株式会社とは、資本市場を使いこなせる会社制度である 上村達男さん

小泉構造改革の時代、ホリエモンや村上ファンドが颯爽と登場し社会の注目を一身に集めていた頃、アカデミックな立場から反市場・反規制緩和の論陣を張っていた上村達男教授。
当時は、守旧派の代表として孤軍奮闘という印象でしたが、時代の風は大きく変わり、いまや、上村先生の主張が世の中の主流になりつつあるような観があります。

「どんなに分かり易く話そうと思っても難しいのが法学者の話です」
という前置き通り? 多岐細部に渡る上村先生のお話は、私の知識では上手くまとめることができません。そこで、思い切って大づかみで理解した私なりの解釈を書くことにいたします。

「株式会社とは、資本市場を使いこなせる会社制度である」
上村先生は、そう定義します。
法律的には、あたかもひとつの人格をもった個人として扱われる会社という「法人」が、有限責任のもとに「市場」からお金を集め、自由な競争の中で切磋琢磨しながら、社会のニーズに応える活動をするための最も効率的な道具であり手段が、株式会社の本質であります。
いわば、「法人」と「市場」という二つの要素の高度結合体が株式会社制度ということになります。

ところが、上村先生によれば、この「法人」と「市場」に対する基本的な考え方の違いが、株式会社の性格を大きく変えていると言います。
なぜならば、「法人」と「市場」は、人間の「個」の意義を削減させる二大危険要素であるからとのこと。
国家や社会の権威に対して個人の権利と自由を尊重するに際して、「法人」と「市場」は、そのパワーの裏返しとして、マイナスの働きをする性質を持っているそうです。

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「目利き・聞き耳・死神」の消費行動 清水聰さん

ネットワークメディアの発展が、消費者間に情報格差を生み出していると言われています。従来型のマス媒体に頼るだけの受け身型の消費者と、ネットを活用して積極的な情報探索を行う能動型の消費者の差が顕著になったという見解です。
消費者間情報格差の拡大は、マーケティングの変化を促し、電通が提唱する「AISAS」やインフルエンサーへの着目論などが生まれました。
特に、能動型の消費者の場合は、購入後にブログ等で情報発信をする機会が多いので、企業の対応も「いかに売るか」から「いかに消費者と継続的コミュニケーションを取るか」に変わってきました。
夕学でも、KBSの井上哲浩先生の「オーガニックマーケティング」の考え方を紹介しました。

清水先生は、更にもう一歩突っ込んで、情報感度の高い人だけでなく、情報感度の低い人も活かせないかと考えました。言わば「逆張りの発想」です。
こうして生まれたのが、「目利き・聞き耳・死神」の研究です。

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ゴリラを通して人間を考える 山極寿一さん

京都大学の生態学・人類学研究は、サル学研究の創始者と言われる今西錦司氏をはじめとして、「照葉樹林文化論」を提唱した上山春平氏や、「文明の生態史観」というユニークな文明論を論じた梅棹忠夫氏など、日経新聞『私の履歴書』に登場するような大学者を排出してきました。
また、今西錦司氏は京大探検部の生みの親でもあり、探検部系列には、梅棹氏をはじめ、KJ法の川喜多二郎氏、朝日新聞の本多勝一氏などが連なり、世界中の秘境や極地を探検したと言われています。
いわば、「知性と野生の両刀遣い」の文化が脈々と受け継がれています。

山極寿一先生は、その伝統を継ぎ、ゴリラの生態研究を専門とし、30年以上も中央アフリカの熱帯雨林ジャングルに通いつめ、調査研究を続けています。研究室に入るには、研究者としての高い知性と同時に、ジャングルで2~3ヶ月生き抜くことが出来る野生の体力が求められるそうです。

さて、山極先生の専門である霊長類学という学問は、「人間以外の動物を通して、人間の性質を知る」ことを目的にしているとのこと。
人間に最も近い動物であるゴリラの生態を研究することで、私達のはるか祖先 原初人類の生活や行動進化の過程を解明しようとしたのが山極先生の30年間でした。

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オペラにかける情熱 三枝成彰さん

東京では、毎日約35,000人の人々が西洋音楽を楽しんでいるそうです。山手線内に2,000人収容できる音楽ホールが10カ所あり、ほぼ毎日埋まっている。その他の中小会場を含めて考えると、上記の数字になる、とのこと。
世界で名だたるオーケストラや一流の演奏家が引きも切らずに来日し、いずれも演奏会が超満員になってしまう。こんな都市は世界中にない。

ところが、その狂躁は、東京一極だけのことで、大阪も名古屋も音楽ホールは青息吐息。地方にいたっては悲惨な状況である。国や財界の関心もかつての勢いはなく、財政支援は減るばかり。有望な音楽家を世界に送りだそうというパトロン文化も失せてしまった。

この現象をどう理解し、何をすればよいのか。控室での三枝さんは、西洋音楽への愛情とその裏返しとしてのやるせない想いを交錯させながら、日本の現状を教えてくれました。

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「個を見る」 宇津木妙子さん

「厳しさ」と「優しさ」

この二つを合わせ持つことは、およそ全てのリーダーに必要なことで、最も難しいことでもあります。
スポーツの世界で名指導者と呼ばれる人達は、この二つを合わせ持っています。例えば昔なら、バレーボールの大松博文氏や松平康隆氏。いまなら、シンクロの井村雅代氏やラグビーの清宮克幸氏etc。 いずれも、鬼のような厳しさと肉親のような暖かさを兼ね備えた指導者でした。
前全日本女子ソフトボール監督の宇津木妙子さんも、そんな名指導者の一人です。

シドニーオリンピック決勝戦で落球し、控室で号泣する選手に「いつまで泣いているんだ。お前のせいで負けたんだろ!」と吐き捨てた鬼監督の顔。

北京オリンピックで、金メダルの感激に「ヤッター」「よかったヨ~」と、小倉智昭さんの胸で泣き崩れた姿。

「厳しさ」と「優しさ」 二つの顔を、はたして宇津木さんはどのように統合しているのか。
それをテーマにして、講演を聞いておりました。

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