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評価の軸を自分の内に 安田秀一さん

安田秀一今回の講師である安田秀一さんは株式会社ドームの創業者であり、代表取締役CEOである。同社は「スポーツを通じて社会を豊かにする」というミッションを掲げ、スポーツ用品やサプリメントの販売などを手掛ける会社だ。同社が展開するアメリカのブランド「アンダーアーマー」は、スポーツとほとんど接点がない私でさえもロゴを見れば「ああ、あれか!」とわかるものなので、多くの人によく知られた存在であろう。

安田さんは大学時代、アメリカンフットボール部の主将をつとめられた。その安田さんは、大学3年生の時に合宿に行ったハワイで、ファシリティや用具の供給に対する日米の差に驚愕したという。
例えばハワイの学生は、まるでティッシュを使うかのようにテーピングを大量に使い、体じゅうを保護していたそうだ。片や日本人学生はというと、湿布に包帯。これでは勝てるわけがない。「B29に竹槍で立ち向かうような感覚だった」とその時の心境を安田さんは振り返る。

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好きなことで生きるための努力と才能 吉田ちかさん

ヨヒダphoto_instructor_962.jpg「好きなことで、生きていく」----みなさんは、このCMコピーを覚えているだろうか?
このコピーとともにYouTubeのCMがテレビに流れた2014年、YouTubeというプラットフォームはまだそれほど一般的でなかったと記憶している。
そして2018年。「好きなことで生きていこうだなんて、現実ナメんなよ!」という大人のイラつきをよそに、"YouTuber"は子どもたちの憧れの職業ランキング上位に君臨し、お茶の間にすっかり浸透した。

でも、わたし自身はYouTuberの作品をほとんど見たことがない。数少ないサンプルから受ける印象はあまり良いものではなく、言葉は悪いが"シロウトによる悪ふざけの延長"というイメージを持っていた。
しかし今回吉田ちかさんの講演を聴き、帰宅後に吉田さんの過去の作品をいくつか拝見して、この認識は180度変わった。よく考えればあたり前のことなのだが、努力と才能に裏打ちされた凄腕クリエイターだからこそ、人気YouTuberは「好きなことで、生きて」いけるのだ。

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動画配信で真っ当な社会を創る 前田裕二さん

前田裕二夕学五十講に登壇する方々のお話しをうかがっていると、時代が大きく変化する瞬間を、まさにその現場を目撃しているように感じる時がある。今回の前田裕二さんがそうだった。これまで私が聞いた中では、西野亮廣さんや石黒浩さんの回でも似たような感覚を持った。

前田裕二さん。「IT業界の成功者」と聞いただけで私は、頭は良いけど世の中をナメていて、ギラギラした野心家とでもいうような、どこかいけ好かない人物像を想像してしまう。自分はそうした成功者にはなれないという嫉妬の裏返しかもしれない。
しかし、講演を聞いた直後の私の感想は「なんていい人なんだ!」というものだった。前田裕二さんは、真っすぐで、正直で、頭はクールだけど心は超熱い。一昔前なら「青臭い」なんて思われそうな理想を泰然と掲げ、それを実現するために能力も労力も時間も惜しまず注ぎ込む。理想を実現させる戦略と、圧倒的な熱量を持つ人だ。そして愛情深い人だと感じた。

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自分を変えるために異分野から学ぶ 平野早矢香さん

平野 早矢香気づいたら卓球がメジャースポーツになっていた。
石川佳純選手や伊藤美誠選手、張本智和選手などなど卓球界では多くのスター選手が世界レベルで活躍している。日本の卓球選手はなぜこんなにも強くなったのか。ロンドンオリンピック銀メダリストの平野早矢香さんは次のように分析する。

  1. 自分のスタイルにあったプレーをしている
  2. 海外でのプレー経験が豊富
  3. 目標意識の高さ

以上の3つが、若手選手の特徴であり、それが故に世界で戦える実力を持っている。特に目標意識の高さでは、現代の若手実力者たちはジュニアの時にすでに日本制覇をしており、その目標は世界に向けられている。ここが平野さんのジュニア時代と違うところだ。

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21世紀を"つくる"ソーシャルな巫女 林千晶さん

林千晶今宵の講演タイトルは「人と人をつないで化学反応を起こす」。
今、確かに私の中に何らかの反応が起きつつある。講演を聞き終えて、少し混乱しながら会場を後にした。

虚業か実業か

これまで、いわゆるソーシャルビジネスというものには、一抹の胡散臭さを感じてきた。
例えば、「ネットがざわついた」などと表される巨大な人数での井戸端会議で無責任な噂が広がったり、イナゴの大群のように人々が我も我もと押しかけて「映えるスポット」が流行ったり廃れたりする、ああいう事象が、マーケティングだのコミュニケーション戦略だのに使われたりしている現状は、もちろん承知している。

そうした風評的なふわふわした基盤の上に何らかのムーブメントを起こすことがソーシャルビジネスだとの認識で、所詮、虚業といったような世界の話に過ぎない気がしていた。少なくともここ当面はその範囲の話に留まるだろう、と。
今回の講師の林千晶さんが経営する会社は「クリエイティブカンパニー」だという。この言葉にもまた「ソーシャルビジネス」に通じる危うげな空気を感じた。

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銀座のママの圧倒的な人間力 白坂亜紀さん

白坂photo_instructor_950.jpg「銀座のママ」と聞くと、メイクが濃くて、いかにも「オンナ」といった感じの女性を想像してしまうのだが、白坂亜紀さんは童顔といってもいいくらいの可愛らしいお顔立ち。お化粧も控えめで、決してギラギラした雰囲気ではない。
でも着物の着こなしはさすがに堂に入っていて、所作のひとつひとつが美しく、大輪の百合のような迫力がある。やっぱり、どこからどう見ても「銀座のママ」だ。

語り口はといえば、さすが接客業のスペシャリスト。聴き手を全く飽きさせない。ところどころにユーモアを挟みつつ、ついつい耳を傾けたくなるようなエピソードが次々と繰り出される。 レポートを書く、というミッションを控えているわたしが必死でメモを取るのはあたりまえだが、両隣の男性のペンも最後まで止まることはなかった。それほどまでに、気づきと含蓄が全編に散りばめられた講演だった。

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ビジョンと実現 辻 孝さん

ツジphoto_instructor_940.jpg「日本人には臓器移植よりも再生医療の方が合っていると思う」との話をかつて聞いた。10年以上前の話だ。それは日本人の思想や宗教観を基にした話だったように記憶しているが現在の再生医療はどのようなものなのか。身近な歯や毛髪をトピックとした辻孝氏の今回の講演を楽しみにしていた。しかし一方で不安も大いにあった。医療の専門的な話についていけるのかという、恐らくは会場の多くが持っていたであろう問題だ。この点について専門的な箇所もあったがスライドを含め辻氏は素人にもわかりやすく話されたと思う。とはいえ完全に門外漢の私がここで本講演について医療の観点から取り上げるのは読者にとっても恐ろしく退屈な、そして的外れで講演者の怒りを招くレビューになりかねない。したがってここでは違う面から辻氏の講演を論じたい。

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「人・本・旅」で総オタク化すれば、日本は変わる 出口治明さん

デグチphoto_instructor_939.jpg 何かに耽溺している人を見るのは楽しい。たとえ「好き」を追求するあまり、常軌を逸した世界にイってしまっていたとしても、熱情そのものに罪はなく、むしろ尊いのだ。
 そういう尖った熱情をもって何かに打ち込みすぎる人は、日本では長らく「オタク」「変態」と疎まれてきた。しかし、「オタクと変態を増やさなければ日本に未来はない」と本物のオタクであるこの人は喝破する。研究者でもないのに世界史の本を物すほどの歴史オタク(ご自身の言)で、万象にあかるい「歩く教養」のような人。本業は、今をときめくAPUの学長。超一級のビジネスマンとしても知られる、彼の人が言うのだ。

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人工生命研究からみる「わかり方」の未来 池上高志先生

池上photo_instructor_949.jpgルンバはなぜ生命にならないのか?
ルンバは自身でゴミやほこりを探知し、自動で掃除をしてくれる。だが、あくまでルンバは掃除機であり、私たちはそこに生命が宿っているとは考えていない。なぜルンバが生命にならないのかについて、池上高志先生は以下4つの仮説をあげる。

  1. コンピューターの計算速度が遅い(CPUの問題)
  2. パラメーターが正しくない
  3. モデルが簡単すぎる
  4. まだ発見されていない理論がある

池上先生は第4の新しい原理の発見のために人工生命(Artificial Life)の研究をしているという。

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ユーザーインで1兆円企業を狙う 大山晃弘さん×清水勝彦さん

大山晃弘.jpg

ウォルマート、BMW、プジョー、ディオール。これらの企業に共通することは何かーーそう、同族経営であることだ。
実は世界の企業の80~90%は同族経営だという。特に我が国においては国内法人企業約250万社のうち97%は同族経営だ。また、この約250万社のうち中小企業は全体の99.7%で、従業者数では66%を占めている。つまり日本の企業の大部分が「同族経営の中小企業」だと言える。

偉大なる中小企業

アイリスオーヤマは、そうした「同族経営の中小企業」の中でも自他ともに認めるトップクラスの有名企業だ。
「え?アイリスオーヤマが中小企業?」と疑問に思う向きも多いだろう。実際、グループ総売上高4900億円(2018年度予想値)、グループ総従業員数11,866名という陣容を見ると押しも押されもせぬ大企業に思えるが、会社法上の大会社の要件である「資本金5億円以上」「負債200億円以上」は満たしておらず、税法上も中小企業者に分類される会社なのである。

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あなた好みの健康法で 藤田紘一郎さん

フジタphoto_instructor_957.jpgなぜインドネシアのカリマンタン島の子供たちはアトピーにならないのか。それは腸内環境がアトピーを抑える性質を持っているからだ。洗濯もトイレもするような川で遊ぶ子供たちの腸には回虫がいた。人間の腸そのものに病気を予防する力はないが、その力を外部の細菌や回虫によって賄うことができるのである。

病気を治す医療の場合、救うことができた命の数が実績になって、積み重なる。しかし、東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生のご専門である予防学の場合、直接先生が救った命の数を的確に数えることは難しい。特別な条件を付けた実験とは違って、先生がおススメする予防対策と、実際に世界で病気にならなかった事例の因果関係を説明するのは難儀だ。しかし、限りある命を大切に最大限生きるという意味において、予防学と外科・内科的治療は同等に扱われるべきではないか。

