界標準規格となる生体認証システムを生み、アメリカおよび日本で特許を取得されているという華々しい経歴をお持ちです。

現在は、IoTとセキュリティの専門家、起業家として、日本に活動の本拠地を移し、世界中のベンチャー企業のアドバイザリーをしながら、ベンチャー支援コンサルタントとしても活躍。2013年には内閣府本府参与(科学技術・IT戦略担当)に任命され、大学等の講義とともに政策提言も行っていらっしゃいます。

また、これまでの起業、チームづくりのご経験を通して、アントレプレナーシップ、チームワーク、リーダシープに関するビジネス書の著書も多数で、経験に基づいた記述は多くの経営者にとって指南書にもなっているそうです。

国内外問わず発信していらっしゃる齋藤 ウィリアム 浩幸さんより、IT戦略における世界の中での日本の取り組み、そこにある問題点を第一人者の視座からお話し頂きます。
(保谷)

・齋藤 ウィリアム 浩幸さん
株式会社インテカー 代表取締役社長
・演題:「IoTとサイバーセキュリティ」

講師プロフィールはこちらです。

第19回 12/13(火) 柳家花緑さん

karoku_yanagiya.jpg12/13(火)ご登壇いただくのは落語家 柳家花緑師匠です。

師匠が落語を始めたのは、なんと9歳の時。
16歳で祖父5代目柳家小さんに入門し、戦後最年少の22歳で早くも真打に昇進されました。

スピード感あふれる歯切れのいい語り口から繰り広げられる話芸は、古典から新作まで幅広い演目とともに、新たな取り組みも大人気です。

それは、落語に新風を吹き込む独演会にての"同時代落語"。

着物に座布団、といったこれまでの噺家のスタイルを脱し、スーツ姿で椅子に腰掛け口演されるのです。師匠の身体にピッタリと合ったスーツ姿は、着物の時とはまた違う趣。
普段、寄席に通う方から落語は初めてという方まで、多くの観客を魅了し新たな落語ファンを増やしていらっしゃいます。

歴史ある世界にあって、これまでの既成概念を覆し、新たな取り組みにチャレンジし落語界を牽引されている師匠の姿。

今回は、師匠が今もっとも大切と感じていらっしゃる"笑いと感謝"について紐解くとともに、一席ご披露いただきます。

落語の演目は当日までのお楽しみ。
花緑師匠のゆるゆると真剣な落語講座。師走の慌ただしい日々、ほっと一息楽しみましょう。(保谷)

・柳家 花緑師匠
・落語家
・演題:「笑いと感謝、いま大切におもうこと。」

講師プロフィールはこちらです。

第18回 12/9(金) 矢内利政先生

toshimasa_yanai.jpg12/9(金)早稲田大学スポーツ科学学術院 教授 矢内利政先生にご登壇いただきます。
矢内先生の研究テーマは、スポーツパフォーマンスとスポーツ傷害のバイオメカニクス的分析。

「正しいフォームとはどのようなものか?」「傷害を起こしやすいフォームとは?」といった疑問への答えを探るべく、
① スポーツにおける身体運動の『からくり』を探る基礎的研究
② スポーツ傷害のメカニズムやリハビリテーションの効果について分析する臨床的研究
を実施している他、競技力向上と傷害予防に向け、大学・社会人・プロ選手を対象にサポートを行っていらっしゃいます。

とりわけ野球においては、プロ野球、社会人野球、大学野球のチーム、選手の幅広い協力もあり、基礎的研究とスポーツ現場の支援活動を両立され、ハイレベルな選手のフォームにおける共通した特徴も見出されているそうです。

先日、週刊『ベースボール』のウェブサイトに、「今後、野球において新たな変化球は生まれるのか」の問いに答えていらっしゃる矢内先生の興味深い分析が掲載されていました。

科学の目でスポーツパフォーマンスを分析することによって、これまで選手の経験値、感覚値に頼り蓄積されてきたものと大きく異なる事実も生じるという興味深い結果もあるとのこと。

スポーツを科学する矢内先生のお話から、身体構造や運動を力学的に探求するとともに、自らがスポーツをするうえで、また鑑賞するうえでも一段と楽しくなるきっかけとなること間違いありません。(保谷)

