男性の敵はオトコなのだ


ニュースの切り口, 講師の公私

先日、Twitterにてある方がスポーツジムの体験の後、男性につきまとわれてとても怖い思いをした、とツイートされました。
結果としてはお父様に電話して迎えに来てもらい、直接的被害は無かったとのことですが、私もムスメがいるのでヒトゴトではありません。

実際ムスメが大学生のとき、近所のスポーツクラブに入っていたのですが、そこのダンスのクラスで絡んでくる初老の男性が嫌になって退会しました。

こうしたスポーツジムだけでなく、職場や学校、飲食店、そして電車やエレベーターなど、様々な場で、日常的に女性は恐怖を感じている。

その現実を私も含めた男性たちは、今更ながら認識すべきです。

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先の恐怖体験を告白したツイートに対して、別の方が「誰がこの人に「自衛が足りない」とか言えんの?」とツイートしました。

しかし驚くべきことに、「父親の助けを借りて撃退できたってことは、自衛できてるってことじゃん」とかリプする人が。

私は、ここに「男女間の大きな認識の違い」が現れていると感じます。
それをご説明しましょう。

以前から、性被害に遭った女性に対して「扇情的な格好している方も悪い」という意見があります。つまり「オトコが女性を襲うのはそんな気にさせた女性にも非があり、一方的に責めるべきでは無い」というロジックです。

このロジックの根底にあるのは「オトコはそういう生き物なのだから仕方か無い」という世界観です。他の動物と人間を分ける「理性」の存在を否定していると言ってもいいでしょう。
だから「女性の方も自衛すべき」となるわけです。

しかし、そもそも論としてなぜ女性が「自衛」しなければならないのでしょう。
本当に「オトコはそういう生き物なのだから」だけで説明できますか?
それって、「理性の無い生き物」と男性を侮辱していませんか?

これがまずひとつ、私が「男性の敵はオトコ」と考える理由です。



さらに「父親の助けを借りて撃退できたってことは、自衛できてるってことじゃん」という発言には、もうひとつの「間違った世界観」が隠れています。

それは「結局は襲われていないのだから問題ない」という考えです。
もっと言えば、「被害者は存在しない」という大いなる誤解です。

確かにお父様のおかげで最悪の事態は免れました。
しかし、彼女が愚かなオトコの言動によって、とても怖い思いをしたのは事実であり、この時点で立派な被害者です。

殺人は「未遂」であっても犯罪なのはだれでも知っているはずです。

「でも、別に襲う気なんかなく、単に若い女性と話したかっただけかも?」

はい、その可能性は否定できません。と言うか、ほとんどの男性はちゃんと理性と常識があり、たとえば居酒屋で隣の席の女性に話し掛けたからといって、悪気などない場合が多いでしょう。

しかし、いじめと同じように、相手が自分の言動に「襲われるかも」と恐怖を感じた時点で、残念ながらアウトなのです。
私も、エレベーターで女性と乗り合わせたとき、女性の方が先に乗ったのにいつまでたっても行先階のボタンを押さないのに「?」となった直後、「あ、自分は警戒されているんだ」と気づいて少し悲しくなったことがあります。

これが現実であり、「(多くの)女性は男性が怖い」のです。そこに悪気かあるかどうかは関係ないのです。そこをまず男性は認識すべきです。

しかし、若い男性でこう言う人もいました。

「でも、自分もスポーツジムでオバサンに馴れ馴れしくされてウザかったけど、別に恐怖は感じなかったなあ」

これも重要な「性差による体格差」に対して、男女の間で認識が違うことを浮き彫りにする発言です。

男性は「女性が襲ってくるはずない(襲われても撃退できる)」と感じており、逆に女性は「男性に襲われたら勝てない」と感じているのです。

だから「女性は男性が怖い」のです。経験的に。

首都圏の女性で、痴漢された経験がある人は多いです。警察庁の統計では、だいたい年間4,000件前後ですが、これはあくまでも認知件数ですから、実際はこの何倍もの女性が被害を受けています。

では、男性で痴漢に遭った人は? 女性にレイプされた人は?

まあいなくはないでしょう。しかしどう考えても女性より被害者の数は圧倒的に少ないはずです。(ちなみに私は痴漢に遭ったことがあります。(^^;;)

...本当は、悪気のない人まで女性から警戒されるのがオカシイのです。
「自分はそんなことしないのに、なんで疑われたり警戒されなくちゃいけないんだ」
はい、エレベーターで警戒されてしまった私も、本当にそう思います。

要するに痴漢をはたらいたり、しつこく口説いたり、果てはつけ回したりする「一部の、しかし少なくはない数」の不届き者のオトコたちのせいで、私たち善良な男性が迷惑を被っています。

やはり、「男性の敵はオトコ」なのです。

だから、私たち男性がこうした不届き者のオトコたちを根絶やしにしなければなりません。

嫌がる女性をしつこく口説いているのを見かけたら、やめさせなければなりませんし、同僚が痴漢まがいの行為をネタとして語ったら、「本当にキモいからやめろ」とたしなめなくてはなりません。

少なくとも「オトコだから仕方ない」といった甘い顔は絶対に見せてはいけないのです。

それが性被害で泣く女性を減らすことになりますし、私たち男性が女性から「オトコは怖い」と誤解されないための道なのです。


プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパスで専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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