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言葉のある世界を私はどう生きるか 穂村 弘さん

ホムラphoto_instructor_946.jpg田村隆一の『帰途』という詩に「言葉なんかおぼえるんじゃなかった」という一節がある。

「言葉のない世界 意味が意味にならない世界に生きてたら どんなによかったか」とあとに続く。

幸か不幸か私たちは言葉のある世界に生きている。言葉があるから思考し、何かを好きになったり、嫌いになったり、涙のなかに立ち止まったりする。そういう意味では、私たちの行動や思考は言葉に支配されている。
 
「妻、女房、嫁、家内・・・夫、旦那、亭主、パートナー・・・」
自分の妻や夫をどのような名称で呼んでいるかで、私たちはその人を判断すると穂村弘さんは言う。「うちの嫁が」と言った途端、「この人は『妻』でなく『女房』でもなく、『嫁』の人なんだ」と思う。このことはそれまで好きだった人をも、途端に嫌いにさせる。

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習近平政権の検証と権力政治 国分良成先生

コクブンphoto_instructor_961.jpg まだ社会の仕組みとは何なのか認知せず、将来その歯車を構成する要素になることすら意識もせず、日吉を歩いていた時分に、「権威」と「権力」の違いについて学んだ。なぜなのか不明だが、教授の顔も、教室の色合いも隣にどの友人が座っていたかまで、鮮明に記憶している。「権威」とは下位から上位へ向かう忠誠心や敬愛のことを指し、上にいる人物が強制的に従属させる力が発揮しているわけではないが、民衆のような下に位置する群衆が上に対して何か別の背景により忠誠するときに上が持ち合わせる力である。他方、「権力」は「権威」とは逆の方向を指し示す概念で、下の持つ従属心や反発心に寄らず、下が服従するために上が保持する力を言う。

中国政治の先行きは論理的展開を見せることはない。これまでも、現在も、この先もきっと権力闘争が政治の本質である。あぁ、諸行無常。中国の民主化を願う理念が、一部の既得権益層により破壊され打ち砕かれていく。権力闘争を通じて共和党組織・軍・公安・イデオロギーを掌握しない限り、権力者が本来持つ理念が躍動し始めることもない。それが中華人民共和国の政治の姿だ。防衛大学校長の国分良成先生が、中国の内政がいかに権力闘争に終始し、どのような構造を持っているかを教えてくださった。

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メディアで日本のアップデートを狙う 佐々木紀彦さん

ササキphoto_instructor_941.jpg往年の名画や名作ドラマには、記者たちが主要キャストでよく登場した。かのクラーク・ケントも新聞記者だ。正義感に燃える彼らは社会のヒーローだった。しかしいつの間にかそうした作品はあまり見かけなくなり、昨今新聞記者が話題になるのは"偏向"や"ねつ造"や"盗用"ばかり。ネット界隈では「マスゴミ」などと貶められる始末。かつて「社会の木鐸」を自認する誇り高き存在だったマスメディアは、いつからその権威を失ってしまったのか。

世界に後れを取る日本のメディア

「クイズです。世界最大発行部数の新聞は何でしょう?」

株式会社ニューズピックス取締役CCO・佐々木紀彦氏の講演は、会場への軽妙な問いかけから始まった。

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本間浩輔氏に聴く、「ヤフーの働き方改革」

本間photo_instructor_960.jpg「ヤフーの働き方改革」。演題は至ってシンプルだ。しかし、だからこそ、聴き手の心構えが問題となる。つまり「ヤフーだからできる」とみるのか、「ヤフーでもできる」と捉えるのか。あるいは「何をしているか」を書き取るのか、「なぜするのか」を考え抜くのか。

常務執行役員コーポレートグループ長である本間浩輔氏は、終始ニコニコしながら「ヤフーの考え方を押し付けるつもりはありません」と言う。言いながら、「ヤフーだから、IT業界だから、と言っているうちは、学びは深くなりませんよ」と釘を刺す。

ヤフーに学び、その裏側にある価値観や哲学を読み解きながら、いかに自社のこと、自分のこととして考えられるかで、この2時間の価値が決まりそうだ。本間氏が時折口の端に上らせた研究者らの言葉とも紐づけながら、概要を記してみよう。

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「高野山-場の記憶-」飛鷹全法さん

10/3photo_instructor_959.jpg現代において何かを神聖視する考え方は限られた場合であることが多い。うっかりすると「アブナイ人」とも言われかねない。それでも日本人の中には自然や宗教施設などを神聖視する考え方が根付いている。那智の滝でロッククライミングが行われた「事件」が数年前に報道された時に驚いた人は多いと思う。だから高野山を神聖な場所として考えることはできるが、それでも今回の演題「高野山という思想」を初めて見た時には高野山を思想としてとらえるということがよくわからず戸惑いを覚えた。何か奇を衒った表現のようにも感じた・・・いや、これも飛鷹全法氏の狙いなのか。大学院在学中のITベンチャー立ち上げ、その後は海外で伝統音楽の舞台制作や経産省の海外富裕層誘客事業(ラグジュアリートラベル)の検討委員を勤めるなどの略歴を見て、今風の派手な人なのかと少し構えてしまった。

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第25回1/29(火)相澤 孝夫先生

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今期最終回の1/29(火)は、社会医療法人財団 慈泉会 理事長で、相澤病院の最高経営責任者、相澤孝夫先生にご登壇いただきます。

相澤先生と病院のお名前を、"小平奈緒選手の金メダル"でお知りになった方、合わせてご記憶の方、多いのではないでしょうか。

2月の平昌オリンピック。日本選手の活躍とメダル獲得で日本中が沸きました。その一人、スピードスケート女子500メートルで金メダルを獲得した、小平奈緒選手を、職員として雇用し支援してこられました。

インタビューで相澤先生が、スポーツ選手だから特別なのではなく、役割を担う専門職の職員です、支援ではなく一人の職員を雇用するだけのことです、組織全体のパフォーマンスをマネジメントするのが経営トップの仕事です、といったお話をされていました。

これを読んで私は、小平選手の支援というエピソードにも、相澤先生の経営の考え方や姿勢が表れているなと感じました。

相澤病院は1908年に開院、110年の歴史をもつ病院です。
高度な専門性を有する組織と専門家集団であるゆえ特に難しいといわれる病院経営ですが、相澤先生はさまざまな施策や改革を実施し経営してこられました。2013年には甲信越地方初、国内6番目となる国際的な医療機能評価機関JCIの認証も取得されました。小平選手のエピソードから感じたように、相澤先生のお話には病院経営にとどまらず広く、私たちビジネスパーソンの組織マネジメントや改革へのヒントがあると思います。(湯川)

・相澤 孝夫
・社会医療法人財団 慈泉会 理事長 相澤病院 最高経営責任者
・演題:「相澤病院の経営改革」
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第24回 1/23(水)石山恒貴先生

nobutaka_ishiyama.jpg2019年1月23日(水)は法政大学大学院政策創造研究科 教授 石山恒貴先生のご登壇です。

人生100年時代と言われ生涯学習やリカレント教育の必要性が叫ばれているなか、会社等の枠を越境して学びの場を求める「越境的学習」が企業の人事部門からも注目されています。

従来の日本では、社会人の学びといえば、その主となるのはOJTや階層別研修などに代表されるOff-JTと呼ばれる企業内の学習でした。

もちろんこれからも企業内の学習は必要ですが、時代の不確実性、人材の多様化、流動性を考えると、企業外において多様で異質な人々が集まる場で学ぶことの重要性がより増しています。

石山先生は、企業の人事労務、人事総務部長を経験され研究者となられた方です。実務と理論双方を熟知したうえでのご研究は、私たち働く人の実情や想いが捉えられていて、説得力があります。

ピーター・ドラッガーが提唱した、現在の仕事以外の仕事を持つことや非営利活動に参加するなど、これからの社会での生き方のひとつとなるパラレル・キャリア。石山先生は、このパラレル・キャリア研究の日本における第一人者であり、先生のキャリアだからこそのご研究であること納得です。

働き方改革も相俟って、私たちの働き方は多様なものへと変化しつつあります。
そのなかにあって、どのようにして生涯に渡り学び、変化し続けるかは、企業にとって、ビジネスパーソン一人一人にとって大きな課題でしょう。

さまざまな学びの場を創る越境学習の担い手でもいらっしゃる石山先生より、越境学習の実践方法、さまざまな企業の取り組みなどの事例も織り交ぜ、不確実な時代における新しい学びについてお話しいただきます。(保谷)


・石山恒貴先生
・法政大学大学院政策創造研究科 教授
・演題:「越境学習のすすめ~不確実な時代の新しい学び~」

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第23回 1/17(木)小林慶一郎先生

keiichiro_kobayashi.jpg2019年1月17日(木)にご登壇いただくのは慶應義塾大学経済学部 教授 小林慶一郎先生です。

地球環境問題、人口減少、政府債務破綻の危機・・・など、私たち人間社会の持続性の問題は、考えるべき時間軸が長いため、市場の時間間隔では考えにくいとされています。

世代を超えた持続性に関する政策課題を解決し、将来世代に持続可能な自然環境と人間社会を引き継いでいくために、どのような社会制度をデザインするべきか、この問いを追求するのが「フューチャー・デザイン」という研究のムーブメントです。

2012年に大阪大学の研究者たちを中心に開始され、現在は経済学、心理学、倫理学、神経科学などの研究者を巻き込み、学際的な広がりを見せ、小林先生は経済学の観点よりフューチャー・デザイン研究に携わっていらっしゃいます。

「今の利益がたとえ減るとしても、これが将来世代を豊かにするのなら、この意思決定・行動そのものが社会を、人をより幸福にする」という"将来への愛"はどのようにして生まれるのでしょうか。

私たちは、現在が過去の歴史とつながっていると実感したとき、この世界を次世代にどう引き継いでいくのか、考えると言われます。

日本の財政問題を軸に、フューチャー・デザインの考え方より、過去から現在そして将来へと世代間継承の視点より時間軸を長く捉え、将来世代の利益について考えていきたいと思います。(保谷)

・小林慶一郎先生
・慶應義塾大学経済学部 教授
・演題:「財政危機と日本経済~将来世代の利益をどう守るか~」

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第22回 1/11(金)藤原和博さん

kazuhiro_hujihara.jpg2019年を迎えての1回目、第22回は、藤原和博さんにご登壇いただきます。

藤原和博さん。常に革新をおこし、実績を出し、メッセージを発信されています。夕学五十講にもこれまで5回ご登壇いただきましたが、いつも新しいお話でした。そして毎回変わらないのは、明るく前向きで、具体的で実践的なメッセージと姿勢に、元気とやる気をいただくこと。

戦略的「モードチェンジ」。今回はずばり、これがテーマです。

夕学五十講に初登壇いただいたのは2003年前期。リクルートのトップセールスや新規事業部長をへて、年俸制のフェロー制度をつくり、その一号になられた藤原さんが、示し実行されたのは、「会社と個人の新しい関係、新しい働き方」でした。当時インパクトの大きかった藤原さんの働き方や存在、時代の先駆者であったことに振り返り気づきます。