・矢内 利政先生
・早稲田大学スポーツ科学学術院 教授
・演題:「科学で斬るベースボール」

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第17回 12/8(木) 向谷 実さん

minoru_mukaiya.jpg第17回 12/8(木) 向谷 実さんにご登壇いただきます。

向谷 実さんといえば。やはり、私にとってはカシオペアです。
メジャーデビュー当時をリアルタイムな青春でともに過ごされていた先輩方はじめ私のように、カシオペアと聞けば、ああ、とわかり、音楽を聞けばますます、そうそう、とわかる方もとても多いのではないでしょうか。

そして、きっと聞くとますます、ああ、と思われるのが、電車の発車メロディー。東急東横線渋谷駅、東京メトロ東西線、聞くと、ああ、この音楽も向谷さん作曲でいらしたんだと愉しくなってきます。

向谷さんという方が面白いのです。幼少のころから熱狂的な鉄道ファン。発車メロディだけではなく、運転士訓練用や博物館向けの実写版鉄道運転シミュレータの開発などもなさっています。

向谷さんの世界観と、創造と、好きなことをビジネスに変えてきた熱い思い、じっくり語っていただくことになりました。刺激が、発見が、新しい出会いが、なにかヒントが、きっと私たちビジネスパーソン誰にとってもあるのではないかと思うのです。わくわくしながらお話をお伺いしたいと思います。(湯川)

・向谷 実(むかいや みのる)
・音楽プロデューサー、株式会社音楽館 代表取締役
・演題:「好きなことをビジネスに変える~音楽と鉄道がいっぱい~」

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第16回 12/2(金) 池尾和人先生

kazuhito_ikeo.jpg12/2(金)のご登壇は慶應義塾大学 経済学部 教授 池尾和人先生です。

2%物価目標の達成に向け「できることは何でもやる」としてきた日銀がマイナス金利政策を決めたのは今年6月のこと。

現在進められている日本の金融緩和は、最終的に出口に向かうと想定されていますが、現時点では、有効な出口は見出せていません。

それどころか、出口のない金融政策はヘリコプターマネー政策に転じ、経済的混乱を引き起こしかねないと池尾先生は警鐘を鳴らしています。

池尾先生は、マクロ経済学の視点より日本経済を分析していらっしゃる金融論の第一人者。

これまでにも、日本経済のデフレーションについて、グローバル化や高齢化の時代に合う産業構造への転換ができていないことが原因であり、金融政策だけではデフレからの脱却はできないことを強く主張されてきました。

短期で決着をつけ、手じまいすることを想定していた異次元の量的・質的金融緩和政策がずるずると現状を続けていることより、歴史的にみて、この金融緩和は何を意味するのか、財政ファイナンスへの変質は懸念されるのか、問題点を分析、解説頂きます。(保谷)

・池尾和人先生
・慶應義塾大学経済学部 教授
・演題:「異次元緩和と財政ファイナンス」

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第15回 11/30(水)尾崎宗春さん

muneharu_ozaki.jpg11/30(水)は牛肉商尾崎 商主 尾崎宗春さんにご登壇いただきます。

「自分も家族も美味しく食べられる安全な牛肉を作りたい。」

家業を継ぐため、アメリカにて畜産の勉強を2年間した帰国の際、尾崎さんはこう深く胸に誓ったそうです。
アメリカで散々見てきた、肉骨粉や成長ホルモンをつかい飼育している食肉産業の現状。

そこから、栄養価の高い飼料を開発し、牛にストレスをかけない飼育法を編み出す・・・といった勝負できる牛肉づくりへの試行錯誤が始まりました。

さらに、ファッションブランドのように牛肉にだってブランドづくりが大切と、自らの名前を取り「尾崎牛」と名付けました。

夢は牛肉による世界制覇。

折しも、今は世界各国で"WAGYU(和牛)"ブームとなっています。
そのなかにあって、「尾崎牛」はNYの超高級店にて、なんと1000USドルコースのメインとして提供されるというのですからブランドとして確立されていること、言うまでもありません。

牛肉によって世界多くの人に感動を届け、世界を変えていく・・・尾崎さんの牛肉にかけた人生、そのチャレンジ精神、想いを余すところなく伺います。(保谷)

・尾崎宗春さん
・牛肉商尾崎 商主
・演題:「「尾崎牛で世界制覇」 -健康な牛肉でないと人を健康に出来ない!」

講師プロフィールはこちら、「尾崎牛」の説明はこちらです。

第14回 11/24(木) 前田 鎌利さん

kamari_maeda.jpg第14回 11/24(木)ご登壇いただくのは、書家の前田 鎌利さん。

5歳より書に携わられ、書家として幅広くご活躍。17年間の大手通信会社での豊富な実務経験。そしてさらには、"あの孫正義さん"に、直接プレゼンし認められた、プレゼンテーション力の持ち主。そんな異色で多彩な前田鎌利さん。

