柔よく剛を制す。女性活躍のニューモデル 中川順子さん

中川順子今夜の講師は今年4月に「一般職で野村證券に入社し、野村初の女性執行役員を経て、グループ中核子会社で初の女性社長に就任!」と話題を集めた中川順子さん。企業の女性社長というと、いかにも才媛然とした切れ味鋭いタカラヅカの男役風のイメージか、サービス系業種であればゴージャスなマダムっぽいイメージが強い。しかし中川さんはそのいずれでもない。

「きれいなお母さん」のような社長

中川さんは、もしPTAの集まりで座っていれば周りの主婦たちの中にしっくり馴染んでしまいそうな感じの、清楚でフェミニンな印象。話し方にも押し出しの強さは全く感じさせない。
スラリと細身のスタイルに上品なヘアスタイル。鮮やかなエメラルドグリーンのセーターの上にグレーのジャケットを着て、黒いタイトスカートにハイヒールを美しく履きこなした姿は、授業参観で学校にやって来た「きれいなお母さん」といったイメージだ。

実際に中川さんは野村證券時代に、ご主人の海外転勤に帯同するため会社を辞めて専業主婦をやっていた時期が4年ほどあったという。 そして退職後も社員時代のお仲間と連絡を取り合っていた縁で、同じ野村グループに新設会社ができた際に声をかけてもらって仕事に復帰。当時は復職制度もなかったので、完全なる「再就職」だ。その後はトントン拍子に輝くばかりの昇進を遂げる。

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AIとか、ビッグデータとか。 宮田裕章先生

宮田裕章大変失礼ながら、私は宮田裕章先生のことを存じ上げないままに今回の講演に出席したので、登壇された先生のビジュアルに驚いた。銀色の髪。オシャレな服。ブーツ。まるでミュージシャンのような雰囲気の宮田先生の姿に、一瞬、自分は別の講演に来てしまったのかと思ったほどだ。
先生曰く、これは多様性の表現の一つ。多様性と言葉で言いながらアカデミックの世界の人間は同じような服装ばかりしている、だから自分は少し違う服装をしているの、とのこと。

さて宮田先生のご専門は、ヘルスデータサイエンス、医療の質、医療政策。
私はというと、まったくもって門外漢。今回の濃密な講演を聞き終えての率直な感想は、果たして何割理解できたかな?いやほとんど理解できなかったというのが正しい認識ではないかな?というもの。
なので以下のレビューは、かなり私のバイアスがかかっていることをあらかじめお断りしておきます。ごめんなさい。

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泉田良輔さん「理由は分かっている。でも出来なかった」 

泉田良輔泉田良輔さんが、テクノロジーアナリストとして世に出たのは2013年。『日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか』という本を書いたことがきっかけであったという。
この本のコンセプトは、10年程前NHKスペシャルで特集され、書籍化もされた『海軍反省会』であった。
戦後30年を経て、水交会館に集った旧海軍の参謀達は、自らの失敗をこう振り返った。

「(負けた)理由は分かっている。でも出来なかった。それが悔しい...」

泉田さんの取材に対して、日本の電機産業を率いた経営幹部層は、旧海軍参謀と同じように語ったという。原因はわかっているが、手の打ち方が難しい。より広範囲に、既存の領域を越えて、行政・政治・社会システムまでデザインし、巻き込まないと勝てない。
すべてを塗り替えるような産業地図の大転換が起きている、ということではないだろうか。

泉田さんが、アナリストとして大事にしている分析アプローチは三つあるという。

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樺島 勝徳「禅で自然治癒力を高める」

樺島勝徳

身体と精神、この世の不思議


不思議な講演だった。講演というよりもむしろ体操実技と講演が半々のワークショップである。それから頭のワークショップでもあった。配布資料も1枚だけ、映写資料もなし、誠にすっきりしたものなのだ。樺島勝徳師の話は自身のアレルギー性喘息といかにそれを克服しようとしてきたかに始まり、なぜ禅僧になったか、そして身体治癒力を高める体操と話が広がる。

幼少の頃からアレルギー性喘息で様々な健康法や護摩まで焚いたが治癒せず、大学も中退、彼女にも去られて「流されて」禅僧になったと笑われる。その喘息は意外な方法で50歳の頃には完治する。冬に太陽の光を浴びる量が少ないのが原因の一つであったため太陽の光を浴びること。「ニワーナ」という糠とゴマ、きな粉、柚子を粉にしたものに農作物微生物EM菌で発酵させたものを摂取すること、そして健康のための体操をすることだった。そして現在は自身の健康に良かった体操を人にも教えている。「いま世でいわれているアレルギーの治療法なんて国家的な嘘なんですよ。」とまた笑う。ニワーナは約15,000円、安売りで10,000円、自作すればその数分の一の価格だ。ニワーナは茶色で確かに糠の香りがプーンとする。うっかりすると園芸用肥料と間違えそうだ。それと陽光と体操で喘息が治ってしまうらしい。喘息の有無は別としてこれは聞かねばなるまい。

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コンビニの24時間営業問題の本当の原因とは何か 丸谷智保さん

丸谷智保コンビニエンスストアは私たちの生活の一部である。飲料やお弁当、お菓子が買えるだけでなく、公共料金等も支払えるのでとても便利な存在だ。そんなコンビニ業界に衝撃が走った。2019年2月、セブンイレブンのある店舗のオーナーが、自身の判断で営業時間を24時間から19時間に短縮した。その後、本部からは勝手に営業時間を変更したことが、フランチャイズ(FC)契約違反であると、1,700万円の賠償請求とFC解約を求められた。この事件を発端に、人手不足による「コンビニ24時間営業問題」とそれに伴うオーナーたちの悲惨な実態が明らかになってきた。現在は経済産業省主導で営業時間の短縮等の改善が行われている。しかし、株式会社セコマ代表取締役社長の丸谷智保さんによると、問題の本質は24時間営業ではないという。講演では様々なお話をお聞かせ頂いたが、コンビニ24時間営業問題が一番印象に残ったので、ここではその話を中心にしていく。

株式会社セコマが展開するセイコーマートは、北海道を中心に展開する地元の人々に愛されるコンビニエンスストアである。私は今回の講演ではじめて聞いたが、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートを抜いて顧客満足度一位のコンビニエンスストアだそうだ。東京都のコンビニエンスストアの多くが24時間営業だが、セイコーマートは7時から23時までの営業時間の店舗がほとんどだ。北海道だから、24時間営業する必要がないのではと考えてしまいそうだが、24時間営業が問題の本質ではないと丸谷さんが指摘するのは、そこ以外に「FC制度の破綻」が存在しているからだという。

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