2回目は2005年後期。東京都初の民間人校長として杉並区立和田中学校長に就任し、教育改革に取り組まれている最中でした。よのなか科や寺子屋などの取り組みは大きく話題を生み、教育現場の革新の機動力となりました。

前回2014年後期は「正解のない問いに向き合う力」と題して、情報編集力やつなげる力についてたっぷり語っていただきました。具体的な思考法は生き方にもつながります、今回のテーマに発展します。どんなお話が伺えるのか、楽しみです。(湯川)

・藤原 和博
・教育改革実践家
・演題:「戦略的「モードチェンジ」のすすめ」
講師プロフィールはこちら
前回の夕学リフレクション「成熟社会を生き抜く力

第21回 12/25(火)小野雅裕さん

masahiro_ono.jpg12/25(火)はアメリカ航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所 Research Technologist 小野雅裕さんにご登壇いただきます。

物心ついた時から、宇宙に心惹かれ、アポロやボイジャーのような宇宙船をつくるのが夢だったという小野さん。

2013年31歳の若さで、アメリカ航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)で研究員として勤務を開始されました。

ジェット推進研究所はNASAの無人探査機等の研究開発および運用に携わる研究所。

小野さんは、火星探査計画で活躍する若き日本人として八面六臂の活躍をされ、現在は2020年打ち上げ予定のNASA火星探査計画『マーズ 2020 ローバー』の自動運転や木星衛星『エウロパ』着陸機の自立化ソフトウェアの開発に携わる他、将来の探査機の自立化に向けた様々な研究を行っていらっしゃいます。

小野さんは読書好きでも知られており、理系の道を進みながらも純文学を愛し、著書 短編小説『天梯』(緒野雅裕名義)は第24回織田作之助賞・青春賞まで受賞されているから驚きです。

私たちは時に科学技術によって万能の神に成り上がったかのように振舞ってしまう愚かさを持ち合わせていますが、広大な宇宙のスケールにおいて、人類の文明はまだ赤子でしかない、人は宇宙の前に謙虚にならざるを得ないと小野さんはおっしゃいます。

常に宇宙という無限なる世界を前に研究を続けている小野さんにとって、宇宙開発とはどのようなものなのでしょうか。

宇宙開発の最先端についてお伺いするとともに、この先の宇宙への旅路について教えて頂きます。

プロフィールには「ミーちゃんのパパ。阪神ファン。好物はたくあんだったが、塩分を控えるために現在節制中。」の一文。
ご経歴からは思いもつかないチャーミングなお人柄にお目にかかれることも楽しみです。(保谷)

・小野雅裕さん
・アメリカ航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所 Research Technologist
・演題:「宇宙開発&ビジネスの来し方と行く末」

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第20回 12/12(水)千宗屋さん

souoku_sen.jpg12/12(水)は武者小路千家家元後嗣、千宗屋さんにご登壇いただきます。

千利休に始まる茶の湯 三千家のひとつ、武者小路千家。千宗屋さんはその十五代、次期お家元として2003年、後嗣号「宗屋」を襲名されました。また、同年、大徳寺にて得度、「隨縁斎」の斎号も受けられました。以来さまざまなお家元行事に携わられると同時に、ご自身の審美眼と感性をもって、茶の湯と日本文化にかかわるさまざま活動と発信を精力的に取り組まれています。

現代アートの芸術家や建築家など、他分野とのコラボレーションにも取り組まれており、国内外で注目されています。研究の専門は中世日本絵画史。大学でも教鞭をとられます。

茶の湯というと、日本の伝統文化の象徴的存在で、作法や決まりにしばられた堅苦しい世界と思われがちです。しかし千さんの活動やメッセージを拝見していると、私たちがそう思い込んでいるだけなのではないか、と気づかされます。

伝統とは「不滅の法燈」です。
火が途絶えることのないよう灯し続けるためには常に油を注ぎ足す必要がある。

千さんの言葉です、そしてご自身まさにそのための茶の湯をなさっている方。
お茶や日本の伝統文化に親しまれている方はもちろん、お茶に興味はあるけれども触れたことのない方、どちらかというと苦手をお感じの方、日本人として接してはみたい方、そんな皆さんにこそおすすめで、ぜひご一緒したい講演です。皆さんで、茶の湯と日本文化を身近に引き寄せ、感じてみることができたらと思っています。(湯川)

・千宗屋さん
・武者小路千家家元後嗣
・演題:「茶の湯のかたちに見る、日本の美と心」
講師プロフィールはこちらです

『婦人画報』10月号(最新号)にもご登場です。

第19回 12/11(火)國分功一郎先生

kouichiro_kokubun.jpg12/11(火)ご登壇頂くのは東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 教授 國分功一郎先生です。

「中動態」と聞いて、ピンとくる方はそう多くはないでしょう。

私たちが日常で用いているのは能動態と受動態。それは「~する」と「~される」の世界であり、「中動態」とはそれらの外側の世界であると國分先生はおっしゃいます。

「能動態(~する)」「受動態(~される)」でもない状態とはどのようなものであり、どう表現されるのでしょうか。

自傷患者は言った。「切ったのか、切らされたのかわからない。気づいたら切れていた。」

―当事者の切実な思いはなぜうまく語れないのか?語る言葉がないのか?それ以前に、私たちの思考を条件付けている「文法」の問題なのか?

僕は実際に"近代的意志"の存在を前提とした"常識"が人間に明確な害を及ぼしている現場に遭遇した。依存症の方々は、意志が弱い、と周囲から思われ、自分を責め続けています

國分功一郎著『中動態の世界─意志と責任の考古学』より


國分先生のご専門はフランス哲学。
特にご関心をお持ちなのが、デカルト、スピノザ、ライプニッツら17世紀のヨーロッパの哲学者、ジル・ドゥルーズ、ミシェル・フーコー、ジャック・デリダら20世紀のフランスの哲学者・・・とあると素人は面喰ってしまいますが、当日は哲学の知識がない方にもわかりやすくお話し頂けるとのことですので、心配ご無用です。

哲学研究の世界では、ここ100年ほど、自発性、主体性といった人間の「意志」の存在が疑われていると言います。

今回のお話では、私たちが当然のものとして、普段何気なく使っている「意志」という言葉を疑ってみることが目標とのこと。

「~する」と「~される」の外側にはどんな世界が広がっているのでしょうか。
國分先生と一緒に中動態の世界へと出かけてみましょう。(保谷)


・國分功一郎先生
・東京工業大学リベラルアーツ研究 教育院 教授
・演題:「「する」と「される」の外側~中動態の世界」

講師プロフィールはこちらです。

第18回 12/7(金)若宮正子さん

masako_wakamiya.jpg

第18回 12/7(金)は若宮正子さん。
若宮さんは1935年生まれの83歳、"世界で最も有名なプログラマー"です。

2017年6月のWWDC(ワールドワイド デベロッパーズ カンファレンス)の基調講演で「最年長開発者」として紹介されたことで一躍有名となりました。

赤をお召しでとてもチャーミングなプロフィール写真。どんな方なのかしら、とほかも見てみましたらピンクに赤、黄といつもカラフルで、ショートカットに笑顔。これだけでもお会いしてみたくなります。

総務省の調査によると(2016年)、80歳代はスマートフォン保有率が3.3%。インターネットやSNSはというと調査結果は60代までしかありません。そんななかで若宮さんは、銀行勤務の"定年後"にパソコンを独自に習得、そこからさらにiPhoneアプリの開発をされるまでに。このチャレンジ、進化、行動力、すごい方です。現在ではシニア世代への普及活動にも尽力されています。

そんな若宮さんに
「人生に「もう遅い」はない」
と言われるとこれほどの説得力はありませんが、その言葉には厳しさというより、あたたかで前向きなものを感じます。皆さんで若宮さんにお会いしましょう、人生100年時代のすてきな先輩にお会いしましょう、お話にじっくり耳を傾けてみましょう。(湯川)

・若宮正子さん
・デジタル・クリエイター
・演題:「人生に「もう遅い」はない~世界で最も有名な83歳のプログラマー~」
講師プロフィールはこちらです。


第17回 12/4(火)藤平信一さん

shinichi_tohei.jpg12/4(火)は心身統一合氣道会 会長、慶應義塾大学體育會合氣道部師範・特選塾員 藤平信一さんのご登壇です。

心身統一合氣道とは、積極的で、リラックスした心身の状態を会得できる武道。

攻撃が目的ではなく、相手をコントロールするのでもなく、自分の持っている力を発揮し、相手と争わずに調和を図り、自然体で生きる方法を学ぶとあります。

藤平信一さんは、心身統一合氣道の宗主である父 藤平光一さんの継承者として、幼少期より心身統一合氣道を心得、現在は、師範としてのみならず一般にも広く心身統一合氣道を指導、普及していらっしゃいます。

心身統一合氣道の根幹は「自然な姿勢」「自然な呼吸」であり、人間が持っている力を発揮するためにあるそうです。古くは長嶋茂雄、王貞治といった名選手から、いまでは大リーグの選手たちも心身統一合氣道に基づいた「氣」を学んでいるとのこと。
アスリートやアーティストのみならず、私たちビジネスパーソンにも欠かすことのできないものであることは言うまでもありません。

講演当日は、藤平さんに模範演技を披露頂くとともに、会場にはインストラクターの方もいらして、参加者皆さんとともに体験しながら心身統一合氣道を入門頂きます。

日頃の姿勢、呼吸のあり方を点検するとともに、自らが持っている力に気づく機会として、心身統一合氣道の体験を楽しみたいと思います。(保谷)

・藤平信一(とうへい しんいち)さん
・心身統一合氣道会 会長
 慶應義塾大学體育會合氣道部師範・特選塾員
・演題:「持っている力を最大限に発揮する」

講師プロフィールはこちらです。

藤平信一ブログ  

第16回 11/28(水)安田秀一さん

syuichi_yasuda.jpg第16回11/28 (水)は、株式会社ドーム 代表取締役CEO 安田 秀一さんです。

アンダーアーマー。
名前を聞いて、またはロゴを見て、あああの、と思われる方、多いのではないでしょうか。米国の東海岸ボルチモア拠点のスポーツ用品メーカー、アンダーアーマーを日本でこれほど有名に、人気に、したのが安田さんが創業し代表を務める、株式会社ドームです。

ところで、いま日本のスポーツ界では、さまざま倫理道徳的な問題が連続しています。日本のスポーツ界は「体質が古い」とよく言われますが、問題がようやく表面化してきたいま、遅れをとりながらもまさに、変わろうとしている、といえるのでしょう。早くに危機感を感じ、変革への動きをリードされているのもまた、安田さんです。

