AIを見ならって「直感」を磨く


3分間ラーニング, ニュースの切り口

お店で「どれを買おうか」と考える。
仕事で、「どれから手をつけるか」を考える。

こうした様々な「判断する」場面において、私たちはしばしば深く考えずに「直感」に頼ります。

「深く考えた判断」と「直観的な判断」の違いは何か。
それは単に「判断時間の長さ」だけでなく、「ロジックを意識して」判断するかしないかの違い、つまり判断プロセスの違いがあります。

「コストとこの冬のトレンドから考えると...」とか「重要度と緊急度で考えると...」というのがロジックを意識した「深く考えた判断」であり、そうしたプロセスを踏まずに「ん、こっちだな」と即決するが「直感的な判断」です。

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一般的には「直感に頼った判断は危険」と言われます。

即決を求められる場面は多いですが、だからといってそれが「拙速」では意味が無い。
ほんの10秒でもいいので、ロジカルに考え、判断することで拙速を減らす。

これはとても大事なことです。

しかし一方で、「下手な考え休むに似たり」という言葉もあれば、勝負事などでは「結局は直感が正しいことが多い」などとも言われます。

さて、ここで考えてほしいのですが、そもそも「直感」とは何でしょうか。
単に「速い」だけでなく、またロジックを意識していないとは言え、私たちはどうやって「直観的な判断」を行っているのでしょう。

はい、これはちょっと考えればわかりますね。

ある判断を「今までの経験と知識」に瞬時に照らし合わせて行うこと。
これが「直感」の正体です。

だから直感に頼った判断が危険なのは、「経験と知識が足りない」か「経験と知識が今や通用しない」場面においてなのです。

ここからひとつの真実が見えてきます。

「直感を磨けば、拙速を減らすことは可能」ということです。

直感の精度を高めれば、悩む時間を減らし、常に(というのは少しおおげさですが)即決し、即決の成功確率を高めることは可能なのです。

では、どうやって直感の精度を高めるか。

その参考になるのが「AI」です。



ご存知の通り、様々な分野でAIが活用されるようになったのは、機械学習という技術が発達したことが要因です。
この40年ほど、何度か「AIブーム」はありましたが、機械学習が確立されるまでは、いつも一過性のブームで終わってきました。

「ビッグデータ」とも言われる膨大な情報をコンピュータに学習させることで、コンピューター自らが情報の共通点やパターン、傾向を読み取り、私たちからの問いかけに対して「これがいい」とか「これは○○」と回答を返してくれます。

そこで「そこにはどんなロジックが?」と聞いても、AIは答えてはくれません。
ロジックは無くはないのですが、意識していないのです。

たとえば膨大なレントゲン写真を読ませたAIが、熟練の医師でも見つけられなかった病変を見つけたことがあります。
でも「どうして見つけられたか」は、AI自身も、またAIの開発者もわかりません。

そう、AIとはまさに「人間の直感」をコンピュータ上で再現したものなのです。

たとえば、私たちは犬と猫を外見で見分けることができますが、「これがなぜ犬だとわかった?」と聞かれても、「どう見ても犬でしょ」と答えるのと同じです。

ヒトもAIも、ロジックはあるがそれを意識せずに判断する「直感」というスキルを有してと言えるわけですね。



ということは...
ようやくここで本日のタイトル(笑)

そう、即決の成功確率を上げるために直感の精度を上げようと思ったら、その策は「ビッグデータを自身にインプットする」しかない。

つまり「経験と知識を増やす」しかないのです。

ただ、経験と知識が古ければ、それはデータとして意味が無いばかりか直感を鈍らせることにもなり兼ねませんから、「新たな経験と知識」であることが重要です。(もちろん今でも、そして今後も通用する普遍的な経験と知識もたくさんありますが)

とはいえ、私たちはコンピュータと比較すると、圧倒的に学習速度は低いです。

だからまずは「何の分野の直感を磨くかを決める」ことが肝要です。
そして次に「その分野の経験と知識を蓄積する」ことに努めましょう。

本やネットで、最新の情報をインプットしましょう。
仕事の直感を磨くのであれば、自身の業界だけでなく、他業界の事例を数多くインプットしましょう。その方が新たな発見は多いですから。

そして経験を積みましょう。
失敗を恐れず試行錯誤しましょう。

...というのは理想ですが、経験が重要だからといって失敗を繰り返すのも愚かです。

だから実行に移さなくていいので、「直感的に判断」しましょう。

たとえば、インプットした情報から直感的に「この商品はヒットする」とか「あの会社は次はこういうことを始める」と答を出すのです。
これだったら当たろうが外れようが、あなたの仕事に何の悪影響も無いはず。

そして後で「当たった/外れた」を確認すれば、それが「バーチャルに経験を増やした」ことになります。

さあ、あなたもAIを見ならって、直感を磨きませんか?

プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパス で専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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