2011年11月11日 3分間ラーニング

学びの消化不良

本日は2011年11月11日。
東日本大震災から8ヶ月目ですが、それ以外でもちょっとイベントのような日でもあります。

そう、本日11時11分11秒は、「201111111111」と1が10個も並ぶのです。
twitterなどのネットでは、その瞬間多くの方が一斉に「201111111111」とタイプしました。

私もやろうと思っていたのですが、仕事をしていたらその時を逃してしまいました(笑)

閑話休題。

本日のメインテーマはこの件ではありませんでした(笑)

はい、タイトルの『消化不良』についてです。




講座や研修のアンケートで、「演習にもう少し時間がほしかった」というご意見をいただくことがあります。
講師として反省すべき点です。
ただ、演習の時間は長ければいいというものでもなく、長すぎると間延びしたり、時には「長すぎる」という真逆のご意見をいただいたりします。

さて、ではなぜ演習の時間が短くなってしまうかというと、(進め方の問題などもありますが)その大きな要因は「コンテンツの詰め込みすぎ」です。

講師はサービス業ですから、どうしても「あれも伝えたいこれも伝えたい」になりがちです。

時には話の流れ(悪い言い方をすれば「ついで」)で、予定していなかったコンテンツも話してしまいます。
特に受講生の反応が良い時はなおさらで、ステージ上のミュージシャンのようにお客さん(受講生)に乗せられてしまうのですね(笑)

しかしこれはあまり褒められた話ではありません。

また、研修の事務局、企画サイドの方もこの「詰め込み傾向」はあります。
やはり「自社の社員のレベルを上げたい。それも限られた予算の中で」となれば、どうしても「あれも学んでほしい。これも学ばせたい」になってしまうわけです。

こうして研修のコンテンツは膨れあがり、演習も含めて分単位の計画を立て、少し押し気味になれば駆け足にならざるをえない部分も出てきます。

これがいけません。

その悪影響は単に「演習の時間が短くなる」だけにとどまりません。
もっと問題な『消化不良』を引き起こしてしまうのです。

これが何らかの情報提供、つまり講義オンリーの研修であればまだいいのですが、私の専門のビジネススキルでは、結局本来の目的が達成できないことに繋がってしまいます。

講義オンリーの研修にしても、あまりにコンテンツの量が多いと「全部憶えられない」ので記憶があやふやになってしまったり、「結局一番言いたかったことは?」とポイントが伝わらないことにもなってしまいます。

ちょっと脱線しますが、この「憶えきれずに記憶があやふや」と「重要なポイントが不明確」は、講座や研修だけでなく、読書にも当てはまります。

しばしば「私はビジネス書を年間300冊読みます」という方がいますが、その内どのくらいがその方の血肉になっているのだろう、と老婆心ながら考えてしまいます。
まあ、多読そのものが目的で趣味ならば、私の心配は単なるお節介なのですが(笑)



話を戻しましょう。

私の専門のビジネススキルは、単に「講義を聴いたらそのスキルが身につく」ということはあり得ません。

スキルとは技能ですし、「身につける」という言葉の通り、頭で憶えるというより体で憶えるものです。
そう、スポーツや芸術、職人の世界と同じです。

そしてこのスキルというものは、練習を通してしか身につきません。
自分の頭と手を使って「何度も繰り返しやってみる」ことが結局の所スキル体得の早道なのです。

たとえばロジックツリーひとつ取っても、一度練習問題に取り組んだくらいでは使いこなせるようにはならないのです。

スキル体得のキーワードは「反復練習」と言っても良いでしょう。

はい。コンテンツの詰め込みすぎると、この反復練習がおろそかになってしまうのですね。

ですから私は特に昨年から「コンテンツを絞り込む」ことを重視しています。
某社のマネジャー研修では、2日間かけてひとつの方法論だけを『1.身近なネタ』『2.慶應ビジネススクールのケース』『3.自社と自分』という3段階で、繰り返し、文字通り飽きるほど演習に取り組んでいただきました。

その結果、最後の自社テーマの演習では事務局や本日達も驚くような高いレベルのアウトプットを出すことができたのです。

これが反復練習の効果です。

このブログの性格上、人事系の方も多くご覧になっているでしょう。
ですからお願いです。

私も自分自身で注意しますので、ぜひ研修事務局の方も「コンテンツが多すぎないか?」と一度は講師に、そして自分自身に問うていただきたいのです。

特にスキル系の研修では、「何回反復練習できるか?」も。



どんなに栄養豊富な食事も、食べ過ぎれば消化不良を起こし、最悪何も栄養素が体に吸収されず無駄になってしまいます。

「コストかけてるからモトをとらねば」という発想でコンテンツを詰め込むのでなく、「今回はこれだけはしっかり学ばせたい」という発想でお互い協力し合いましょう。

重要なのは講座や研修を「やること」でもなければ、「コストに見合ったコンテンツの量」でもなく、「これで何人のスキルが上がり、仕事で高い成果を上げられるようになったか」のはずですから。

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