安田さんはご自身フットボーラーです。高校、大学時代と選手およびアメフト部キャプテンとして活躍。常勝だった日大を破り、全日本選抜チームの主将も務められたほど。これがどれほどすごいことか、私も大学時代体育会系でしたのでよくわかります。

大学卒業後、三菱商事に入社するも4年後に退社し、大学時代のアメフト仲間と共に、株式会社ドームを創業。「アンダーアーマー」との日本における総代理店契約を結びます。その提携も、現在の成功も、ご自身が選手・ユーザー・顧客として製品のことをよくわかっていてこそ。

この精神は、今回の演題でもあるスポーツ界の改革にも通じます。フットボーラーと経営者、双方の濃く熱い経験と思いあっての行動力、変革です。
オリンピックを控え、社会変革を迫られている日本において、私たち誰もにかかわるテーマだと思います。安田さんの思い、取り組みの軌跡、日本のスポーツ界の問題とこれからの姿、じっくり伺いたいと思います。(湯川)

・安田 秀一(やすだ しゅういち)
・株式会社ドーム 代表取締役CEO
 法政大学アメリカンフットボール部 前総監督
・演題:「スポーツを通じて豊かな社会を」
講師プロフィールはこちら
株式会社ドーム

第15回 11/27(火)吉田ちかさん

chika_yoshida.jpg11/27(火)はYouTube Creator 吉田ちかさんにご登壇いただきます。

皆さんは、「バイリンガール英会話」という吉田さん制作のYouTubeチャンネルをご存知でしょうか。

YouTubeチャンネル  バイリンガール英会話

「英語でホテルのルームサービスを注文!」や「海外でのスリ対策」といった海外旅行の際に知っておくと便利なことや、「英語の発音が違いすぎる企業名」「英語で意外に紹介しにくい日本食」など外国人観光客とのコミュニケーションにも役立ちそうな事柄、さらにはご自身の出産、子育てといったライフスタイルを紹介する映像まで・・・、"英語"をキーワードに豊富な動画がアップされています。

バラエティー番組のような仕立てにて次から次へと見始めたら止まらなくなってしまう面白さ、なかには視聴回数100万回を越えている動画も多くあり、大人気のチャンネルです。

吉田さんがYouTubeで英会話チャンネルを立ち上げたのは2011年。
グローバルなビジネス環境にも関わらず、英語に苦手意識を抱いている日本人が多いことに気づいたのがきっかけでした。

当時はまだ「ユーチューバー」なんて言葉もなかった時代。最初は、友人に向けた英語のレッスン動画を制作し、当時勤めていたコンサルティング会社も辞めてのビジネスは、傍から見たら「大丈夫?」と思われる決断であったと、当時のことを振り返っていらっしゃいます。

今では誰かの役に立っていることがとても嬉しいとおっしゃる吉田さん。
吉田さんのチャンネルには、日本にいる方々だけでなく、海外で頑張っている学生や活躍している方々、日本の生活を知りたい海外のファンが多いのも特徴です。

SNSの発展によって、誰もが簡単に世界中に発信することが可能になっているいま。

YouTubeを通して人とつながるということ、動画という形で経験をシェアすることが役に立つとはどういうことなのでしょうか。YouTube Creatorとしての吉田さんのご経験を通して、日本のグローバル化、これからのビジョンについてお話し頂きます。(保谷)

・吉田ちかさん
・YouTube Creator
・演題:「好きなことでヒトの役に立てる時代」

講師プロフィールはこちらです。

YouTubeチャンネル「Chika's Japanagos Channel
YouTubeチャンネル「バイリンガール英会話

第14回 11/22(木)前田裕二さん

yuji_maeda.jpg第14回11/22(木)は、SHOWROOM株式会社 代表取締役社長 前田裕二さんにご講演いただきます。

SHOWROOMは「誰もがスターになれる仮想ライブ空間」。前田さんはそんな革新的なビジネスを率いる、1987年生まれの若き現代の経営者です。

ウェブサイトの企業情報に「社長メッセージ」が載っています。
インドを旅した寝台列車、そこで感じたこと思ったこと、エピソードに始まり、思いやミッション、ビジネスが語られています。

「エンターテイメントを武器に、地球上の機会格差を無くす」「仕組みや構造を作っている側にこそ責任があり、だからこそ、我々には、構造自体を変革する能力が備わっているはずです。」「共感経済圏をつくる」

スタイル、テイスト、メッセージ。新しい時代の新しい経営者、新しいビジネスモデルを感じます。

前田さんは大学卒業後、USB証券に入社、NYでのセールス/アドバイザリー業務を経て株式会社ディー・エヌ・エーへ、
SHOWROOMを立ち上げた後、事業をスピンオフ、会社設立。このキャリア、それもこれが8年の間、というのですからのスピード感とスケールにも驚きます。

アイデアがよいだけでは、またインターネットと掛け算するだけでは、ビジネスが成功するわけでもましてや変革につながるわけでもありません。ビジネスモデル次第、メッセージング次第、経営次第。それをまさに実現されている現代の経営者 前野裕二さんから今回、直にお話を伺う機会が実現しました。皆さんとじっくりお話をお伺いいたしましょう。(湯川)

・前田 裕二(まえだ ゆうじ)
・SHOWROOM株式会社 代表取締役社長
・演題:「SHOWROOMが創る共感経済圏」
講師プロフィールはこちら

第13回 11/21(水)平野早矢香さん

sayaka_hirano.jpg11/21(水)ご登壇頂くのはロンドンオリンピック卓球女子銀メダリスト 平野早矢香さんです。

2012年ロンドンオリンピックは日本卓球界の歴史を塗り替えた記念すべき大会となりました。福原愛選手、石川佳純選手、そして平野早矢香選手が団体戦にて銀メダルを獲得し、男女を通じて日本卓球史上初の五輪メダリストとなったのです。

その時の映像はこちら。
 準決勝、シンガポール対日本のハイライト映像

 決勝、中国対日本のハイライト映像

お互いに声を掛け合い鼓舞している可憐な姿とともに、一球一球に闘志を込め、打ち返し続ける力強い3人の選手の様子に、私たちも限りない声援を送りました。

3人のなかでも"卓球の鬼"と称される平野選手、彼女なくしてメダル獲得はあり得なかったとまで言わるほどです。

しかし、その陰には、不調に悩み、迷い、いくつもの壁を乗り越えたという現役選手ならではの辛さがあったとおっしゃいます。

いかにメンタルを鍛え、2度のオリンピック、全日本選手権など数々の大舞台で結果を残してきたのか。

現在は現役を引退し、卓球クラブアドバイザーとともに、朝の情報番組のコメンテーターとして溌溂とした解説など、多彩な活躍をされている平野さん。

今だからこそ現役時代を振り返り、卓球経験を通じて得たメンタルの鍛え方、成長する喜びをお話し頂きます。私たちビジネスパーソンにとっても自身との向き合い方に大きなヒントを頂けることでしょう。(保谷)

・平野早矢香さん
・ロンドンオリンピック卓球女子銀メダリスト
・演題:「昨日の自分より一歩前へ~卓球から学んだ挑戦することの大切さ~」

講師プロフィールはこちらです。

平野早矢香オフィシャルブログ
 

第12回 11/15(木)林千晶さん

chiaki_hayashi.jpg11/15(木)は株式会社ロフトワーク 代表取締役 林千晶さんにご登壇頂きます。

林さんのプロフィールには、Webデザイン、ビジネスデザイン、コミュニティデザイン、空間デザイン・・・と"デザイン"という言葉が並びます。

林さんが主宰するロフトワークでは経営から子ども向け工作イベントまで、多種多彩なテーマでビジネス、イベントが進行しています。手がけるプロジェクトは年間200件を超え、それらは1つの領域、視点に留まりません。

潜在顧客の声からデザインした 新しい融資のカタチ
 
先端技術×農業。静岡県のイノベーションへのアプローチ

日本語はいかにして「デザイン」されてきたのか?言語という「型」の可能性

それは、林さんがモットーとする「人と人をつないで化学反応を起こす」が礎となり、人と人、才能と技術、問題とソリューション等々・・・、さまざまな要素をつなぎ化学反応が起こっているのです。

"デザイン思考"が日本でもさまざまな分野、業界で注目され拡がりつつある昨今。
デザインとは、あらゆるモノ、コト、ヒトを繋げ関係性のあり方を問い続けることに他ありません。

林さんが大切にされていること、想い描く世界、未来についてお伺いすることで、これからの時代の関係性のあり方はどのように変化していくのか考えてみたいと思います。(保谷)

・林千晶さん
・株式会社ロフトワーク代表取締役
・演題:「人と人をつないで化学反応を起こす」

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第11回 11/13(火)白坂亜紀さん

aki_shirasaka.jpg11/13(火)は銀座 クラブ稲葉 オーナーママ 白坂亜紀さんにご登壇いただきます。

早稲田大学在学中に女子大生ママとなり、銀座に4店舗を経営する銀座カリスマ・ママと聞いて、どんなゴージャスな方かしら・・・と恐る恐る白坂さんのお写真を拝見すると
化粧も控えめの清楚でおしとやか、お着物にて銀座ママらしさはあるものの、スーツでもお召しになっていれば、丸の内を闊歩するビジネスパーソンと言われても納得するお姿です。

銀座のクラブなんて簡単に出入りできない私たちからすると、夜の銀座には、きらびやか、華やか、高級感・・・といったイメージが浮かんできます。

しかし、白坂さんは、夜の銀座で働くということは、一般的にイメージする華麗さの奥に、「粋、痩せ我慢、見返りを求めない」といった、私たちの多くがいつの間にか忘れ去っている日本人の精神が引き継がれている世界でもある、とおっしゃいます。

それは、一流の男性を相手にする女性として、本物のおもてなし力、品性、人心掌握力、さらにビジネス力を極めるプロフェッショナルであるが故の真摯に仕事に向き合う姿勢そのものが為せることなのでしょう。

プロフェッショナルとして仕事に向き合うお姿、さらには銀座からみえる日本人の素晴らしさ、約20年もの間、銀座のママとして第一線を進んでいらっしゃるからこその豊富なエピソードとともに、語りつくして頂きます。(保谷)

・白坂亜紀さん
・銀座 クラブ稲葉 オーナーママ
・演題:「銀座ママに学ぶ経営力、人間力」

講師プロフィールはこちらです。

銀座 クラブ稲葉 白坂亜紀 ブログ


第10回 11/7(水)辻孝先生

takashi_tuji.jpg11/7(水)にご登壇頂くのは、理化学研究所 生命機能科学研究センター 器官誘導研究チーム チームリーダー 辻孝先生です。

人類から「ハゲ」に悩む人がいなくなる日がやってくる!!・・・この朗報を待ち望む方も多いことでしょう。

辻先生の研究は再生医療、特に「歯」や「毛髪」の再生を中心に研究開発を進めていらっしゃいます。

その背景にあるのは、未来の健康社会の創造を目指したウェルネスイノベーションの考え方であり、高齢化先進国である日本にとって大きな課題ともなっています。

辻先生の考えるウェルネスイノベーションは、単に国民の生活や質の向上(QOL)につなげるばかりでなく、高付加価値型の産業として、日本の産業振興に役割を果たすことも大きな目的。