"孫正義の後継者発掘・育成"を掲げる、ソフトバンクアカデミアの1期生で、首席で卒業された実績をおもちです。そのたしかな技術は、8.5万部を超えるベストセラーである著書や、プレゼンテーション講師としての活躍に、表れています。

今回のテーマは、「日本文化とプレゼンテーション」。
キーワードは「伝える」というたった3文字、だそうです。「心に何かを刻んでいただければ幸いです。」前田さんは講演紹介をそう、締めくくられています。ぐっと惹かれます。日本文化とプレゼンテーションのクロシング、前田さんと皆さんとご一緒いたします。(湯川)

・前田 鎌利(まえだ かまり)
・書家、株式会社 固 代表取締役、一般社団法人 継未 代表理事
・演題:「日本文化とプレゼンテーション」

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第13回 11/18(金)早野透さん

toru_hayano.jpg11/18(金)は元朝日新聞コラムニスト、桜美林大学名誉教授でいらっしゃる早野透さんにご登壇いただきます。

没後20年以上を経たいま沸き起こっている田中角栄ブーム。

このブームよりも早く、2013年に出版された早野さんのご著書『田中角栄』

長年、角栄氏の番記者として、地元 新潟取材から、首相になるまで、さらに首相になってと、その姿を間近でみて取材を重ねていらした早野さんならではの1冊。
側でみてきたものしか知ることのない角栄氏のエピソードやその時の様子が細かく記載されています。

田中角栄氏と言えば、昭和を代表する希代の政治家であり、当時、多くの人が認めるリーダーシップの持ち主でもありました。

難題と言われる事柄も、周囲の政治家や官僚を巻き込み豪快に片付けてしまう政治手腕。
そこには、時に、茶目っ気たっぷりに相手の懐に入り角栄シンパとさせてしまう人間的魅力もあったと言われています。

今起こっている一種のブームとも言えるこの流れは、
日本の政治意識への問いかけであるとともに、どこかに田中角栄氏のような大物リーダーを待望している気持ちを誰しもが持っていることの現れのようにも見えます。

田中角栄氏の実像を知る早野さんとともに、いま私たちは政治、リーダーに何を求め、どう進もうとしているのか、正面から向き合ってみる機会にしていきたいと思います。(保谷)


・早野透さん
・元朝日新聞コラムニスト 桜美林大学名誉教授
・演題:「わたしの田中角栄論」

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第12回 11/15(火) 小川 和久先生

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第12回 11/15(火)にご登壇いただくのは、軍事アナリストの小川 和久先生です。

北朝鮮によるミサイル発射。5回目となる核実験の実施。続く報道に、何が起き始めているのだろうか、驚き、脅威を感じます。けれども、そうはいっても日本は大丈夫だろう、日本は安全だろうと過信している自分にも気づきます。 "本当の"緊張感や危機感までは、感じ得ていないのではないか。では本当にはどうなのでしょうか。

こんないまだからこそ小川先生に、じっくり日本の危機管理について、日本をとりまく環境について、お伺いします。

小川先生は、陸上自衛隊生徒教育隊・航空学校、地方新聞記者、週刊誌記者などをへて、"日本初の軍事アナリスト" として独立。安全保障と危機管理の専門家として、政府の政策立案、国家安全保障に関する委員などに携わられているほか、アナリスト、コメンテーターとして、メディアでも活躍されています。また、日本の国家的安全や世界の変動要因を調査研究する目的で、NPO法人 国際変動研究所を設立、その理事長や静岡県立大学特任教授を務められています。
小川先生の専門性と鋭い視点、問題意識とともに、日本の危機管理について考えます。(湯川)

・小川 和久(おがわ かずひさ)
・静岡県立大学特任教授 NPO法人 国際変動研究所理事長 軍事アナリスト
・演題:「国際水準から見た日本の危機管理」
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第11回 11/11(金)松尾 睦先生

makoto_matsuo.jpg第11回 11/11(金)ご登壇いただくのは、北海道大学大学院経済学研究科教授 松尾 睦先生です。

松尾先生は、個人と組織の学習を専門とされていらっしゃいます。経験学習研究の第一人者でもいらっしゃいます。慶應MCCでは、東京大学 中原淳先生の『ラーニングイノベーション論』に「働く大人の経験学習」をテーマにゲスト講師としてご登壇いただいています。

