デジタルトランスフォーメーションの必然性


3分間ラーニング

「デジタルトランスフォーメーション」

IoT、AI時代のビジネス環境に適応していくためのキーワードとして、とても重要な概念です。

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デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation)とは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である。2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱したとされる。デジタル化の第1フェーズはIT利用による業務プロセスの強化、第2フェーズはITによる業務の置き換え、そして第3フェーズは業務がITへ、ITが業務へとシームレスに変換される状態である。
 <以上Wikipediaより>
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さて、まさにBUZZワードしているこの「デジタルトランスフォーメーション」。
ネットなどで見ると、SNSのプロモーション活用や顧客データの活用等CRMの視点で語られることも多いですが、個人的にはもっと広い概念だと考えています。

先日、IT Pro Expo 2017においていくつかのセミナーに参加してきましたが、NTT-Data主催セミナーにおいて、なかなか示唆に富んだ話を聞くことができましたので、それを今回は紹介してみたいと思います。

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さて、デジタルトランスフォーメーションの定義である「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」とは、既に以前から起こっていることです。

パソコンによって私たちの「仕事のやり方」は劇的に変わりましたし、スマートフォンによって私たちの「生活の仕方」も大きく変わりました。

それは今後も続く。特にIoTとそれを通じて得られるビックデータをベースにしたAI、そしてAIやGPSシステムが組み込まれた自律するロボットによって。

それが「現代のデジタルトランフォーメーション」と言えるでしょう。

たとえばNTT-docomoが発表した「自家用車のシェアリングサービス」や、セコムの「ドローン警備」などは、このデジタルトランスフォーメーションの1例と言えます。

私が参加したセミナーの講演者は、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」を、「デジタルとリアルが融合する」と表現していました。
ではなぜ、今デジタルトランスフォーメーションなのか、なぜ、デジタルとリアルが融合する必要があるのか。

そこには「需要サイドと供給サイド、大きく二つの視点がある」と彼は説明していました。

需要サイドから見た必然性はさらに二つに分けられます。

まず、消費者の指向が「モノ消費」から「コト消費」に移っている点。
これはスターバックスが「コーヒーを飲む場」でなく、「快適に仕事/会話をする場」「オシャレに気分を味わう場」として成功した例を見ても明らかです。自動車のCMで「モノより思い出」がキャッチフレーズになっていたのも、この傾向を示しています。

そして二つ目の必然性ですか、それはどんなにデジタルが社会に浸透しても、私たちが生きて、そして暮らしていく以上、食べる・寝る・歩くのような「リアル」は絶対になくならないからです。

次に供給サイドから見た必然性ですが、これも二つ。

まず当然のことながら、デジタルの技術がリアルなプロダクトに搭載されているという事実。
自動運転の自動車や、センサー内蔵のエアコンなど、私たちの身の回りには、こうした「デジタルベースのリアルプロダクト」はたくさんあります。

そしてもうひとつ。リアル、つまり現実世界には、デジタルとのタッチポイントが数多くあるからです。それは家・オフィス・店舗、そして駅や病院など、デジタルの供給者サイドから見れば、これらはとても重要な顧客とのタッチポイントなのです。



これらの必然性により、現実に様々なデジタルとリアルの融合が起きています。

たとえばAmazonが実験を行っている、レジすらない無人コンビニ「Amazon Go」。
入り口でスマホをかざして本人認証し、店内ではカメラとセンサーの情報からAIが何を買ったかを判断し、出口を出たところでAmazonのアカウントにチャージする。

これは「デジタルによってリアルをもっと便利にする」デジタルトランスフォーメーションです。

また、docomoがお手本にしたのは明らかなUberの「クルマ所有者・クルマを持たないドライバー・タクシーを安く利用したい人」をAIとGPSによって繋いでその3者に価値を提供するサービスなら、「デジタルによってリアルとリアルとマッチングさせる」デジタルトランスフォーメーションと言えます。

こうして事例も見ていくと、既に様々なデジタルトランスフォーメーションのビジネスモデルが生まれていることがわかります。
個人的には、他にどのようなビジネスモデルが考えられるか、それが気になりますので、一度整理してみたいと思います。

さて、あなたの会社ではどのようなデジタルトランスフォーメーションへの取り組みを行っていますか?

ここまで技術が進み、様々な応用例が出てくると、もはやデジタルトランスフォーメーションに対応していない企業は生き残れない、とまで言われています。

デジタルトランスフォーメーションに対応するということは、ある意味、全ての業種がIT企業になるということを意味します。

そしてそれは農業や漁業のような第一次産業も例外ではありません。

生き残りのため、そしてさらなる成長と拡大のため、残された時間はあまりありません。
デジタルの波に飲まれ、産業構造が破壊される、いわゆるデジタル・ディスラプションは目の前に来ているのです。

プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパス で専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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