その1つとして捉えているのが、21世紀型医療である再生医療です。高齢化に伴い歯の再生や毛髪の復活を望んでいる人が数多くいることにより、ビジネスとしてのチャンスがあり企業が注目することをもふまえ、研究の糸口とされているのです。

先生方研究チームの展望は、歯や毛髪の再生に留まることなく、次世代再生医療である器官・臓器の再生医療をも見据えていらっしゃいます。

再生医療の最前線はいまどのようになっており、それは私たちの未来の健康社会にいかに繋がっているのでしょうか。再生医療 第一人者でいらっしゃる辻先生のお話、楽しみです。(保谷)

・辻 孝(つじ たかし)先生
・理化学研究所 生命機能科学研究センター 器官誘導研究チーム チームリーダー
・演題:「未来の健康社会の創造を目指したウェルネスイノベーション~歯や毛髪の再生医療の最前線~」

講師プロフィールはこちらです。

第9回 11/6(火)池上高志先生

takashi_ikegami.jpg第9回11/6(火)は、東京大学大学院総合文化研究科・広域科学専攻 教授 池上高志先生にご登壇いただきます。

生命とは何か。
池上先生の問いかけはそこから始まり、生命も科学反応である、そうであればシミュレーションできる、とロボットやコンピュータシミュレーションのアプローチから、人工生命を研究されています。

夕学五十講でもここ数年、AIや生命科学を研究テーマとされている先生方に講師としてご登壇いただいてきました。その一連の講演を振り返り改めて驚くのは、どの講演もその分野に初心者である私にもとてもわかりやすく、興味深くわくわくしたこと。そしてもうひとつ、つい少し前までSFやファンタジーだと思っていた世界が、近い未来として現実に迫っている、という感覚でした。池上先生はまさにその最先端の研究をなさっている先生。その思いから講演が実現しました。

生命の新しいかたち。
機械が生命性をもつ。
人間と機械のあいだ。

池上先生が用いられる言葉に、ドキリ、としました。そして好奇心が動き出します。皆さんとじっくり人工生命研究の最先端、お伺いしたいと思います。(湯川)

・池上高志(いけがみ たかし)
・東京大学大学院総合文化研究科・広域科学専攻 教授
・演題:「人工生命研究からみる未来のかたち」
講師プロフィールはこちら

第8回 10/31(水)出口治明さん

haruaki_deguchi.jpg10/31(水)は立命館アジア太平洋大学(APU)学長 出口治明さんにご登壇頂きます。

出口さんに以前ご登壇いただいたのは2012年。
当時はライフネット生命保険(株) 代表取締役社長にて、「道場破りを受け入れる気概を持て!」と題し、起業に纏わるお話と経営についての考えや方針について経営者として熱く語っていただきました。

2012年10月16日講演
楽屋blog 企業のマニュフェスト 出口治明さん

経営者として、企業の理念、哲学を創りあげ、先導するうえでも、その指針となっているのは出口さんご自身の豊かな教養であり、これまでの人類の歴史、政治・経済的背景を熟知されているからこその意思決定でいらっしゃること、当時の講演でも言葉の端々より伺い知ることができました。

この1月より立命館アジア太平洋大学学長に就任され、大分県別府の地で、世界中の国・地域から約3,000人の国際学生が集うスーパーグローバル大学のトップとして、教育に励んでいらっしゃいます。

経営においても、教育においても出口さんの主張にぶれはありません。

日本のありのままの姿をきちんと「知る」ことから明るい未来がはじまります。 過去という時間軸・歴史軸「タテ軸」と現状の世界という空間軸・世界軸「ヨコ軸」に 具体的なデータ「数字」を使って伝えることが大切です。

出口さんの深い教養は何処から、そしてそれをいかに学び、ご自身の世界観を構築していらっしゃるのでしょうか。出口さんが考えるこれからの「学び」とはどのようなあり方なのでしょうか。

今回は、私たちがより豊かな人生を築くための「これからの『学び』」についてたっぷりお話しいただきます。(保谷)

・出口 治明さん
・立命館アジア太平洋大学(APU)学長
・演題:「これからの『学び』」

講師プロフィールはこちらです。

第7回 10/30(火)大山晃弘さん&清水勝彦先生

akihiro_oyama.jpgkatsuhiko_shimizu.jpg10/30(火)はアイリスオーヤマ株式会社 代表取締役社長 大山晃弘さん、慶應義塾大学大学院経営管理研究科 教授 清水勝彦先生のご登壇です。

紙の猫砂(トイレに流せる!)、取っ手の取れるフライパン6点セット(某ブランドより断然安い!)、ふとん乾燥機(靴まで乾かせる!)・・・アイリスオーヤマの商品は私たち消費者の心くすぐる目の行き届いたものばかりが並びます。

それは、メーカー機能と問屋機能をあわせ持つ独自の「メーカーベンダー」という業態より成り立っています。
生活者の声がダイレクトにフィードバックされ、生活者ニーズに対応したオンリーワン商品のスピーディな開発。さまざまな素材の製品を世界各地から生産・調達するシステム。
さらに、魅力的な売り場づくりや販売促進のサポート・・・と、これまでの「業種」発想から「業態」視点へとビジネスモデルを変貌させたことにあり、そこには経営における大きな意思決定が存在します。

プラスチック下請け企業からいかにビジネスモデルを変遷させ現在の業態があるのか、その背景には社内にどのようなコミュニケーションがあったのか、大山社長よりお話しいただきます。

対談では、組織変革、戦略実行をご専門とする清水先生より、アイリスオーヤマの企業コンセプト「ユーザーイン」経営を切り口に深堀りいただきます。

日本企業ならではの成長戦略に向けたソリューションについて、お二方のお話しより見出していきたいと思います。(保谷)


・大山晃弘さん
・アイリスオーヤマ株式会社 代表取締役社長
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・清水勝彦先生
・慶應義塾大学大学院経営管理研究科 教授
講師プロフィールはこちらです。

・演題:「ユーザーイン経営とジャパンソリューション」

第6回 10/19(金)藤田紘一郎先生

koichiro_fujita.jpg第6回 10/19(金)は東京医科歯科大学名誉教授 藤田紘一郎先生にご登壇いただきます。

「腸内フローラカレーをつくりました」「腸内細菌の本を読んでいるよ」
つい最近、友人のSNSで見かけました。それほどに腸や腸内細菌は話題。身近なところでも関心が高まっているんだな、と感じます。

藤田先生のご専門は、寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。長きにわたり研究を積み重ねてこられました。腸内細菌、腸内環境、免疫力...これらが身近になったことにも、大きく貢献されていらっしゃいますし、サナダムシ「きよみちゃん」を15年間、ご自身の腸内で共生させていたこと、でも話題となりました。

ではなぜこれほどまでに免疫や腸内細菌への関心が高まっているのでしょうか?
いかに腸内細菌は人間の体のなかで大事な働きをしているか。なぜアレルギーやうつといった現代特有の体調不良や病気が起きているのか。藤田先生は著書やインタビュー、さまざまなメディアと切り口で、解説してくださっています。

今回はたっぷりと1時間半ご講演いただきます。
好奇心からもわくわくしますし、心も体も元気になる、健康に長生きする、よいヒントやアイデアがありそうで楽しみです。(湯川)

・藤田 紘一郎(ふじた こういちろう)
 東京医科歯科大学名誉教授
・演題:「腸内細菌とともに生きる ~腸内細菌を大切にすると心身体も元気になる~」
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第5回 10/18(木)穂村弘さん

hiroshi_homura.jpg10/18(木)は歌人 穂村 弘さんにご登壇いただきます。

  体温計くわえて窓を額につけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ

  サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい

穂村さんの短歌からは、いつもその「時代」「時間」が浮かび上がってきます。
それは、穂村さんが選歌される作品も同じです。

現代の人気歌人として短歌の魅力を幅広い世代に広めるとともに、エッセイ、評論、翻訳、絵本など短歌に限らない分野でも活躍している穂村さん。

穂村さんの手にかかると、目の前にあるたった三十一文字が限りない世界へと広がってくるから不思議です。そこには、今とはどういう時代なのか、社会なのか、考えを巡らせ、読み解こうとする自分が存在します。

SNSが盛んになり、誰もが自分の日常を、日記や写真、さらには動画で簡単に発信することのできるいま。だからこそ限られた三十一文字の持つパワーは、私たちの想像を拡げるのかもしれません。

短歌の面白さと同時に、その背後にある世界の面白さを感じながら、いまという「生の時間」を穂村さんのお話より味わうこと、楽しみにしています。(保谷)


・穂村 弘さん
・歌人
・演題:「世界と<私>の関係を言葉にする」

講師プロフィールはこちらです。

第4回 10/12(金)国分良成先生

ryosei_kokubun.jpg第4回 10/12(金)は防衛大学校長 国分良成先生にご登壇いただきます。

国分先生は現代中国研究の第一人者でいらっしゃいます。慶應義塾大学にて長きにわたり教鞭をとられ法学部長まで勤められた国分先生が、その退任と同時に防衛大学校長に就任されたときには、日中の緊張関係を反映しているように感じたことを覚えています。

夕学五十講にもこれまで3度、ご登壇いただいてきました。前回のご登壇は2013年。5年に一度のご登壇でそれは、5年に一度、中国の国家最高意思決定機関と言える「全国人民代表大会」が開かれるタイミングがあってのことでもあります。

中国の権力構造と国家意思が変わるタイミングで、第一人者の国分先生に解説をしていただこうという狙いです。

と以前このリフレクションでご紹介していますがさて、前回から5年、習近平主席体制は二期目に入り、世界情勢やそのなかでの中国のあり方も変化しています。中国は、習近平主席体制は、その内実はどのようでしょうか、そしてこれからどうなっていくのでしょうか。国分先生より現状と内実をじっくり伺い勉強したいと思います。(湯川)

・国分 良成さん
・防衛大学校長株
・演題:「中国・習近平体制の検証-内政・外交-」
講師プロフィールはこちら
前回2013年6月ご登壇時の夕学リフレクション「中国はいま 国分良成さん」はこちらです。

第3回 10/9(火)佐々木紀彦さん

norihiko_sasaki.jpg第3回 10/9(火)は株式会社ニューズピックス 取締役CCO NewsPicks Studios CEO 佐々木紀彦さんにご登壇いただきます。

