「緑の東京へ一丸で」 猪瀬直樹さん

18:30東京着の新幹線を降り、駆けつけるように会場入りした猪瀬さん。
額には大粒の汗、夏カゼで鼻もぐずつかせながら、「何から話しましょうか」とつぶやいて、早速マイクに向かいました。
講演は、都庁で開催中の夕張観光物産展から始まりました。市価の約半額というお買得感もあって、夕張メロンが1日に400個売れるほどの盛況イベントだそうです。切り盛りしているのは、都庁から夕張市の応援派遣されている二人の職員です。
財政破綻した夕張市の苦境は深刻だそうです。人口はピークの十分の一の12,000人、借金総額350億円、市役所職員も次々と辞め、行政も滞りがち、東京、北海道はじめ全国から10名近い応援職員を受け入れ、なんとか苦難を乗り越えようとしているとか。

続きを読む "「緑の東京へ一丸で」 猪瀬直樹さん"

武士の世の終わり 『海舟がみた幕末・維新』第11回 その2

3月から続いてきた、半藤一利史観『海舟がみた幕末・維新』もついに最終回です。
思えば、黒船来航から西南戦争まで、幕末・明治、激動の四半世紀を一気に語り下ろしていただきました。
この講演をもとに、近々新潮社から本が出る予定ですので、皆さん乞うご期待。
また講演CD集も発売されることになっていますので、こちらもお楽しみに。

-----------------------------------------------------------

明治四年(1871年)7月14日、廃藩置県の詔勅が下り、封建体制から天皇中心の中央集権体制への変革がなされました。新政府は、大きな課題のひとつを片付けたことになります。
その年の11月には、岩倉具視を全権大使とする使節団が米欧に向けて出帆します。
世にいう岩倉米欧使節団です。
木戸、大久保、伊藤らの要人46名に加え、中江兆民や津田梅子など留学生を含む総勢100名超の大使節団でした。
その目的は、
1.幕末以降の条約締結各国への国書の奏呈
2.不平等条約改正に向けた下準備
3.各国の近代的制度・文物の調査研究
でしたが、条約改正交渉は、早々に認識不足が露呈して失敗に終わり、結果的に、西洋諸国を視察しながら、新たな国づくりの構想を巡らすことが主目的となりました。
米国から欧州を巡回する、実に1年10ヶ月に及ぶ長期間の旅でありました。

続きを読む "武士の世の終わり 『海舟がみた幕末・維新』第11回 その2"

廃藩置県への道 『海舟がみた幕末・明治』第11回その一

鳥羽伏見の戦いに明けた慶応4年(1968年)は、九月に明治元年と改まりました。
翌2年の三月には、明治天皇の東京への動座も完了。春までには、新政府の主力メンバーのほとんどが東京に集まってきました。
とはいえ、その実態は混沌状態で、各自が自藩の利を考えて自己主張を繰り返すばかりで収拾が付かない事態となりました。
新政府の中核として重きをなすのは、下級武士層出身の志士と一部の公家だけで、政争には強くても政務には疎い者ばかり、目指すべき青写真があるはずもなく、混乱は深まりました。
本来、新たな国づくりの中心になるはずの、長州木戸、薩摩大久保の両有力者が、性格と考え方の相違から、意思疎通を欠きがちだったことも混乱の一因だったとのこと。
統制派の内務官僚タイプである大久保利通と八方気配り派の外務官僚タイプの木戸孝允では、水と油の違いがあったようです。

半藤さんが紹介された当時の狂歌の一節

「上からは、明治だなどといふけれど、治まるめい(明)と下からは読む」

続きを読む "廃藩置県への道 『海舟がみた幕末・明治』第11回その一"

意思決定の実際と対策  長瀬勝彦先生

随分と前のことですが、とある組織で人事部に配属され、新卒採用の仕事に携わった時期があります。その時に、人事部長から、面接用の評価シートの修正を命じられました。
我が社の求める人材像をもとに、一般教養・知識、表現力、論理力、対話力等々いくつかの能力項目を設定して、それに見合う具体的な行動評価項目を洗い出しました(例えば、挨拶ができたか、笑顔の印象はどうか、時事問題に答えられたか、簡潔な自己紹介ができたか、志望理由に説得力を感じたか、厳しい質問にどう対応したかetc)
評価シートは、それらを10項目程度のチェックリストに仕立てて、5点法で点数化しました。もちろん重要な項目には加重をかけて総合点がでるようにしてあります。
ところが、人事部長は、実際の面接の際には、項目は一切チェックせずに、ただ総合点だけを付けて、横になにやら走り書きのメモを書き入れていました。
「使わないのなら作らせるなよ!」と腹を立てて、先輩に訴えたところ、「君の勉強のために作らせたのだよ」「でも、よく出来ているから僕は使うからさ」と慰めてくれたものです。
にもかかわらず、その先輩も実際は、まず総合点を書き入れて、あとで要素毎の点数を逆計算しながら記入していました....

間違いのない判断を下すために用意された、さまざまな分析ツールが、実際に意思決定をする際には使われない。 この種の経験は多くのビジネスパースンが持っているものではないでしょうか。
頭で考えた理屈と実態の意思決定の乖離現象。それこそが、長瀬先生が専門とする行動意志決定論の研究領域です。

続きを読む "意思決定の実際と対策  長瀬勝彦先生"

冨田先生の夕学 <追記>

7日(月曜日)の冨田勝先生の夕学で、藻から軽油をつくる研究について紹介がありました。
講演後の控室で、「実用化のメドはどんなものなんでしょうか」とお聞きしたところ、「5年~10年は無理、夢を追う話です」とおっしゃっていましたが、きょうの朝日新聞のは、デンソーが量産に向けた本格研究に着手すると発表したという記事が載りました。

「藻から軽油を量産へ デンソー、年80トン計画」
http://www.asahi.com/eco/NGY200807080010.html

記事によれば13年までには量産化体制をつくる計画とのこと。

「夢を形にする」というのはこういうことなんですね。