今がその「タイミング」なのか?


3分間ラーニング, ニュースの切り口

大阪桐蔭の優勝で、夏の甲子園が終わりを告げました。
敗れたとは言え、金足農業の吉田投手の豪腕は印象に残りましたし、済美の山口投手や近江の北村選手、そして大阪桐蔭の根尾選手や藤原選手など、高レベルの選手が揃った大会でした。

とはいえタイブレークへの賛否や、そもそも猛暑の中で開催することの是非など、議論も多かった大会と言えます。



さて、今回のテーマは「タイミング」です。

甲子園に限らず、野球では投手交代や代打、またバントやスクイズなど、タイミングが勝敗を分けたシーンを私たちは何度も目にしています。

野球だけでなくサッカー、たとえば先日フランスの優勝で幕を閉じたサッカーワールドカップにしても、やはりタイミングがポイントとなりました。
日本VSベルギー、2点先制した時が守りにスイッチするタイミングではなかったのか。
決勝点を取られたアディショナルタイムは、ベルギーにとっては最後のカウンターのタイミンクであり、それを読んでいなかったから負けたのではないか。

こうした意見は、やはり「タイミング」の重要性を物語っています。


しかし、タイミングが重要なのはビジネスでも同じです。

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経営戦略レベルでは、
・グローバル展開のタイミング
・企業の買収や事業売却、撤退のタイミング
などを誤ってしまうと、企業の存亡にも大きく影響します。

また、マーケティングでは
・新商品をリリースするタイミング
・キャンペーンやイベントを打つタイミング
などがハマれば、大きな売上アップに繋がります。

日常の業務にしても、
・上司に何かを提案するタイミング
・顧客にメールするタイミング
の見極めは、その後の仕事のやりやすさにも関わってきます。

極論を言えば、ビジネスの成功/失敗は、こうした「タイミングの見極め」で決まるのです。



では、どうしたら私たちは「ベストのタイミング」で何かを行ったり、主張したりできるようになるのでしょうか。

これは仕事において、いや人生全てにおいて永遠のテーマかもしれませんね(笑)

もちろんタイミングにおいて唯一の「正解」はありません。
「よし、バッチリのタイミングだった」と思っても、別のタイミングだったらもっと良い結果になったかもしれないからです。

ですから現実的には「ベターなタイミングを見極める」ことを目指すべきでしょう。

しかしここで注意すべきなのは、タイミングを「いや、まだだ」と躊躇してばかりだと、結局は「遅かりし」、つまりタイミングを逃すことになりやすい、ということ。

それこそ「転職のタイミングを逃した...」などと後悔することになります。

それを踏まえて、私なりの「タイミングの見極め方」、もう少し具体的に言うと「今がそのタイミングかどうかの判断を間違わない」方法についてお話ししましょう。

まず、今自分が判断しようとしていることが、自分の「カラダ」「ココロ」「アタマ」に突き動かされているのかを認識しましょう。
そして次に、こう考えましょう。



1. カラダ(身体的状況)が「今だ」と言っている
 
 これは「もう身体的/精神的に限界(疲労困憊)」というケースです。
 これはもう自分のカラダの言う通り、今がその、ひょっとすると最後のタイミングです。堂々と「もう眠くて無理です。帰ります」とか「そろそろ鬱になりそうですから辞めます」と言いましょう。やっぱりカラダは正直です。



2. ココロ(感情)が「今だ」と言っている

 相手からのメールにカチンと来たので速攻で反論のメールを書いたり、他社の成功に焦りを感じて「我が社も今やらねば!」と思ったり、といったケースです。
 こうしたとき、タイミング的には「今じゃない」場合がほとんどです。こうした「マイナスの感情」にまかせてやった言動は、大概良い結果を生みません。相手との関係性を悪化させたり、事業の失敗にも繋がります。まずは一度深呼吸して、気持ちを落ち着かせましょう。

 しかし、こうした「マイナスの感情」だけでなく、私たちは「プラスの感情」に突き動かされる場合もあります。

 たとえば部下からの新しいアイデアに「面白い!」と感じたり、新規事業の企画そのものを「楽しい!」と感じているような場合です。
 私は、こうしたプラスの感情は大切にしたいと思います。そこでいったん冷静になるのももちろん大事ですが、「ノリ」や「ワクワク感」は多少のリスクはあっても大きなリターンが期待できる場合が多いからです。
時には「ええい、いってしまえ!」が良いタイミングかもしれません。



3. アタマ(理性)が「今だ」と言っている
 
 問題はこれです。理性、つまり冷静に考えるのは「失敗しない」ための基本なのですが、冷静に考えて測ったタイミングが成功するとは限らないからです。
 「ちゃんと考えた」と言っても、私たちは自らの常識と経験で判断しがちです。そうすると、その常識や経験が「通用しない」ケースでは、誤った判断になりやすいのです。

 だからまずは、「今だ」と考えたときの自分の判断基準は何だったのか、これを考えてみましょう。そうすると、自分の使ったモノサシ、そしてそのベースとなる常識や経験が浮かび上がってきます。
 「今が新商品発売のタイミングだと思ったが、こうして考えてみると競合も以前とは違うし、技術の進歩も激しいし...」などと考えてみるのです。
 それによって、「いや、もう少し他社の出方を見てみよう」となるかもしれません。



今回は「タイミング」について考えてみましたが、考えれば考えるほど奥深いテーマですので、機会があればまたここで披露してみたいと思います。







ところで、本エントリーを書く途中で「タイミングの見極め方」を検索しました。
そうしたら、検索上に来たのは...

「離婚のタイミング」「株の売買のタイミング」「転職のタイミング」などがズラリと並びました(笑)
ああやっぱり、こうしたタイミングにみんな悩んでいるんだなあ、と思いました。


プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパスで専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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