人は、仕事でどうしたら成長するのでしょうか。
マネジャーは、どうしたら育つのでしょうか。

私たち誰もが知りたいことながら、よくわからない。そして、難しい。それがこの働く大人の成長ではないでしょうか。

いいタイミングで挑戦的な仕事を任せる。期待しながらうまくサポートし、本人の成功経験を積ませる。そういったことはよく見聞きしますが、よく考えると、これらどれもが抽象的で、理想です。松尾先生は、プロセスが「ブラックボックス化している」と、このこと自体も問題視されています。そしてそれを明らかにする、調査研究を続けていらっしゃいます。

挑戦的な仕事とはなにか。挑戦的仕事はどう作るのか。どう与えるのか。どうしたら経験から学んでいけるのか。どうしたらマネジャーが育つのか。

今回じっくり皆さんと、松尾先生の調査研究結果と最新理論を学び、そして自分ごととしての転化を考える機会としたいと思います。人材育成に携わる立場や役割の方、管理職やマネジャーの方はもちろん、仕事を通じて成長していきたいあらゆるビジネスパーソンの皆さんとご一緒に学び考えられたらと思います。(湯川)

・松尾 睦(まつお まこと)
・北海道大学大学院経済学研究科 教授
・演題:「マネジャーになる・育てる:仕事の作り方、与え方」

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第10回 11/10(木)井原慶子さん

keiko_ihara.jpg第10回 11/10(木)はカーレーサー、井原慶子さんにご登壇いただきます。

1999年のレースデビュー。レースクイーンからレーサーへ。
井原さんの華麗なる転身は、当時とても話題になり、すごいなあ、とニュースを見聞きしたことを私もとてもよく覚えています。

以来、井原さんは世界70か国を転戦、様々な壁を突破しながら15年以上、厳しいカーレースの世界で現役を続けてこられました。

そして、素晴らしいレース結果を次々に記録。カーレースの世界最高峰のWEC世界耐久選手権で、日本人初かつ世界女性初での入賞(2012年)、世界女性初の連続表彰台獲得(2014年)、ルマンシリーズ総合優勝など。女性レーサーとして世界最高位を獲得されています。
またその傍ら子どもたちの英語教育、大学院、女性の活躍推進、自動車の環境配慮への取り組みなど教育や社会にも活動を広げられています。

そんな井原さんの「特技」は、低燃費安全運転と子どもたちに英語を教えること、なのだそうです。
井原さんのウェブサイトでこれを見たとき「特技」だと表現されていらっしゃるのが面白いなあ素敵だなあと思いました。

同世代の同性としては当然ながら、井原さんの存在はデビュー以来、眩しいほどの憧れでした。私はお目にかかれるだけでとても楽しみなのですが、きっと力強く鮮やかな「突破する力」のメッセージがお伺いできることと思います。皆さんで世界最高峰の突破力、お伺いしましょう。(湯川)

・井原 慶子(いはら けいこ)
・カーレーサー、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 特任准教授、株式会社Fusion 代表取締役
・演題:「突破する力!~世界最高峰での技術開発とエネルギーの未来~」

講師プロフィールはこちら、井原さんのホームページはこちらです。

第9回 11/2(水)渡部潤一先生

junichi_watanabe.jpg11/2(水)は 天文学者 渡部 潤一先生のご登壇です。

天文学のお話しを素人にもこんなにわかりやすく楽しくお話し頂ける方は渡部先生しかいらっしゃらない!

渡部先生の講演に以前参加した方からの感想です。

1972年、当時大きな話題となったジャコビニ流星群。

小学6年生だった渡部少年は、流れ星を観たいがあまり、校庭で観測する許可を学校に取り付け、仲間とともに役割分担を決め、観測へと備えていたそうです。
しかし、その時には流れ星は1つも現れずがっかりしたとともに、簡単には観測できない天文学の深遠さに魅せられ、天文学の道を選ぶきっかけになったとのことが記されています。

今回のテーマは、地球以外に生命は果たして存在するのか。
私たちにとって関心の高い事柄について、天文学のアプローチより、現在はどのような解明が為されているのかお話し頂きます。

日々、慌ただしく過ごす私たちですが、
渡部先生のお話を機会に、時に夜空を見上げ、宇宙に思いを馳せるひとときをさらに持てるよう、楽しみにしたいと思います。(保谷)

