映画『魔女見習いをさがして』


ごあいさつ, 講師の公私

フォーンウォーンウォーンウォーーン!

1999年、ある日曜日の朝。テレビから聞こえてきたギターのアーミングで始まったある曲に、ハードロックファンでもある私は驚愕しました。

曲のタイトルは「おジャ魔女カーニバル」。
この年にスタートしたアニメ『おジャ魔女どれみ』のオープニングです。



あけましておめでとうございます。
とはいえ新型コロナウイルスの拡大は止まらず、地域限定の緊急事態宣言が発出された現在、あまりおめでたくない状況となっています。

しかしそんな中だからこそ、大切にしなければいけないことがある。

それを再確認させてくれたのが、現在公開中の映画『魔女見習いをさがして』でした。

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『おジャ魔女どれみ』

ここをご覧の方がどれだけご存じかはわかりませんが、簡単にご紹介します。
スタートは小学3年生。元気でドジな春風どれみ、おっとりお嬢様の藤原はづき、スポーツ万能で大阪弁のツッコミ役の妹尾あいこ、この3人を中心とした要するに「魔法少女もの」です。
テレビシリーズとしては全4作、彼女たちの小学校の卒業式で4年間の放映が終わりました。

始まった当時、私のムスメは4歳。まさにこの作品とともに大きくなったと言っても過言ではありません。
日曜朝の「戦隊・ライダー・女児向けアニメ」はテレビ朝日・東映・バンダイのチームによる「トータル90分のバンダイのプロモーション」ですから、私もかなり散在しました(笑)

しかし本作は当然のことながら、単なる「玩具を売るための番組」ではありません。
基本的に視聴ターゲットは「未就学女児」であるこの枠(どれみの後は「明日のナージャ」を挟んで、今も続く「プリキュア」シリーズですね)ですが、ストーリー、演出含め全てが「深い」のです。

明るく楽しくという日曜朝として必須なカラーは保ちつつ、不登校の問題や両親の離婚など、そこで描かれていたのは「魔法が使えるファンタジックな架空の街」ではなく、紛れもなく「現実社会」でした。

私もムスメと並んで笑い、泣きながら見ていた記憶があります。

どれみをはじめとした魔女見習いたちは、全力で笑い、泣き、悩み、怒り、そして励まし合いながら4年間を駆け抜けていきました。

あ、書いてて泣きそうw



それから17年。

昨年11月から公開が始まった映画が『魔女見習いをさがして』です。
しかしこの映画は、『おジャ魔女どれみ』シリーズの続編ではありません。

主人公は帰国子女で東京の一流商社に勤めるミレ(27歳)、教員志望で発達障害の子どもとの向き合い方に悩むの愛知の大学生ソラ(22歳)、尾道のお好み焼き屋でバイトしながら夢を持つレイカ(20歳)の3人。
彼女たちの共通点は、子どもの頃『おジャ魔女どれみ』が大好きだったということ。

年齢も住まいもまったく違う3人はひょんなきっかけで知り合い、物語が動き始めます。

メインは彼女たちが訪れる、様々な『おジャ魔女どれみ』の舞台となった場所。そう、いわゆる「聖地巡礼」をメインに据えたアニメの「メタ構造」でストーリーは進みます。

どれみファンとしては、「ああ、ここ出てたなあ」と懐かしさを覚えながら彼女たちのドラマに徐々に引き込まれます。
公開中ですからネタバレは控えますが、彼女たちが「アニメというコンテンツから学んだこと」は、間違いなく私のような「大人のどれみファン」、そしてムスメのような「どれみと一緒に大きくなった」人々に刺さります。

ちなみに、ムスメは今26歳。劇中のミレと同じく「リアタイ世代」で、本作は2回観に行ったとのこと。

ムスメ曰く、「初見はずっと泣いていた」そうです。それだけ『おジャ魔女どれみ』の思い出が多かったのでしょう。

もちろん私も何度か泣きました(笑)
特にソラたち3人が「マジカルステージ」を再現するシーンとラストの...
...ネタバレなしのお約束ですから、このへんでやめておきます。

さて、私がそんな『魔女見習いをさがして』で気づいた「今だからこそ大切にしなくてはならないこと」とは何か。

それは「ちゃんと面と向かって言うこと」です。

劇中でミレとレイカがぶつかりレイカは広島に帰ってしまいます。
ミレはソラの部屋でどれみのDVDを一気見し、どれみちゃんに教わります。

ちゃんと「ごめんね」と言わなければならないことに。



「ごめんなさい」「ありがとう」

この短い言葉を、私たちは「ちゃんと面と向かって」言えているでしょうか。

気恥ずかしい。カッコワルイ。プライドが傷つく。

そんな「くだらない」理由で言えていない。
それが私を含めた多くのオトナ達の共通点ではありませんか?

コロナ対応で頑張ってくれている医療従事者の方々に。
おいしい料理を提供してくれる飲食業界の方々に。
笑い、泣けるコンテンツを提供してくれるエンタメ業界の方々に。
親身に相談に乗ってくれる友人たちに。
いつも支えてくれる同僚たちに。
お仕事をくれるクライアントの担当者に。
そして安らぎと笑顔をくれる家族に。

直接、面と向かって言わないといけないのです。

「ありがとう」や「ごめんなさい」を。

これらの「言葉」があるから人と人は支え合い、生きていけるのです。
コロナ禍で、人と人が距離を置かなければいけない中だからこそ、たとえディスプレイ越しであってもそれが大切だと思うのです。

では2021年最初のエントリーは、どれみちゃんのこのセリフを皆さんに贈って〆たいと思います。

「ハッピー!ラッキー! みんなにと~どけ!」

プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパスで専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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