佐々木さんのお名前やご活躍を、『東洋経済オンライン』編集長のころからご存じの方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

東洋経済で記者として活躍、2012年に『東洋経済オンライン』編集長に就任、と同時に、サイトの大幅なリニュアルをおこない、アクセス数を急速に伸ばし、ウェブメディアのビジネス誌でトップに。佐々木さんはネット時代の若き敏腕編集長として、注目され話題となりました。

さらに、同サイトがまだまだ躍進を続けるうちに、経済ニュース共有アプリ『News Picks』へ移籍、現在に至ります。従来型の紙媒体のメディアの延長、進化ではない、新しいウェブニュースメディアを創出し続けている佐々木さん。そんな佐々木さんとNewsPicksが向かっている、創っていくメディアの未来。それは私たちをとりまく情報や社会の未来でもあります。じっくり伺いたいと思います。(湯川)

・佐々木紀彦さん
・株式会社ニューズピックス 取締役CCO NewsPicks Studios CEO
・演題:「メディアの未来とNewsPicksの未来」
講師プロフィールはこちらです。

第2回 10/5(金)本間浩輔さん

kousuke_honma.jpg10/5(金)はヤフー株式会社 常務執行役員・コーポレートグループ長 本間浩輔さんのご登壇です。

本間さんに初めてお目にかかったのは約10年前。本間さんが前職にいらした際に慶應MCCの人事・キャリア系プログラムにご参加いただいたことがきっかけです。
今から思えば、当時の本間さんはその後に続くキャリア、立場を見据え、必要と思われる分野についてさまざまな理論を学び、最新の考え方をインプットされ、備えていらしたことが伺われます。

その後のヤフーの躍進、本間さんのご活躍は皆さんもご存知の通り。
2012年の爆速経営と言われるヤフー経営改革以来、「社員の才能と情熱を解き放つ」という人事スローガンのもと、他社に先んじて 経営に資する人事としての様々な人事制度、施策の取り組みをされています。

いまや多くの企業で取り組んでいる上司と部下のコミュニケーションに欠かすことのできない「1on1ミーティング」など、本間さんのアイデアのもと、ヤフーで取り組まれたのが最初です。

すべての制度、施策には、人事の哲学やwhyがあると本間さんはおっしゃいます。

多くの企業で経営戦略の1つとして謳われる「働き方改革」において、他社のマネや横並び意識で取り組み、成果を得ることは困難です。

自社における人事の哲学や考え方と照らし合わせながら本間さんのお話を伺うことで、より実りある機会として頂けることと思います。(保谷)

・本間 浩輔さん
・ヤフー株式会社 常務執行役員・コーポレートグループ長
・演題:「ヤフーの働き方改革」

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2018年度後期スタート 第1回 10/3(水)飛鷹全法さん

慶應MCC『夕学五十講』2018年度後期がはじまります。
司会担当の湯川、保谷が本日より各回の講師紹介をいたします。

今期も多彩な講師陣による『夕学五十講』。講演が一段と待ち遠しくなる各講師のエピソードなど、日めくりでお送りする講師紹介もどうぞお楽しみください。
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zenbo_hidaka.jpg10/3(水)今期最初のご登壇は高野山 高祖院住職 飛鷹 全法(ひだか ぜんぽう)さんです。

東大卒、ITベンチャー立ち上げ経験あり、ソフトウェアの開発、津軽三味線や沖縄音楽など伝統音楽の舞台制作・・・と飛鷹さんのプロフィールには、私たちがイメージする「僧侶」とかけ離れたワードが並びます。

1972年生まれ、40代半ばにして多彩なご経験を積み、現在は真言密教の教えと伝統を今日に伝える高野山 高祖院住職として、たゆまぬ修行に励んでいらっしゃいます。

高野山の祖 弘法大師空海は神仏習合といった日本人の文化背景となる礎を築くなど、当時の既成概念にとらわれずクリエイティビティ溢れた人だったと言われます。

仏教、アカデミズム、実業の垣根を自在に行き来している飛鷹さんのお姿そのものより、空海の教えを説いて下さっているようにもみえます。

飛鷹さんによる「高野山という思想」を伺うことで、現代を生きる私たちにとっての空海の革新性と今日性とはなにを意味するのか、考えていきたいと思います。(保谷)

・飛鷹 全法(ひだか ぜんぽう)
・高野山 高祖院住職
・演題:「高野山という思想」

講師プロフィールはこちらです。

日本人の祖先はチャレンジャーであった 海部陽介先生

photo_instructor_853.jpg海部陽介先生は柳田国男の『海上の道』に対して懐疑的である。つまり、日本人のルーツは黒潮に乗ってやってきたという説は信じがたいと考えている。なぜなら、黒潮にのることは目的地を意識しない漂流であり、これは世界地図を知っている現代人の発想であるというのだ。私たちの祖先はそんなギャンブラーではなく、日本を目指してやってきたはずだ。だが、その方法がわからない。頭を真白にして三万年前に生きていた私たちの祖先と同じように考える。そこがスタート地点だ。

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人生は噛みしめるように生きる 田口佳史先生

photo_instructor_856.jpgかなりドラマチックな転機を迎えた田口佳史先生。25歳の時、ドキュメンタリー映画の撮影のため訪れたバンコク郊外で2頭の水牛に角で刺されてしまう。日本人の青年が入院していることを聞いた在泰邦人からの差し入れられた老子と論語、なかでも老子は田口青年の中にどんどん入っていく。

出でて行き
曰ち逝き
逝けば曰ち遠ざかり
遠ざかれば曰ち返る
入りて死す

「死ぬことはすなわち故郷に帰ること」、そう恐れることではない、その思いが強力な安堵感へとなり、ようやく眠ることができた。そしてこの経験から儒教、仏教、道教、禅仏教、神道を専門として、はや50年も古典を研究する日々を送っている。田口先生はこれらの分野に対して(その転機を考えれば当然かもしれない)、「生きる」というテーマで読む。

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回る大捜査線 清水聰先生

photo_instructor_851.jpg何の商売をしていても集客、とりわけ購買者を得るのは大変だ。日本語ではひと口に「客」というが英語ではこの辺りの区分けが厳しく、「visitor」(訪問者)、「customer」(購入者)と分けて呼んでいる。アメリカのとある店の店内放送で「Good morning, ***(店名) customers!」と流れてきた時には「アメリカではvisitorは挨拶されないの?」と仰天した。日本でなら新聞のコラム欄辺りに何か書かれてしまいそうである。そんなvisitorをcustomerにするためにはどうしたら良いのかのマーケティング提案が今回の清水聰先生の講演「新たな顧客マネジメント~循環型マーケティングの提案~」であった。

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日産はいかにしてV字回復したか  志賀俊之さん

photo_instructor_848.jpg1986年プラザ合意。急激な円高によって、それまで順調だった日産自動車は赤字に転じた。その危機的状況から、いかにしてV字回復を遂げたか。一言で表すなら「レジリエンス(Resilience)」であると、志賀俊之さんは冒頭で力強く述べた。現日産自動車副会長であり、倒産危機に陥ってから復活するまでカルロス・ゴーンのもとでその手腕を発揮してきた。レジリエンスとは「はねかえす力」であり、演題も「変革を支えるレジリエントオーガニゼーション」である。日本語で言うなら「危機的状況をはね返す力のある組織」といったところであろうか。

1990年代のマーケットシェアの恒常的低下、積み上がった負債から、いかにして今の状況まで回復できたのか。志賀さんにはレジリエントの6つの要素を自問自答形式でお話しして頂いたが、ここではその中でも組織だけでなく個人レベルでも重要だと思える3点に焦点をあてて論じてみたいと思う。

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IoTが連れてくる、人間味あふれる世界

photo_instructor_847.jpgアメリカで過ごした中学時代からプログラマーとしてのキャリアをスタートし、大学在学中に起業して生体認証の新技術を開発し成功をおさめた齋藤ウィリアム浩幸さん。この経歴を聞いただけで、間違いなく「天才」 だということがわかる。
現在は日本でアントレプレナーへの支援活動をおこなう傍ら内閣府本府参与としての顔も持つ超エリートだが、壇上では第一声からフレンドリーな雰囲気をかもしだし、自己紹介にはご自分の失敗談も盛り込んで見事にアイスブレイクされていた。

「ムーアの法則」がもたらすIoT

今回の講演の軸のひとつとなっていたのは、「Moore's Law=ムーアの法則」だ。これはインテル社の創業者のひとりであるゴードン・ムーア氏が提示したもので、「半導体、ストレージ、センサーは、2年ごとにパフォーマンスが2倍になる。もしくは値段が半分になる」というもの。
齋藤さんは、「ムーアの法則に従ってトランジスタ、コミュニケーション、ストレージ、センサーの4つの要素が利用しやすくなったおかげで、IoT(Internet of Things)が実現可能になりました」と説明した。

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人生は感謝を見つける旅である

空前の落語ブームだと言われる。夏にはビジネス誌が落語特集を編むほどである。現在、落語家の人数は800人。過去最大の規模だという。
日本の伝統芸能は世襲制が中心なので、落語界も二世、三世が多いのかと思っていたが、柳家花緑師匠によれば、世襲落語家はせいぜい30人程度。実は実力主義の世界のようだ。
確かに、これまで夕学に登壇いただいた落語家(柳家喬太郎金原亭馬生春風亭一之輔)は世襲落語家ではなかった。

photo_instructor_840.jpgそんな中で、花緑師匠は、落語界初の人間国宝 五代目柳家小さんのお孫さんにあたる。飛びっ切りの血筋である。しかも入門からわずか7年、戦後最年少の22歳で真打ちに昇進したという超実力派でもある。
45歳にして芸歴30年。古典から新作までなんでもこなし、落語界を背負って立つ存在の一人といえるだろう。

講演のタイトルは「笑いと感謝」。それが、花緑師匠がいま思うことだという。
「笑い」というのは落語の効能と言っていいだろう。夕学にも登壇された筑波大名誉教授の村上和雄先生の研究を引き合いにだして話してくれた。
村上先生が吉本興業との共同研究で明らかにした「お笑いを聞くと糖尿病患者の血糖値が改善する」というユニークな研究結果である。
「笑い(落語)は身体に良い」のである。

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雑学が世界に彩りを与える―科学で斬るベースボール 矢内利政さん

photo_instructor_855.jpg私は野球にうとい。野球好きの主人から「カーブ」「シュート」「スライダー」の違いを何度聞いたかわからないが、いまだに覚えられない。