・渡部 潤一先生
・自然科学研究機構 国立天文台 副台長・教授
・演題:「宇宙生命は存在するか~天文学からのアプローチ~」

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第8回 11/1(火)廣瀬俊朗さん

toshiaki_hirose.jpg第8回 11/1(火)にご登壇いただくのは、元ラグビー日本代表の廣瀬俊朗さんです。

2015年ラグビーワールドカップ。皆さん、"ああ、あの試合"と、興奮と感動を、エディ・ジョーン元ヘッドコーチや選手たちの姿とともに新鮮に思い出されることと思います。

廣瀬さんがラグビーを始めたのはなんと、5歳のとき。約30年のラグビー・キャリアという廣瀬さんが、選手・主将として戦ったあの試合は、廣瀬さんにとってどんな試合やチームだったのでしょうか。

廣瀬さんは、スタンドオフ(SO)、ウイング(WTB)として活躍、また日本代表主将、東芝ブレイブルーパス主将として、日本ラグビーを牽引してこられました。そして今年3月、約30年間に渡る現役選手生活に別れを告げました。
そのときのインタビューで、これからは新しいかたちで日本のラグビー界をサポートしていきたい、とおっしゃっていました。そのとおり6月には日本ラグビー界に新たに選手会が発足、廣瀬さんはその選手会長(代表理事)を務められています。

これから新たなフィールドでの活躍が期待される廣瀬さんと、これからますますの盛り上がりと活躍が期待される日本のラグビー界。廣瀬さんご自身の体験や信念、人生をとおしてみるラグビー、ワールドカップ、そして生き方論のヒント、じっくりお伺いしたいと思います。(湯川)

・廣瀬 俊朗(ひろせ としあき)
・元ラグビー日本代表主将
・演題:「進化を楽しむ」

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第7回 10/27(木)森本 あんり先生

anri_morimoto.jpg第7回 10/27(木)に登壇していただくのは、国際基督教大学教授の森本 あんり先生です。

森本先生は、アメリカキリスト教史がご専門です。アメリカ精神の底流をなすのは、アメリカキリスト教が育んだ、「反知性主義」である、と森本先生はおっしゃいます。

反知性主義。Wikipediaをひくと「知的権威やエリート主義に対して懐疑的な立場をとる主義・思想」と解説があります。何となくわかるが難しい。そんな言葉であり考え方です。

今年の11月8日、第45代アメリカ合衆国大統領の選挙が予定されています。それに向けた予備選挙、アメリカ市民の支持率や反応の変化は、日本でも毎日のように報道されてきました。

オバマ大統領が、米国史上初のアフリカ系大統領として当選した、2008年の大統領選挙を思い出します。あのとき、期待に湧き、変化の兆しを感じたあの雰囲気は8年たっても鮮明に思い出されます。あれからの8年で、アメリカは、何が、どう、変わったのでしょうか。アメリカ市民は、何を求めているのでしょうか。

差別と憎悪を是認するトランプに支持が集まり、さらに過激になっていく予備選に、私たちは、なぜ、と疑問をもっています。
親しみはあり、接点も多く、経済やカルチャーさまざまな影響も受けるこの大国のことを、実は、よく解っていないということにも、気づかされました。
今回はアメリカの反知性主義から、森本あんり先生に説いていただき、じっくりアメリカのことを学びたいと思います。(湯川)

・森本 あんり(もりもと あんり)
・国際基督教大学 人文科学デパートメント教授(哲学・宗教学)・学務副学長
・演題:「オバマとトランプ:反知性主義とアメリカの宿命」

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第6回 10/25(火)上田泰己先生

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第6回 10/25(火)に登壇していただくのは、東京大学教授で、理化学研究所グループディレクター、上田泰己先生です。

上田先生には2010年の『夕学五十講』にご登壇いただきました。当時すでに、システム生物学、機能ゲノミクスを専門にする弱冠34歳の新進気鋭の生物学者、とご紹介をしていました。再登壇のお声もたくさんいただいていた上田先生、7年ぶりの再登壇です。

腹時計があるように、腸にも肝臓にも皮膚にも脳にも時計がある。時計細胞によって生命リズムが刻まれる。上田先生の研究を聞いたとき、面白いことを研究されている先生がいらっしゃるんだなあ、と思いました。さらに、研究や技術開発がすすみ、上田先生のご関心は全細胞解析、生命科学の未来へ。
透明マウス?全脳・全身透明化とは!? さらなる研究を進められている上田先生に、最新の生命科学のお話をたっぷりお伺いいたしましょう。(湯川)

