過去も他人も変えられる


3分間ラーニング

「過去と他人は変えられない。しかし、自分と未来は変える事ができる」

これはカナタの医師、エリック・バーンの言葉です。

どんなに後悔しても、起こってしまった過去の出来事、そしてやってしまった過去の自分の行動は無かったことにはできない。タイムマシンが発明されない限り。

また、他人を変えようと思っても無駄だし、そんなことを考えるのは自分の都合だけ考えているからだ。

だから自分を変えること、そして未来を変える、いや、明るい未来をつくることを考えよう。

この「名言」はご存じの方も多いでしょう。そして「確かに」「なるほど」と頷く方も。



...しかし、私はこの名言に反論します。

「他人も過去も変えられるけど?」

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確かに起こってしまったこと、やってしまったことの「事実」は変えられません。

しかし、その事実に対する「認識」や「解釈」は変えられます。

たとえば仕事での失態。

私は、過去に商談におけるプレゼン、それも数10億レベルの商談で、私が中心となってまとめてきた提案の客先へのプレゼンを、寝坊で欠席したことがあります。

言い訳すると、その提案をまとめるために連日午前様で完全な寝不足でした。
提案前夜、製本も終わり「よし、明日は頑張るぞ!」と帰宅して...家に入ると気が抜けたらしく、玄関で寝てしまったようです。

はっと目を覚まし、時計を見ると...

13時(笑)

プレゼンは10時からの予定ですから、既に終わっている時間です。
「夢なら覚めてくれ」とホントに思いました。そして絶望しました。
「自分の社会人としての未来はもうなくなった」と思いました。

電話が鳴っています。当然会社からです。一瞬このままどこかへ行ってしまおうかとすら思いましたが、覚悟を決めて電話を取ります。相手は当日の上司、部長でした。
私が正直に「今起きました...」と告げると、部長は「良かったー!大丈夫か!?」と言いました。みんな私が連日徹夜に近い状態だったのは知っているので、どこかで倒れているかと思っていたようです。

すいません。どこも悪くなく、単に寝不足で寝坊しただけです。
翌日は社内外にお詫びに回ったのは言うまでもありません。なんたる失態。

しかし、私が「やらかした」という事実は変えられませんが、この事実は「失態」であると同時に、私にとっては「健康により気を遣わなければ」という「教訓・学び」ともなりました。
また、私のカラダを心配した客先からお寿司をごちそうになるなど、「いい思いをするきっかけ」にもなりました(笑)
そしてこうして「話のネタにも」。

過去の事実は変えられなくても、その事実をどう解釈するか、認識するか。
それは人によって、そして場面に応じてとても多様です。



これは他人についても同じ。

第一印象が悪いと、私たちは相手、つまり他人を「嫌なヤツ」というレッテルを貼ってしまいます。
しかし、そんな人も家に帰れば優しい父親であったり、仕事を離れた友人達からは慕われている人かもしれません。

私たちはある他人の「一面」しか見ずに、「いい人/嫌なヤツ」「デキる人/ポンコツ」と認識しています。

あたりまえの話ですが、人は様々な「顔」を持っているにも関わらず。



過去(の事実)も、そして他人も、とても多面的です。

モノゴト・人の一面しか見ていないことを、見方が偏っている、つまり「偏見」、バイアスと呼ぶのです。

だから重要なのは、「他の解釈・認識ができないか?」と考えてみること。
そうして多面的に解釈するために、「このモノゴト・人のどこ(何)を自分は見ているのか、別のどこを見るべきか」「このモノゴト・人を誰の立場で見ることができるのか」を考えてみましょう。

そうすることで、きっとそのモノゴト・人の「別の顔」が見えてきます。

そしてその瞬間...

過去と他人は実質的に「変えられた」ことになるのです。

プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパスで専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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