ではなぜ今回、野球をテーマにした矢内利政先生の講演を聞こうと思ったかといえば、過去にこの夕学五十講に出席してきた経験からすると、自分の関心領域から離れている講演は面白い、という実感があるからだ。野球、それも「スポーツ科学」という自分から遠く離れた分野の講演は、「わからなくて当然。発見があればラッキー」とでもいうような安心感があり、私は肩に力を入れることなく丸ビルに足を運んだ。

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好きなことと役立つことを両立する 向谷実さん

photo_instructor_846.jpg 今回は、ジャズフュージョン・バンド「カシオペア」のキーボーディストである向谷実さんのお話を伺った。「好きなことをビジネスに変える」というお話であったが、向谷さんのお話を聞いて思ったのは、その好きなことがきちんと他人の幸せに繋がっているということ。好きなことを追求する姿勢の中にも、自分と社会との繋がりを欠かしていないことに向谷さんの信念が伺えたような気がする。だからこそ、そのビジネスに対価を支払ってくれる人がいるという当たり前の話なのだけれど、この感覚をすべての経営者が持ち合わせているのかと言われると、そうでもない気がする。

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異次元緩和と財政ファイナンス 池尾和人さん

photo_instructor_845.jpg「マネタリーベース(ベースマネー)という言葉は、本来、大学の経済学部で金融論の授業を取った人にしかわからない専門的用語のはずだ。それが、金融・財政政策の焦点として一般的に論じられるようになった・・・」

金融論の第一人者 池尾和人教授はそう言う。まさにその通り。だからこそ12年振りに夕学に登壇いただいた。

今年の6月7日、8日の日経新聞「経済教室」に、「ヘリコプターマネーの是非」と題して、日銀のマネタリーベース(ベースマネー)をテーマにした特集が組まれた。紙面上で、否定的な立場で登場した専門家が池尾先生であった。

マネタリーベース(ベースマネー)とは、日銀の現金と貯金準備高を意味する。これを裏付けに財政出動がなされることを「財政ファイナンス」と呼ぶ。
「財政ファイナンス」は、国債発行による財政出動に限界が見えてきた日本の財政政策の次の一手として、このところ急浮上してきた言葉である。
2013年以来政府・日銀の異次元金融緩和は、「財政ファイナンス」の領域に入っているのではないかという指摘もある。
たしかに「日銀が、輪転機をぐるぐる回して紙幣を発行すればよい(市場にお金が流れ、経済活動が活発になる)」という発言を総理就任前後の安倍首相もしていた。
すでに、日銀は、年80兆円のペースで市場から既発国債を買い上げており、その保有残高は400兆円を越えたといわれている。

今年9月の「総括的な検証」を転換点として、日銀は異次元緩和政策の誤りをはっきりと認めないままに静かに表舞台からフェードアウトした、との池尾先生の弁でもわかるように、6月時点とは金融政策への関心が少し様変わりしているが、基本的な状況は何ひとつ変わっていないであろう。

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ザ・ストーリー・オブ・ムネハル・オザキ

photo_instructor_858.jpg貧しい生活だった。
1億円の借金をして、食肉用の牧場をはじめた親父は借金まみれであった。 
56歳になった尾崎宗春は子どもの頃の記憶を甦らせる。
牛は飼育しているが、高級品である牛肉なんて食べたことがなかった。
情けない。子ども心に「親父のようにはなりたくない」と思い、自分は安定した公務員になるんだと心に誓った。

高校は宮崎ではなく、大阪にあるPL学園に通った。1970年代半ばのことである。これが宗春にとっての転機となった。
大阪の街には、疲れ切った顔で会社に向かうサラリーマンであふれていた。
ふと、故郷の親父の顔が脳裏に浮かんだ。
中卒で借金まみれだが、生き生きと牧場で働く親父の顔が懐かしくなった。
目を閉じて考えた。親父のようになりたいと思った。
目を開けると公務員になる夢は消えていた。
高校卒業後、4年間は親父のもとで畜産の基礎を学んだ。
しかし、それだけでは何かが足りないと感じた。
もっと上を目指したい。自分は世界一になりたい。
「そうだアメリカで勉強しよう」と宗春は思った。

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その極意とは 前田鎌利さん

photo_instructor_839.jpg満員の聴衆の顔触れは様々、しかしやはりビジネスの現場で奮闘する20代から40代が多いのが「日本文化」がテーマの講演では珍しく思った。通常、文化をテーマとした講演だと参加者の大半は女性かあるいは年配の人だからだ。かつては書道や詩歌、茶道を嗜んでおくことが男性でも教養であったはずなのに、いつからか日本男性は文化から遠ざかっている。奇妙な話だ。オペラや美術館に積極的に繰り出す女性との会話のずれもやむなし。「男女の会話のずれはなぜ生じるか」夕学の講演で取り上げて欲しい。

話を前田鎌利氏の講演に戻す。それだけ参加者が詰めかけたのもプレゼンへの関心が高いためで書籍や研修テーマとしても大変人気がある分野だ。前田氏は「書家」、「起業家、プレゼンテーション・クリエーター」、「夫・父」の3分野を挙げ、気持ちの上では7割が書家だという。

5歳の時から書の世界に入り、教職に向け勉強するが故郷ではそのポストの空きがなかった。そんな時に阪神・淡路大震災が起き、「繋がる」ことの重要性を感じて光通信に就職、飛び込み営業を始める。そして携帯電話が固定電話より多くなった2000年にJ-Phoneへの転職からソフトバンクで働くようになった。孫正義氏と柳井正氏の対談の企画(もちろんプレゼンテーション資料作成も)や、ソフトバンク、JAXA、JINSなど多数企業やイベントのロゴやメッセージを揮毫。さらには全国に書道塾15校500人の生徒を持ち、プレゼンテーション・スクールを展開するなど多彩な活動を行っている。

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前田鎌利さんの書「念」を公開!

昨日、ご講演いただいた前田鎌利さんが講演のなかで書かれた"念"の一文字。いつも気にしている強い思いという意味で、"おもい"と読まれていました。ご本人の了解をいただきましたので、アップいたします。

前田鎌利氏の「念」夕学五十講にて.JPG

鎌利さんのFacebookでも公開してくださいました。
https://www.facebook.com/kamarimaeda


田中角栄は「天才」なのか―金権政治と人間的魅力―

photo_instructor_844.jpg日本列島改造論、日中共同声明、ロッキード事件。田中角栄といえば、功績と罪過を残した人物である。しかし、早野透教授が過去の文脈で角栄を語ることはない。現代の政治にIfを付け「もし角栄だったら」という視点で、独自の「田中角栄論」を語る。

元朝日新聞記者で角栄のバンキシャ、そして現在では桜美林大学名誉教授。今回の講演は「体制と政策を考える」というクラスターに分類される。しかし、視点は「人間田中角栄」であった。つまり、金権政治と非難された角栄像だけではなく、人間としての魅力を存分に語って頂いた。それは人間関係を築くにあたって、または強いリーダーシップを発揮するにあたって非常に役立つ内容であったと感じる。また、質疑応答では、石原慎太郎が言うような「天才」だったのかについても言及して頂いた。

とはいっても、何から書いていいのやら...キーボードを打ちながらもまだ悩んでいる。講師には様々な内容を盛りだくさんに話す先生もいる。しかし、早野教授のお話はいくつかのトピックがありながらも「かくして田中角栄という人物は魅力的なのだ」という結論に落ち着いてしまうのだ。つまりは角栄の魅力に抗えない一人なのである。

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小川和久氏に聴く、「国際水準から見た日本の危機管理」

photo_instructor_843.jpg「外交・安全保障・危機管理、この三つは日本の数少ない苦手分野。四方を海に囲まれ、海に守られてきたこの国は、危機に遭遇した経験に乏しい。なのに、その自覚すら不足しているため、ともすれば国内でのみ通用するレベルの危機管理で自己満足しがちである。私が演題にわざわざ『国際水準』と謳ったのは、国際水準をクリアしていなければ、それは危機管理とは言えないからだ」

そう喝破して、小川和久氏は、目覚めの冷水を会場に浴びせながら90分間のマシンガン・トークの口火を切った。

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マネージャーになる・育てる・幸せになる! 松尾睦先生

松尾睦経済規模がなかなか思うように大きくならず、AIのように自分で経験を積み人間の仕事を代替する機械まで現れた。私たちは、昨日していた自分の仕事は明日なくなるかもしれないという不安が多くの人の心の片隅に常に陣取っているような時代で仕事をしている。諸先輩方に至っては、自分がエースだったころの仕事の仕方なんぞは通用せず、どうにかしてこの時代を切り拓く後世を育てたいという熱い思いのやり場を、探しているように見える。会場は、そんな諸先輩方が多く詰め掛け、私のように背伸びをして「マネージャーの育て方・なり方」の講演にお邪魔する若輩者は少数派であった。

だが、北海道大学大学院経済学研究科教授の松尾睦先生のお話はそんな部下の育て方やマネージャー予備軍である自分がどのように道を歩むべきかを教えてくれた。

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個人でもチームでも最大限の力を発揮する方法 井原慶子さん

photo_instructor_838.jpg2014年、バーレーン。サーキットへと向かう井原慶子さん。これで最後のレースにしようと思った。有終の美を飾るために負けられない戦い。しかし、リーダーが連れてきたメカニックは、今日が初めての新人キャサリンである。女性だから力が弱く、シートベルトをつけてもらうのに8秒かかった。男のボブがやれば1秒である。負けると感じた―――。そこに、リーダーがやってきた。

「ケイコ、新人のキャサリンはどう?」
「もう最悪よ」
「そうだろ。でも、キャサリンが来てくれたおかげで、ベルトの締め方から、器具の効率的な並べ方まで、多くの改善点が見つかったじゃないか」

結果、このレースでは初のアジア人女性として表彰台に上がれた。同じ女性なのに、新人の女性メカニックでは勝てないと感じたことを恥じた。レース後のリーダーの言葉が胸に響いた。

「新人は本番で育てる。その決断が出来なければリーダーじゃない」

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宇宙生命は存在する、たぶん 渡部潤一さん

photo_instructor_837.jpg夕学五十講は10回以上聴講しているが、講演の数日前からワクワクしたのは初めてだ。
ワクワクの理由はなんといっても「宇宙生命は存在するか」という本講演のテーマ。
テレビ番組の「宇宙人」特集に親しみ、友達のUFO目撃証言に興味津々な子供時代を過ごした私にとって、地球外生命は長いあいだ畏怖の対象であり、友達であり、フィクションでありノンフィクションだった。いるのか、いないのかーーいよいよその答えが出るかもしれないのだ。ワクワクしないわけにはいかない。

分からないからおもしろい

講演は、2013年にロシアのチェリャビンスク州に隕石が落下したときの、緊迫感ある映像からはじまった。空を切り裂く隕石、落下の衝撃波で割れるガラスの様子など、いま見ても恐ろしい光景だが、この隕石落下事故は世界中の天文学者の誰も予測しない出来事だった。