・上田 泰己(うえだ ひろき)
・東京大学 教授、理化学研究所 グループディレクター
・演題:「全脳・全身透明化の先に見えてくること」

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2010年の夕学五十講のリフレクション「「生命」と「時間」の関係を解明する

第5回 10/17(月)平井正修住職

moto_syosyu_hirai.jpg10/17(月)ご登壇いただくのは 平井正修 全生庵 第七世住職です。

現代人は、情報が多すぎ、忙しすぎる、それゆえ意識・無意識にかかわらずとてもストレスが多い。そう常にいわれます。そしてその観点からいま、マインドフルネスが注目されています。座禅はその「方法」のひとつ。

今回の講演では、全生庵 第七世住職の平井正修氏より、坐禅の力、禅の教えからの心のしなやかさ、そんな観点からお話をいただきます。

臨済宗・全生庵は、江戸城無血開城に尽力し、剣・禅・書の達人でもあった山岡鉄舟が建立しました。現役首相をはじめ、政財界人も多く参禅されていることでもよく知られています。その全生庵の第七世住職でいらっしゃる平井正修氏は、日本大学客員教授として教鞭もとられ、ビジネス誌のコラムや著書で、私たちビジネスパーソンに向けて、禅の教えや参禅のすすめを常に語っていらっしゃいます。今回は直にお話をお伺いできる機会ですので、禅の教えや参禅の力をじっくりお伺いしたいと思っています。(湯川)

・平井正修(ひらい しょうしゅう)
・全生庵 第七世住職、日本大学客員教授
・演題:「坐禅で作る しなやかな心」

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第4回 10/14(金)日向野幹也先生

mikinari_higano.jpg10/14(金)ご登壇いただくのは 早稲田大学 大学総合研究センター 教授 日向野 幹也先生です。

日向野先生のご専門はリーダーシップ開発論。

2006年、立教大学経営学科のコアプログラムとして「ビジネス・リーダーシップ・プログラム」(BLP)を立ち上げ、学内外で高く評価され、現在では他大学にも波及しつつあります。

そこで学ぶのは「権限がなくても発揮できるリーダーシップの涵養」。

権限がないときでもリーダーシップを取ることのできる若者が、後に権限や役職を得たときには、部下が進んで付いてくる良いリーダーになれるであろうことを確信しての教育目標だったそうです。

さらには、当プログラムの学び方も大変ユニーク。
アクティブ・ラーニングによる学び方を導入し、プレゼンテーションやプロジェクト型学習を重視し、グループワーク等を多く採り入れることによって、学生、教師、運営事務局までもが相互に学び合いながら、リーダーシップを発揮しBLPを創り上げていることに特徴があります。

このようなリーダーシップ開発は、大学教育のみならず、社会、企業でも注目されはじめている事柄です。

彼ら学生を社会で迎え入れるにあたり、さらに、私たち自身のリーダーシップ開発においても、今後どのように捉え、学んでいくべきなのか、日向野先生がこれまで取り組まれた実践を参考に考えていきたいと思います。(保谷)


・日向野 幹也(ひがの みきなり)先生
・早稲田大学 大学総合研究センター 教授
・演題:「新しいリーダーシップのあり方と学び方」

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第3回 10/11(火)井上章一先生

『京都ぎらい』。

新書大賞2016年、第1位となりました。話題、評判となりました。20万部を記録したそうです。お読みになった方も、いらっしゃると思います。

第3回10/11(火)は、この本の著者で、国際日本文化研究センター教授でいらっしゃる井上章一先生にご登壇いただきます。

井上先生ご自身、京都の"洛外"に生まれ、育った方。だからこそ、「気づいていながら誰もあえて書こうとしなかった」ことが書ける、表現できる。そんな井上先生の「新・京都論」。このコンセプト、視点からして面白い、文章もリズミカルで皮肉たっぷりながらコミカルで、私も手にとってすぐ、面白くて一気に読みました。

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今回はここからさらに広げて関西論です。井上先生は建築史・意匠論をご専門とし、日本文化や関西文化論など幅広く著されていらっしゃいます。
京都と関西、もしかしたら東京さらには日本文化。ここにも、知らなかった、または気づいていながら表現されてこなかった、
井上先生ならではの新・関西論がありそうで、とても楽しみです。(湯川)

