『感情のイキモノ』を動かす


3分間ラーニング

2012年ももうすぐ終わり、新しい年が始まります。
本当に1年経つのは「速い」ですね。

さて、師走に行われた衆議院の解散総選挙。
ご存じの通り自民が大勝し、安倍内閣が昨日発足しました。
内閣発足前から「日本経済再生が最優先」との方針が明らかにされ、日銀も動いてついにインフレ・ターゲット策が発動することになりました。

それを受け、為替は円安方向に動き、株価も上昇しています。
安倍内閣の景気対策がまだ始まっていなくても、金融市場が『期待感』で動いたわけです。

「マーケットなんてそんなもの」

その通り。
経済合理性というロジック、つまり理屈「だけ」では経済は動かないのです。
経済は『ヒトの営み』であり、そのヒトが『感情のイキモノ』である以上、それは当然のこと。

だからヒトを「動かそう」と思ったら、「感情に訴える」ことが重要なのは誰しも知っています。



「ヒトを動かす」

私たちが周囲に向けて行う活動は、すべてそのためと言っても過言ではありません。
仕事で誰かを説得する場面、部下や子供に対する指示や指導、みんなそうです。

あなたも誰かから説得や指示・指導を受けたことがあるはずです。

もちろんそれに対して納得して動いたこともあれば、納得できずに動かなかったこと、納得できないけれど動いたこと、結果は様々でしょう。

では、納得できなかった時のことを思い出してください。あなたはなぜ納得しなかったのでしょうか。

「なんか筋が違うんじゃないか?」
「いやあ、それは無理でしょ(笑)」
「そんなことやっても全然効果ないと思うけどなあ」
「力になってやりたいけど、何を自分にやって欲しいのかがイマイチわからない・・・」

これらは、「アタマで納得していない」状態です。
それに対して、

「どうも気乗りしないなあ」
「おっしゃる通り。でもアンタからは言われたくない」
「そうだろうけど、言い方が気にくわない」
「さほど緊迫感もなさそうだし、後回しで良いか」

などが「ココロで納得していない」状態。

これらから、私たちは「アタマとココロの両方で納得」して、本当に「やろう!」、つまり動く気になるということがわかります。

「アタマで納得させる」ために重要なのは「なぜならば」という論拠ですから、ここで必要なのは論理、ロジック、理屈です。

「なぜならばこうであり、それはこれこれの事実が物語っている」
「なぜならば○○の側面と△△の側面で評価すると、様々な選択肢の中ではこれが最適ということがわかる」

こうして『理詰め』で説得されると、「なるほど、確かにそうだ」とアタマで納得できるわけで、やはり理屈、ロジックは説得の必要条件と言えるでしょう。

しかしアタマで納得した「だけ」でもダメなのは前述の通り。
やはりココロでも納得させる、つまり「共感してもらう」ことも目指したい。

そのために気をつけることやコツは山ほどあります。

表情や口調など『話し方や見せ方』に関することから、言葉の選び方や伝える順番など『組み立て方』に関するコツやテクニックなど、それだけで何冊も本が書けるほどに。

対人心理学などは、まさにそれを研究する学問ですし。

ですからここではひとつだけ、皆さんに「ヒトをココロで納得させ動いてもらう」ためのコツをお話ししたいと思います。

あ、「もっと色々知りたい」という方は、是非私の講座『ビジネスプロフェッショナルの説明力』にご参加ください。(宣伝かよ!(笑))



さて、私がお伝えしたいことはいたってシンプル。

「説得したい相手と場面に応じて、『プラスの感情を刺激する』か『マイナスの感情を刺激する』かを使い分けよう」

これだけです。

『プラスの感情を刺激する』とは、具体的に言えば「○○をやると、こんなメリットがありますよ」と伝えることであり、『マイナスの感情を刺激する』とは、「○○をやらないと、こんなデメリットがありますよ」と伝えることです。

両方とも、「相手に○○をさせたい」という目的は同じ。伝え方が違うだけです。
つまり『プラスの感情を刺激する』やり方では「相手の期待感やワクワク感」を煽り、『マイナスの感情を刺激する』やり方では「相手の危機感や焦燥感」を煽っているわけです。

「インフレターゲットをやると日本経済はこう上向く」と言うか、「インフレターゲットをやらないと日本経済はこんなに酷くなる」と言うのと、どちらを選ぶかということですね。

また、「良い子にしてると○○を買ってあげるよ」と「良い子にしてないと○○を買ってあげないよ」も同じです。

上昇志向が強かったり、また変化や挑戦を怖れないタイプは『プラスの感情を刺激される』方が「やろう!」という気になりやすいですし、逆に現状維持志向が強かったり変化や挑戦を面倒くさいと思ってしまうようなタイプは、『マイナスの感情を刺激される』方が「これはさすがにやらないとまずい」となりやすいはずです。

ですからチャレンジ精神旺盛な部下に、「○○をやらないと、いつか××になってしまうぞ」と言うと反対にモチベーションを削いでしまうことになりかねません。
また反対に、目の前のことをコツコツやるタイプの部下に「○○をやると、将来はこんな△△になれるぞ」と言っても、やる気には全く繋がらなかったりします。

単に「刺激すべき感情を間違わない」だけで、ココロで納得する度合いは違ってくるのです。

そしてそのためにも日頃から周囲の人達に対して「プラスとマイナス、どちらの感情を刺激する方が効果的か」という観点で接すると良いでしょう。




今年のエントリーは今回がラストです。

2013年も様々な『ビジネススキルを磨くヒント』や『今後のビジネスに役立つ情報』をこのブログで発信していきたいと思っています。

【+】ぜひ今後も読んで活用してください!
【-】これからも読まないと損しますよ!
 ↑
※どちらの方がお好みですか?(笑)



では、良い年をお迎えください!


プロフィール

桑畑 幸博

慶應丸の内シティキャンパスシニアコンサルタント。
大手ITベンダーにてシステムインテグレーションやグループウェアコンサルティング等に携わる。社内プロジェクトでコラボレーション支援の研究を行い、論旨・論点・論脈を図解しながら会議を行う手法「コラジェクタ®」を開発。現在は慶應丸の内シティキャンパスで専任講師を務める。また、ビジネス誌の図解特集におけるコメンテイターや外部セミナーでの講師、シンポジウムにおけるファシリテーター等の活動も積極的に行っている。コンピューター利用教育協議会(CIEC)、日本ファシリテーション協会(FAJ)会員。

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