その一方で、この事故の翌日に小惑星が地球に接近することは予測されていた。
講師の渡部潤一さんは、この小惑星接近に関して事前にニュース番組の取材を受けていた。ところがロシアの隕石落下事故が起こったため、そちらについても急きょインタビューが組まれた。緊急事態ゆえ、カメラに映る渡部さんは普段着姿だ。実際のテレビ画面をスクリーンに映しつつ、「30分のニュース番組に同じ人物が2度、それも衣装を変えて出演したのは相当めずらしいことだそうです」と話して会場をドッとわかせた。

そう。テーマもさることながら、渡部さんのお話は大層おもしろい。映像を交えたりちょっと自虐的なネタを挟んだりして、客席を飽きさせないのだ。講演がはじまって20分ほどで、会場全体が渡部さんのペースに心地良く巻き込まれていくのが分かる。

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廣瀬キャプテンに聴く、「傍に立つ者」の覚悟

廣瀬俊朗2015年9月19日、イングランド・ブライトン。ラグビー日本代表のワールドカップ本大会初戦の相手は世界ランク3位の強豪・南アフリカだった。賭け屋の倍率は日本の34倍に対し南アフリカは1倍というのだから、そもそも賭けにもならない。なにしろ日本がワールドカップの舞台で勝利を収めたのは24年前の一度きり。下馬評はそれほどあからさまだったが、グラウンドに立った代表選手たちの胸には秘めた思いがあった。
そしてその戦列に、グラウンドに立つことを誰よりも熱望していた男の姿はなかった。

元日本代表キャプテン、廣瀬俊朗氏。
高校日本代表、慶應義塾大学、東芝、そして日本代表。その錚々たるキャリアの、いずれのチームでもキャプテンを務めてきた、文字通り「日本ラグビーの牽引者」のひとりだ。
2012年、日本代表の再建を託されたエディー・ジョーンズ氏がヘッドコーチに就いた時、勤勉なハードワーカーとして知られる名匠が「自らの理念を理解しチームへ浸透させる力」を基準に選んだキャプテンが、廣瀬氏だった。

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トランプ躍進の陰に「反知性主義」あり 森本あんり先生

photo_instructor_836.jpgもしトランプが大統領になったら、アメリカはどうなるのか。日本は、世界は――。来る11月8日の米大統領選挙を控え、世界が固唾を呑んで見守っている。10月末の現時点ではヒラリーの圧倒的優勢が見込まれているものの、まさかのどんでん返しがあるのでは、という一抹の不安は消えない。実際、これまでもトランプは思いがけず"いい勝負"をしてきたのだ。
移民の脅威やオバマへの失望、ヒラリー嫌悪の高まりといったトランプ人気の理由をいくつ挙げられても、あそこまで極端な人物を支持するメンタリティはやはり理解し難い。その不可解を、森本あんり氏が少なからず氷塊してくれた。

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細胞からその先は 上田泰己先生

photo_instructor_842.jpg専門外の人に専門性の高い話をするのは大変だ。説明できてもどれだけ理解しているか、全体や詳細を、はたまたその趣旨を本当に理解しているかなどは話し手には本当のところ理解しようがない。研究の必要性や有用性のみを話しても研究する喜びやワクワクする気持ちは伝わらず、それが伝わらなければ「何も伝わらない」。

上田泰己先生の講演は、研究の説明とワクワク感が上手く調和し、表現されたものだった。始まりはジョルジュ・スーラの有名な点描画を紹介し、点のように単純な「要素」によって絵が構成されているように私たちの体も同様ではないかと美しい例えからである。

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坐禅で"型"から解放される 平井正修さん

平井正修平井正修さんが住職をつとめる全生庵は、安倍晋三首相がたびたび訪れたり、中曽根康弘元首相が現職時代に週1ペースで通っていた寺として知られている。

安倍さんや中曽根さんが全生庵に足を向ける目的は、坐禅だ。
坐禅――例のポーズや、お坊さんにうしろからペチンと叩かれるシーンはテレビで見たことがあるが、いったい何のためにやるのか、やるとどうなるのか。
坐禅について知りたいことは多々あるが、平井さんのお話は全生庵を建立した山岡鉄舟の生涯をふりかえるところから始まった。

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リーダーになるのはそれほど難しいことじゃない 日向野幹也さん

日向野幹也あなたの周りでリーダーシップのある人といって思い浮かべるのは誰だろう。同じ会社の直属の上司を挙げる人もいるだろうし、憧れの経営者に思いを馳せる人もいると思う。
早稲田大学大学総合研究センター教授の日向野幹也先生のお話を聞いて、内向的な同僚や影からのサポーター的存在であった先輩だって職場でリーダーシップを発揮していたのだということに気づかされた。 日向野先生が提唱するリーダーシップ像を知った後は、私と同じように隣の席のあの人や、もしかしてあたしだってリーダーであったということに気づいてもらえると思う。

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作られたイメージ 井上章一さん

井上章一講演タイトルからして京都への屈折した思いが語られるのかと思いきや、京都の話はほとんど無かった。講演中、私は心の中で何度も呟いた。「関西の人の話って本当にサービス精神旺盛だ」それほど井上章一氏の講演はたくさんの興味深い話題と笑いで満ちていた。

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第25回 7/29 (火) 阿刀田高さん

takashi_atouda.jpg最終回、第25回7月29日(火)にご登壇いただきますのは、作家の阿刀田高さんです。

阿刀田高さんは、これまで40年以上にわたる執筆活動のなかで、900篇以上の作品を生み出してこられました。第81回直木賞ほか数々の授賞もされてこられました。日本ペンクラブ第15回会長、また、1995年から今年の1月まで、なんと19年間、直木賞選考委員も務められました。間違いなく現代の日本を代表する作家のおひとりでいらっしゃいます。

さて、阿刀田さんといえば、ブラックユーモアの短編小説、そして「知っていますか」シリーズです。

ちょっと不思議で、ちょっと怖くて、思わず笑ってしまう。日常にありそうで、自分にも思い当たりそうで、思わずドキリ。短編小説はそんな独自のブラックユーモアにあふれています。

「知っていますか」は、ギリシャ神話、聖書、古事記、源氏物語と次々、古典を容易に読み解いたシリーズ。それまではちっともわからなかった、わかる気がしなかった、古典はこんなに面白いのか!と次々出会いえた私もその一人です。

「古典を読むには原典をたどるのがいちばんよいが、読むべき古典が多すぎる。質のよいダイジェストにも意味があるのではないか。」

阿刀田さんのそんな思いも込められています。

そんな阿刀田さんご自身の、"創造の井戸を掘り下げてきた"経験をまとめられたのが、『知的創造の作法』です。今回の講演タイトルでもあります。

知的創造の達人がその作法を種明かししてくれているのですから、面白いに違いない、わかりやすいに違いない、そう思われた方きっとご期待にお応えする講演です。「知的創造の作法」、皆さんとご一緒に学んで、ちょっと考えて、おおいに楽しんでみたいと思います。(湯川)

第23回 7/15 (火)  山口晃さん

akira_yamaguchi.jpg7月15日(火)にご登壇いただきますのは、画家の、山口晃さんです。

オートバイに乗った戦国武士。
六本木と江戸が一体になった街。

ふだん日本美術や現代アートにあまり馴染みのない方でも、「ああこの絵の」と山口晃さんの作品をご覧になったことがあるのではないでしょうか。絵画や襖絵、小説の挿絵や装丁などと幅広くご活躍です。

山口さんの絵は、時代が縦横無尽に行き交って、なんとも発想の面白い作品です。そして絵をよく見ると、とても細密で、描写は鋭く、発想と技術の突飛さがまたとても面白いのです。浮世絵のような、大和絵のような、そして、漫画のような。日本の伝統と現代の息づかい、両方を同時に感じさせるところも面白いなあと思います。山口さんのなかでは時空がどんなふうにできているのでしょうか。
そんな山口さんが、画家・絵師の目線から日本美術の有名作品の背景や魅力を解説する著書を出されました。

ヘンな日本美術史』(祥伝社)

2013年の小林秀雄賞を授賞されたことでも話題となりました。

小林秀雄賞は、文芸評論家 小林秀雄の生誕100年を記念して創設された学術賞で、日本語表現の豊かな著書(評論・エッセー)に贈られています。山口さんは、初めて、画家として授賞された方でした。それもすごいことです。
「読んでおもしろい」からだというのが授賞理由でした。読んでみるとたしかに読み物として面白い。それに自分が思いもしなかった突飛な切り口から鑑賞や解説をされるので日本美術を知る、観るのがますます面白くなりました。

面白がり、面白さを伝え、面白さを絵で表現する山口さんが「私見」で語ってくださる「日本の古い絵」。お話も、山口さんにお会いすることも、とても楽しみです。(湯川)

第22回 7/11(金) 松井忠三さん

tadamitsu_matsui.jpg第22回 7月11日(金)にご登壇いただきますのは、株式会社良品計画 代表取締役会長の 松井忠三 さんです。

MUJI」」といえばいまや、誰もが知る、日本が誇る、世界のブランド。
そして誰もに身近な生活ブランドでもありますね。お住まい、通勤途中、オフィスなど皆さんの街にも、1つ2つ店舗があって、お買い物または利用されたことのある方も多いのではないでしょうか。

「無印良品」が提案した、シンプルな暮らしはとても斬新なものでした。その「シンプルさ」に、ぎゅっと、経営とブランド力のエッセンスも圧縮されているに違いありません。そう感じさせる松井さんの著書のタイトル。

無印良品は、仕組みが9割 ―仕事はシンプルにやりなさい(角川書店、2013年)

今回の講演は、本著を入口にしつつ、無印良品V字回復の軌跡、それを実現した松井さんの経営手腕の実績、松井さんの持論や思い、じっくりお伺いしたいと思っています。

無印良品は現在、世界24ヶ国に、258店舗。2014年2月期の連結純利益予想は、前年比56%、予想を35億円上回る、177億円です。しかし常に順調であったわけではありません。

松井さんが社長に就任された2001年当時も、無印良品の業績が低迷していたころでした。大学卒業後、西友ストア(現西友)に入社、1992年に無印良品に移ります。以来12年、"無印良品とともに"仕事をし、経営されてきたのが松井さんです。

「無印良品」の価値、価値観に、たちもどった経営をしてきた、自信をもっているからこそ、「シンプル」というキーワードで振り返り、語ってくださっているのだと思います。仕事もマネジメントも生活も、シンプルにできたらいいなあ、シンプルっていいなあ。憧れも重なり、MUJIのシンプルさへのヒントがあるに違いない、そんな期待いっぱいで私も講演を楽しみにしています。(湯川)