・井上章一先生
・国際日本文化研究センター 教授
・演題「京都ぎらいの関西論」
・講師プロフィールはこちら

第2回 10/5(水)夏野 剛先生

こんにちは。司会担当いたします慶應MCC保谷です。
2016年度後期もどうぞよろしくお願いいたします。

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ベンチャー企業副社長から、iモードビジネスの立ち上げのためにドコモに転身し、これまでにない多くのサービスを世に送り出してきた夏野先生。

NTTドコモ退社後も、多くの企業の取締役として経営に携わる他、2001年にはビジネスウィーク誌にて世界のe ビジネスリーダー25人の一人に選出されているなど、日本、世界を代表するITビジネスのエバンジェリストのお一人でいらっしゃいます。

先生が常に追い続けているのは、IT革命がもたらす情報の高速化による社会のあらゆる面の変化。

加速度増す社会の進展のなかで、いかに「勝つ」ビジネスモデルをつくりだし、私たちの生活をより快適なものへとしていくか、先生はこれまでにさまざまな業界、事業にて実践されています。

IT業界の最新動向を交えながら、変革を恐れず時代に適応し進化し続けることの意義と重要性を、語り口ソフトな夏野先生より熱くお話し頂きます。(保谷)

・夏野 剛先生
・慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特別招聘教授
・演題:「変えること、変わることを恐れてはいけない!」

講師プロフィールはこちらです。

2016後期が始まります 第1回 10/4(火) 金井壽宏先生

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皆さま、こんにちは。『夕学五十講』司会進行役の慶應MCC 湯川です。皆さまいつも、『夕学五十講』へのご参加・ご関心、ありがとうございます。

8月は『夕学五十講』も夏休み。その間に16後期の企画・ご依頼・準備を進めてきました。おかげさまで2016後期も全25講演、素晴らしい先生方にご登壇いただけることになりました。2016後期も皆さまのご来場お待ちしています!

明日、9月1日(木)の受付開始に先立ち本日から、恒例の講師・講演紹介を始めたいと思います。いつもはリレーでレビュアーが講演をレポートしている、この「夕学リフレクション」コーナー、開講までの間この場をお借りして、私たち司会進行役の湯川・保谷が日程順に各回をご紹介していきます。

皆さまご存じのとおり、金井先生はキャリア、リーダーシップ研究の第一人者でいらっしゃいます。「変革型ミドルの探究」「働くひとのキャリアデザイン」「仕事で一皮むける」などの著書をお読みの方も多いことと思います。『夕学五十講』にも第1期目、2001年前期の初登壇に始まり、今回第6回目と最多登壇です。

『01前期「管理者の抱く人間観と組織観」、04前期「一皮むけた経験とリーダーシップ開発」、06後期「モティベーションの持論アプローチ」、09後期「ゆとり教育世代との向き合い方」、12前期「個人が変わる、集団が変わる、組織が変わる」と演題を振り返るだけでも、金井先生のご研究の遷移や幅広さがうかがえます。

そして今回の演題は「私のリーダーシップ研究の旅」。まさにいまの金井先生のお話、きっとご自身の研究やキャリアを含めた、大きくて深いお話をいただけることと思います。皆さんとご一緒にじっくりお伺いしたいと思います。(湯川)

・金井壽宏先生
・神戸大学大学院経営学研究科 教授
・演題「私のリーダーシップ研究の旅」
・講師プロフィールはこちら

第25回 7/29 (火) 阿刀田高さん

takashi_atouda.jpg最終回、第25回7月29日(火)にご登壇いただきますのは、作家の阿刀田高さんです。

阿刀田高さんは、これまで40年以上にわたる執筆活動のなかで、900篇以上の作品を生み出してこられました。第81回直木賞ほか数々の授賞もされてこられました。日本ペンクラブ第15回会長、また、1995年から今年の1月まで、なんと19年間、直木賞選考委員も務められました。間違いなく現代の日本を代表する作家のおひとりでいらっしゃいます。

さて、阿刀田さんといえば、ブラックユーモアの短編小説、そして「知っていますか」シリーズです。

ちょっと不思議で、ちょっと怖くて、思わず笑ってしまう。日常にありそうで、自分にも思い当たりそうで、思わずドキリ。短編小説はそんな独自のブラックユーモアにあふれています。

「知っていますか」は、ギリシャ神話、聖書、古事記、源氏物語と次々、古典を容易に読み解いたシリーズ。それまではちっともわからなかった、わかる気がしなかった、古典はこんなに面白いのか!と次々出会いえた私もその一人です。

