先を読み、即決する


3分間ラーニング, 講師の公私

まず、今回の西日本大水害でお亡くなりになった方々に哀悼の意を表したいと思います。
そして、避難生活や復旧活動を歯を食いしばって頑張られている方々、負けないでください。
私も、寄付などを通して微力ながらお力になれればと思います。

さて、今回の水害。
私も巻き込まれた一人でした。

もちろん地元の方々などとは比べることのできない、ほんの小さな苦しみではありましたが、それでも今までにはない経験でした。

今回は、私のその経験を踏まえ、「即決すること」の重要性についてお話ししてみようと思います。

sokketsu2.png





本格的な豪雨となった先週の金曜日(7月8日)。私はまさに広島に向かいました。
4年目を迎えた「広島イノベーションリーダー養成塾」における、私の初登壇が翌日に控えていたからです。

雨による遅延や運休を心配し、定刻より1時間ほど早めに東京駅に着くと、私の乗る予定だった新幹線が運休となっていました。
これから指定券の変更をしようにも、みどりの窓口は長蛇の列。そこで出発寸前の新幹線に飛び乗り、空いていた指定席にひとまず座りました。

ほどなくして車掌さんに経緯を話すと、その席は空いているからそのまま使って良いとのこと。
これがひとつ目の「ラッキー」でした。

ダイヤが大幅に乱れており、新幹線は徐行と停車を繰り返しながらも進みましたが、新大阪止まりに変更するとの車内アナウンスが。
時間はうろ覚えですが、16時過ぎに新大阪で降り、しばらくすると広島行きが発車するとのことで、朝のラッシュ以上の新幹線になんとか乗り込むことができました。これがふたつ目の「ラッキー」。

声を掛け合って車内の通路まで進み、のろのろと車内でMCCのスタッフと携帯のSMSで連絡を取り合っていましたが、途中の姫路で下車する方が何人もいて、私も座ることができました。本日3つめの「ラッキー」です。
岡山でも相当数の方が下車したため、結局私のいた車両はほとんどの人が座ることができました。

ようやく広島も近づいてきました。これでなんとか20時過ぎにはホテルに入れると思っていたら、ひとつ前の駅で停車。ニュースでも取り上げられていた東広島です。窓の外は水中かと思うほどで、結局そこで2時間待ち。その間に明日の広島の仕事は中止、という連絡が入りました。

車内で夜を明かすことも覚悟していたら、ようやく動き出しました。広島駅に着いたのは22時半、つごう11時間新幹線に乗っていたことになります。
タクシー待ちの長蛇の列を見て徒歩でホテルに。30分ほど雨の中を歩き、近くのコンビニで遅い夕食を買って一泊しました。

翌日、仕事はキャンセルとなりましたが、東京へも帰れません。新幹線、高速道路はストップしたままですし、飛行機も無理。15時過ぎから新大阪行きが再開する「かも」という情報で、一応駅に向かいます。
しかし、駅の状況を見て諦めました。外国人観光客も含め、駅に止まった人たちで溢れていたからです。

ホテルに電話してもう一泊の部屋を予約し、駅では本日分の特急券・指定券に事故証明をもらいました。

そしてもう一泊した翌日の日曜日。
私はこの日、翌日月曜日の仕事で静岡に行かなければなりませんので、なんとしてでも昼には自宅に戻りたい。(着替えないとさすがにキツい...)
よって緑の窓口が開く5時半前に駅に着くために4時に起きました。起きたときに運行情報を確認すると、通常運転に戻っています。

無事、始発の新幹線に乗ることができ、静岡の仕事にも問題は出ませんでした。これが今回4つめの「ラッキー」でした。



さて、長々と語ってきましたが、私は単に「ラッキー」だったとは考えていません。

結果論だけ見れば、金曜日に広島に向かう必要はありませんでしたし、新大阪から東京に戻ってもよかったでしょう。

しかし新大阪の時点では土曜日の仕事は中止になっていませんでしたから、責任という視点も加えると、私の今回の行程はベターな選択だったと思います。

自分の行動を振り選った上で、何が良かったかを考えると、それはやはり「即決したこと」です。

ひとつめのラッキーは、予定していた便の運休を受けて「どうしよう...」と悩まずに、早い便に飛び乗ったこと。
2つ目は激混みで一瞬躊躇しながらも新大阪発の新幹線に乗り込んだことですし、3つめ「座れた」も、混んだ車内ですぐに「奥に詰めましょう」と促し、率先して通路に進んだことで、「ラッキー」を享受することができました。
4つめにしても、土曜に帰るのを早々に諦め、ホテルを取って翌日早起きして駅に向かったのが良かったのです。

それぞれの判断のタイミングで迷っていたら、悩んでいたらどうなっていたか...
それを考えるとゾっとします。

では、なぜ私が即決できたか。
ポイントは2つあります。

まず、先を読んだこと。
これからの雨の状況や新幹線の復旧スピード、そして他の広島から移動したい人々の行動。
これらを読んで複数の選択肢を挙げ、その中から「選択した」わけです。

2つ目のポイントは、「悩まなかった」こと。
「どうしよう...」や「どれにしよう...」と私たちはしばしば「悩み」ます。

しかし私はそんな時、「悩むメリットはあるか」と考えるようにしています。
そうすると、ほとんどの場合「悩むメリットなどない」ことに気づきます。

であれば、後は自分の読みと判断を信じるしかありません。

これは今回のような不測の事態だけで無く、仕事でも応用できるはずです。

先を読むこと、そして悩むメリットなど無いことを確認すること。
そして「即決」する。

何かのご参考になれば幸いです。

プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパスで専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

2018年9月

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

月別 アーカイブ

著書

Twitter