「人間天皇」としての矜持 片山杜秀先生

photo_instructor_907.jpg2016年夏に発表された天皇陛下の「おことば」を最初に聞いた時、そちらの方面の知識もなければ関心も低い私は、「80歳を過ぎて大変なのは当然でしょ。天皇だって早めに引退させてあげなさいよ」と思ったものだった(不謹慎な発言ならすみません)。

それだけに、発表後「天皇の生前退位なんてもってのほか」という論調が出てきた時には、「ひどい人もいるもんだなー。高齢なんだから認めてあげなよ。法律が問題なら変えればいいじゃない。時代も違うんだし...」くらいに感じていたし、最終的に生前退位が認められる段になった時には「ま、当然の帰結だな」と、特に強い興味も持たずに来た。

しかし今回、片山杜秀先生のお話をうかがい、私はこのテーマに初めて興味を持った。そう簡単な話ではないのである。
片山先生いわく、「これは単なる高齢化問題ではなく『思想問題』である」とのこと。
以下、私が理解した範囲で解説しよう。

続きを読む "「人間天皇」としての矜持 片山杜秀先生"

戦略的PRの6つの法則 本田哲也さん

本田哲也.jpg今回は戦略PRプランナーでありブルーカレント・ジャパン代表の本田哲也さんのお話を伺った。本田さんがいう、戦略的PRの6つの法則を聞いて、その世界がとても深く、広い世界につながっているものだと感じることができた。

PRの効果や目的は3段階に分かれている。第一段階はパブリシティの向上、第二段階はパーセプション・チェンジ、さらに第三段階はビヘイビア・チェンジである。社会的関心に訴求する商品やサービスの特性を、PRしたいものとして深く掘り下げて戦略的なPRをすることで、第三段階のビヘイビア・チェンジを促すことが、企業には求められる。第一段階のみ(広報の段階だと思う)を達成することで満足している日本企業は多いそうだが、戦略的PRの最終ゴールは第三段階の達成である。

honda_edited.jpg

続きを読む "戦略的PRの6つの法則 本田哲也さん"

「美しい人」 上野水香さん

うえの.jpg今回の講師は、東京バレエ団プリンシパルの上野水香さん
日本舞台芸術振興会の岩永氏が進行をつとめ、上野さんが岩永氏の質問に答えるという対談形式で講演は行われた。

最初に岩永氏が登壇して本日の流れを説明し、続いて上野さんがステージに登場。その途端、私の目は上野さんの姿に吸い寄せられてしまった。
スラリと背が高い。黒髪のロングヘアがサラサラなことは、会場後方の私の席からでもわかる。頭の上からスーッと一本の糸で釣っているかのようにまっすぐな姿勢。座ってもその姿勢の美しさが損なわれることはなく、マイクを持って話すシルエットの優雅なこと。

続きを読む "「美しい人」 上野水香さん"

土井さんの眼  土井善晴さん

photo_instructor_906.jpg生命誌学者の中村桂子さんには数学者のご友人がいて、彼には十次元の世界が見えるそうだ。中村さん自身は「私には十次元の世界は見えないけれど、DNAの世界なら見える」という。専門家ならではの言葉だと深く感じ入るものがあった。考古学者に昔の世界が見え、優れた医者にはちょっとした兆候から病気が見えるように、何にでもプロの眼というものは存在する。今回の講師の土井善晴さん(私は土井さんにはよそよそしさを感じさせる「土井氏」との言葉を使えない。料理番組などを通して親しみのある存在なので。)には一体どのような世界が見えるのだろう。すると土井さんは料理研究家ならではの発言をされた。

続きを読む "土井さんの眼  土井善晴さん"

松村真宏教授に聴く、人を動かす「仕掛学」

photo_instructor_905.jpg現在は大阪大学大学院経済学研究科に所属する松村真宏教授だが、元々は人工知能を研究していた。人工知能に何かを考えさせるにはデータが必要だ。だが、データを扱う研究には限界がある。データにできるのは既に起こった事象のみであり、データがない全く新しい事象は扱えない。そして観察対象となるのもセンサーで検知できることのみで、人の経験や考え方は不可知である。
データで解決できる問題にはデータを活用すればよい。ではデータで解決できない問題はどうすればよいか?というところから、松村教授の「データなき世界」へのアプローチが始まった。

続きを読む "松村真宏教授に聴く、人を動かす「仕掛学」"