「古典を読むには原典をたどるのがいちばんよいが、読むべき古典が多すぎる。質のよいダイジェストにも意味があるのではないか。」

阿刀田さんのそんな思いも込められています。

そんな阿刀田さんご自身の、"創造の井戸を掘り下げてきた"経験をまとめられたのが、『知的創造の作法』です。今回の講演タイトルでもあります。

知的創造の達人がその作法を種明かししてくれているのですから、面白いに違いない、わかりやすいに違いない、そう思われた方きっとご期待にお応えする講演です。「知的創造の作法」、皆さんとご一緒に学んで、ちょっと考えて、おおいに楽しんでみたいと思います。(湯川)

第23回 7/15 (火)  山口晃さん

akira_yamaguchi.jpg7月15日(火)にご登壇いただきますのは、画家の、山口晃さんです。

オートバイに乗った戦国武士。
六本木と江戸が一体になった街。

ふだん日本美術や現代アートにあまり馴染みのない方でも、「ああこの絵の」と山口晃さんの作品をご覧になったことがあるのではないでしょうか。絵画や襖絵、小説の挿絵や装丁などと幅広くご活躍です。

山口さんの絵は、時代が縦横無尽に行き交って、なんとも発想の面白い作品です。そして絵をよく見ると、とても細密で、描写は鋭く、発想と技術の突飛さがまたとても面白いのです。浮世絵のような、大和絵のような、そして、漫画のような。日本の伝統と現代の息づかい、両方を同時に感じさせるところも面白いなあと思います。山口さんのなかでは時空がどんなふうにできているのでしょうか。
そんな山口さんが、画家・絵師の目線から日本美術の有名作品の背景や魅力を解説する著書を出されました。

ヘンな日本美術史』(祥伝社)

2013年の小林秀雄賞を授賞されたことでも話題となりました。

小林秀雄賞は、文芸評論家 小林秀雄の生誕100年を記念して創設された学術賞で、日本語表現の豊かな著書(評論・エッセー)に贈られています。山口さんは、初めて、画家として授賞された方でした。それもすごいことです。
「読んでおもしろい」からだというのが授賞理由でした。読んでみるとたしかに読み物として面白い。それに自分が思いもしなかった突飛な切り口から鑑賞や解説をされるので日本美術を知る、観るのがますます面白くなりました。

面白がり、面白さを伝え、面白さを絵で表現する山口さんが「私見」で語ってくださる「日本の古い絵」。お話も、山口さんにお会いすることも、とても楽しみです。(湯川)

第22回 7/11(金) 松井忠三さん

tadamitsu_matsui.jpg第22回 7月11日(金)にご登壇いただきますのは、株式会社良品計画 代表取締役会長の 松井忠三 さんです。

MUJI」」といえばいまや、誰もが知る、日本が誇る、世界のブランド。
そして誰もに身近な生活ブランドでもありますね。お住まい、通勤途中、オフィスなど皆さんの街にも、1つ2つ店舗があって、お買い物または利用されたことのある方も多いのではないでしょうか。

「無印良品」が提案した、シンプルな暮らしはとても斬新なものでした。その「シンプルさ」に、ぎゅっと、経営とブランド力のエッセンスも圧縮されているに違いありません。そう感じさせる松井さんの著書のタイトル。

無印良品は、仕組みが9割 ―仕事はシンプルにやりなさい(角川書店、2013年)

今回の講演は、本著を入口にしつつ、無印良品V字回復の軌跡、それを実現した松井さんの経営手腕の実績、松井さんの持論や思い、じっくりお伺いしたいと思っています。

無印良品は現在、世界24ヶ国に、258店舗。2014年2月期の連結純利益予想は、前年比56%、予想を35億円上回る、177億円です。しかし常に順調であったわけではありません。

松井さんが社長に就任された2001年当時も、無印良品の業績が低迷していたころでした。大学卒業後、西友ストア(現西友)に入社、1992年に無印良品に移ります。以来12年、"無印良品とともに"仕事をし、経営されてきたのが松井さんです。

「無印良品」の価値、価値観に、たちもどった経営をしてきた、自信をもっているからこそ、「シンプル」というキーワードで振り返り、語ってくださっているのだと思います。仕事もマネジメントも生活も、シンプルにできたらいいなあ、シンプルっていいなあ。憧れも重なり、MUJIのシンプルさへのヒントがあるに違いない、そんな期待いっぱいで私も講演を楽しみにしています。(湯川)