未来への妄想力


3分間ラーニング

最近、「妄想する力って重要」だと考えています。

ただ、ここで言う『妄想』とは、『とんでもない仮説』くらいの意味です。

私たちは、どうしても『無難な解』を求めてしまいます。特に現代社会は混沌としていますから、こうした安全運転の思考になってしまうのも仕方ないのかもしれません。

しかし、私たちはもっと妄想すべきだと思うのです。

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先ほど「妄想とは、とんでもない仮説のこと」と言いましたが、仮説を立てることは仕事であれ 生活であれ、我々には欠かすことのできない思考活動のひとつです。

たとえば問題解決において重要な原因分析とは、「原因はこれかも?」という仮説をいくつも立てることであり、市場動向の予測とは、「これからこうなるのでは?」と仮説を立てることです。

こうした仮説をいくつも立て、それを検証・評価せずに「原因はこれに決まっている!」とか「今後はこうなるに違いない!」と経験則から来る直感だけで決めつけるから、我々は痛い目を見るわけです。

このように、仮説とは「ああじゃなかろうか? こうじゃなかろうか?」という『仮』の答を意味し、それを数多く考えることで、その中から正解(というか『適切な答』)を見つけ出すために立てるものと言えるでしょう。

さて、この仮説、時間軸で考えると、『過去の仮説』と『未来の仮説』に分類できます。(ちなみに「今こうなっているのでは?」という現在の仮説は、ここでは既に起こっていることとして過去の仮説に含めて考えます)

『過去の仮説』とは、ある情報を基にその背景を考えて出てくる答、つまり原因や理由。
『未来の仮説』とは、ある情報を基に今後を予測して出てくる答、つまり結果や影響です。

しかしもうひとつ、これらに加え、過去と未来を足したところから「とするとこういうことをやるべきではないだろうか?」とか、「とするとやり方をこう変えた方が良いのではないだろうか?」ということも私たちは考えます。

これを『創造の仮説』と呼びたいと思います。

以前も述べましたが、私はニュースやコマーシャルなど、様々な情報に触れる際には、これらの仮説を考える習慣をつけることが大切だと考えています。

情報にただ感心したり怒ったりするだけでは意味がありません。
また、情報を記憶するだけでも、単にそれは知識が増えるだけ。

重要なのは、情報を「活かす」ことだからです。

そう、創造の仮説まで立てて初めて、「情報を活かした」ことになるのです。



ただ、ここまで出来ていたとしても、その『創造の仮説』が、「だれでも思いつきそうな無難な仮説」でしかなかったら、それが何かに役立ったとしても、やはり「そこそこの成果」にとどまってしまいます。

大きな変化、斬新な企画などには結びつきにくいわけですね。

だからここで『妄想』が必要になります。

とは言え、過去の仮説、つまり原因や理由を妄想しすぎると、所謂「勘ぐりすぎ」になってしまいます。
だから私は未来の仮説において、もっと妄想を膨らませるべきと思うのです。
それもポジティブに妄想を。

「ひょっとすると、この傾向が続けばこんな未来が実現するのでは?」
「もしかしたら、こんな思いもよらない商品が出てくるかも?」

皆さんも宝くじを買ったらたぶん何らかの妄想を膨らませるでしょう(笑)
あれと同じ事を、様々な情報に触れる際にやればいいのです。

そう、未来への妄想とは、「夢を見る」ことなのです。

確かに今は夢を見ること、そしてそれを語ることがはばかられる時代かもしれません。
夢見ていた21世紀と、今を比較すると落胆することも多い。
右肩下がりの経済しか知らない若者達は、もはや「夢なんか見ても仕方ない」とすら思っています。

「そこそこで良い」

この空気を変えなければ、日本経済、いや世界全体の未来は暗くなるばかりです。



もっと妄想しましょう。

他人の妄想を「馬鹿げてる」と一蹴するのではなく、それにあえて乗りましょう。

一緒に夢を語りましょう。



しかし、単に夢を見るだけでは意味がありません。

そう、その後には『創造の仮説』、つまり「じゃあこうやったらそれが実現できるのでは?」を考えましょう。

もちろん妄想の産物ですから、それをあなたひとりでやるのは不可能です。

であれば、誰か一緒に妄想につきあってくれる人を探せば良いのです。
企業やお役所、政治家に対して声を上げることもできるはずです。

「どうせ無理」と思っていたら何も実現しません。
どうせ妄想。ダメモトではないのですか?



さて、あなたはどんな妄想を膨らませますか?

その妄想が面白く、そして意義あるものならば、ひょっとすると私が乗るかもしれませんよ?

プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパスで専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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