新たな「じゃんけん」を開発してみよう

ちょっと前、Twitterで話題になっていた、早稲田大学の入学試験における小論文をご存じでしょうか。

『「グー」「チョキ」「パー」に、新たに「キュー」を加えたゲームを考えよ。その際、ゲームの目的・ルールとともに、魅力・難点も含め600字~100字で説明せよ』

いかがでしょう。
なかなか面白い入試問題ですね。

また面白いだけでなく、論理的思考力とともに、説明能力も問われる良問だと思います。
よって本日は、この問題を思考トレーニングとして考えてみましょう。

まずはあなた自身で考えてみてから「続きを読む」をクリックしてください。

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では、私なりの回答を。

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<目的>
 4人以上のじゃんけんで「あいこ」を減らし、勝負の効率化をはかる。

<ルール>
 「キュー」は人差し指1本を出すものとする。
 「キュー」が一人いた場合は、無条件で「キュー」以外の最も少ない手(たとえば「チョキ」ひとり)が負けとなる。複数の手が少なかった場合は、その中で通常のルールで敗者が決まるものとする。(たとえば「チョキ」と「パー」がひとりづつなら「パー」の負け)
 「キュー」が複数いた場合は、無条件で「キュー」の負けとする。
 「キュー」がひとりもいない場合は通常のじゃんけんとなる。

<魅力と難点>
 人数が多いじゃんけんでは、「あいこ」が多くなり勝負を決めるのに時間がかかりがちである。この方式では、「キュー」がひとりもいない場合と、「キュー」以外の最も少ない手が「グー」「チョキ」「パー」全て揃ったとき以外は一発で決着がつくため、勝負の効率化が実現する。
 また、「キュー」というハイリスク・ハイリターンのジョーカーが加わることにより、偶然性以外の戦略性が加味され、勝負の面白さがアップする。
 反面、経験が少ない間は一瞬で勝ち負けが判断しにくいというデメリットがある。
 また、本ルールでは「敗者を決める」ことを重視しているため、複数人からひとりの勝者を決めるという場面では、却って時間がかかるリスクがある。よってそのような場合は、「キュー」以外の最も少ない手を勝者とする、といったルール変更を行う必要があるのも難点と言えるだろう。
 
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いかがでしょうか。
他にも様々な「キュー」を加えた「新たなじゃんけん」があるはずです。
あなたはどのような「新たなじゃんけん」を開発しましたか?

ちなみにフランスのじゃんけんは、実はこの問題と同様に手が4つあるバージョンが存在するそうです。

グー/チョキ/パーは表現こそ違え日本と同じですが、もうひとつ「ピュイ」(井戸)があります。
この井戸、実はパーには負けます(パーは葉っぱを表し、葉っぱは井戸をふさぐから)が、チョキとグーには勝つ、というなかなか変わったルール。
つまりパーとピュイは2/3の確率で勝てますが、グーとチョキは1/3しか勝つ確率が無いのです。
そうしたら誰もがピュイかパー、特にピュイに勝てるパーを選択しそうなものですよね。

しかし意外とそうならないそうです。なぜならば相手がパーを出す確率が高いことを想定し、チョキでいく、という戦略もアリだからです。

そう考えると単純ではありながら、じゃんけんも奥が深いなあ、と思います。

さて、今回のネタ。これは冒頭で述べたように「思考トレーニング」としても秀逸ですが、もうひとつ考えてほしいことがあります。

それは、「ゲームに参加するよりゲームのルールを作った者が一番得をする」ということです。

たとえばパソコンではWindowsを開発したマイクロソフト、スマホではAndroiを生み出したgoogleがまさにこの「ゲームのルール」を作った「勝ち組」となりました。

それが今、多くの企業が「ブラットフォーム・ビジネス」の創造に躍起になっている理由です。

あなたの会社は、「ルールを作る」側ですか?
それとも、「誰かが作ったルールの上で戦うプレイヤー」ですか?


プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパス で専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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